声優事務所のぷろだくしょんバオバブは、所属俳優の堀絢子さんが老衰のため11月18日(月)に亡くなったことを伝えた。89歳だった。
発表によると、すでに通夜・告別式は近親者のみで執り行われており、弔問や供物等も辞退する方針となっている。
堀絢子さんは1935年に旧満州国の奉天市(現・瀋陽市)で生まれ、青山学院大学の文学部を卒業。ぷろだくしょんバオバブの所属後は『忍者ハットリくん』のハットリカンゾウ役や『トムとジェリー』のジェリー役、『ムーミン』のミイ役をはじめ、数多くのアニメや吹き替え、人形劇などの作品に出演。長年にわたる声優業界への貢献から、2017年には「声優アワード」の功労賞も受賞している。
また、ゲームでは『ゲゲゲの鬼太郎』シリーズの砂かけ婆役や『がんばれゴエモン』シリーズのサスケ役も務めていた。
加えて、堀さんは山本真理子氏による小説『広島の母たち』を原作とした一人芝居の舞台公演「朝ちゃん」を1989年から展開。広島で被爆し40歳でこの世を去った父親への思いを胸に、原爆の恐ろしさと戦争の悲しさを語り継いでいた。