Revinのひとことレビュー
「怖いの?」と問われると、素直にうなずくのは難しい。どっちかというと「笑える」ゲームだ。
本当の恐怖に直面したとき、人は笑ってしまう――というほどのことでもない。作中で語られるエピソードは「そんなことあるわけないだろ」というような与太話が大半なのだが、話を聞いた後、主人公の身にそれが実際に起こってしまうのだ。そりゃ実際に起こられちゃあ、恐れおののくしかない。反則である。ゲームの中にいる主人公は、そうやって餌食になってしまうが、プレイヤーである我々には、さすがに起こらない。だから笑っていられる。
このゲームの多くを占める「お化け」とか「霊魂」が怪奇の主体であるエピソードなら、それで済むのだが、曲者なのは「いじめ」がテーマのものだ。他の荒唐無稽な話に比べて相対的にリアリティがあるせいか、妙に生々しくて、それをきっかけに起こる怪異は、なんだか笑って済ませられない。ときどき、その犯人にされたりして、後味が悪い。
本当に怖いのは、やっぱり人間関係なのかもしれず、そこをキチンと組み入れている。このゲームはホラーではなくコメディと呼ばわっているが、一筋縄ではいかない作品だと思う。
学校であった怖い話
発売年月日 | 開発元/発売元 | プラットフォーム |
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1995年8月4日 | パンドラボックス/バンプレスト | スーパーファミコン |
特記事項 | ||
PlayStation版(1996年※『学校であった怖い話S』)、スーパーファミコン版(1997年※ニンテンドウパワー)、ゲームアーカイブス版(2007年)、Wii版(2008年※バーチャルコンソール)、Wii U版(2014年※バーチャルコンソール)あり。 |
(C)PANDORA BOX (C)BANPRESTO 1995