平昌オリンピックもついに閉幕。「男子フィギュアシングル」は歴史に残る異次元対戦でしたね。
羽生選手の66年ぶりのオリンピック連覇、宇野選手の初出場銀メダルは、日本中に勇気を感動を与えてくれました。
ところが、メダル獲得後のさまざまなインタビューで、ふたりとも“ゲーマー”であることが発覚!
ラジオ番組『A&G TRIBAL RADIO エジソン』(文化放送)2月17日放送では、
羽生選手:
(『モンスターハンター:ワールド』)まだやれてないんですよね〜、欲しいんですけどね。
宇野選手:
スマホゲームなんですけど『Vainglory』とかやってて。今シーズンのランク10bになって。
オリンピックでメダルに輝いた後に、なぜか“オタトーク”。
しかも、平昌から生電話で……。
そこで、羽生選手と宇野選手がどれだけ“ガチ”なのか。これまでの発言をまとめてみました。
さらに、SNSで話題となり、3700以上のRTを記録したスペインのハビエル・フェルナンデス選手とカナダのパトリック・チャン選手による『Minecraft』の実況動画を日本語に訳してみました。
なんと、ハビエル選手がパトリック選手にがっつり攻撃されています!
仲良くゲームをする癒快な会話をお楽しみください。
https://twitter.com/havemona/status/965035296713617408
文/かなぺん
羽生選手は『モンハン』会話が止まらない……。モンスターの頭をめがけてぶっ倒す派だった!
羽生結弦選手といえば、オリンピック、グランプリファイナル、世界選手権で金メダルに輝いている氷上の絶対王者ですが、ゲーム『モンスターハンター』(以下、『モンハン』)の“ガチ勢”でもあります。
羽生選手の『モンハン』ガチっぷりは、『モンスターハンター4G』(以下、『モンハン4G』)のCMに出演した、2014年の撮影風景から伺うことができました。
ちなみに、『モンハン』はカプコンから2004年に発売された大人気ゲームで、あの手この手でモンスターをボコボコに倒すゲームです。
『モンハン』シリーズをどこからプレイしているか聞かれると……
羽生選手:
ポータブルの2ndGからやってます。
(『モンスターハンター4』は、)320時間ぐらいは!
『モンスターハンターポータブル 2nd G』が発売したのは2008年。つまり、羽生選手の『モンハン』歴は10年! ベテランの領域です。
さらに、320時間プレイした『モンハン4』のハンターランクが316であることも判明。
これには、現場スタッフも「けっこう、やってますね……」と驚きを隠せないようでした。
羽生選手:
乗り上手ですから……僕! ジャンプ得意!
と、『モンハン』の世界でも華麗なジャンプでモンスターを倒しているようでした。
氷上の羽生選手はまさに美麗。さぞかし、『モンハン』でも華麗な戦略のもとモンスターをやっつけているのか……と思いきや。
羽生選手:
操虫棍は本当にもう虫を育てるのがすごい好き。パワー極振りですけど。頭にぶつけてスタンを取るのが大好きです!
つまり、“モンスターの頭めがけてボッコボッコにするのが大好き”と告白。戦闘スタイルはとても雄々しいようです。
さらに、羽生選手は『モンスターハンター4G』でプレイヤーをサポートするキャラクター、オトモアイルー【※】を著名人が考案する“著名人オトモアイルー”企画に参加。
羽生選手が考案した2匹は「アクセル」と「結羽」とスケート愛たっぷり。
“アクセル”はもちろん“アクセルジャンプ”【※】を指しているのでしょうね。
※アクセルジャンプ
国際スケート連盟が認定する6種類のジャンプのひとつ。6種類の中で唯一前向きに踏み込むため、他のジャンプよりも半回転多く回らないといけない。最も難易度が高いとされている。
平昌オリンピック後の会見で、前人未到のクワド(4回転)アクセルの習得を豊富として述べた羽生選手。
思えば、2016年のドキュメンタリー番組『荒川静香 Friends+α 2015-16』(日テレプラス)でも「4回転まで目指したい」と発言していました。
荒川静香氏に「アクセル?」と問いかけられると、「はい」と応えています。
オトモアイルーの名前が“アクセル”だったのは、羽生選手のアクセルジャンプにかける思いが反映されていたのかもしれません。
それにしても……、羽生選手は、いつゲームをプレイしているのでしょうか?
その答えは、2016年4月10日に放送された『情熱大陸 』(毎日放送)に隠されていました。
番組内で「ぼーっとしたくならないか?」と、聞かれると
羽生選手:
音楽聴いて熱唱するか、ゲームの中に入り込むか。3DSの『モンスターハンタークロス』にハマっていて……。
と、オフの日は、やはり『モンハン』をプレイしていることがわかりました。
NHK杯2016年のインタビューコーナー『明子の部屋』では、「昼まで寝る、夜中までゲーム」と回答、翌日が練習の日であっても朝4時までプレイすることもあるとか……。
そんな羽生選手が大好きな『モンハン』の最新作『モンスターハンター:ワールド』(以下、『モンハン:ワールド』)は1月26日に発売したばかり。
ラジオ番組『A&G TRIBAL RADIO エジソン』(文化放送)で語ったようにプレイはこれからのようです。
ちなみに、羽生選手愛用の武器「チャージアックス」は、かなり大きな見た目をしています。
さすがモンスターの頭をめがけて闘うスタイルの羽生選手、玄人向けのいかつい武器を使用してますね。実にワイルドです。
『モンハン:ワールド』はオンラインを通じて、他のプレイヤーと協力し狩りに挑む“マルチプレイ”が可能です。
プレイをしていたら、“羽生選手が募集したクエストに参加してきた”、“参加したクエストのメンバーに羽生選手がいた”という出来事や、“救難信号で駆けつけてくれたのが羽生選手だった”なんて、夢のような展開があるかもしれませんよ。
なお、羽生選手は『モンハン』だけでなく、コミック『東京喰種トーキョーグール』【※】(集英社)が好きで、アニメも観賞し、グッズも所持しているとか。
羽生選手の作品愛を知った原作者の石田スイ氏は、オリンピック連覇後にイラストを描き下ろしています。
— 石田スイ (@sotonami) February 18, 2018
※東京喰種トーキョーグール
石田スイが手がけるマンガ。『週刊ヤングジャンプ』にて2011年より連載開始。2014年42号に最終回を迎え、新篇『東京喰種トーキョーグール:re』の連載が同年46号からスタートしている。
25日の『おはスタ』(テレビ東京系列)でアニメ『東京喰種トーキョーグール』で主人公・金木研の声を担当している声優の花江夏樹氏からのメッセージをもらい、キャラクターの金木研から「オリンピック僕もみてました! 素晴らしい戦いぶりでしたね」と話かけられると……、羽生選手は「恥ずかしい、とても恥ずかしい」と照れ笑い。
大好きなキャラクターとの会話はとても、羽生選手の心に届いたようで、
羽生選手:
スケートやっててよかったなと思えるひとつです。
と、隠しきれない喜びを表現していました。
宇野選手は3DSの横にレッドブルを装備。「課金は負けではない、強くなるための手段だ」と課金兵発言も
宇野昌磨選手は、公式大会で初めて“4回転フリップ”に成功し、ギネス世界記録に認定されたフィギュアスケーター。平昌オリンピック銀メダリストという一方、かなりのゲーム好きとして脚光を浴びています。
2017年7月放送の『グッと!スポーツ』(NHK)で、海外遠征の必需品がゲームをするためのWi-Fiであり、オフは部屋にこもってスマホゲーム三昧であると、田中刑事選手【※】により報告された宇野選手。
※田中刑事
日本の男子フィギュアスケート選手。2016年〜2017年全日本選手権2位。平昌オリンピックでは日本代表としてフィギュアスケート団体、男子シングルに出場した。
観光よりもスマホゲームが大好きとはなかなかですが、当時は“ゲームが好きなんだな”というエピソードがチラリと垣間見えた程度。
ところが、想像を超えるほどのゲーマーだったとは……。
平昌オリンピックが開幕すると、なぜか宇野選手とゲームの話題がたくさん世にでてくるようになりました。
『キャッチ!』(中京テレビ)では、夜中までゲームをプレイしていたり、試合当日は6分間練習直前までゲームをしており、それがサイクルになっているとまで!
2月17日の『Going! Sports&News』(日本テレビ)に羽生選手と宇野選手とふたりで出演すると……。
羽生選手:
彼はもうほぼゲーマーなんで。スケーターって言えるのか、ゲーマーっていうのか、どっちか分からないくらいゲーマーなので……。
宇野選手:
才能はないですけど、スケートより努力しているかもしれない。
と、応えスタジオを笑いに包みました。
冗談とはいえ、オリンピック銀メダリストが“スケートより努力している”とは……。いったいどの程度プレイしているのでしょう。
冒頭でも紹介した、ラジオ番組『A&G TRIBAL RADIO エジソン』(文化放送)ではスマホゲーム『Vainglory』をプレイしていることが判明しました。これに対し、運営のVainglory Japanがこの発言に反応し、Twitterで宇野選手のメダル獲得を祝福しています。
氷上でも「Vaingloryの誉れ」の宇野昌磨選手! #平昌オリンピック #フィギュアスケート 銀メダルおめでとうございます🇯🇵 #JPNhttps://t.co/6ZtPX5Lx9h pic.twitter.com/JcwdF8wGt1
— Vainglory Japan (@VaingloryJP) February 18, 2018
『Vainglory』は世界中のゲーマーに人気のゲームで、オンライン対戦がメインのシミューレーションRPGです。ゲーム初心者には少し難しく……戦術や戦略を必要とする非常に骨太なゲーム。
なかなか、見事なゲーマー魂をお持ちのようです。
宇野選手のゲーム好きエピソードはまだまだ終わりません。2月18日の日刊スポーツでは宇野選手の弟、宇野樹氏の手記により「宇野選手が強いのは『大乱闘スマッシュブラザーズ』」だということも判明しました。
任天堂の代表的なキャラクターたちが集結し、ステージ上で対戦をくり広げる『大乱闘スマッシュブラザーズ』。宇野選手が好きなキャラクターは「マリオ」。何でも対応できる万能型である点が気に入っているようですね。
続いて紹介するのは、2月19日に放送された『ゴゴスマ~GOGO!Smile!~』(CBC)でのひと幕。宇野選手がスマホゲーム『荒野行動』をプレイしていることが明らかとなりました。弟の樹氏とオンラインプレイを楽しんでいるようです。
これを受け、『荒野行動』の公式Twitterアカウントが反応。
https://twitter.com/GAME_KNIVES_OUT/status/965940870783565827
『荒野行動』は無人島に降り立った100人のプレイヤーが、最後のひとりになることを目指して戦いを展開しするバトルロワイヤル系のゲームです。ひとりで楽しめるのはもちろん、5人での協力プレイも可能。スマホとは思えない、広大なフィールドが話題です。
『荒野行動』も『Vainglory』と同様、オンラインで他のプレイヤーと対戦することができます。もしかすると宇野選手とタッグを組んでいる可能性があるわけです。
このように、スマホゲームから家庭用ゲーム機まで、ありとあらゆるジャンルのゲームをプレイしている宇野選手。しかし、驚くことに“カードゲーム”も網羅していました。
ここまでくると“すごい”! としか言えなくなってきます。
『週刊女性』3月6日号では、家に帰れない試合の夜は田中刑事選手と『遊戯王 オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ』で、遊んでいることが記載されています。
田中刑事選手といえば、全日本フィギュアスケート選手権の演技後、リンクに投げ込まれた『遊戯王 オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ LINK VRAINS BOX』を発見。しっかり拾っていましたね。
その姿は、真の“デュエリスト”でした。
ちなみに今回の平昌オリンピックでの生活は、宇野選手的に満足だったようで、サンケイスポーツのインタビューにて「日本にいるときよりも(選手村で)ゲームができているので満足だった」と回答しています。
さらに、宇野選手は課金をするタイプのようで、2月19日に放送された『Nスタ』(TBS)の中で「課金は負けではない、強くなるための手段だ」との発言が! 同時に掲載された写真はベッドに横になり、3DSでゲームを楽しんでいる姿でした。
そして、宇野選手の横にはレッドブル……。“ゲームのお供に起爆剤! これはもう本気だ”と、世のアプリ課金兵たちに希望を与えました。
さらに、2月19日の中日新聞のインタビューでは、スケート以外で頑張りたいこととして「ゲームがおろそかになりつつあるので、ゲームの大会に出てみたい」と抱負を述べています。
宇野選手がプレイしている『Vainglory』は、昨年、シンガポールで公式世界大戦「Vainglory World Championship 2017」が開催されました。
このように、最近は世界でゲームの大会“エレクトロニック・スポーツ”(略称:eスポーツ)が行われており、2022年からアジア競技大会で正式種目採用が決定。2024年のパリオリンピックでも正式種目として追加される可能性が浮上しています。
冬期オリンピックメダリスト宇野選手、夏季オリンピックのメダルも目指す……。
ゲームの世界でもギネス認定とメダル獲得、なんて夢のある話でしょう。
ハビエル選手は『Minecraft』実況でパトリック選手に、ボコっと殴られていた……
2014年にカナダの番組『Gaming Show』で公開された、パトリック・チャン選手【※1】とハビエル・フェルナンデス選手【※2】による、ゲーム『Minecraft』の実況動画「Celebrity Let’s Play – Patrick Chan Reviews Minecraft」が、先日SNSで話題となりました。
※1 パトリック・チャン……カナダのフィギュアスケート選手。2011年〜2013年世界選手権3連覇、ソチオリンピック団体銀メダルと男子シングル銀メダル。平昌オリンピック団体金メダル。今季での引退を表明している。
※2 ハビエル・フェルナンデス……スペインのフィギュアスケート選手。2015年〜2016年世界選手権2連覇、2013年〜2018年欧州選手権6連覇、平昌オリンピック男子シングル銅メダル。コーチは羽生結弦選手と同じブライアン・オーサー。
『Minecraft』は、壊したブロックから素材を手に入れて、新たなブロックを設置し自分だけのオリジナル世界を作り上げて遊ぶゲームです。
フィギュアスケート界を牽引し続けているふたり。
氷上では常にライバルですが、ゲームをする姿はまさにジョークも許せる間柄。そんなふたりがどのような会話をしながら、ゲームを楽しんでいるのか気になったので、和訳してみたところ……。
溺れたり、殴り合ったり、ドタバタ劇を繰り広げていました。
画面上がパトリック選手、下がハビエル選手。プレイヤー目線の世界が映し出されています。
(14秒〜)
パトリック 君が溺れたらいいのに。ハビエル 君の方が溺れてるぞ。
パトリック 本当?
ハビエル うん。
パトリック 本当だ! 気泡が出てる。
森に入ったふたり。ハビエル選手が池をみつけ……躊躇なくドボン。パトリック選手も続いて池へ。パトリック選手が「溺れればいいのに」と冗談を言ったところ、自分が溺れてしまったようです。
(20秒〜)
ハビエル 見て、見て! 何か見つけたみたい。僕を攻撃してる。あれ何?何?パトリック オオカミだと思う。あ、偶然叩いちゃった。ごめん……。
ハビエル 殺される!
パトリック やろうと思えば殺せたんだけどな。
(37秒〜)
パトリック おぉ、石炭をあげようと思ったら、代わりに石炭で殴っちゃった!
オオカミを倒しているハビエル選手。パトリック選手も現場にかけつけ共闘! ……かと思いきや、ハビエル選手を殴ってしいました。しかも2度も……。この後、パトリック選手が『Minecraft』をプレイしたのは初めてだったということが判明します。
(54秒〜)
ハビエル 僕のライフ見て! 半分生きてる。ハートが半分だけ残ってる。
2度も殴られたハビエル選手。画面下のハートの数に注目してください。ハビエル選手のハートはあとひとつ。それも半分だけです。パトリック選手はライフのハートが切れそうなハビエル選手をみて苦笑しています。
(1分12秒〜)
パトリック 誰だ?誰だ? わー!攻撃された! オーマイガー! ハビィ〜! ハビィ〜!うそだろ! あいつ弓と矢を持ってる。
<ゲームオーバー>
パトリック あーあ、死んじゃった。怖かったから後ろに下がったら、溶岩に落ちちゃった。
夜になり、パトリック選手はハビエル選手の姿が見えない、とひとこと。そんなとき、パトリック選手は何者かに襲われ……。
残り3個のハートが、最後のひとつに。
「ハビィ〜!」と必死に助けを求めるものの……ゲームオーバーとなってしまいました。
(1分16秒〜)
パトリック このゲームは10点満点中6点だな。ハビエル 長時間プレイできるから僕は10点満点中7点かな。
パトリック 10点満点中7点?
ハビエル うん。7点。
パトリック スケートリンクが作れたら9点~10点、それ以上だよ。
最後はゲームの総評へ。ハビエル選手はグラフィックが気に入らないものの、長時間遊べるゲーム。
パトリック選手はゲームに目標がないとそれぞれコメントしています。
そして、「スケートリンクが作れたら10点以上」とスケート愛あふれるコメントで締めくくりました。
ちなみに、スケートリンクは土を掘り、氷を敷き詰めれば作れます……。
ハビエル選手はこれまでにもインタビューにて、ゲーム『Call of Duty』に夢中で、1日に何時間もプレイしていると応えていたことがあり、かなりゲーム好きのようです。
それにしても、トップアスリートとゲームにはなにか関係があるのでしょうか? 思った以上に本気でプレイをしていました。
脳科学者のダフネ・バヴェリア氏は、アクション系ゲームプレイヤーは他のゲームプレイヤーより注意力の範囲が広く、脳の注意力を司る頭頂葉皮質、前頭葉、前帯状皮質の効率に優れていると発表しており、アクションゲームには、脳の柔軟性や学習能力などを向上させる要因があると述べています。
思えば、『モンスターハンター』、『荒野行動』、『Call of Duty』はすべてアクション系のゲームです。もしかすると、トップ選手とゲーム好きには何か関係があるのかもしれませんね。