3月25日(火)、大手ゲームパブリッシャーが『グランド・セフト・オート6( GTA6)』の発売日を避けるため、自社タイトルの発売時期の延期を検討していることが海外のメディア「The Game Business(TGB)」にて報じられた。
とあるスタジオの代表は「GTA6は巨大な隕石のようなもの。我々は爆心地を避けるだけだ」と語り、別の開発者は「流れに逆らう意味はない。『GTA6』の熱がおさまった後にプレイヤーを取り戻す準備をするだけ」とコメント。TGBが話を聞いたパブリッシャーは、複数のシナリオを想定して準備を進めているという。
記事によると、エレクトロニック・アーツ(EA)のCEOであるAndrew Wilson氏は『バトルフィールド』シリーズの次回作の発売時期を「再考する可能性がある」と発言した際に「Rockstar Gamesのタイトルは市場から多額の資金、そして何よりも時間を奪う。我々はその近くにいたくない」とコメントしたという。
また、とあるヨーロッパのAAAタイトルを扱うパブリッシャーの責任者は、「もっとも重要なのは『GTA6』の発売時期が10月末から11月初旬に発売されるかどうか」であると指摘。「『GTA6』の直前、または直後に発売するのは避けたい。もし、10月末に出るなら我々はそれよりも前に発売するしかない。しかし、最近は夏のリリースが増えている。逆に遅らせると、ブラックフライデー商戦とぶつかることになるだろう。」とコメントした。
TGBは、記事執筆時点で市場でトップ10に入るであろうライブサービス型ゲームを運営している2つの開発スタジオにも取材を行ったが、いずれも『GTA6』の発売期間中には大規模なアップデートを行う予定がないことを明らかにした。

TGBは、『GTA6』の発売時期が延期された場合に「任天堂にとっては有利になる」とコメント。任天堂は、新型ゲーム機「Nintendo Switch 2(ニンテンドースイッチ2)」 を2025年内に発売する予定であり、『GTA6』が延期されれば競争が和らぐという。
ニュースを執筆したChristopher Dring氏は、「いずれにしても『GTA6』が市場に与える影響は計り知れず、業界全体がロックスターの動きを固唾を飲んで見守っている」と締めくくった。
なお、このニュースは世界最大級のゲーム表彰イベント「The Game Awards」の創設者であるGeoff Keighley氏がバックにつくメディア「The Game Business」にて報じられた。チームは、英国の週刊誌MCVやGamesIndustry.bizで責任者を務め、ゲーム業界のメディアで18年のキャリアを持つChristopher Dring氏が率いている。
(画像は「Grand Theft Auto VI Trailer 1」より)
『GTA6』は、Rockstar Games(ロックスター・ゲームス)が約12年ぶりに発売する『GTA』シリーズの最新作で、2025年秋にリリースされる予定だ。過去作にも登場した架空のリゾート都市“バイスシティ”を舞台としている。
2023年12月に公開された映像は、わずか1日で9300万回再生され、記事執筆時点で2.4億回再生を超えるほど多くのユーザーから注目されているタイトルである。