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AIと“究極のごっこ遊び”が楽しめるTRPG風ゲーム『モンスターコマンダーズ』基本無料でSteamに配信中。行動はすべてテキスト入力で、AIとの対話によって無限の物語が誕生。「ロールプレイが超はかどる」と話題に

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モンスターを率いて敵と戦うターン制ストラテジーゲーム『モンスターコマンダーズ – 混沌の戦略譚 -』が、現在Steam上で基本プレイ無料で公開されている。

本作の特徴は、あらゆる行動をテキストで指示し、それをChatGPTによって処理させていく、というもの。言ってみれば、TRPGのようなプレイヤーとGMとの対話を、AIチャットボットによって再現したようなゲームになっているのだ。

『モンスターコマンダーズ』Steamで無料プレイ可能。ChatGPTによるTRPG風のターン制バトルゲーム_001

本作のゲーム内容は至ってシンプルだ。複数のモンスターをパーティに編成し、敵のモンスターと戦っていく。突き詰めて言えば、要素はこれだけしかない。広大なマップを移動しての冒険もなければ、レベルアップによる強化などもない。言ってしまえば、UIですら洗練されているとは言いがたい、ごく簡素なものだ。

しかしながら、そうしたシンプルさをすべて覆すほど強い魅力が本作にはある。プレイヤーのあらゆる妄想を具現化できてしまうような、究極のごっこ遊びが楽しめるということだ。

冒頭で紹介した通り、本作はAIがゲームマスター(GM)となって行われるTRPG風のゲームであり、戦闘はすべてテキストで行われていく。選択肢などは一切なく、プレイヤーが入力したテキストをChatGPTが読み取り、続きの物語を紡いでいくのだ。

『モンスターコマンダーズ』Steamで無料プレイ可能。ChatGPTによるTRPG風のターン制バトルゲーム_002

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モンスターは一定のゴールドを消費してランダム生成する方法と、「特別な石」によってすべてをプレイヤー自身で設定する方法がある。ゴールドについてはゲーム内のクエストをクリアすることで入手できるが、「特別な石」は初期でも1つは所持しているものの、以降は基本的には購入となる要素のようだ。

一応ランダム生成モンスターでもゲームを遊んでみる分には問題ないが、せっかくなら自身ですべてを設定するモンスターを生成して遊んでみることをお勧めする。基本プレイ自体は無料なので、試しにプレイしてみる分であれば問題ないだろう。モンスターと言っても、人語を介するヒト型にすることも可能だ。

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(画像はモンスターコマンダーズ – 混沌の戦略譚 -|Steamストアページより)

「特別な石」を使ったモンスター生成では、回数制限もあるがAIによるイラスト生成から行うことが可能。ただしこちらもテキストで制御する必要があるため、好みのイラストにするためには慣れが必要だろう。

オリジナルモンスターの作成では、イラストやモンスターの名前に加えて、おおまかな設定やどのようなスキルを持っているのかをすべて決めることができる。そこに書いた内容によってバトルにおける描写も変わってくるので、ぜひともしっかり練り上げて記述してみて欲しい。

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▲ちなみに調べればすぐにわかってしまうので先に言っておくと、設定の9割はとある有名作家の方のファンタジー小説からまるっとお借りしている。だってこの設定で冒険したかったんだもん!

戦闘における行動指示の描写は、かなり幅広く対応してくれる。「〇〇は通常攻撃、△△は防御で、◇◇はスキルを使う」など、シンプルに各モンスターの行動を指示するような戦い方もできるが、実際に自分がその場にいるように「〇〇、何々の魔法を使って攻撃を防いでくれ!」といったロールプレイを重視したやり方でもOKだ。

どのような攻撃を行うのか、それがどの程度有効なのかを、より具体的に描写してみることもできる。ただし、記述したテキストがどう物語に反映されるのかはAI次第なので、テキストに書いた通りのことが毎回起こるというわけでもない。さらに、強すぎる攻撃を行ってしまうと、とんでもない結果を招いてしまう場合すらある。

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▲めっちゃ楽しいけど、実際のTRPGでやりすぎると怒られるのでやめておいたほうがいいです

逆に言えば、ハチャメチャなテキストを入れてもそれに対応した展開を作ってくれる。こうした「何をやってもOK」な特性を活かし、ユーザーの間ではさまざまな試みが行われているようだ。「屁理屈もうまいこと処理してくれる」といった声もあり、ふつうのTRPGならゲームマスターが途方に暮れてしまうような展開を、他人を困らせる心配なく楽しめる作品とも言えるだろう。

もちろんすべてをテキストで描写していくやり方になるため、攻撃以外の選択をとることもでき、その場合もしっかりとその後の展開を描写してくれる。どのような選択肢がとれるのかはプレイヤーの想像力次第であり、TRPGで望む結果を出すためにGMと押し引きしているようなピリつく緊張感も味わえる作品だ。

また本作では通常の戦闘のほか、戦闘以外のクエストがメインとなる「オリジナルクエスト」という要素もあり、こちらも「特別な石」を使うことで、自身で作成・公開することもできるようだ。

本作は現在Steamで基本プレイ無料で公開中。ただし前述したオリジナルモンスター作成のための「特別な石」や、出力可能文字数に制限(時間回復もする)があり、それらが課金要素となっている。

とはいえ無償部分だけでもゲームの骨子をつかむには十分。自分の想像力をフルに生かして遊べるゲームなので、気になった方はSteamのストアページなどをチェックしてみるといいだろう。

ライター
ル・グィンの小説とホラー映画を愛する半人前ライター。「ジルオール」に性癖を破壊され、「CivilizationⅥ」に生活を破壊されて育つ。熱いパッションの創作物を吸って生きながらえています。正気です。

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