12月15日(金)から17日(日)にかけ、ゲーム、アニメーション、マンガに代表される日本のポップカルチャーに特化したオリジナルイベント「アルシペル・キャラバン」(Archipel Caravan)が東京日仏学院で開催されることが決定した。
「アルシペル(Archipel)」は日本のクリエイター、アーティスト、文化を題材としたドキュメンタリーを制作しているチームだ。ここ数年ではさまざまなジャンルのクリエイターを取材し、ドキュメンタリーやポートレート映像の制作を行ってきたが、今後はイベントの開催も積極的に企画しているという。
今回の「アルシペル・キャラバン」は、アルシペル独自の視点から日本のポップカルチャーに宿るクリエイティビティのエッセンスを表現した企画であるとのこと。対談、トークイベント、展示会、音楽ライブ、マスタークラス、ライブドローイングなど多岐にわたるコンテンツを用意しており、3日間にわたって開催される形となる。
Archipel、12月15日(金)〜 12月17日(日)まで東京でイベント「Archipel Caravan」を開催します。クリエイターに焦点を当てた対談・展示会・上映会・ライブなど、これまでの活動の延長線として新たな展開となります。
— Archipel | アルシペル (@SailToArchipel) November 1, 2023
特設ページ: https://t.co/kBzGozmCv8
チケット購入: https://t.co/xZcwuufNzZ pic.twitter.com/7W839pjQyu
目を引くセッションのひとつとしては、『バイオハザード』や『サイコブレイク』で知られる三上真司氏と、『デビルメイクライ』や『ベヨネッタ』の神谷英樹氏による対談が挙げられるだろう。こちらのセッションはふたりのキャリアの思い出からはじまり、そのクリエイティブ思考や今後の展開についても迫っていくとのこと。初期の『バイオハザード』シリーズ作品で協働したふたりのトークはもちろん、プラチナゲームズを退社したばかりの神谷氏の持つ展望についても気になるところだ。
また『Dの食卓』や『エネミーゼロ』などを手がけたクリエイター・飯野賢治氏の没後10周年を記念したセッションも開催。こちらでは夫人の飯野由香氏、小島秀夫氏、上田文人氏ら、飯野賢治氏と接点のあった著名人を取材した追悼ドキュメンタリーを初披露するほか、過去のゲームや写真、書籍などを集約した特設展示会も行われる見通しである。
このほかにも1960~70年代の「劇画ブーム」を牽引したマンガ家・バロン吉元氏のトークイベント、斬新な作品の数々で知られるクリエイティブチーム「AC部」の特設展示、セガでサウンド開発、声優、歌手など多彩な活躍を見せる光吉猛修氏のライブパフォーマンスなど、非常に多彩なセッションが用意されている。
「アルシペル・キャラバン」は12月15日(金)から17日(日)にかけ、東京日仏学院で開催される。入場料は1500円となり、上映やトークイベントへの入場には別途「整理番号付入場券」(1000円/1セッションごと)が必要となる形だ。各セッションに関する詳細などについては、以下のリリースも参照されたい。
プレスリリースの全文は以下のとおり。
クリエイターに焦点を当てた日本ポップカルチャーの祭典ゲーム、アニメーション、漫画を軸としたイベント「Archipel Caravan」を開催
対談・展示会・上映会・ライブなど、多数のセッションでポップカルチャーを体感
2023 年12 月15 日(金)から12 月17 日(日)までの3 日間、ゲーム、アニメーション、漫画に代表される日本のポップカルチャーに特化したオリジナルイベント、「Archipel Caravan」(アルシペル・キャラバン)を、東京日仏学院(東京・新宿区)にて開催いたします。
「Archipel Caravan」は、これまでに数多くのクリエイター、アーティストの取材で培ってきたArchipel(アルシペル)独自の視点から、国内外で広く人気を博している日本のポップカルチャーに宿るクリエイティビティのエッセンスを表現した企画です。本イベントでは、対談・トークイベント・展示会・音楽ライブ・マスタークラス・ライブドローイングなど、多岐にわたったコンテンツを3 日間開催いたします。
【開催セッション一覧】
・飯野賢治没10 周年記念企画|ドキュメンタリー上映・特設展示・トークイベント
『D の食卓』や『エネミーゼロ』をはじめ、常にゲームを通してのストーリーテリングの境界線を越え、多くの方々に影響を与えてきたクリエイターの飯野賢治。2013 年に42歳で夭逝した同氏の没10 周年にちなみ、夫人の飯野由香をはじめ、小島秀夫、上田文人、浅野忠信、ピエール瀧など、飯野賢治と接点のあった方々を取材した追悼ドキュメンタリーを初披露します。さらに、出演者によるトークイベントを行うとともに、飯野賢治の過去のゲーム、写真、書籍などを集約した特設展示会を開催します。
・バロン吉元|特設原画展・トークイベント(聞き手:山田参助)
代表作『柔俠伝』シリーズを筆頭に、1960~1970 年代に勃興した「劇画ブーム」牽引の立役者のひとりであり、80 歳を過ぎた現在も精力的に活動を続ける日本を代表する漫画家。官能的でありながらも雄々しくストイックなその作風には、時代を超越した“美意識”を体現したような奥ゆかしい趣が宿ります。今回は、60 年以上の画業の中から厳選されたバロン吉元の原画展を特設。
また、自身のキャリアのこれまでとこれからをテーマとしたトークイベントもあわせて開催。聞き手には、バロン吉元作品の熱心なフォロワーであり、2017 年に出版された画集『バロン吉元画俠伝 ArtWork Archives』(リイド社刊)では編者を務め、自身も漫画家として業界の第一線で活躍する、山田参助が登壇。代表作の『あれよ星屑』は、2019 年に手塚治虫文化賞の新生賞と日本漫画家協会賞の大賞をW 受賞し、海外でも翻訳出版されるなど、国内外から今もっとも注目を集める漫画家のひとりです。
・三上真司×神谷英樹|対談
三上真司は『バイオハザード』シリーズ、『サイコブレイク』シリーズなど、ディレクター、プロデューサーとして、数々の大ヒット作を生み出してきた日本を代表するゲームクリエイター。サバイバルホラージャンルの普及に大きく貢献し、以降のゲーム業界に大きな影響を与えたクリエイター。
神谷英樹は『デビルメイクライ』、『ビューティフルジョー』、『大神』、『ベヨネッタ』シリーズなど、バラエティに富んだユニークな作品を発表。国内外を問わず高く評価されているゲームクリエイター。現在はYouTube(神谷英樹チャンネル / Hideki Kamiya Channel)を開設し、自由を満喫中。
今回の対談では2023 年に前職を退職したお二方に、お互いのキャリアの思い出から始め、クリエイティブ思考、そして今後の展開についても迫っていきます。
・米山舞×玉川真吾|対談
米山舞はガイナックス入社後、アニメーターとしてキャリアをスタートさせたのち、イラスト、アート作品の展示、映像・ゲーム制作など幅広く活躍。常に新たな表現方法を模索するその姿勢から生み出される作品群は「驚きと美しさ」に満ち満ちており、「神絵師」とも称されるほど。最前線を走る新世代の旗手のひとりとして、常に注目を集めるクリエイターである。映像監督として、『YOKU』(2022)、『サイバーパンクエッジランナーズ』ED を監督、作画共に手掛けた。
玉川真吾はサンライズを中心に原画や作画監督を務める傍ら、3 年もの期間を費やして単独で制作された短編アニメーション『PUPARIA』(2020)で一躍脚光を浴びる。「アニメである以前に一枚の絵」だと自負するように、高密度で描き出されたその絵が持つ力は一瞬で観るものを虜にする。次作の公開が切望される、新進気鋭の映像作家。新世代の才能として注目されるお二方は、現在進行形である「互いが持つ稀有な世界観」について対談するとともに、クリエイターとしての率直な思いや、お二人が実践する斬新なアプローチ法などを中心とした対談を行います。
・AC 部|マスタークラス・特設展示
1999 年に結成されたクリエイティブチーム。クライアントワークをコミッションワークと捉え、様々な媒体において、斬新で実験的な作品を発表し続けている。時を経ても新鮮かつ唯一無二な作風で視聴者に予期せぬ奇妙な感情を提供するという明確なコンセプトを持つ。彼らはそれを「違和感」と呼んでチーム内で共有しており、近年では、その活動自体が現代アートとして再評価されている。
AC 部が持つ独自のメソッド、そして作品制作の裏側に迫るべく、AC 部のふたりによるマスタークラスをステージ上にて開催します。さらに、group_inou(グループイノウ)の楽曲『THERAPY』のMV 制作においてAC 部が生み出した人気セラピスト・キャラクター「イルカのイルカくん」にフォーカスした展示、グッズ販売を開催します。
・坂本眞一|マスタークラス
登山家の生涯に材を取った小説原案の連載漫画『孤高の人』で一躍、頭角を表したのち、続く『イノサン』やその続編『イノサン Rouge』で、斯界におけるその地位を不動のものに。緻密に構成された絵柄はもとより、残虐なシーンですら「耽美的」に思えるほどの表現力と筆力は群を抜き、今もっとも勢いのある漫画家のひとりである。『イノサン』以降、作画を完全デジタル化し、新たな漫画表現を開拓し続けている。最新作は、2021 年より連載中の『#DRCL midnight children』。
デジタルによる漫画制作にいち早く着手した同氏が実践する漫画制作のフロー、クリエイティブプロセス、そして世界観を深堀するマスタークラスを実施します。
・山村浩二|マスタークラス
アヌシー国際アニメーション映画祭で最高賞を受賞した『頭山』(2002)から、最新作『幾多の北』(2022)に至るまで、おおよそ40 年のキャリアを通じて常にアニメ表現の可能性の探究に取り組み、自由奔放かつ詩情溢れる作品を発表してきた短編アニメの世界的第一人者。また、絵本作家としても知られ、これまで優に100 冊以上もの作品に携わっている。
シアター会場にて、「山村浩二の世界観」と題した特別映像を上映。上映後、インディペンデントアニメーターとしてのこれまでの人生、アニメーションとの向き合い方、メソッドについてのマスタークラスを開催します。
・Acky Bright |ライブドローイング
イラストレーター、漫画家。「かわカッコいい」キャラクターを主体にしたMANGA スタイルのドローイングが海外に評価され、DC コミックスやMeta、BMW 等のアートワークを手がける。緻密でありながらもダイナミックという稀有な特徴を持ち、ライブドローイングにも定評がある同氏には今回、本イベントのために特別に用意されたテーマでライブ・パフォーマンスを披露。
・光吉猛修|ライブパフォーマンス
1990 年に株式会社セガ・エンタープライゼス(現:株式会社セガ)に入社後、ゲームミュージックバンド創成期からサウンド開発、声優、歌手として各方面に精力的に活動中のセガ社員。活力源はお客様からの「楽しかった」の一言。代表作は『DAYTONA USA』、『シェンムー一章横須賀』、『WCCF』シリーズや、『CHUNITHM』『maimai』『オンゲキ』の音ゲー3 タイトルにも深く関わる。
特設ライブ会場にて同氏が参加し、セガタイトルの歌唱を中心としたユニークなパフォーマンスを披露。
・小林早織|ライブパフォーマンス
数年SEGA に勤務、ゲームサウンド開発に携わり、退職後もMicrosoft やSEGA などのゲームBGM やアレンジアルバムに楽曲を提供。「和」を基盤とした楽曲コンセプトを打ち出しながらもジャンルの枠を超えて、電子的なサウンドを紡ぎだすスタイルを追求し続けている。代表作は『AZEL -パンツァードラグーンRPG-』や『パンツァードラグーンオルタ』。今回、特設ライブ会場にてその『パンツァードラグーン』シリーズのアクスティックピアノライブを開催。
・imai |ライブパフォーマンス
group_inou のTRACK 担当。2017 年より本格的にソロ活動を開始。クラブからライブハウスまで、これまで以上に活動の幅を広げる。フジロック、BAYCAMP、森、道、市場、ボロフェスタ、全感覚祭等の大型イベントにも出演。橋本麦が手掛けた「Fly feat.79,中村佳穂」のMV はVimeo のStaff Picks に選出、新千歳空港国際アニメーション映画祭の観客賞、香港のifva awards で特別賞を受賞するなど、世界各地で話題となっている。2022 年4 月にコラボアルバム「MONSTERS」をリリース。「イルカのイルカくん」を生み出すなど、クリエイティブチーム「AC 部」とのコラボレーション実績が多数あり、今回はソロでのライブパフォーマンスを披露。
【イベント概要】
イベント名:Archipel Caravan(アルシペル・キャラバン)
会期:2023 年12 月15 日(金)~2023 年12 月17 日(日)
時間:10 時~21 時(15 日(金)は17 時~21 時)
会場:東京日仏学院(アンスティチュ・フランセ東京)
〒162-0826 東京都新宿区市谷船河原町15
入場料:1,500 円(上映・トークイベントへの入場は別途「整理番号付入場券1,000 円/1 セッションごと」が必要となります)
URL: http://archipel.jp/caravan
チケット購入URL: https://t.livepocket.jp/t/archipel-caravan
主催:Archipel
ビジュアル制作:橋本麦
【Archipel について】
「Archipel」(アルシペル)は、日本のクリエイター・アーティスト・文化を題材としたドキュメンタリーを制作しているチーム。ここ数年来、ドキュメンタリーやポートレイト映像を通してあらゆるジャンルのクリエイターを取材し、その世界観を探訪してきました。日本のクリエイティビティの実像、魅力を世界に伝えるべく、今後は映像製作に加えてイベントの開催を積極的に企画しております。