パーツをぺたぺたくっつけてパワーアップ! 長期的な強化と難しさで病み付きになる、全方向スクロールのスマホ用2スティック制シューティングゲームが公開されています。
『Bullet Voyage』です。
10月末にApp Storeの「今日のゲーム」で紹介されていたアプリですが、普段ならまったく紹介されそうにない内容で、逆に目立っていました。
Appleが取り上げるアプリの多くは芸術性や雰囲気に優れるか、知的な要素があるか、もしくは話題作、およびすでに高い評価を得ているもの。
しかしこの作品は個人制作で、見た目は簡素。そこまで話題ではなく、シューティングなので思考性があるわけでもない……。
でも、やってみると確かに面白く、中毒性も高い。
慣れないとすぐにやられてしまう高難度のゲームですが、やるほどに上手くなり、豊富な武器と強化もあって、やめられないゲームになっています。
アプリ本体は無料。ただし動画広告があります。
強制の広告は5秒で消せるので、それほど邪魔ではないのですが、コンティニューやボーナスを得るのにも動画広告の視聴が必要。
ただ、480円の課金でどちらの広告も撤廃できるので(コンティニューやボーナスは無条件で得られるようになる)、長く遊ぶなら広告除去の課金をおすすめします。
スタミナはありません。
大量に出てくる敵を撃退しながら狭いフィールドを逃げ回る、耐久型のシューティングゲーム。
画面左のスティックで移動し、画面右のスティックでショット方向を変えます。
ショットは自動で連射されます。
自機は単発のショットを撃つのみで、単体ではすごく弱いのですが、フィールドにランダムに配置される武器パーツを「くっつける」ことで強くなります。
武器パーツにはシングルショットやダブルショット、レーザーやミサイルなどがあり、たくさんくっつければ、その分だけさまざまな攻撃が発射されます。
ただしパーツには向きがあり、横向きや後ろ向きにくっつけると、横や後ろに弾を撃つようになります。
それはそれで側面や後方の敵に対処できるのですが、最初は前方への攻撃力を高めたいところ。
また、回転ノコギリのような近接武器もあり、これは自機から少し離れた場所につけないと使いづらい。
向きと位置を考えてくっつける必要があり、それがゲームの要点になっています。
残機制で、自機が敵に触れるとミス。パーツも敵に当たるとダメージを受けます。
パーツは一撃では壊れませんが、大量にくっつけると自機が大きくなるので、外側のパーツはどうしてもダメージを受けやすくなります。
いくつかのゲームモードがありますが、メインモードはステージクリア制で、30秒間耐えることで次に進めます。
無理に敵を掃討する必要はありませんが、画面を埋め尽くすほどの大量の敵が迫ってくるため、破壊しまくらないと生き残れません。
また、中ボスはステージが変わっても追いかけてくるので、ずっと放置していると中ボスだらけになって窮地に陥ります。
とにかく難しいゲームで、最初のうちはあっという間にゲームオーバーになるでしょう。
逃げ方が悪いと追い詰められるし、ヘタに動き回ると湧き出てきた敵に衝突。
ステージが進むと敵が包囲してきたり、一列に並んで突っ込んでくるなど、対処法を考えないと耐えられない攻撃も出てきます。
ただ、各ステージの敵の攻撃パターンと避け方がわかれば、確実に先に進めるようになります。
上達を実感できるゲームでもあり、それが、延々とやってしまうハマり度に繋がっています。
ゲームオーバーになるとホーム画面に戻ります。
ここはスマホの人気作『TIME LOCKER』のメニュー画面に似ていて、「難しいけど繰り返してしまう」、「多様な武器を同時に使える」といったゲーム性も『TIME LOCKER』のそれを目指しているように思えます。
武器のアンロックやパワーアップには「クレジット」が必要で、これはゲーム中に集められます。
各武器には威力や連射、出現率や射程など、複数の強化項目があり、残機やパーツの装備数、ボムなども強化可能。
武器の数は(2018/11時点で)17種類も用意されていて、強化要素は豊富です。
これとは別に「カード」があり、装備することで自機が強化されたり、さまざまな支援効果を得られます。
ただし、カードは買うと高価で、しかもガチャのように何が出てくるかはランダム。
基本的には購入ではなく、敵のドロップで集めていくことになります。
楽しめるゲームですが、色々と文句を言いたくなる点も多いです。
パーツを大量にくっつけると自機の位置がわかりづらくなるし、パーツの向きも判別しづらい。
できれば自機は光るか色違いにして欲しいところ。
「対戦モード」や「協力モード」がありますが、対戦モードは相手が見つかるまでボーッと待たないといけないので、まずマッチングされない。
協力モードはステージ10に到達しないとマルチプレイにならないのですが、そもそもステージ10まで行くのが難しい。そのため、10以降になっても誰も入ってこない。
カードはアルファベットの略称しか書かれていないので、パッと見では効果がわからないうえに、その大半は対戦用。対戦が機能としているとはいえない現状、多くのカードは単なるハズレ。
ホーム画面で上部の端に行くと宇宙空間をさまよう「TAKE A VOYAGE」、下部の端まで行くと母星に急行する「TOWARDS TERRA」というモードを遊べるのですが、これらは最初から異様な高難度。
当面は挑戦しても、意味もわからず瞬殺されます。
しかし荒削りとはいえ、それでもやってしまう魅力があるのも確か。
意欲的なアップデートが続いていて、当初よりかなり遊びやすくなっており、個人作成ゆえのフットワークの軽さを感じるので、今後も改善は進んでいくことでしょう。
見た目で避けてしまう人も多いと思いますが、ゲームはかなり楽しめます。
シューティングといっても弾幕系ではないので、弾を撃ってくるボスもいますが、シューティングが苦手な人でも遊べるはず。
それでいて、プレイヤーの実力も物をいいます。
簡単ではありませんが、ついやりたくなってしまい、やりはじめると延々と続けてしまう、そしてやればやるほど味の出る「スルメゲー」ですね。
Bullet Voyage
強化と難しさがクセになる全方向シューティング
・2スティック制 全方向シューティング
・Takn.Factory(日本、個人)
・本体無料、広告あり
文/カムライターオ