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Amazon Kindleにて、『ガンダム』関連マンガが最大50%オフのセールを実施中。『THE ORIGIN』や『C.D.A. 若き彗星の肖像』をはじめ、『機動戦士ガンダムさん』『トニーたけざきのガンダム漫画』など、シリアスからギャグまで多数ラインナップ

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Amazonの電子書籍ストアKindleにて、『機動戦士ガンダム』シリーズに関連するマンガが最大50%オフとなるセールが実施されている。

セール対象には、本編を新たな視点で描いた作品から、宇宙世紀の裏側を舞台にした外伝、さらにはパロディ色の強いギャグ作品や、制作現場の舞台裏を描いたものまで、多岐にわたるジャンルの作品が含まれている。

ガンダムファンはもちろん、これからガンダムの世界に触れようとする人にとっても、様々な角度から作品を楽しめるラインナップを、本稿で一挙紹介する。

フルカラー版 機動戦士ガンダム THE ORIGIN

テレビアニメ『機動戦士ガンダム』でアニメーションディレクター・キャラクターデザインを務めた安彦良和氏が、自らの手で同作をコミカライズした作品。テレビアニメ版を原典としつつも、安彦氏独自の解釈や執筆時点の視点から設定が変更され、一種のパラレルワールドとして一年戦争の物語を再構築している。2001年から2011年にかけて『ガンダムエース』で連載され、累計発行部数は1000万部を記録している。

本作の大きな特徴は、アムロ・レイと並ぶ「もう一人の主人公」としてシャア・アズナブルの半生が深く掘り下げられている点である。テレビシリーズでは断片的にしか語られなかった、彼の父ジオン・ズム・ダイクンの死の真相、ザビ家によるサイド3の掌握、そして彼が「シャア・アズナブル」としてジオン軍に入隊するまでの物語が詳細に描かれている。

また、モビルスーツ開発史や一年戦争開戦に至るまでの政治的経緯なども描かれ、一年戦争の物語をより重層的に楽しむことができる。全24巻、完結済み。

機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像

『機動戦士Ζガンダム』や『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』でキャラクターデザイン・作画監督を務めた北爪宏幸氏が、シャア・アズナブルを主人公に描く物語。一年戦争終結直後の宇宙世紀0080年から、グリプス戦役が始まる0087年までの「空白の7年間」に焦点を当てている。

ザビ家への復讐を遂げたシャアが、ジオン公国残党と共に小惑星アクシズへと落ち延び、そこで後のネオ・ジオン指導者となる若き日のハマーン・カーンと出会うところから物語は始まる。アクシズ内部での政治的対立や、ハマーンとの複雑な関係を通じて、シャアがなぜ「クワトロ・バジーナ」と名を変えて反地球連邦組織「エゥーゴ」に身を投じることになったのか、その経緯が丹念に描かれる。全14巻、完結済。

機動戦士Zガンダム Define

『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』の設定を引き継ぎ、同じく北爪宏幸氏が『機動戦士Ζガンダム』の物語をコミカライズした作品。クワトロ・バジーナ(シャア・アズナブル)の視点からグリプス戦役を再構成しており、『C.D.A.』と合わせて読むことで、シャアのU.C.0080年代における行動と心情の変遷をより深く理解することができる。

作中ではモビルスーツの設定にも変更が加えられており、百式に相当する機体として赤い塗装が施された「零式」が登場するなど、本作独自の展開を見せる。また、オリジナルキャラクターも登場し、物語に新たな深みを与えている。アニメ版で描かれた物語を、シャアというフィルターを通して再定義(Define)する意欲作だ。

現在も「ガンダムエース」にて連載中であり、全21巻が刊行済み。今回のセールでは、18巻までが割引の対象となっている。

機動戦士ガンダム0083 REBELLION

OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』を、新たな解釈で再構築したコミカライズ作品。作画を夏元雅人氏、アドバイザーをOVAで監督を務めた今西隆志氏が担当する。

後に「デラーズ紛争」と呼ばれるジオン残党「デラーズ・フリート」の蜂起と、それを追う連邦軍のテストパイロット、コウ・ウラキの物語を描く基本構成はそのままに、OVAでは描かれなかった登場人物たちの過去や背景が大幅に追加されている。

機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画

一年戦争末期のジオン公国本国(サイド3)を舞台に、「ギレン・ザビ総帥の暗殺計画が存在した」という架空の設定で描かれるサスペンスストーリー。作画は『蒼き鋼のアルペジオ』などで知られるArk Performanceが担当している。全1巻。

終戦後に発見された極秘資料や記録映像を元に再構成されたドキュメンタリー番組という形式で進行する、異色の政治サスペンス作品である。

機動戦士ガンダム 光芒のア・バオア・クー

『ギレン暗殺計画』と同じくArk Performanceが手掛ける、一年戦争の最終決戦「ア・バオア・クー攻防戦」を描いた作品。全1巻。

この歴史的な戦いに参加した連邦・ジオン両軍の名もなき兵士や技術者、報道関係者といった様々な人物へのインタビューという体裁で、ドキュメンタリー映像の形式で物語が進んでいく。

また、同作者の『ギレン暗殺計画』、『MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』とも関連が深い作品となっている。

機動戦士ガンダム GROUND ZERO コロニーの落ちた地で

1999年にドリームキャストで発売されたゲーム『機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…』のストーリーを、才谷ウメタロウ氏がリメイクしたマンガ作品。

一年戦争末期、コロニー落としによって甚大な被害を受けたオーストラリアを舞台に、地球連邦軍の特殊遊撃MS小隊「ホワイト・ディンゴ隊」の戦いを描く。リメイクにあたり、角川スニーカー文庫から出版された小説版の設定が取り入れられている。。全4巻、完結済み。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN MSD ククルス・ドアンの島

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の世界観をベースにした外伝作品で、作画はおおのじゅんじ氏が担当。テレビアニメ『機動戦士ガンダム』の第15話「ククルス・ドアンの島」で強烈な印象を残しながらも、劇場版や『THE ORIGIN』本編では描かれなかった脱走兵、ククルス・ドアンに焦点を当てた物語である。

本作では、ドアンが一年戦争中に所属していたジオン公国軍のモビルスーツ開発訓練部隊「Y-02小隊」での過去が描かれる。彼がなぜエースパイロットの地位を捨てて軍を脱走するに至ったのか、その経緯が元同僚たちの視点を通じて明らかにされていく。

『THE ORIGIN』のメカニック設定企画である「MSD(Mobile Suit Discovery)」の一環でもあり、様々な試作機や局地戦用モビルスーツが登場するのも見どころの一つだ。全5巻、完結済み。

機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル

『超時空要塞マクロス』のキャラクターデザインで知られる美樹本晴彦氏が描くガンダムストーリー。宇宙世紀0085年、のちにグリプス戦役と呼ばれる動乱の時代を背景に、地球連邦軍のモビルスーツパイロット養成学校、通称「エコール」に入学した少女アスナ・エルマリートの視点から物語は展開される。

サイド3出身であることから周囲に馴染めずにいた落ちこぼれ訓練生のアスナが、ニュータイプの素養を秘めていることから、軍内部の思惑や陰謀に巻き込まれていく。

なお、本作は「ガンダムエース」にて連載中の作品で、これまでに全12巻が刊行されているが、2011年以降は長期休載となっている。

機動戦士Ζガンダム デイアフタートゥモロー -カイ・シデンのレポートより-

一年戦争を戦い抜いたジャーナリスト、カイ・シデンの視点からグリプス戦役を描いたサイドストーリー。作者はことぶきつかさ氏。アニメ映画『機動戦士Ζガンダム A New Translation』の世界観をベースにしており、モビルスーツ同士の戦闘よりも、カイが出会う様々な人物との会話劇を中心に物語が進行する。

原作の裏側で、ハヤト・コバヤシやベルトーチカ・イルマ、そしてアムロ・レイやクワトロ・バジーナといった人物たちが何を考え、どう行動していたのかをカイのレポートを通して垣間見ることができる。英雄たちの人間的な側面に焦点を当てた、ガンダム作品としては異色の作品である。全2巻、完結済み。

続編として、宇宙世紀0105年にカイが一年戦争当時を回想する『機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのメモリーより―』も刊行されている。全2巻、完結済み。

機動戦士ガンダムさん

『機動戦士ガンダム』をベースに、原作のシリアスなイメージを根底から覆すパロディ4コマギャグ漫画。作者は大和田秀樹氏で、2001年の『ガンダムエース』創刊号から現在も連載が続く長寿作品である。全22巻が刊行済みで、20巻までがセール対象となっている。

暴走しまくり・ツッコミどころ満載の「シャアさん」や、思春期をこじらせた「アムロさん」、シャアさんへの強烈なツッコミ役である「ララァさん」など、原作のシリアスなイメージを覆すキャラクターたちの日常が描かれる。

また、モビルスーツを擬人化したサラリーマン悲哀劇「隊長のザクさん」といったサブストーリーも人気を博している。

トニーたけざきのガンダム漫画

鬼才・トニーたけざき氏による『ガンダム』パロディ漫画。原作者の一人である安彦良和氏の画風を徹底的に模倣しているのが特徴。非常にレベルの高いシリアスな絵柄で描かれたギャグマンガだ。

内容は、テレビ版と劇場版の設定の些細な違いを突いたり、モビルスーツのメカニズムを独自の解釈で描いたりと、非常にマニアックな視点からのギャグで構成されている。「サク」や「シャア専用ボール」といったオリジナルの珍妙メカニックも多数登場し、コアなファンであればあるほど楽しめる作品となっている。

シャアの日常

主人公は記憶を失い、たまたま持っていた麻雀牌から「西(しゃあ)」と名乗る青年。無意識に「赤いもの」や「3倍」という言葉に反応してしまう彼が、妹を名乗る超天然な少女「せいら」や、飼い猫の「ザク」と共に、自分の正体を探しながら現代社会で奮闘する日々がコミカルに描かれる。全8巻、完結済み。

周囲の人物も『ガンダム』原作キャラクターのパロディとなっており、ガンダムファンなら思わず笑ってしまう小ネタが随所に散りばめられている。

「ガンダム」を創った男たち。

社会現象を巻き起こした『機動戦士ガンダム』が、いかにして生み出されたのか。ガンダム制作にまつわるエピソードを、『ガンダムさん』の大和田秀樹氏がギャグマンガ調のドキュメンタリーで描く。上下巻の全2冊。

ライター
物心ついたころからFFとドラクエと共に育ち、The Elder Scrolls IV: オブリビオンで洋ゲーの沼にハマる。 ゲームのやりすぎでセミより長い地下生活を送っていたが、最近社会にリスポーンした。 ローグライクTCG「Slay the Spire」の有志翻訳者。
Twitter:@Gre_zzz

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