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ゲーム世界に閉じ込められた「デバッガー」のマンガ『この世界は不完全すぎる』 作者・左藤真通氏がゲームAIの第一人者に聞く「デバッグ」と「AI」のリアル

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プログラムレベル、コンテンツレベル、VR…のバグ。

三宅:
 40年前に「アタリショック」という事件がありました。1980年代初頭にアタリ社のゲームが商戦のためにゲームを濫造し、ゲームの質の低下を招いた。そして、ユーザーの信頼を一斉に失った事件です。その後、「ファミリーコンピュータ」が大きく台頭してきた、という歴史あって。その時にアメリカから日本に、ゲーム業界の中心が移ってきました。そのような歴史をふまえて、各プラットフォームではゲームを出す際のルールが細かく決まっています。たとえばローディング時間やブラック画面が続く時間、プレイ時間、などいろんな規約があって。逆にPCゲームはルールがないですから。

左藤:
 あとPCだと、機材によってバグが出たり出なかったりして、より複雑ですよね。

三宅:
 そうですね。使ってるマシンが弱いから処理落ちでコリジョン抜けしてる、みたいな。

左藤:
 全てに対応できないですもんね。

三宅:
 とはいえ、運営としてはそれを徐々に直していってるという。ユーザーも一緒に巻き込んでゲームを作る、という考え方もありますし。

左藤:
 海外の開発の方は「フリーズしなければいいよ」くらいの感覚だと聞いたことがあって、ずいぶんデバッグが楽そうだとは思ったんです。

三宅:
 そうですね。『このふか』でも描かれてるように、バグにもAバグBバグCバグってランクがありますからね。「進行不能バグ」っていうのが本当に致命的なバグで、それを出すとかつては回収騒ぎになりました。今は、オンラインでパッチを当てることで対処しますが、もちろんバグはないに越したことはないです。

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主人公ハガのデバッグシート。

左藤:
 ゲームが止まるバグだけは絶対に残さないっていうプライドですね。ただ長時間プレイしてるとゲームが重くなって、そのうち止まっちゃう、みたいなこともありますよね。溜まっていくオブジェクトを処理してなかったり。

三宅:
 ゲームを回していくと、メモリを確保したり、解放したりっていう処理をするんですね。そういうメモリマネジメントっていうのはプログラマの仕事の一つなんですが、そこにバグがあるパターンですね。たとえば1キロぐらいだったら、1000回やっても1メガだからほとんど気付かないんですが、1メガを1000回やってギガ単位になると、さすがにわかってくるわけですね。
 それを検出するために「エージングテスト」っていうのをやります。1週間とか1ヵ月とか電源を入れっぱなしでゲームを再生し続けて、それでちゃんとゲームが落ちないかテストをするんです。大体のゲーム会社には、エージングエストのためにゲームをずっと流しっぱなしにするモニターがあります。発売前はずっと「エージングテスト」をやっていますからね。。

左藤:
 朝、行ったら止まってたりするんですか?

三宅:
 それはかなり嫌な感じ(笑)。

左藤:
 そういうのは地味すぎて漫画に書けないんです…。実際は漫画にしやすい、目に見えてわかりやすいバグは、バグ全体からすると少ないですよね。

三宅:
 そうですね。プログラムレベルだったりコンテンツレベルだったり、バグにも種類がありますから。たとえば「キャラの顔が半分だけ変」「鎧が体にめり込んでる」「キャラが右回りしかしてない」っていうバグは発覚しにくいですよね。コンテンツレベルになればなるほど、人間の目が必要になってくる。システム上はなんの支障もないですし。

 でもラスボスが一撃で倒されたりしたら、バグじゃないにしても、ゲームとしては興ざめですよね。そういうコンテンツの細かい部分は本当にわかりにくくて。でも逆に、ユーザーからするとわかりやすかったりするんです。しかも面白いのでYouTubeでウケたりもしていて。

左藤:
 たしかに、たまに笑えますよね(笑)。ちなみにVRゲームのデバッグってどうなってるんでしょうか?

三宅:
 VRのデバッグは、通常のスクリーン型のゲームとは異なる点があります。まず3次元的なものがユーザーの主観視点になってるので、バグが少しわかりにくいんです。あとはけっこう、マシンパワーがいるんですよね。通常60分の1秒でフレームを回せばいいところが、VRだと1秒間に180回とか回さないと滑らかに見えなくて、その時点ですごく負荷が高くなる。そしてユーザーが歩くと、けっこう酔います。

 つまりVR酔いする人は、デバッグできないんです。VR酔いしない選抜チームを編成する必要があって。ただ一方で、酔わない人ばかりでデバッグしてしまったら、ユーザーがみんな酔っちゃう可能性があるので、酔いやすい人、ちょっと酔う人、全く酔わない人っていうのをまんべんなく配置しないといけない。なるべく酔わないようなゲームを作りたい場合は、そういった配慮も必要なんです。

左藤:
 その辺りの方法論も、今は黎明期で試行錯誤中ですか?

三宅:
 そうですね。ゲーム産業全体でノウハウを貯めてるところです。VRゲームの数がそんなに多くないので産業全体でノウハウが共有されています。そういう意味でも黎明期だと思いますね。

三宅氏のオリジナリティは「メタAI」「キャラクターAI」「ナビゲーションAI」を組み合わせた連携モデル。

左藤:
 傾向としてはゲームそのものがどんどん複雑になっていく中で、それを品質管理すること自体も、どんどんどんどん複雑になっているという…。

三宅:
 まさにそうですね。『このふか』の中にも「メタAI」「キャラクターAI」「ナビゲーションAI」が出てきますけど、ゲームの進歩って平たく言うと、固定されていたものを動的に変えていっているという側面があって。

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作中に登場するAI達。

 昔のゲームのキャラクターって、決められた道しか通らないですよね。それをパス検索という技術で、いろんな経路を見つけてダイナミックに通れるようにした。これが「ナビゲーションAI」です。あるいは敵キャラクターの配置も昔は固定だったので、一度パターンを覚えてしまえば簡単に攻略できた。それを今は「メタAI」が変えていくこともできます。敵のロジックも昔はパターンだったのが、現在では自ら情報を収集し、それをもとに柔軟に計画を立てて行動するようになっている。これを自律型「キャラクターAI」と言います。つまりゲームがある程度、固定されたコンテンツだったところにAIが入ると、キャラクターの挙動一つとっても毎回違うので、デバッグが大変になるんです。これがAIを導入する時に反対される理由でもあって。

左藤:
 つまりパターンが無限にあるから、実質デバッグできない…。

三宅:
 まあできないですよね。僕は2004年にゲーム業界に入ったんですけど、当時はそういう理由でAIを導入できなくて。まだマップが5キロ四方とかの時代ですね。今は数10キロ四方になってますから、より無理になっているという。しかも、そういったオープンワールドである程、AI技術なしにNPC(プレイヤーでないキャラクター)を作ることはできなくなっています。

 ちなみにメタAIの定義も、ゲームごとに違ったりします。メタAIの神様度みたいなことですね。地形や天候を変えたりするところまで広げるのかどうか。消極的にバランスだけを取っているメタAIもいれば、すごくゲームに干渉するAIもいますから、はっきりとした定義がしにくいんです。

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能力を問われるメタAIのテスラ。

左藤:
 会社ごとに別の意味合いで使ってたりしますし、幅が広いんですね。

三宅:
 ちなみに僕のオリジナリティは「メタAI」「キャラクターAI」「ナビゲーションAI」の3つを組み合わせた連携モデルなんです。通常は個別に作るところを、キャラクターAIとメタAIが連携したり、ナビゲーションAIが積極的に地形を解析して、その情報を他のAIに提供したり。それらをいかに組み合わせるか、というのが僕の研究テーマなんです。あと実は、仕事の半分くらいはAIについての説明だったり…。

左藤:
 導入が難しいからですか?

三宅:
 プランナー、ディレクター、デザイナー…関係者みんなの同意がとれて初めて新しい技術が導入できます。AIを使った場合と使わなかった場合を比較したりして、デモを持って説明を何度もします。いかに少ないチャンスをつかんで実装して、認めてもらうかですね。とにかく経験値を積むしかないんです。そういった導入ノウハウ自体がゲーム会社の財産にもなります。

左藤:
 10年後20年後に差が出てきそうですよね。AIについては普通に説明しても、なかなか理解してもらえないというか…。僕も一見しただけだと全然理解できないですし。

三宅:
 その積み重ねはとても大きいです。一朝一夕というわけにはいきませんので。グラフィックだと、一目見ればいいかどうかがすぐわかりますよね。なのでゲーム産業全体で、グラフィックは確実に揃えてくる傾向があります。でもAIってやってみないとわからないし、しかも性能が低ければ低いなりの作り方もある。ただそれを続けていると、すごく狭い範囲でしかゲームデザインを想定できない状況が続いてしまう。いつの間にか、狭い土壌の上でしかゲームを作れなくなっている。AI開発はその土壌を広げる仕事ですね。

左藤:
 『このふか』だと設定上、全身でオープンワールドのゲームに入りこんで、キャラクターはまるで人間みたいに思考して、ストーリーまで勝手に生成されるようにしたんです。ゲームAIを技術的に高めていく中で、目指す理想像ってあったりするんでしょうか?

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現実と同じように存在する自然の摂理。

海外は明確にオープンワールド。かたや多様な日本のゲームデザイン。

三宅:
 海外の人は昔から、明確にオープンワールドですね。要するに果てがなくて、何をやってもいいシームレスな世界っていうのが、彼らが目指すゲームそのものというか。世界に投げ出される感じというか、キャラクターもワイルドでタフガイですよね。

 逆にいうと海外のゲームデザインってある意味、淡白なんです。形式を重んじるというか。大体同じ操作で遊べますし、それがいいところでもあるという。一方で日本だと、1作ごとにゲームデザインを変えたりします。しかも1面から20面まで、全然違うゲームが入ってるなんてこともありますよね。そういったところで、まず制作側のゲーム観がけっこう違うんです。

 だからほとんどのゲームジャンルって、日本人が作ってきたんですね。落ちゲーも音ゲーもノベルゲームもJRPGのコマンド選択式の戦闘の発展もそう。海外から日本が「ゲーム天国」と呼ばれるのは、ゲームデザインの種類が豊富だからなんですね。

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主人公ハガの体形もマッチョタイプ。

左藤:
 シナリオの自動生成っていうのは、ある程度進んでたりしますか?

三宅:
 完全自動生成っていうのはないんですけど、場面の一部の自動生成っていうのはありますよ。サブクエストだと、その場でAIが作り出してるものも多いです。オープンワールドではすべての場所でシナリオを作っておくのは難しいので、必須の技術となりつつあります。ただ、0から作り出すわけじゃなくて、たとえば「何かが盗まれて取り戻しに行く」ということだけ決まっていて、誰が何を盗むのか、そしてどこに隠されるのか、というのをその場で決めるような形ですね。テンプレートがあって、そこに変数を埋めていく生成の仕方。

左藤:
 なるほど。『このふか』のようにNPCそれぞれに人生があって、彼らの掛け合いの中で自動的にサブクエストが生成されるみたいな、そういうのはなかなかすぐにはできるものではない、と…。

三宅:
 キャラクターにロールが自動的に割り振られる仕組みはありますね。ロールアサインメント(Role assignment)っていうんですけど、それぞれのキャラクターの職業や1日の生活サイクルが動的に決められたりします。これは海外の大型ゲームで実際にあったことですが、そのせいで夕日がかったラブロマンスのシーンの向こう側で、NPCが立ち小便をしてる、なんてことも起きたり…。

左藤:
 AIは空気を読んでくれないわけですもんね(笑)。

三宅:
 設定してないので、読んでくれないですね。よかれと思って生活感を出してる作り手と、ロマンスを作ってる人の舞台が違うというか。

左藤:
 どっちも真面目に仕事してるだけですもんね。三宅さんはどちらかというと海外寄りの作り方をされてると思ってたんですけど、そういうわけでもないんですね。あくまで日本的なゲーム作りの側面もお持ちだという。

三宅:
 そうですね。簡単にいえば海外のゲームデザインって粗削りなんですよね。シミュレーション空間を作ろうとするのでその分、細部まで詰められなかったりして。でもプレイしてみれば面白いっていう。その粗さが、技術力を生んでるんです。「エイリアンが出てきそうな基地で動き回る敵のAI作っといて」みたいなオーダーがエンジニアに飛びますから。
技術力でゲームデザインを支えてる、みたいなところがあるんですよね。

 日本だと飴細工を作るみたいにして、細やかなゲームデザインをします。「次の部屋を右に曲がった瞬間に、ここから敵が襲ってくる」とか、そういうふうに作っていく。

左藤:
 日本のゲームクリエイターは全部管理したいんですね。

三宅:
 そう、超管理主義ですね。細かいパラメータを一つ一つ完璧にしていく。それが日本のゲーム作りの質を支えてきました。ストーリーにしてもそうですよね。なので、AIが勝手に動くと不都合があったりして、その分AI技術が発達してこなかった側面があるので。僕のスタンスとしては、海外で培われた技術をアレンジしつつ、日本のゲームデザインに組み込んでいくというか。

左藤:
 なるほど。いいとこ取りになってる、と。

三宅:
 そうですね。いきなりAIがボーンと出てくると、美学が台なしになるようなところがあるわけで。

左藤:
 終わりのない作業ですよね。時間さえあれば。

三宅:
 とはいえ、そこが日本のゲームのいいところでもあるんですよ。本当に、キャラクターの一歩一歩までデザインされている感じですから。海外と比べてどっちがいいのかといえば、なかなか難しい話になる。ユーザーが何を許容するか、何を好むか、という問題でもあります。

左藤:
 漫画を描く作業に置き換えると、日本と海外のやり方のどっちもが含まれてるかもしれないですね。

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ゲーム内で漫画を描き続けるアマノ。

デバッガーの人達の、信じられないほどのゲーム愛。

三宅:
 今回は主人公がデバッガーの人ですもんね。勇者でもなんでもないっていうところが新しくて。

左藤:
 ありがとうございます、ほんとに。

三宅:
 左藤さんが描かれる主人公って、ちょっとアウトサイダーっぽいところから物語の中心に入ってきますよね。どういうところから発想してるんですか?

左藤:
 単純に脇役が好きなんだと思います。僕自身もそうで、あんまり真ん中にいないというか(笑)。昔のゲームだと、特に意思なく動いてるゲームのモブキャラとかも大好きですし、ポリゴンの壁の向こう、区切られてる町の向こうがどうなってるんだろうって考えたり。
 そういうふうに目立たない人が、地味なことをしてるところに意識がいくので、デバッガーに対しては愛のある描写ができていると思うんです。ただ作業自体は本当に地味なので、あんまり描きすぎると、担当さんに華がないって怒られちゃうんですけど。

三宅:
 デバッガーという人達を的確に描かれてますよね。本当によく描写されてる。僕も仕事柄、いろんなデバッガーと仕事するんですけど、彼らは本当に真面目なんです。それにゲームをすごく愛していますね。大抵は開発ルームと別のところに部屋が作られてて、デバッガーがそこに集まって、毎日顔を合わすうちに仲良くなっていく。そういう描写も作中に絵として描かれてますし、すごく臨場感があるというか。

左藤:
 デバッガーはある種、開発の人から嫌われる立ち場の人間でもあるんです。重箱の隅をつつくようなことをするので。そういう、表に出てこないところを描きたいと思いながら、連載を始めたっていうのはあります。

三宅:
 デバッガーがちゃんと漫画に描かれたのって初めてじゃないですか?

左藤:
 確かにないかもしれないですね。ゲーム開発の漫画はありますけど。

三宅:
 本当に彼らは、なんて言うのかな…。やっぱり好きなゲームのデバッグをやりたいから、好きなゲームがある会社で仕事しますよね。ゲーム開発以外のところから、そのゲームを支えようっていう。なおかつ彼らは、仕事が終わるとゲームセンターに行くんですよね。

左藤:
 そうですね。

三宅:
 朝10時から19時までずーっとデバッグして、仕事が終わったと思ったらゲームセンターに行ったり、帰ってオンラインゲームをやったりするんですよね(笑)。すごいゲーム愛です。

左藤:
 まさに僕も仕事帰りに必ずゲームセンターに寄ってましたし、カラオケに行けば、誰かが曲を歌ってる間はゲームやってたりしたので気持ちはわかります。(笑)

三宅:
 だいぶ特殊な空間(笑)。実は『このふか』みたいにゲーム世界に閉じ込められて、ずーっとデバッグしてるっていうのは、幸せな一面もあるかもしれないですよね。ずーっとゲームをプレイできるってことですから。

左藤:
 ただ、フルダイブした状態のデバッグを描きながら想像してると、ホラーだなって思いますね。とにかくフリーズが怖すぎて、想像すると。

三宅:
 なるほど。自分が止まっちゃうから。

左藤:
 そう、意識があるのかどうかもわからないですし。強制ログアウトするんだったらまだいいですけど、それって内部にいると観測しようもない。DATファイルを吐き続けるだけの存在として、そこにオブジェクトで残るのかとか、考えれば考えるほどホラーというか。

三宅:
 そうですよね。コリジョン抜けして無限降下に入った人はどこまで落ちていくのか、とか。

左藤:
 どこかで止まって、そのままになって。

三宅:
 ゲームの変数ってプログラムで決まってますから、きちんと管理していても、開発の途上ではやはりバグが残ることもあって、上限値まで行くと止まっちゃってオーバフローしてしまうことがある。

左藤:
 そうですね。

三宅:
 なので誰もいない場所でずっと引っかかって…。

左藤:
 一応、最近のゲームだと自動的にワープするようになってるらしいですね。

ゲーム世界に閉じ込められた「デバッガー」のマンガ『この世界は不完全すぎる』 作者・左藤真通氏がゲームAIの第一人者に聞く「デバッグ」と「AI」のリアル_009
無限降下していくプレイヤー。

三宅:
 確かにセーフティ装置はたくさん入れますね。さっきのパス検索一つとっても、ルートの途中で岩が落ちてきたりして引っかかる、っていうのがけっこうあって。対策としてはまず、距離を速さで割って到着予想時間を決めておくんですね。で、到着予想時間の3倍以上かかるとパス検索をやり直しするっていう設定をしたり。全部はデバッグできないですから、あらかじめセーフティ装置を入れておくんです。

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ライター
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