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同作は南條範夫による連作短編小説集『駿河城御前試合』内の『無明逆流れ』を山口貴由がマンガ化したもの。江戸時代初期を舞台にふたりの男の剣と因縁を描くもので、非常にハードな作風かつ、物語には一切救いも容赦もない。作中には肉体破壊など過激な描写も多々含まれるので、読まれる際にはあらかじめご承知おきされたい。
寛永6年9月24日、時の将軍徳川家光の弟、駿河大納言徳川忠長の命により、駿府城内で“真剣”を用いた御前試合、すなわち侍同士の殺し合いが行われることとなる。その場に集まった剣士の中には、かつて同門の剣術流派で学んだ隻腕の剣士・藤木源之助と、盲目の剣士・伊良子清玄の姿もあった。
同作はこのふたりの男たちを主人公に、彼らが文字通り命を懸けて立ち合いに臨むことになるまでの因縁を、時をさかのぼって描いてゆく。いずれも類まれな才能を持つ剣士であったふたりは、濃尾無双と謳われる「虎眼流」道場で出会い、数奇な運命に導かれるように互いの因縁に囚われてゆく。
非常に激しく容赦のない打ち合いが繰り広げられ、前述の通り肉体破壊などを含むエグみの強い描写が多いことも本作の特徴。「手心というか……」といったミームで知られる主人公の兄弟子・牛股権左衛門を始め、登場する人物は手心など一切加えるつもりのない曲者ばかりだ。
物語の展開には救いもなく、読後感もかなり強烈なものになるかもしれないが、それでも無類の面白さを誇るマンガ作品。興味があれば、ぜひ覚悟を持って読んでみることをお勧めしたい。