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『アクアリウムは踊らない』の“バグ技あり”RTAが9万人超の同時視聴を記録し大きな話題に。「RTA in Japan Winter 2024」会場で堂々とやってのけられる“年パスバグ”、作者

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12月28日(土)、開催中のチャリティイベント「RTA in Japan Winter 2024」4日目にて、作家の橙々氏が約8年をかけてひとりで制作したホラーゲーム『アクアリウムは踊らない』の“バグあり”RTAが披露され、橙々氏自身を含む視聴者を中心にSNS上で大きな話題となった。

「RTA in Japan Winter 2024」は、東京・ベルサール飯田橋ファーストとオンライン配信のハイブリッド形式で12月31日(火)まで開催中。公式Twitchチャンネルでの配信収益やアパレルブランド「無敵時間」が販売する関連グッズの収益は、一部を除いて国境なき医師団へ寄付される。

『アクアリウムは踊らない』は、自ら“ホラーゲームが嫌い”であることを公言している橙々氏がゲーム制作仲間4人の蒸発をきっかけにひとりで制作を行い、約8年かけて完成させた“謎解きアドベンチャーホラーゲーム”である。

今回披露されたRTAは、“バグ技あり”を示すGlitched【※】ルールで複数存在するエンディングのなかから「エンド1」のクリアを目指すもの。橙々氏は翌日からの「コミックマーケット105」出展を控えつつもリアタイ視聴する方針を示しており、実質的な“公開デバッグ”としてSNS上で大きな話題となっていた。

【※】Glitched:グリッチド。突発的な故障・不具合を示す俗語だが、ビデオゲームの分野では「バグがらみの裏技」のような意味合いで用いられる。詳しい解説は別記事を参照

会場では世界中のRTA記録を集積するデータベースサイト「Speedrun.com」上で世界1位の記録を持つえふしょー氏が走者を担当。世界記録2位の保持者・零月氏と3位の記録保持者・あんこつぶつぶ氏も解説者として同席し、作中のストーリーや作品・橙々氏に関する背景情報、RTAにおけるポイントなどの要素を詳しく紹介している。

【更新 2024/12/30 17:55】記事初版にて世界記録2位保持者の零月氏と3位の保持者・あんこつぶつぶ氏を誤って逆に記載しておりました。訂正のうえお詫び申し上げます。

実際のプレイでは作中のアイテム「ビアンカ水族館の年間パスポート」を活用し、アイテムメニュー画面での選択から画面に一枚絵が表示されるまでのあいだ無敵となる通称“年パスバグ”によって、あらゆる敵や落とし穴などのイベントフラグを“顔パス”で通過していった。

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(画像はTwitch「アクアリウムは踊らない – RTA in Japan Winter 2024」より)
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(画像はTwitch「アクアリウムは踊らない – RTA in Japan Winter 2024」より)
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(画像はTwitch「アクアリウムは踊らない – RTA in Japan Winter 2024」より)

また、道中では展示室のひとつにあえて入らないことによる序盤の会話イベントのスキップやマウスカーソル位置の調整による移動時間の短縮、左クリックと決定キーの同時押しによる会話の早送りなど、複数のショートカットテクニックも併用しながら進められている。

加えて、プレイ中には画面の暗転時に1マス分動けるバグを活用してイベントシーンで主人公「スーズ」が急に壁面を走り抜けていく様子も見られたほか、他言語ローカライズ版でのみ発生するバグも解説され、まさしく“公開デバッグ”らしい展開も交えながら1時間9分1秒のタイムでRTAを終えた。

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(画像はTwitch「アクアリウムは踊らない – RTA in Japan Winter 2024」より)
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(画像はTwitch「アクアリウムは踊らない – RTA in Japan Winter 2024」より)
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(画像はTwitch「アクアリウムは踊らない – RTA in Japan Winter 2024」より)

実際にRTAの様子を見ていた橙々氏は9万人を超える同時視聴者らとは異なる「開発者の視点」で視点で苦しみながらも「#アクおど公開デバッグ作業」のハッシュタグでリアルタイムに実況していた。

また、RTAの実施はBOOTHで販売している公式グッズの宣伝や、翌日の「コミックマーケット105」1日目におけるイラスト集・グッズの頒布にも影響。橙々氏によると「(購入待ちの)列が規格外に伸びていた」ほか、フロンティアワークスのブースで開かれた橙々氏のサイン会に走者のえふしょー氏が参加する場面も起こるなど、盛況とハプニングのなか個人サークルでの準備分を完売したようだ。

フロンティアワークスのブースでは、ドラマCDの限定版やパジャマ衣装イラストを使用したグッズが12月30日(月)のコミケ開催2日目も販売される予定となっている。

現地では橙々氏と声優の民安ともえさんによるオリジナル“お守り”のお渡し会も開かれるため、東京ビッグサイトを訪れる予定のある人は興味があればチェックしておくとよいだろう。

上記のほか、チャリティイベント「RTA in Japan Winter 2024」は12月31日(火)夜までノンストップで開催される。リアルタイムの様子はTwitchにて視聴できるほか、イベント公式のタイムスケジュールも随時更新される形で掲載されているため、興味のあるタイトルを探して視聴してみるとよいだろう。

ライター
2019年11月に電ファミへ加入。小学生の時に『ラグナロクオンライン』に出会ったことがきっかけでオンラインゲームにのめり込む。コミュニケーション手段としてのゲームを追い続けている。好きなゲームは『アクトレイザー』『新・世界樹の迷宮2』『GTFO』など。
Twitter:@fuyunoyozakura

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