猫マグロのひとことレビュー
「口裂け女」や「トイレの花子さん」といった怪奇現象・都市伝説。ネットで探せば、体験する方法や条件はいくらでも出てきますが、誰もがそこから一歩先に進むことをためらうはずです。『怪異症候群』では、その一歩先に待ち構えているものが襲い掛かってくるのです。
このゲームは敵の“怪異”を見事に表現し、プレイヤーに恐怖感を与えます。人の嫌がること、恐怖を感じるところをピンポイントで狙ってくる演出は、プレイする上でぜひ注目していただきたいポイントです。
圧倒的な立場の敵の“怪異”に負けず劣らずの存在感を放っているのが、ストーリーとキャラクターたちです。むしろ、ゲームを進めるにつれ、“キャラクター”“ストーリー”“敵”、この3つの要素がどんどん魅力を持っていきます。プレイヤーに飽きを感じさせない、違和感を感じさせないーーさながら完成した1つの物語を読ませるかのように、どんどんゲーム内にのめりこませます。
それを実現しているのが、このゲームの「ホラー」以外の要素のすべてとも言えるでしょう。プレイヤーを怖がらせる、というのがホラーゲームにおいて大事な点であるのは間違いありませんが、そればかりが注目するところではありません。「ホラー」要素は、扱いを間違えたら一気に存在感をなくします。それこそ、ただの小さな演出の1つになるでしょう。「ホラー」を飾る他の要素が弱くても、「ホラー」は消えてしまうでしょう。
『怪異症候群』は、見事に「ホラー」を扱い、プレイヤーを怖がらせるというのはもちろんのこと、人を魅了するさまざまな要素を兼ね備えています。ホラーフリーゲームをプレイするならば、決して欠かすことができない作品です。
怪異症候群
発売年月日 | 企画・製作 | プラットフォーム |
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2011年10月23日 | 夕闇の季節 | Windows |
特記事項 | ||
なし |