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次世代ノンタゲMMORPG『AION2』はPlayStation 5版も開発中!「オートバトル・ガチャ不要」で世界に挑む、MMORPGの未来を懸けた背水の陣の覚悟を訊く

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アクションモードとクラシックモードを使い分けるか、あるいは両方使うか

──ノンターゲット形式による「アクションモード」と、「移動しながらのスキル詠唱」ができること。この2つが、『AION2』のコアなゲームプレイを実現する核心部分だと感じました。この認識で合っていますか?

キム氏:
はい。ほかにも細かい部分ではたくさんありますが、最も大きな要素はその2つで間違いありません。

──では、アクションモードについて詳しく伺います。『AION2』はアクションモードだけでなく、従来のターゲット形式による「クラシックモード」も残されています。それぞれの長所をお聞かせください。

次世代ノンタゲMMORPG『AION2』開発インタビュー。「ガチャは1個たりとも販売しません」_008

キム氏:
アクションモードは、狙った敵と戦うのに最適なターゲット形式です。近年はソウルライクやハンティングアクションゲームが人気で、ノンターゲット形式のバトルに馴染みがある人が多いですよね。そういった方にとって親しみやすいでしょう。

いっぽうクラシックモードは、既存の『AION』を含むMMORPG経験者が、これまでと同じ感覚でプレイできるのが強みです。

──これら両モードは、各々が遊びやすい方を固定して選ぶのか、それともコンテンツによって使い分けることを想定しているのでしょうか。

ソ氏:
そこは人それぞれです。どちらを選んでいただいても構いません。
また、両モードともゲーム内設定を通じて、細かなカスタマイズが可能です。デフォルトのままプレイしても構いませんが、ゲームに慣れてきたら少しずつカスタマイズしてほしいですね。

いま世の中にあるRPGジャンルで存在している、ほぼ全てのカスタマイズ項目を検証しているので、突き詰めれば自分の手足のようにキャラクターを動かせるようになりますよ。

次世代ノンタゲMMORPG『AION2』開発インタビュー。「ガチャは1個たりとも販売しません」_009

──個人的には、アクションモードは敵と常に向き合うため、狙った相手と戦うPvEに適していると思いました。そしてクラシックモードは、必ずしも敵と正対せずとも戦えるので、突発的に発生するPvPで有効ではないかな? と。

キム氏:
そうですね。
ちなみに、スラッシュキー(/)を押すと、2つのモードを瞬時に切り替えられるんですよ。ですのでゆくゆくは、普段の狩りはアクションモードでプレイし、敵対種族の赤ネームが見えたらすかさずクラシックモードに変える、といった使い分けをする人が増えていくと思います。

「ソウルライクほどシビアではない」ノンターゲットの密度

──ひとくちにノンターゲットといっても、『TERA』や『黒い砂漠』を思い出す人もいれば、狩りゲーやソウルライクなど多岐にわたります。『AION2』のノンターゲットは、どのあたりにチューンしていますか?

キム氏:
そこは非常に悩んだ部分ですが、基本的にはソウルライクほどシビアにはしていません。なぜかと言うと、仮に完璧なノンターゲットにしてしまうと、テクニックのあるプレイヤーが勝利を独占してしまうからです。

プレイヤーのテクニックだけですべてを決したいのなら、キャラの長期的な成長要素があるMMORPGを選ぶ必要はないですよね。最初からアクションゲームやMOBAなどを遊べばいいわけですから。

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──『AION2』の場合、ともすれば画面内に2~300体のキャラクターが表示されます。その規模でノンタゲって、技術的にものすごいことをしているのでしょうね。

キム氏:
アクション面の奥深さは、これから少しずつ知れ渡っていくと思います。

それ以外にも、いろいろとこだわっていますよ。
たとえばジャンプのほかに回避があることはご存じかと思いますが、0.5秒ほどの無敵期間を設けるなど、ラグの影響を受けにくく、それでいてアクションを楽しめるように工夫しています。あ、そういえば「ジャスト回避」もあるんですよ。

──MMORPGというジャンル名では、『AION2』の真価が伝わらないので、なにか新たに考案したほうが良いかも……。ちなみに「部位破壊」はありますか?

キム氏:
まだゲーム内には実装していませんが、開発作業自体は終えています。今のところ、最初は8人パーティ向けのコンテンツでの実装を予定しています。

ゆくゆくは、巨大なレイドボスと戦う際に弱点の頭部を先に狙ったり、4足歩行しているそれぞれの足を狙ったりと、いろんなギミックを盛り込みますよ。

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──手動操作に関してですが、前作『AION』では重要なテクニックとして「モーションキャンセル」がありました。あれは『AION2』でも可能なのでしょうか?

キム氏:
前作におけるモーションキャンセルは、厳密に言うと「通常攻撃をスキルでキャンセル」と、「スキルをジャンプでキャンセル」の2種類がありました。

そのうち前者に関しては、いまもゲーム内に実装されています。そして後者も、開発作業とテストプレイを完了しています。
ただ、戦闘中にピョンピョン飛び跳ねるプレイスタイルが、本当に『AION2』に適しているのだろうか? という懸念が拭いきれず、本実装を踏みとどまっている状態です。

──『AION2』はスキルの移動詠唱ができるので、きっと上級者は常に動き回りますよね。そのうえモーションキャンセルまで加わると……、とりあえずフットペダルを買ってくればいいですか?

キム氏:
ぜひ限界にチャレンジしてください(笑)。

「手動操作の面白さ」を守るための、スマホ版の工夫

──アクションモードの仕様を見て、これならゲームパッドでも操作できると感じました。そこから、2つの展開に思い至ったので聞かせてください。ひとつめは、オートバトルが無いスマホ版の『AION2』でも、アクションモード+ゲームパッドなら十分に楽しめそうだなと。

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ソ氏:
そのように思われるのも無理はありませんが、スマホ版の『AION2』は、難易度が低いコンテンツならタッチ操作でもじゅうぶん遊べますよ。高難度のレイドボスなどは、若干やりづらくなるかもしれませんが、練習すればクリア可能だと思います。
もちろん、ゲームパッドがあると、より遊びやすくなりますが。

──そうなんですね。スマホ版では、どのような工夫をされていますか?

ソ氏:
UIはスマホ向けにだいぶカスタマイズしています。
それと、これは別にスマホ狙いというわけではないのですが。『AION2』は画面内に表示されるスキルアイコンの数が12個程度しかありません。そのように設計した結果、結果的に画面の小さなスマホでも遊びやすくなったといいますか。

──前作『AION』のスキルアイコンは50個以上ありましたからね。

キム氏:
そのほかにも、スマホで遊びやすくするシステムをいくつか開発しています。 しかしながら、「遊びやすくする=簡単になって手動操作の面白さをスポイルしてしまう」という側面もあるんですよ。なので、ゲーム内への本実装は、プレイヤーの反響を見ながら慎重に判断します。

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編集者
元4Gamer。『Diablo』 『Ultima Online』 『EverQuest』 『FF11』 『AION』等々の、黎明期のオンラインRPGにおける熱狂やコミュニティ、そこから生まれたさまざまな文化は今も忘れられません。

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