ビジュアルアーツの代表取締役社長の馬場隆博氏は、同社が株式譲渡を行いテンセント・ホールディングスの傘下の子会社となると発表した。
株式譲渡のご案内【VISUAL ARTS BLOG】ビジュアルアーツはなんと、社長交代します!あーんどM&AAA うん、麻枝がえらいhttps://t.co/Gp4OHtLftU #VABLOG
— 馬場隆博 (@vavasyatyou) July 27, 2023
ビジュアルアーツは、Keyブランドを持ち『Kanon』、『AIR』、『CLANNAD』、『ヘブンバーンズレッド』などで知られるゲーム会社。
そのビジュアルアーツが株式の譲渡(M&A)を行い、中国に拠点を置くテンセント・ホールディングスの100%出資の子会社になるという。すでに契約締結合意にいたっており、ビジュアルアーツの創業者であり、代表取締役社長の馬場隆博氏は退任して相談役となる。
変わってプロデューサー、ディレクター、シナリオライターの「丘野塔也」こと、天雲玄樹氏が新社長に就任する。
今回の株式の譲渡の理由について馬場隆博氏は、同社が馬場家が100%株を保有する会社であることを念頭に、(健康そのものではあるものの)自身に「何か」があった場合に、作品や楽曲の権利が雲散霧消してしまいかねないことを懸念していたという。
そのため「上場」を目指すか、あるいは「上場企業の親会社」を探すという選択肢があったが、前者はこれからやるのは困難だっため、後者を選択。複数の企業にアプローチして、その結果として最適なパートナーとテンセント・ホールディングスに白羽の矢が立ったという。
馬場氏は、テンセント・ホールディングスがグローバル企業であることを念頭に、今後のビジュアルアーツの事業についてのバックアップや、グローバルなジャンルでの展開も期待をにじませている。
なおビジュアルアーツの収益は、『ヘブンバーンズレッド』などにより、創業33年の歴史的にみても過去最高であり、絶好調であるという。馬場氏は、特に麻枝准氏をはじめとしたスタッフに感謝の言葉を述べており、テンセント傘下になるが「ビジュアルアーツはビジュアルアーツのまま」であることを強調している。
馬場氏の発表は株式譲渡だけでなく、「感動」を届けてきた同社のキャラクターと物語を振り返りつつ、今後のビジュアルアーツが目指すことなど馬場氏の思いが込められた文章になっているので、ぜひ一読してみてほしい。
https://twitter.com/okano_tohya/status/1684485278470385665
また新社長に就任する天雲玄樹氏のもとでは、新作ビジュアルノベルや、アニメ、新作モバイルゲームの発表が控えていることを明らかにしている。どのような作品になのか、気になるところだ。
世界的な企業のテンセント・ホールディングスの傘下となり、ビジュアルアーツがさらなる飛躍をどのように見せてくれるのか、今後の展開に期待したい。
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