ガッチマンのひとことレビュー
このゲームは、「完璧なゲームだ」って言う人が多いですよね。
実際、ストーリーや操作性などのゲーム部分もすごいのですが、やはり素晴らしいのがその“世界観”だと思います。
謎の寄生菌のパンデミックが発生した世界で、主人公は「感染者」と呼ばれるゾンビと闘うんですけど、一方で人間とも敵対していくんですね。「荒廃した世界で一番怖いのは人間の存在だ」というところにリアリティがあって、その世界観に冒頭からグッと引きこまれていく。
ストーリーは、中年男性のジョエルと、この世界を救う鍵をにぎる14歳の少女・エリーが一緒にサバイバルしていくというものですが、この二人がずっとお互いの存在を素直に認められないんです。擬似的な父娘関係になりそうで、でも中々そうならない。
でもラストで、この二人がついに互いの関係性が問われる究極の選択を迫られて、そこで凄まじい人間ドラマがある。その展開は、まるで1本の映画をみているようでした。実際、開発者はジャンル名に「サバイバルホラー」とは明記していなくて、ヒューマンドラマとしての色が強いんです。
実況では「グラウンド」と呼ばれる最高難易度でのプレイに挑戦したのですが、銃弾がほとんどなかったです(笑)。近接攻撃だけで、首を絞めたり、殴ったり、瓶を投げつけたりで……もう大暴れするしかない。その様がゴリラみたいに見えたらしくて、コメントでは「ゴリラジュエル」と言われました(笑)。でも結果的に、この最高難易度でのプレイこそが、銃弾もなければ武器の素材もない『The Last of Us』の世界観にはあっていたなと思います。
ホラーとしては「音」が重要なゲームだと思います。敵は音に反応して襲ってくるし、こちらも敵の位置がわかる「聞き耳」という能力があったり……でも最高難易度だとそれも使えないので、敵のうめき声に「リアル聞き耳」を立てて対処するしかない(笑)。
ただ、実は感染者は初期位置が決まってることが多いので、慣れてしまえば怖くない。そうなると、むしろ手こずるのは、動きが予測できない人間の方ですね。これが、人間こそが何を考えているかもわからない。という世界観と適合しているんですね。
そう――このゲームの世界観では、本当に怖いのは人間なんですね。
The Last of Us
発売年月日 | 開発元/発売元 | プラットフォーム |
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2014年5月21日 | ノーティドッグ/Sony Computer Entertainment | PlayStaton 3 |
The Last of Us特記事項 | ||
PlayStation 4版(2014年※『The Last of Us Remastered』)、廉価版(2015年※『The Last of Us PlayStation3 the Best』)、あり |
(C)2013, 2014 Sony Computer Entertainment America LLC. Created and developed by Naughty Dog LLC