フィギュアスケートの世界トップペア“りくりゅう”が、試合前にやることがある。桃太郎電鉄だ。氷上の真剣勝負に挑む前、ふたりは盤上でも真剣勝負をしていた。
コナミデジタルエンタテインメントは4月2日、『桃太郎電鉄2 ~あなたの町も きっとある~』の累計出荷本数100万本を記念し、三浦璃来選手・木原龍一選手を招いてゲームプレイを収録。ステージ上のタスキには「りく社長」「りゅう社長」の文字が躍り、メディア向けの質疑応答とともに、ふたりのガチ対決の一部始終が明らかになった。

「一切手加減をしなかったので、僕の圧勝でした」
まず気になる勝敗だが、木原選手こと”りゅう社長”が開口一番、「今回は真剣勝負ということで、一切手加減をしなかったので、僕の圧勝でした」と堂々の勝利宣言。
プレイを振り返って木原選手は「最初はどれぐらい本気を出していいのかわからなかった。お互い探り探りやっていたけど、りくちゃんのサイコロの出目も悪かったので、一気に差を開いてしまった」と語った。途中、三浦選手にボンビー(貧乏神)をつけられる場面もあったという。

一方、負けた三浦選手は「普段ふたりでゲームするときは10年やっているので、最初負けていても途中で逆転したりする。でも今回は3年だったので、2年目までずっと0円でやっていたから、巻き返すにはちょっと短かった」と悔しさをにじませつつ、「次は勝つということで」とリベンジを宣言した。
興味深かったのは、木原選手がゴールできるカードを持ちながらぐるぐると周回し、三浦選手がゴールできるよう待っていたというエピソードだ。「ずっとチャンスをあげてたんですけど、サイコロの目が悪くて全然ゴールしてくれなかった」(木原選手)、「目的の数字がなかなか出なかったんです」(三浦選手)と、ペアならではの息の合ったやりとりが会場を和ませた。
木原選手は「普段のそのままの雰囲気で、家でもああいうふうにプレイしています」と語った。
今回のイベントが実現した背景には、ふたつの要素がある。ひとつは、りくりゅうが試合前のコミュニケーションの一環として「桃鉄」をプレイしていたこと。もうひとつは、コナミグループ株式会社の代表取締役社長グループCEOが学生時代にフィギュアスケート選手だったという共通点だ。この縁から、コナミ側から熱烈なオファーがあり、今回のコラボが実現したという。

オファーを受けた感想を聞かれると、三浦選手は「ふたりとも飛んで喜びました。桃鉄は私たちの心の支えに常になっていたので、すごく嬉しかった」と語り、木原選手も「りくりゅうとゲームは切り離せないもの。特に桃鉄はいつも試合前にプレイさせていただいていたので、そういったお話をいただいた時は本当にふたりとも喜びました」と続けた。
プレイ中もっとも盛り上がった場面について、三浦選手は3年目の終盤を挙げた。木原選手がゴール直前で周回しながら三浦選手のサイコロの出目を待っていた状況で、ちょうどいい目が出た瞬間に「やった!」と大盛り上がり。木原選手も「あと1を出せばゴールできるって時にやっと出たので」と当時の興奮を再現した。これらの対戦の模様は、KONAMIのYouTubeチャンネルにて公開予定とのことなので、ぜひ楽しみにしてほしい。
宝塚で物件を買い占め、翌ターンで「全てを手放しました」
今作は物件駅数がシリーズ過去最多となっているが、木原選手は愛知県出身のため西日本編には地元が含まれず、「トロントでプレイしている時に、中部国際空港のエリアをゆきちゃん(三浦選手)にすごく説明しながらやっていた」と明かした。ただ、三浦選手が宝塚出身のため「全然僕の地元に興味を持ってくれなかった」と笑う。
一方、今回の西日本編では三浦選手が1ターン目で宝塚に止まり、物件をたくさん購入。しかし翌ターンで赤マスにはまり「全てを手放しました」と悔しそうに語った。司会者が「ずっと『これ全部売らないといけないじゃん』と仰っているのを聞いておりました」と補足すると、会場に笑いが起きた。
実際に行ってみたい駅はあったかという質問に対し、木原選手が「いっぱい止まりすぎたから、ゆきちゃん覚えてないかもしれない」と振ると、三浦選手は「ふたりともずっと『ここ美味しそうだよね』って常に言ってた」と返答。木原選手は「桃鉄をやりながら今日止まった駅に現実に行ってみたいね、リアル桃鉄をしたいねみたいな話をしていた」と明かした。
三浦選手は「美味しそうな物件があると、『ここ絶対行こう』って言って」と日常的にそうした会話があることを語り、木原選手は「シーズン中は食事制限をしているので、なかなか食べたいものは食べられない。でもゲームをプレイしていく中で特産品などを見て、ふたりでシーズンが終わったら食べに行きたいって話は結構していました」と補足した。
試合前に桃鉄をプレイするようになったきっかけについて、木原選手は「もともと桃鉄は昔からプレイしていた。今シーズンは特に試合前のルーティンになった。新しく発売されたのもあって、以前は『桃太郎電鉄ワールド』をやっていたが、新しいものもやりたいということで取り入れた」と経緯を説明した。
直近のプレイ状況を聞かれると、木原選手は「カナダから帰国する前に少しプレイしていた。僕はまだ本体を持っていないので、ゆきちゃんの本体でふたりでやっていた」と話した上で、こんなエピソードを明かした。「僕が本体を持っていないのに、ゆきちゃんが飛行機の中でこのイベントに向けて自主練をしていた。ちょっとずるいなと思っていた」。
三浦選手は「このためにフライトのほぼほぼ半分を桃鉄に費やした」と認め、木原選手が「ずるいなと思いながら後ろから見てた」「どんどん一人だけやり込んでると思って」と続けると、三浦選手も「やり込んでた」とあっさり認めた。これだけ”自主練”したにもかかわらず今回は負けてしまったわけで、なおさら悔しかったに違いない。
「ゲームをやれている時は精神的に余裕がある」
試合前に桃鉄をすることが競技にどのような影響を与えるかという質問に対し、木原選手は「ゲームをやれているときは精神的に余裕がある。その余裕を持っていると、競技にもスケート自体にも余裕が出てきて、いい結果につながる」と分析した。さらに「過去、ゲームをやれていない時は気持ちに余裕がなく、試合でも思うような成績が出せなかった。試合前にゲームを取り入れることで気持ちの余裕ができた」と、メンタル面への好影響を実感として語った。
三浦選手も「試合前にゲームを入れることは大切。今シーズンは常にゲームをするようにしていた」と同調した。
ふたりで桃鉄をプレイすることでコミュニケーションが生まれるかと問われると、木原選手から驚きの発言が飛び出した。「試合前の時は僕、絶対勝っちゃいけないっていうルールがあるので」。
つまり、試合前は木原選手が三浦選手に花を持たせることで、パートナーの気持ちを上げているのだ。木原選手は「ご覧になって皆さんおわかりいただけたと思うんですけど、俺ずっと調節してるんですよ」と明かす。さらに「まあでもそれがやっぱり普段からやっていることで、それがすごい絆が生まれますよね」と、ペア競技ならではのコミュニケーション術が桃鉄を通じて実践されていることを語った。
勝率についても話が及び、三浦選手が「試合前は五分五分」と答えると、木原選手はすかさず「勝ってるよ、絶対。やたら勝つようになってるじゃん」と反論。三浦選手が「ギリギリの戦いでどっちが勝つかっていう」と主張するも、木原選手は「りくちゃんが勝つ時はもう仕込まれてる」と笑いを誘った。三浦選手は「ビリにならなければいいみたいな。ふたりで協力してるじゃん」と返したが、最終的には「基本的にはりく社長の勝率のほうが高い」というのが木原選手からの”正式回答”となった。
「桃鉄は、なくてはならないもの。私たちのルーティン」
「ふたりにとって桃鉄とは?」という質問に、木原選手は「なくてはならないもの」、三浦選手は「私たちのルーティン」と即答。三浦選手はさらに「試合のいい成績につながっているのかなと思います」と、競技者としての実感を添えた。
新生活を迎える人々へのおすすめの楽しみ方を聞かれると、三浦選手は「桃鉄はすぐに仲良くなれるゲームだと思う。皆さんで楽しんでいただきたい」と語り、木原選手も「みんなでやれば必ず仲良くなれる。新しい人とぜひ一緒にプレイして、新しいつながりを広げていってほしい」とアピールした。
イベント終盤にはサプライズとして桃太郎の着ぐるみがステージに登場。さらに、桃鉄とりくりゅうのコラボ色紙がプレゼントされた。
三浦選手は色紙を見て「一生の宝物です。常に持ち歩きます」と感激。木原選手も「キャラクターデザインを描いていただいて、今までで一番好きです」と喜びを語り、遠征にも持って行きたいと話した。
ファンに向けたメッセージとして、三浦選手は「いつものプレイと変わらないような、会話をしながら、言い合いながら、本当に楽しくゲームさせていただいたので、ぜひ見てください」とコメント。
木原選手は「今回プレイした雰囲気は、トロントで普段プレイしている雰囲気だったり、試合前の雰囲気だったり、本当にそのままになっていますので、ぜひご覧になっていただけたら嬉しく思います」と呼びかけた。



