Diehardtales Gamesは12月に発売予定の新作シューティングゲーム『AREA 4643』が「日本語がフルサポートされていないように思える」という謎めいた理由で審査に引っかかっていることを伝えている。チームは予想外の事態にショックを受けているそうだが、現在対応中だという。
現在Steamページの対応インターフェース一覧から日本語が削除されているが、ゲーム本編はきちんと日本語で遊べるので安心してほしいとのこと。
◆親愛なる読者の皆さんへ:今月Steamで発売予定の興奮する真のゲーム「AREA4643」ですが「日本語がフルサポートされていないように思える」という謎めいた理由により審査に引っかかっているので、もう少々お待ちください◆ pic.twitter.com/9APBPRuZC0
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) December 19, 2018
『AREA 4643』はインディゲーム製作所「デスモフモフ」が開発中の無慈悲な見下ろし型アクションSTG。小説「ニンジャスレイヤー」(Ninja Slayer、忍殺)とその世界観をベースにしたスピンオフのゲーム作品だ。
プレイヤーはイビルヤモトやヤクザ天狗など忍殺に登場したキャラクターを操り、クローンヤクザやバイオスモトリ、ニンジャと戦う。
ストーリーは小説をなぞるのではなく、ゲームのために書き下ろされたスピンオフとなる。
世界を支配していた人工知能の爆発とともに小説の舞台となるネオサイタマは救われたはずだった。しかし、次元の境界はさらに乱れ、ゲームの舞台となる「Steam次元」を生み出してしまう。さらに悪いことに、過去に滅びたはずの何者かが、このSteam次元からこの宇宙を支配しようとする。
事態を重く見たエターナルニンジャチャンピオンのザ・ヴァーティゴ=サンの手で、このSteam次元へと召喚されたプレイヤーは、何者かの野望を阻止するための戦いを開始する。
原作となる「ニンジャスレイヤー」は、ネオサイタマ、キョート・リパブリックなど、マッポーの様相を呈するサイバーパンク世界と化した日本で、さまざまなジツ、カラテを用いるニンジャたちの戦いを描いたサイバーパンク・ニンジャ活劇小説だ。
日本に対する造詣の深いブラッドレー・ボンド=サンとサイバーパンクへの造詣が深いフィリップ・ニンジャ・モーゼズ=サンのアメリカ人コンビの作品で、日本語翻訳は現在ダイハードテイルズの翻訳チームによって行われている。
「ドーモ、ミニットマン=サン。ニンジャスレイヤーです」風に乗って、ニンジャスレイヤーのアイサツが届く。ミニットマンは怒りに震える手を合わせ、アイサツを返した。「ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン。ミニットマンです」
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) July 24, 2010
日本での連載はツイートの形で行われ、小説第二部の連載中、次の連載では第三章の途中から始まるなど、連載は時系列順では行われない。
また、前述のジツ(術)やスリケン(手裏剣)といった原文に忠実な片言風の名称が多く使われ、「敵同士であっても戦いの前には必ず名乗ってお辞儀をしなければならない」ような、日本人から見れば大きく曲解された日本描写が特徴だ。
「~~めいて」や「しめやかに」、ゲームのスクリーンショットにも写っている「ナンオラー」や「スッゾコラー」といったものを含め、小説に登場する特徴的な言い回しは俗に「忍殺語」と呼ばれている。「日本語がフルサポートされていないように思える」と審査に引っかかった理由は、あるいはこの忍殺語が原因なのかもしれない。
文/古嶋誉幸