『くにおくん』×「三国志」という異色の組み合わせが話題を呼んだ『くにおくんの三国志だよ 全員集合!』。その続編『くにおくんの三国志だよ満員御礼!!』は『くにおくん』らしい爽快なアクションを受け継ぎ、さらに「赤兎馬」ならぬ「せきとバイク」などの新要素がくわわって、シリーズ伝統のハチャメチャ感がいっそうのパワーアップを遂げた。
そして3年前にリリースされた前作では、「赤壁の戦い」までのストーリーが描かれていたが、その続編となる今作は、「赤壁の戦い」直後から物語のクライマックスとなる「五丈原の戦い」までが楽しめるようになっている。
つまり、この2本のタイトルを続けて遊ぶことで、『三国志』という膨大なストーリーをざっくりとだが把握することができるようになっているとも言える。ちなみに、今作には『くにおくん』シリーズでおなじみのキャラクターが総勢100名程度登場するが、ファンにとっては「どのキャラクターがどの役になっているのか」という部分も楽しめる要素だろう。
今回はリリースに先駆けて、「東京ゲームショウ2024」で遊べるバージョンをプレイできる機会がいただけた。こちらの記事では、そこからわかったゲームの特徴についてご紹介していく。
くにおくんらしい「もうひとつの三国志」の物語が楽しめる!
先ほども触れたように、前作では「赤壁の戦い」までの物語が描かれていたが、今作ではその直後からスタートする。ストーリーとしては諸葛孔明が死んでしまうあたりまで盛り込まれているのだが、『くにおくん』らしく「キャラクターが死んでしまう」といった見せ方になっていないところも特徴のひとつだ。
そもそも、くにおくんが演じる関羽自体も、孔明より早く退場してしまうはずなのだが……このあたりは歴史のifではないが、別のストーリーとして楽しめるようになっている部分だ。そして最後は大団円で終わるため、プレイ後の爽快感を味わえるようになっているのである。
とはいえ、「孔明の罠だ」的なものや「空城の計」といったおなじみのエピソードもストーリーに盛り込まれているので、三国志好きな人ならば、ゲーム内でどのようにアレンジされているのかといった部分についても楽しむことができるだろう。
ちなみに、ゲームの立て付けとしては『くにおくん』に登場するキャラクターたちが、三国志の登場人物を演じているといった作中劇っぽい構造になっている。それ自体はプレイ中に意識することはないのだが、たとえば「関羽(くにお)」といった感じで、キャラクター名の横に『くにおくん』のキャラクター名も一緒に書かれているのが面白い。
今回遊んだバージョンは「東京ゲームショウ2024」で試遊できるものと同じということで、第2章からプレイできるようになっていた。製品版では、第1章に基本的な操作方法などが学べるチュートリアル的な要素も盛り込まれているため、今作を初めてプレイするという人でもすぐに遊び方をマスターすることができる。
関係者によると、作品としては全部で6章構成になっており通常プレイで10時間ほど、サブクエストを含んで遊んでもだいたい12時間ほどでクリアすることができるボリュームになっているとのこと。最近は30時間やものによっては100時間を超えるようなタイトルもあるが、大人のゲーマーにとっては遊びやすいボリューム感になっているところも、嬉しいポイントといえそうだ。
必殺技と計略で敵を蹴散らしていこう!
簡単なゲームの流れをご紹介しておくと、指定されたポイントに移動してそこで特定の人物と会話するなどの条件を果たしていくことで、次のミッションに挑んでいくといったおなじみのスタイルになっている。次にどこにいって何をすればいいかわからなくなったときは、メニューの「マップ」から、「やることナビ」をチェックすればOKだ。
また、このマップで向かう場所も「!」で示してくれる。たとえば、クエストの目的で特定の人物と話す必要があるときは、町中でもその人物に「!」が表示されているのでわかりやすい。
町から町への移動は、基本は徒歩になる。しかし、このゲームの世界は想像以上に広いため、ファストトラベルも使えるようになっている。町中は平和そのものだが、道中は基本的に敵との戦闘を繰り広げていくことになる。バトル自体は、いつも通りのオーソドックスな『くにおくん』スタイルになっており、パンチやキックといったアクションで敵を倒していくことになる。
このゲームでは宿屋という要素はないのだが、その代わりに用意されているのが「飯屋」だ。ここで「肉パオズ」を購入することで、HPと気力、計略ゲージを完全に回復することが可能だ。たとえば、途中で敵にやられて死んで復活した場合であっても、ステータスはフルでは戻らない。そのため、出かける前に「肉パオズ」で回復したほうがいいだろう。
お店で売られている食べ物は、種類によってはバフ効果があるものも用意されている。値段は少し高く感じるかもしれないが、ゲームをプレイしているとだんだんお金が余ってくるので、贅沢に使ってもあまり問題はない。
くにおくんといえば必殺技も重要な要素だ。こちらは、前作もあるため新しく追加された必殺技は4つほどとなっている。パンチやキックなどそれぞれの項目ごとに必殺技を設定することができるのだが、デフォルトの状態と比較するとより派手なアクションが楽しめるようになるため、単純にバトルすること自体が面白い。
ちなみに新しい必殺技は、「必殺技習得」からマスターしていくことができる。こちらはスキルツリー方式になっており、どの技を選べばいいかもわかりやすい。必殺技の解放にはスキルポイントが必要になるが、こちらはレベルアップで入手することができる。
もうひとつ、関羽が使える強力な技が「計略」だ。一般的には三国志の軍師が使う戦術だが、このゲームではスペシャルな技として繰り出せるというイメージだ。「計略」には、火の雨を降らせて敵にダメージを与える「火計」や川を氾濫させて陣地ごと敵を洗い流す「水計」など様々なものが用意されている。この「計略」と必殺技を組み合わせていきながら、行く手を邪魔する者たちを排除していこう。