編集部ひとことレビュー
本作は、学園祭前日の学園を舞台に良質のホラーが楽しめるアドベンチャーゲームですが、なにしろ18年前にリリースされたタイトルのため、同系統の新作と比較するとグラフィックスではどうしても見劣りします。美しい映像はあまり期待せず、BGMを含めた周囲の雰囲気と、画面内のテキストで恐怖の神髄を味わう……そのつもりで遊んだほうがいいと思います。
とはいえ、画面が古いことによって恐ろしさが薄れるなんてことはありません。クトゥルフ神話の匂いを感じる部分や、バタバタと死んでいく登場人物たち。クラスメイトや教師と会話するたびに、得体の知れない何かに自分から近づいていってしまっている感覚に襲われます。お化け屋敷のような“ビックリ”系の恐怖だけでなく、何者かによりゆっくりと追い詰められていく心理的な恐ろしさも堪能できるのがこのタイトルの真骨頂。
登場する謎解きは難解ではなく、ストーリーそのものもサクサク進むため、攻略に行き詰まることはおそらく少ないでしょう。操作もシンプルなので、ゲームそのものに不慣れな人でもすんなりと上質な恐怖の世界に入り込めます。ただし、上記の絵の古さとも関連するのですが、なんというか……その……非常に酔いやすいゲームです。それすらも得体のしれない気持ち悪さに寄与していたり。人を選びますが、これを乗り越えられそうなら、ぜひプレイしてみてください。
・・・いる!
発売年月日 | 開発元/発売元 | プラットフォーム |
---|---|---|
1998年3月26日 | タカラ | PlayStation |
特記事項 | ||
なし |
(C)TAKARA CO.,LTD. 1998