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99個の“恐怖症”や“偏執”を紹介する辞典が本日より発売。「不潔恐怖症」や「高所恐怖症」といった比較的よく知られたものにくわえ、本を大事にしすぎる「愛書狂」、卵やポップコーンに対する恐怖症など幅広く網羅

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12月16日より、英国のベストセラー作家ケイト・サマースケイルによる書籍『恐怖症・偏執狂辞典』が刊行された。日本語版は田内志文氏の訳で、定価は3080円(税込)。

本書は、人間が抱いてきた「恐れ」と「偏執」を99項目にわたって辞書形式で紹介した一冊だ。中世から現代まで、さまざまな時代や社会のなかで生まれた恐怖症や偏執を取り上げ、それらを人類の進化や社会構造に根ざした発達の一側面として捉えている点が特徴だ。

心理学や医学史にとどまらず、文化史、社会史、言語史を横断しながら、恐怖や執着がいかにその時代の政治や価値観と結びついてきたのかを、ユーモアと洞察を交えて描き出している。

収録されている症例は、深刻な精神症状として記録されてきたものから、由来を知ると思わず驚かされるような奇妙なものまで幅広い。

不潔恐怖症や高所恐怖症といった比較的よく知られたものにくわえ、スマートフォンを手放すことに不安を覚える携帯電話依存症(ノモフォビア)、本を愛しすぎるがゆえの愛書狂(ビブリオマニア)、卵やポップコーンに対する恐怖症など、現代人にとっても決して無縁とは言えない例が数多く登場する。

個人的な問題に見える恐怖や執着が、実は社会や時代によって形作られてきたものであることが浮かび上がる構成となっている。

著者のケイト・サマースケイルは、ロンドン生まれで幼少期を日本とチリで過ごした経歴を持ち、『最初の刑事』『邪悪な少年』などで数々の文学賞を受賞してきた作家だ。現在は王立文学協会フェローを務め、ブッカー賞を含む文学賞の審査員としても活動している。

本書もイギリス本国をはじめ、フランス、イタリア、中国、韓国、ドイツなど世界各国で翻訳出版されており、海外メディアからは「人間心理に関する有益で機知に富んだ視点がユニークで魅力的」「恐怖と狂気を社会・文化・医療の歴史を通じてたどる魅力的な辞典」といった評価が寄せられている。

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(画像はAmazon『恐怖症・偏執狂辞典』より)

なお、本書は12月16日付での発売となるが、Amazonなど一部オンラインショップでは入荷や表記上の発売日が前後する場合がある。購入を検討する際は、各販売サイトや書店での取り扱い状況をあらかじめ確認してほしい。

ライター
ゲームの好きなところは、誰でも主人公になれる公平さ。 子供の頃よりも現実に直面する場面が多いから、束の間にゲームをする。 お気に入りのゲームは『UNDERTALE』

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