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FF14にGLAYのTERUがいたので取材申し込んだらOKされちゃった! MSXから始まる濃厚なゲーム歴、そして初MMOの興奮を訊く【聞き手:「光のお父さん」マイディー】

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ネットにリアルを持ち込んだ衝撃

――ゲーム好きの声優さんやアーティストさんって沢山いて、色んなゲームをプレイされているんですが、皆さん基本的には匿名です。ところがTERUさんは全てをオープンにされていますよね。それを自然にやられているようなのですが……マイディーさんならこの凄さがよく分かりますよね。

マイディー氏:
 自分たちが楽しいと思う形ってあるじゃないですか。「初見で行って倒れたい」とか「みんなで一緒に」とか。その中に「オンラインゲームはオンラインゲームの世界だけで」という考え方があって、僕らにはその考えがこびりついてるんですよ。それが当たり前だし楽しいという、勝手な決めつけがあったんです。

――「ネットにリアルを持ち込むのはマナー違反」という暗黙のルールみたいなのがありましたよね。

マイディー氏:
 だからTERUさんのプレイスタイルはとにかく衝撃的でした。自分をオープンにして、さらにそれを広げ、みんなの方を向いていく――まさに目から鱗で、今までのオンラインゲーマーの考え方自体を崩してくれたなと。

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マイディー氏提供SS

――逆にそういう風にプレイしている姿を見て、心配になったことはありませんか?

マイディー氏:
 一番最初にお会いしたとき、早速「マイディーさんと一緒に撮ったスクリーンショットをTwitterにあげてもいいですか」って言われたんです。凄く嬉しかったんですが、それをしてしまうと、僕はサーバーを公開しているので、TERUさんがこのサーバーにいるというのが広まってしまうじゃないですか。

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マイディー&Mukkyのツーショット2。現在は当初よりもよりオープンにプレイを楽しんでいる
(画像は@RE_TWIT_TERUより)

 そういう楽しみ方ではなく、匿名性を利用して、普段はGLAYのTERUとしてキャーって言われている中、ゲームでは一個人として遊んでみては――と思っていたんです。ドラマを観て頂いてゲームを始め、そういった楽しみ方をされている芸能人の方々もいっぱい見ていたので。

 ところが、実際に会ってお話しを何度かしているうちに、オンラインゲームの自分とリアルの自分をくっつけて前に進んで行くという道を選んでらっしゃるんだなと感じたんですよ。これは今までの概念にない新しいことだと思いました。

――ゲームのプロモーションのお仕事での実名プレイはよくありますが、TERUさんの場合は違いますもんね。

マイディー氏:
 だからこそ、「こういう楽しみ方がいいですよ」という刷り込みをするのではなく、TERUさんが一番楽しめるスタイルでサポートしていきたいと思って、色々とアドバイスをさせていただきました。

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TERU氏、マイディー氏、ドラマ版「光のお父さん」のプロデューサー・ぴぃ氏でのミーティング風景
(画像は@RE_TWIT_TERUより)

――具体的にどの様なサポートを行ったんでしょうか。

マイディー氏:
 例えば情報を公開するのも、段階的にやっていきましょうと。スタート直後にグリダニア【※】のスクリーンショットが載ってしまうと、人が大勢集まってしまい、ゲームに慣れてもいないのにめちゃくちゃになる可能性がある。なので、低レベルの時は居場所がばれてしまうスクリーンショットの投稿は避けるようにしました。

※グリダニア
『FFXIV』にある、スタート地点となる都市国家の一つ。森の都と称されるほど緑が多く、槍術士、弓術士、幻術士は、この都市から冒険を開始することになる。

TERU氏:
 「そろそろいいですか?」って毎回マイディーさんに聞きました(笑)。「もうGungnir【※】ってバレてるので、二人のスクリーンショットを出していいですか」とか。

※Gungnir
『FFXIV』のワールド(サーバー)の一つ。

マイディー氏:
 そこは計算というか、サーバーに負担をかけたくないというTERUさんの意志があったんですよね。

 あと心配事と言えば、変な人が来て、変なことを言ってTERUさんを嫌な気持ちにさせないかと心配されてるファンの方は多いですよね。

TERU氏:
 そこはTwitterで慣れていますからね。

マイディー氏:
 僕もそれを聞いたときに「確かに」って思いましたよね(笑)。僕らとは踏んできた経験値が違うわと。僕らは、あっても所詮ゲーマーの嫌がらせぐらいですしね。

TERU氏:
 本物の嫌がらせは凄いですよ(笑)。でも嫌がらせをする人って、何かしらきっかけがあって嫌な言葉を言うと思うんですよ。寂しかったりね。だから、一緒の輪に入れば、楽しくやっていけるんじゃないかと思っています。

“メール誤爆”が出会いのきっかけ

――TERUさんにとってマイディーさんは、まさしくメンター的なポジションだと思うのですが、お二人はどのようにして親密になっていったんでしょうか。

TERU氏:
 きっかけはマイディーさんと南條さん【※】を間違えたことですね。南條さんにメールを打っているつもりが、マイディーさんに送られてて。

※南條さん
南條愛乃。1984年生まれ。日本の声優。『ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア』では「クルル」のキャラクターボイスを担当するほか、ドラマ「光のお父さん」ではエオルゼア(ゲーム内)パートのマイディーを演じる。

マイディー氏:
 「光のお父さん」の主題歌が収録されてるアルバムのCMを、声優の南條愛乃さんが演じるマイディーの声でナレーションすることになったんですが、その収録日にTERUさんからダイレクトメッセージが来まして。

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マイディー氏提供SS

 普通に暮らしていた一般人にスーパースターからメッセージが届いたわけですから、まぁ飛び起きますよね。内容を見たら凄くご丁寧で、「声を出すのは僕じゃない……声優の南條さんなんだよな……」って思いながら、その日、ずっと困惑して座って過ごしました(笑)。

TERU氏:
 それで返ってきた返事が、前半は南條さん風だったんですけど、後半で「僕は南條さんではありません」って明かされて(笑)。

マイディー氏:
 「実際に声を出すのは南條さんです」って(笑)。でもそこからドラマの感想とかをやり取りさせていただくようになったんです。

TERU氏:
 それで、ゲームの始め方を教えてもらって、「LINEを交換してもらっていいですか」と僕からお願いしました。

――マイディーさんは、TERUさんと一緒にプレイすることになってどうでしたか?

マイディー氏:
 ビックリしましたよね。昔から知っているアーティストというのが念頭にあるので……。ただ、僕が本当に嬉しかったのは、うちのFCメンバーの名前をひとりひとり覚えてくださったんです。会う人に、敬意を持って接してくれていらっしゃるんですよね。そういう姿を見て「やっぱりすごいな」と感動しました。

TERU氏:
 何度も確認しましたよね。

マイディー氏:
 たまにLINEで、「〇〇さんは●●さんですか?」って(笑)。

TERU氏:
 そうそう(笑)。やっぱりそういうのが楽しいんですよね。人が好きなので。

ナイトを選ぶことから始まった

――ここからはTERUさんの具体的なプレイの話を伺っていきたいです。まず我々が驚いたのが、初めてのMMORPGで難易度の高いタンク職を選ばれたことなんです。なぜナイトだったんでしょうか。

TERU氏:
 当時は何もわからなかったので、僕だったらナイト【※】かなって(笑)。あとで聞いたら大変なジョブだって知りました。

※ナイト
『FFXIV』におけるタンクロールの一つ。剣と盾を持っており、高いHPと防御力で仲間を守る。補助スキルも豊富で、自身や仲間のダメージ軽減や、HPの回復も行える。

マイディー氏:
 僕もナイトをプレイするって言われたときは、「なるほどねぇ……」と頭を抱えましたね(笑)。

TERU氏:
 「モンスターハンター」でも大剣とハンマーなので。

マイディー氏:
 ナイトって基本、ダンジョンの道を覚えないといけないんです。

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TERU氏が“予習”したというメモ
(画像は@RE_TWIT_TERUより)

 そこが負担になるので、DPS【※】の方が最初は入りやすいと思ったんですが、とはいえ「ナイトはダメですよ」とも言えなくて……でも、凄く頑張られていますよね。

※DPS
高い攻撃力で敵へダメージを与えることを役割とするロールを指す。一般的には、他のロールよりも攻撃だけに専念できるため、プレイの敷居が低い。

TERU氏:
 『ドルアーガの塔』の時もそうだったんですけど、自分でマップを描いてやらないとダメなタイプなんです。

 前に手描きのマップを描いてSNSに投稿した時に、タンクをプレイされている方が「みんなタンクやっているやつはこれを見ろ! これが本当のタンクの姿だ」と言ってて、凄く嬉しかったです。

――IDに行くときに、「ナイトで初心者ですけど大丈夫ですか」というツイートをされていましたけど、本当に凄いなと。あれを言える人はなかなかいないと思います。

TERU氏:
 僕的には、大目に見てねって感じです(笑)。そうそう、実は「邪竜血戦 ドラゴンズエアリー」に行ったときは一回倒れてしまって……ちょっとショックでしたね。やっぱり勉強しないとダメなんだなと思って。

マイディー氏:
 僕も一緒に行ってたんですが……僕らは何も言わないスタイルなので(笑)。

TERU氏:
 一回全滅した後に、教えてもらいましたよね。

マイディー氏:
 そうやって僕の父親も光の戦士になっていきましたからね。

TERU氏:
 実はマイディーさんのお父さんが今もプレイされていると聞いて、すごく新鮮だったんですよ。「ドラマ用にツインタニア【※】を倒したらもう終わりなんだろうな、いまやっていないんだろうな」と思っていたので。
 僕もお父さんに一度会ってみたくて探しているんですけど会えないんですよね(笑)。

※ツインタニア
「大迷宮バハムート:邂逅編 5層」という高難易度コンテンツのボス。かなりの強さを誇り、「光のお父さん」ではこのツインタニア突破が最終目標となった。

マイディー氏:
 もう4年目の光の戦士ですからね。では、今度一緒にいきますか?

TERU氏:
 いや、自分で探しますよ!(笑)

マイディー氏:
 では偶然の出会いを……(笑)。毎日ログインしていますし、今週の万物【※】も終わっていますから。

※万物
パッチ4.0で実装されたゲーム内通貨の一つ。特定のコンテンツをクリアすることで得られ、装備などと交換できる。2017年9月4日現在では、1週間に取得できる上限が決まっている。

一番の思い出は“みんなで見た夕日”

――冒険をされる中で、他に印象に残っていることはありますか?

TERU氏:
 前にマイディーさんに連れて行ってもらった場所の夕方は、凄く印象に残ってますね。

マイディー氏:
 ドラヴァニア雲海【※】ですね。

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※ドラヴァニア雲海……2015年の拡張パッケージ「蒼天のイシュガルド」で追加された、『FFXIV』の一地方。雲海という名の通り、空に浮かんでいる。かつてドラゴン族と人が共に暮らしていた場所で、現在は遺跡になっている。
(画像は@RE_TWIT_TERUより)

TERU氏:
 あそこはキレイだったなぁ……。

マイディー氏:
 タイミングもよかったですよね。

TERU氏:
 ちょうど日が沈んでね。

――もう、デートじゃないですか(笑)。

マイディー氏:
 いえいえ、ライトパーティでいきましたよ(笑)。

TERU氏:
 あの景色を見てから、「風脈の泉」【※】を全部開けるのが目標の一つになりました。いま必死になって探しまくってますよ。メインクエストが残ってるんですけど、それそっちのけで風脈をかき集めているという(笑)。

※風脈の泉
『FFXIV』の一部地方には風の通る道、すなわち「風脈」が流れており、風脈の源泉となる泉すべてに触れることにより、その地域の風脈の流れを理解し、フライングマウントと呼ばれる乗り物に乗って空を飛べるようになる。

マイディー氏:
 あのときの夕日は、まさにオンラインゲームの醍醐味でした。その前に色々やってて、「そろそろ日が沈むから」というタイミングで行ったからこそ見れた夕日だったんです。あそこに行けば必ず見れるものじゃないですし、次行ってもあの4人がそろうわけじゃない。オンラインゲームというのは、瞬間瞬間が通り過ぎてしまうと「もう1回」はできないんですよ。

TERU氏:
 現実世界も一緒ですもんね。

マイディー氏:
 そうなんですよね。そういうところで情緒があるというか、新しい価値観が感じられるかなと思います。

TERU氏:
 僕がオンラインゲームの醍醐味だと思ったのが、30人ぐらいで集まって「池があるから池まで行こう」って話になった時ですね。みんなでバーって移動したんですが、それがすごく壮観で……楽しいって言いながらみんなで走るのが、凄く気持ちよかったんです。

――MMOならではの壮観さですね。

TERU氏:
 GLAYのファンで、かつ『FFXIV』をずっと遊んでいらっしゃる方も結構多いのですが、「4年目ですけどこんなに楽しい『FFXIV』は初めてです」と言ってくれたりして。自然とGlayerが集まっているので、僕がいないときにもお互いに「どこのツアー行くんですか?」と、色々と会話をしているみたいです。僕はそれをそっと覗いたりして(笑)。

ツインタニアが冒険の最終目標

――それは何だかほっこりしますね。では風脈以外に、冒険の目標は何かありますか?

TERU氏:
 ツインタニア……ですかね!

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(画像は一撃確殺SS日記より)

マイディー氏:
 その話は伺っていて、もちろんお手伝いさせていただきますけど……基本的には自分で仲間を8人集めて、スーパードリームチームを作って挑んでほしいですね(笑)。

――ツインタニア突破は一生の思い出になりますよね。

マイディー氏:
 まあ、基本は下限IL制限【※】でいきますけど、ぜひ下限で突破してほしいなと。みんなで力を合わせてという部分は体験してほしいですね。多分、より好きになってもらえると思います。

※下限IL
『FFXIV』のひとつひとつの装備にはアイテムレベル(IL)という概念があり、これらを身に着けたときの「平均IL」という数値が、キャラクターの装備の強さを表している。各コンテンツ突入の条件には「平均IL○○以上」という設定がなされている。 また、ILはゲームを進めて装備を手に入れることで上がっていくため、適正レベル以下のIDに突入すると、装備が強すぎ、比較的簡単に攻略できてしまう。 下限ILとは、そんな平均ILをコンテンツに設定されているILに下げるオプション項目。これにより、そのコンテンツ本来の難易度を楽しめる。

TERU氏:
 蛮神戦【※1】でもヒリヒリしてますからね……特にラーヴァナ【※2】はヤバかったです。

※1 蛮神戦
過去の『FF』シリーズに登場した「イフリート」や「オーディン」といった人気の召喚獣が、『FFXIV』では蛮族が召喚した神――蛮神として登場する。蛮神戦とは、そんな強烈な蛮神と戦う8人向けのコンテンツ。

※2 ラーヴァナ
グナース族という昆虫めいた蛮族が、ドラゴン族の脅威に対して呼び降ろした4本腕の蛮神。通常、蛮族戦では手順の確認も含め、全員の返事を待ってバトルを開始するが、TERUはこのとき、手順の確認など何もかもをすっ飛ばして突撃していったことになる。

マイディー氏:
 ラーヴァナをやったときは、ムービーが終わって「じゃあ今からラーヴァナが始まります」って話しかけた瞬間に、ラーヴァナに向かって走っていきましたね(笑)。

TERU氏:
 全然予習なしでいかせてもらって(笑)。

マイディー氏:
 でも落ちなかった【※】んですよね。

※落ちなかった
特定の蛮神相手のバトルでは、HPの枯渇による戦闘不能以外にも、吹き飛ばすような攻撃によって、バトルフィールドから落下して戦闘不能になる場合がある。

MMORPGが人生に与えた影響

――では、残り時間も少なくなってきたので、最後の質問に移らせて頂きます。お二人は、オンラインゲームは人生にどのような影響を与えうると思いますか?

マイディー氏:
 リアルをリセットして、もう一人の自分として世界を持てるのって、すごく心に余裕ができるんです。新たな自分として人と接することができる世界でもあるので、人生のやり直しができるというと大きな話ですけど、そういう感覚に近いものがあると思うんですね。

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マイディー氏提供SS

 またその中で、もう一度自分を見直すこともできるんです。ゲームの中にいるキャラクターと、リアルにいる自分は決してイコールじゃない。ゆえに、バーチャルの自分とリアルの自分が、互いに自分の新しい面に気づくきっかけになっていくんじゃないかなと考えています。

 例えば、現実では厳しい人間だけど、ゲームの中ではいい人でいよう――そういう気持ちでプレイしているとします。すると、「リアルでもそれができるんじゃないか」と思えてくるはずですよね。

TERU氏:
 オンラインゲームって疑似体験だと思うんです。TwitterなどといったSNSに関しては、会話はできるけど、実際にそこにいる感覚はない。でもオンラインゲームに関しては、「いま会いに行きます」と言って馬に乗って来てくれたりもします。

 マイディーさんと最初にゲーム内でお会いしたときなんか「ドラマのまんまの人がいる!」って本当に感動しました(笑)。とにかく体験がリアルなんですよ。

――そのリアルさはオンラインゲームの面白いところですよね。

TERU氏:
 エモートのハグ一つにしたってそうじゃないですか。ある時、パーティメンバーがお別れする時にハグしてくれて、「これどうやってやるんだろう」と思ってエモートを探して、すぐできるようにしたんです。

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(画像は@RE_TWIT_TERUより)

 ところが、いざやろうとしたら恥ずかしくてできなかったんですよ。ゲームなのに、おかしいですよね。その後どこかのIDをクリアして、本当にありがとうございますという気持ちがあったときに、初めてハグできて……結構恥ずかしかったですけど、ひとつ壁を越えられた気がしました(笑)。

――最初はなかなか恥ずかしいですよね(笑)。

TERU氏:
 「これはリアルじゃない……ゲームだから……」って思うんだけど、生身の人がそこにいる感覚があるんですよね。そのぐらいリアルなんです。

 その上で、影響みたいなことを考えると、オンラインゲームって僕らGLAYがやってきたことをもっと簡単に体験できる存在なんだと思います。僕たちGLAYは、4人で夢を持って函館から出てきました。大きなライブをやりたい……とかね。それはつまり仲間を集めて、目標を達成するということなんです――ほら、オンラインゲームと同じじゃないですか。そういう夢が現実になった時って、凄く快感で楽しいんですよ。

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新しいプレイヤーとの出会いを楽しむTERU氏
(画像は@RE_TWIT_TERUより)

 そもそも人って、寂しさに一番弱いと思うので、家で一人寂しく何かをするよりは、思い切ってオンラインゲームで友だちを作って、一緒に冒険した方が楽しいと思うんですよ。コミュニケーションツールとして、団体で行動することの楽しさを味わえるので、たぶん苦手な人も入り込めるんじゃないですかね。

――オンラインゲームのチャットって本当に楽しいですよね。

TERU氏:
 そうなんです。たまに2時間ぐらい話しちゃったり、夕日を見ながら夢を語ったりして……そんなこと、中々できないじゃないですか(笑)。現実世界でいう“青春”みたいなことを、ゲームだと平気でできちゃうんですよ。

マイディー氏:
 僕からすると、そんな体験をスーパースターとできるところが、びっくりですよ(笑)。

TERU氏:
 いやぁ、でも本当に面白いんです。なにより、仕事とプライベートに張りが出るようになりました。仕事している時は「『FFXIV』をやりたいんだけどできない」という自分の欲望があり、仕事が終わってログインした時にそれが解放される。そんなふうに、もう一つの世界と現実世界が刺激し合って、彩りが出るようになりました。

マイディー氏:
 そういったオンラインゲームの可能性を世の中に知らしめていきたいというのは、僕の活動のコンセプトと合致する部分があります。これからも色々とお話させて下さいね!

TERU氏:
 ぜひぜひ!(了)

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 とにかく体験がリアルなんですよ――オンラインゲーム最大の魅力は、TERU氏がインタビュー中に放ったこの言葉に凝縮されている。我々が何十時間、何百時間……いや、人によってはそれ以上の時間を注込んでいるオンラインゲームなる娯楽は、所詮ゲームである。しかし、そこでの体験は限りなくリアルなのだ。

 特にTERU氏の「オンラインゲームって僕らGLAYがやってきたことをもっと簡単に体験できる存在なんだと思います」という感想は、そんなリアルさを見事に表現している。仲間と大きな仕事を成し遂げた時、あるいは部活やサークルで大会に優勝した時――そんな体験を濃縮し、ゲームという形で提供してくれる――それがオンラインゲームという存在だ。今回の取材では、それを再認識することができた。

 だからこそ、TERU氏のプレイスタイルは、文字通り衝撃的なのだ。なんたって、今回のインタビューで語られた内容は、作られた物語でも、何かのプロモーションでもなく、すぐに手が届く『ファイナルファンタジーXIV』というもう一つの現実で、今まさに起こっている日常なのだから。

 オンラインゲームが面白いのは、こういう事が普通に起きるということだ。もちろん全てがそうした衝撃を与えているわけではないが、少なくとも、一緒にゲームをプレイしている誰かには影響を与えている事だろう。マイディー氏がTERU氏にそうしたように――ああ、なんてオンラインゲームは面白いんだ。

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TERU氏のサイン(写真左)とマイディー氏のサイン(写真右)

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インタビュアー・著者
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新聞配達中にトラックに跳ね飛ばされたことがきっかけで編集者になる。過去に「ロックマンエグゼ 15周年特別スタッフ座談会」「マフィア梶田がフリーライターになるまでの軌跡」などを担当し、2017年4月より電ファミニコゲーマー編集部のメンバーに。ゲームと同じぐらいアニメや漫画も好き。
Twitter:@ed_koudai
インタビュアー
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週刊ファミ通、ファミ通.comなどを経て、電ファミニコゲーマーに参加。
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