魔法少女がキュートな敵とカードバトル!「お菓子」がテーマの国産ローグライク・カードゲーム【レビュー:魔法少女マホのスイーツ争奪大作戦!】

 スマホやSteamのゲームにはブームがありますが、最近増えているのは「ローグライク・カードゲーム」。
 『Slay the Spire』『Silent Abyss』『Pirates Outlaws』など、多くの作品が公開されていて、特に海外で人気になっています。
 一方、日本でも今年2019年の初めに、可愛らしい魔法少女が活躍するローグライク・カードゲームが公開されていました。
 『魔法少女マホのスイーツ争奪大作戦!~ビスケット男爵の野望~』です。

 ゲーム自体はとても面白いのですが、今まで取り上げなかったのは…… 表示の問題。
 スマホでは文字が小さすぎて読みづらく、タブレットでは画面が見切れている……。
 プレイできないほどではありませんが、遊びづらさがあるのは否めません。

 しかしホノボノとした雰囲気と、ぽっちゃりなキャラクター、歯応えのあるゲーム内容は非常に良く、日本でもこうしたゲームが公開されていることを伝えておきたかったアプリであり、今回ご紹介しておきたいと思います。

 価格は360円。買い切りゲームであり、スタミナや広告はありません。
 スタート時に少し有利になる課金が10回分120円で売られていますが、必須なものではありません。

 ゲームは戦闘の繰り返しで進行します。
 バトルが始まると、デッキ(山札)から5枚の手札が配られます。

 画面左下には「いちご」があり、これがいわゆる「マナ」。
 カードにはコストがあり、そのぶんだけいちごを消費して使用します。
 ただ、いちご(マナ)は最初は3しかないので、コスト1のカードでも3枚しか使えません。
 まとめて何枚もカードを出せるようなゲームではないです。

 初期デッキの編集やキャラクターの選択などはなく、最初に持っているカードは攻撃用の「マジック」5枚と「パンチ」1枚、防御用の「ブロック」4枚の、3種類のみ。

 ブロックを出すと数値分だけ敵の攻撃を防げますが、次のターンになると解除されます。
 パンチはダメージが増加する状態異常を敵に与えられますが、状態変化を積み重ねるような戦い方は難しく、ローグライクカードゲームとしては比較的シンプル。
 攻撃より、防御を重視するようにしましょう。

 カードを出し終えて「ターン終了」のボタンを押すと相手のターンになりますが、その際に手札はすべて破棄されます。
 通常、手元に残すことはできません。 言わば『ドミニオン』型。
 ただ、山札がなくなると捨て札がシャッフルされて新しい山札になるため、デッキ切れは起こりません。
 いちご(マナ)はターンごとに最大値まで回復します。

防御カードでしっかりダメージを防がないと後に続きません。
ただし初期カードの「ブロック」では大して守れないので、もっと強力な防御カードや補助カードが欲しいところ。
カードやアイテムを買えるショップの画面。
右下にある「カードを削除する」も注目。弱いカードをデッキから消して強カードの回転率を上げることも、このタイプのゲームでは大切です。

 敵を倒すとカードが3枚提示され、その中から1枚をデッキに加えられます。
 どのカードを選ぶかが非常に重要で、これによりデッキ構成はプレイ中に変化していきます。

 こうしたデッキ構築型のゲームは、山札の枚数が多くなるとカードの回転率が悪化するため、不必要なカードを取らないのも戦略となりますが、今作は初期のカードが全部弱いので、どんどん加えていくことになるでしょう。

 バトルに勝つとショップで買い物ができる「コイン」を得られ、使い捨てアイテムの「ドリンク」や、恒久的な効果がある「スイーツ」が手に入ることもあります。
 特にスイーツは重要で、いちご(マナ)の初期値やカードを引く枚数を増やすものは、攻略のポイントになります。

 戦闘後は簡易マップが表示され、次に行く場所を選択できます。
 バトルだけでなく、カードの強化を行える休憩場所や、ランダムイベントが起こるマスもあり、ショップでは不要なカードを取り除いてデッキの圧縮を行うこともできます。

 既存のゲームでは『Pirates Outlaws』によく似ているのですが、最大の特徴は見た目の「ゆるさ」。
 主人公も敵キャラも可愛らしく、カードのイラストもユニークで、イベントもほのぼのしたものばかり。
 この親しみやすい雰囲気は、ローグライク・カードゲームとしては珍しいですね。

マップ画面。たき火マークに向かい、鍛練で主力カードを強くすることが重要です。
イベントや「つよい敵」の打倒により、最初から鍛練されたカードを得られることもあります。カード名が緑色だと鍛練済み。
手札を鍛練できる「皿洗い」というカードもありますが、これによる強化はバトル終了後に解除されます。
宝箱からスイーツゲット! 効果はさまざまで、たくさん集めればそのぶん強くなります。
スイーツは「つよい敵」を倒した時にも得られます。
入手カードも良いものになりやすく、ドリンクもゲットできるので、勝てる見込みがあるなら積極的に挑みましょう。
イベントシーン。味のある絵柄が良いですね。
イラストレーターは『ラブライブ!』などの二次創作で知られる「中音ナタ」先生。

 難点は、冒頭でも述べたように字が小さいこと。
 スマホだと「文字が小さすぎて読めなーい!」。

 カードはタップで拡大表示できますが、拡大できない場面がいくつかあり、そういう時はもうハ○キルーペがあっても厳しそう。

 タブレットでプレイすればその心配はありませんが、サイズの調整がうまくいっておらず、iPadだと外周の付近がはみ出ていて、デッキの残り枚数などを確認できなくなります。
 また、指の位置判定がズレており、操作に慣れが必要になります。
 私的にはタブレットでのプレイを推奨しますが、もうちょっと調整して欲しいところ。

 もうひとつ気になるのは、デッキ編集やキャラ選択などの初期状態のカスタマイズがない割に、難易度が見た目に反して高いため、序盤の展開が運次第であること。
 初めはどのカードが強いのかわかりませんし、当面は最初のボスの打倒も困難でしょう。
 ローグライクカードゲームは難しいほうが楽しいとは思いますが、現状のままだとすぐに挫折する人も多そうです。

 やられても成果に応じた経験値が溜まっていき、新しいカードやアイテムがアンロックされていきますが、初心者だとすぐにやられてしまうので経験値をなかなか溜められず、救済にはなっていない印象です。
 長期的な成長要素があるのは嬉しいのですが。

岩場エリアのうさぎボス登場! ボスは何種類か用意されていて、どれが出るかわかりません。
この画像はiPad Pro(10.7インチ)のもので、外周が見切れています……。
やられちゃったシーン。ステージ数と倒した敵に応じて経験値を得られます。
ただ、レベルアップで追加されるカードやアイテムはそこまで強いというわけではなく、それらがなくてもゲームクリアは可能です。

 可愛らしくてフレンドリーな見た目は万人向けですが、難易度は相応にカードゲームの戦略を知っている人向けです。
 どちらかと言うとゲーマー向けでしょうね。

 戦術の幅が狭い印象もありますが、お菓子をテーマにした世界観は秀逸ですし、運と計画が必要な歯応えのある内容は、カードゲーム好きにはたまりません。
 和製ローグライク系の秀作のひとつとして挙げておきたい作品です。

魔法少女マホのスイーツ争奪大作戦!

かわいいキャラとゆるい雰囲気が良い和製ローグライク・カードゲーム

(画像は魔法少女マホのスイーツ争奪大作戦! – AppStoreより)

・ローグライク・カードゲーム
・satoapp(日本、個人)
・360円

文/カムライターオ

【あわせて読みたい】

欧米で人気の、デッキ構築型ローグライク・カードバトルRPGが登場。ソシャゲではありません【レビュー:Silent Abyss-fate of heroes】

多彩な効果のカードを組み合わせ、厄介な特技を持つモンスターとの戦いを繰り広げる、スマホ用のデッキ構築型ローグライク・カードバトルRPG『Silent Abyss-fate of heroes』をレビュー。

関連記事:

無法者を蹴散らして島々を巡る海賊がテーマの『ドミニオン』型ローグライク・カードバトル。デッキ圧縮で勝負!【レビュー:Pirates Outlaws】

「不思議のダンジョン」の絶妙なゲームバランスは、たった一枚のエクセルから生み出されている!? スパイク・チュンソフト中村光一氏と長畑成一郎氏が語るゲームの「編集」

著者
『Ultima Online』や『信長の野望 Online』、『シムシティ4』など、数々のゲームのファンサイトを作成してきた。
iPhone 解説サイト『iPhone AC』を経て電ファミニコゲーマーのお世話に。
シューティングとシミュレーションが特に好き。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
電ファミのDiscordでこの記事について語ろう!

SNSで話題の記事

新着記事

新着記事

ピックアップ

連載・特集一覧

カテゴリ

関連サイト

その他

若ゲのいたり
榎本俊二の現代ゲーム用語大全

カテゴリーピックアップ

若ゲのいたり〜ゲームクリエイターの青春〜

若ゲのいたり〜ゲームクリエイターの青春〜の記事一覧