いま読まれている記事

フルタイムで働く6児の母が副業でゲームを作った話を聞いたら「天才すぎて何の参考にもならねえ」と思ってしまった話

article-thumbnail-240514a

1

2

まるで参考にならない開発環境

フルタイムで働く6児の母が副業でゲームを作った話を聞いたら「天才すぎて何の参考にもならねえ」と思ってしまった話_013
すごすぎて頭を抱えてしまった。

全部ひっくるめて何時間でこのゲームを……?

400時間くらいですかね?

じゃあ、1日2時間の作業だとしたら200日か。

土日にまとめて時間作ったりするのでそこまではかかってないかもしれません。

椅子も机も無い環境でコツコツ作ったんですよね。

元々はこのスペースすら無かったんですよ。キッチンの隅でずっとやってて、僕が「料理の邪魔だからあっちでやってくれ」って。

そうそう。油が飛んでパソコンが汚れるし(笑)

うわ──。本当に怖い。僕、「いつかゲームを作りたい!」と思いながらも、今はぜんぜん違う仕事してる人ってたくさんいるだろうな、って思うんですよ。「そういう人達の励みになればいいな」「参考になれば良いな」と思って今日来たのに、お話を聞くと逆に絶望するんじゃないかと思って。

 

だって、ゆきみさんの事例があると、マジで何も言い訳出来ないですもんね。「子どもがいるから」「時間がないから」「場所がないから」「知識がないから」「マシンスペックが低いから」とかそういう全てが言い訳にならなくなる。だって、ゆきみさんはこの環境で作ってるんですもんね。これは恐ろしいことですよ……!

そうなんですかね?そんなに褒められる事が無いのであんまりピンと来ませんけど……。もともと、何かを作るのは好きなんですよ。カードゲームも「子どもたちが遊んでくれれば良いな」って。

 

6人も子どもがいると、ひとりひとりにちゃんと時間を取って遊ぶ、っていう事が出来なくて。でもゲームがあれば私の代わりに遊んで貰えるな、っていう。

フルタイムで働く6児の母が副業でゲームを作った話を聞いたら「天才すぎて何の参考にもならねえ」と思ってしまった話_014

だから、作ってるのはあくまで子ども向けのゲームだし、自分の子どもに向けて作ったゲームなんです。

小さい子でも遊べるように、ゲームオーバーも無いし、ジャンプボタンを連打すれば延々飛ぶことも出来ます。ただただ「動かしてて気持ちが良い」というゲームです。

その「動かしてて気持ちが良いゲーム」っていうのはすごくわかります。確かに気持ちいい。

 

これ読んでる人はぜひ買って、「ツクールシリーズ るんるんスーパーヒーローベイビーズDX」を触ってみて欲しいです。そんでボスキャラがうんちなんですもんね。そのへんはちょっとコロコロコミックっぽい。

子どもはうんち好きですからね(笑)。普通のゲームだと小さい子には難しくて途中で諦めちゃうじゃないですか。

 

一番下の子からすれば、お兄ちゃんお姉ちゃんがゲームで遊んでるのに、自分は難しくて遊べないのは可哀想だし。

だから「小さい子でもちゃんと最後まで遊べるゲームを作ろう」と。そうするとみんなで楽しい時間を過ごせるかなって。

やっぱりゆきみさんもゲームはお好きだったんですか?

好きでしたよ。でもほんと「普通」くらいです。マッピーやって、マリオやって、ドラクエやって、っていう王道のゲームばかりで。

 

でもゲームって、アニメやドラマと一緒で、学校でゲームの話をするし、もちろん友達同士でもゲームをするし、友達同士のコミュニケーションツールですよね。大人には無い世界が子ども達の間で広がってて、そういう意味ではすごく良いものだと思ってます。

 

このゲームも出来上がったらやっぱり子どもたちに遊んでもらったんですけど、一番上の子と一番下の子が一緒になって遊んでて、「あー、同じ目線で話せてるなー」と思えたのはすごく良かったです。難しいゲームだとどうしても下の子が置いてけぼりになっちゃうので。

なんか、お話を聞いてるとすごく感覚的というかクリエイター気質と言いますか、芸術家肌と言いますか、本業でいらっしゃる金融関係のお仕事とは相性悪そうな気がするんですが、「この仕事向いてないな」とか思った事はありませんか?

それが無いんですよ。ゲームってさっきも言った通りコミュニケーションじゃないですか。で、仕事もやっぱりコミュニケーションなんですよ。

 

コミュニケーションって結局「人と人との繋がり」なので、そういう意味のコミュニケーションは良く取れてると思います。「会いに来たよ」って言ってくれるお客様もいますしね。

まじでスーパーマンみたいな人や……!

家族みんなで作ったゲーム

フルタイムで働く6児の母が副業でゲームを作った話を聞いたら「天才すぎて何の参考にもならねえ」と思ってしまった話_015
「アクションゲームツクール」の画面。

こういう細かいのとか僕には出来る気がしない……。

最初は「待機」「移動」「ジャンプ」くらいなんですけど、そこから少しづつ動きを足していくとこういう感じになります。

でもめちゃくちゃ綺麗にまとまってるんだよな……。これもまた、未経験の人がやってるんだからすごいよな……。

毎日コツコツやってるうち、気付いたらこうなってた、っていう感じですね。

フルタイムで働く6児の母が副業でゲームを作った話を聞いたら「天才すぎて何の参考にもならねえ」と思ってしまった話_016

そんな感じで私はコツコツやるのが好きなのか、ひとつの事に集中しちゃうと本当に周りの事が見えなくなるので、夫や子ども達に随分助けられているんですよ。

 

家族が支えていてくれるからこそ、ゲームを完成させる事が出来たっていう側面は間違いなくあって。

そこまで没頭するっていうことは、作る過程も楽しかったんでしょうね。

そうですね。

フルタイムで働く6児の母が副業でゲームを作った話を聞いたら「天才すぎて何の参考にもならねえ」と思ってしまった話_017

ちなみに続編は作られるんでしょうか?

そうですね。子どもの受験も終わって、入学式なんかもいったん落ち着いたのでまた何かやりたいな~とは思ってます!

これを本業にしたい、とは思わないんですか?

「たくさん売れて、そうなると良いな~」とは思いますけど、それはなかなか難しいだろうな、と……。

この記事を見たゲーム会社の人から「ウチに来ませんか」ってスカウトが来るんじゃないかな~。本当にすごいと思う……。

昔からモノを作るのは好きだったんですよ。おしゃぶりを自作したりオモチャを作ったり、ベビーカーを改造したりお菓子を作ったりカードゲームを作ったり。

 

その延長線上にこのゲーム制作もあるので、とりあえずパソコン代くらいのモトが取れたら嬉しいですね(笑)。

フルタイムで働く6児の母が副業でゲームを作った話を聞いたら「天才すぎて何の参考にもならねえ」と思ってしまった話_018

フルタイムで働く6児の母が副業でゲームを作った話を聞いたら「天才すぎて何の参考にもならねえ」と思ってしまった話_019

そんなわけで僕も自分の子ども(2歳半)に「るんるん スーパーヒーローベイビーズDX」をやってもらったのですが、「十字キーを入れながらジャンプボタンを押す」みたいな操作はちょっと難しそうでした。3歳~4歳くらいから遊べるかな~~。

そして最後に恐ろしい事を言いますが、この「るんるん スーパーヒーローベイビーズDX」は英語版もリリースされてるんですよね。それも全部、ゆきみさんの独学で……!

とにかく一度、このゲームをぜひ触ってみてください。子ども向けのゲームとして良く考えられている事がわかりますし、これを6人の子持ち、未経験のママが独学で作ったと思ったらその恐ろしさの片鱗みたいなものがうかがえるのではないでしょうか。

もちろん「普通のゲームはちょっと難しいし、小さい子どもが遊べるゲームがあればな~!」という人にもおすすめです!

1

2

ライター
自称“無職”のボードゲーム好き。 ライターとしてさまざまな媒体で面白記事を執筆。 現在はメディア運営のアドバイザーやWEBライター塾の講師としても活動している。
Twitter:@yoppymodel

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合がございます

新着記事

新着記事

ピックアップ

連載・特集一覧

カテゴリ

その他

若ゲのいたり

カテゴリーピックアップ