いま読まれている記事

『プロジェクトセカイ』の「バーチャルライブ」は人や世界との繋がりを感じる癒しの体験だった ― 仮想空間でジャンプし、ペンライトを振り、感動で涙する

article-thumbnail-200824b

 新しいボーカロイドの世界が開かれた。筆者は初音ミクのライブを“ライブ会場”で楽しみ、ジャンプし、ペンライトを振り、感動で涙を流していた。

 現実のライブ会場の話ではない。スマートフォンでライブに参加しているのだ。それも、セガ/Craft Eggの新作リズムゲームアプリ『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』(以下、『プロジェクトセカイ』)内の機能、「バーチャルライブ」だ。

『プロジェクトセカイ』の「バーチャルライブ」は人や世界との繋がりを感じる癒しの体験だった ― 仮想空間でジャンプし、ペンライトを振り、感動で涙する_001
「バーチャルライブ」の様子

 ボーカロイドでリズムゲームのみ、ライブのみという展開は今までもあったが、今作は今までになかった要素が組み合わさっている。そして従来のボーカロイドファンだけでなく、初めてボーカロイドに触れる層にも響くであろう作りが印象的だった。

 この「バーチャルライブ」というコンテンツが非常によくできている。皆さんにも是非体験をしてもらいたいと思い、初音ミクをはじめとするキャラクターたちのバーチャルライブをレポートする。

文/空乃さゆる

※記事中の画面写真はすべて開発中の物であり、正式リリース版とは見た目や仕様の一部が変更される可能性がありますのでご了承ください。


つながりを感じられるライブ体験

『プロジェクトセカイ』の「バーチャルライブ」は人や世界との繋がりを感じる癒しの体験だった ― 仮想空間でジャンプし、ペンライトを振り、感動で涙する_002

 「バーチャルライブ」は、本当に現実のライブのような体験ができる機能だ。設定された時間になるとアプリ内から参加できる。他のユーザーとリアルタイムに同期されているので、自分の行動がライブにも反映され、より一体感を感じられるようになっているのだ。1回のライブは6分ほどなので、気軽に楽しめる。

 まずは、その参加方法をご紹介しよう。アプリから「バーチャルライブ」を選択すると、ライブ情報が取得され、参加可能なライブが表示される。そのライブのバナーを選択することで、「待合エリア」に入場できる。

『プロジェクトセカイ』の「バーチャルライブ」は人や世界との繋がりを感じる癒しの体験だった ― 仮想空間でジャンプし、ペンライトを振り、感動で涙する_003
待合エリアでのアクション

 「待合エリア」への参加は自動で他のユーザーとマッチングするようになっているが、友達だけ楽しみたい人向けにプライベートルームを作成・参加することもできる。つまり、友達と“待ち合わせ”ができるわけだ。

「待合エリア」の中では、ユーザーはアバターとなって自由に動くことができ、文字でのチャットはもちろん、アクションを選択することで他のユーザーに感情を伝えられるので、ライブ前の交流も盛り上がるだろう。自分のアバターは着せ替えもできるため、着飾ってライブに行くのも楽しそうだ。

バーチャルならではのライブ体験

 開演前になると、「待合エリア」からライブ会場に入場することができる。ライブ会場はまるで現実のような風景が広がっており、作りや雰囲気はグループによって異なる。大規模ライブには無さそうな風景でも楽しめるのがバーチャルならではだ。

『プロジェクトセカイ』の「バーチャルライブ」は人や世界との繋がりを感じる癒しの体験だった ― 仮想空間でジャンプし、ペンライトを振り、感動で涙する_004
ライブ会場の風景

 ライブ中は立ち位置の移動やカメラの移動を自由に行うことができるので、推しキャラクターの正面や側面など、好みの場所から観ることができる。しかもライブ会場は360度見渡すこともでき、ジャイロによるカメラ操作にも対応しており、ライブへの没入感はかなり高い。

『プロジェクトセカイ』の「バーチャルライブ」は人や世界との繋がりを感じる癒しの体験だった ― 仮想空間でジャンプし、ペンライトを振り、感動で涙する_005
横からのアングル

 また、ピンチインとピンチアウト操作をすることで、ステージの様子をズームイン・スームアウトできる。キャラクターをアップで見たり、ステージの全体像を見ることができるのが嬉しい。

 曲が盛り上がると、「JUMP TIME!」が発生し、「TAP」と書かれているボタンが出現。タップすると、ふんわり上昇して下降するジャンプができるユニークなシステムだ。

『プロジェクトセカイ』の「バーチャルライブ」は人や世界との繋がりを感じる癒しの体験だった ― 仮想空間でジャンプし、ペンライトを振り、感動で涙する_006
ジャンプタイム

 一番高いところでは目線がステージより高くなり、ステージ上のキャラクターたちを空中から見下ろすアングルに。また違った全体像を楽しむことができる。
 さらに、ジャンプ中に移動の操作もできるため、前後左右に空中移動ジャンプするのも楽しい。

『プロジェクトセカイ』の「バーチャルライブ」は人や世界との繋がりを感じる癒しの体験だった ― 仮想空間でジャンプし、ペンライトを振り、感動で涙する_007
ジャンプ中の風景

アクションも色々選べ、アイテムもカスタムできる

 ユーザーはペンライトを両手に持っており、常に画面端に映る。タップやスワイプでペンライトを振ることも、アクションの選択で色々な動かし方をすることもでき、ライブで感動したときに好きなだけ振ることだってできる。
 現実のライブでは周囲に気を遣って控えめにすることも、気兼ねなくできるのがいい。

 いつでもペンライトの色を選択でき、左右どちらの色もチェンジ可能。好きなキャラクターや曲によって変えるのも楽しい。簡単にサッと変えられるので便利だ。

『プロジェクトセカイ』の「バーチャルライブ」は人や世界との繋がりを感じる癒しの体験だった ― 仮想空間でジャンプし、ペンライトを振り、感動で涙する_008
ペンライトの色を選択できる

 さらに、ゲーム内通貨でアイテムを購入することができ、それを使用することで、ステージ上にエフェクトを出現させることもできる。自分の手で好きなキャラクターを応援している思いが一層強くなった。推したいタイミングや、曲の盛り上がるところで使うとよさそうだ。

 そして、「両手でペンライトを振る」などのアクションや、「最高!」などのセリフのスタンプ、キャラクター名を呼ぶスタンプを使うことで、自分の今の気持ちを他のユーザーにも伝えることができるのだ。ユーザー全員でライブを作り上げている感覚になる。

『プロジェクトセカイ』の「バーチャルライブ」は人や世界との繋がりを感じる癒しの体験だった ― 仮想空間でジャンプし、ペンライトを振り、感動で涙する_009
アクションやスタンプ

 筆者は初めてニコニコ動画でボーカロイド曲を聴いたときの、一体感のあるコメントを思い出した。

キャラクターが生きている、そこにいるライブ

 ライブは、曲が素晴らしいのは勿論、音質もいい。オリジナルキャラクターたちを演じるキャストの歌唱力も素晴らしい。音楽も、キャラクターのボイスも心から楽しめる。是非イヤフォンやヘッドホンで聴いてみてほしい。

 筆者が驚いたのは、キャラクターのMCだ。ライブらしい言葉もあり、ファンには嬉しいキャラクター同士のかけあいもある。ほほえましさに心温まり、思わず笑顔になった。キャラクターの振付や仕草も生き生きしていて素晴らしい。

『プロジェクトセカイ』の「バーチャルライブ」は人や世界との繋がりを感じる癒しの体験だった ― 仮想空間でジャンプし、ペンライトを振り、感動で涙する_010

 このような体験をスマートフォン一台あればできるなんて、いい時代になった……。心から思った。自分の掌の中に、ボーカロイド曲のライブ会場が存在するのだ。いつでもどこでも楽しめるというのも嬉しい。

こんな今だからこそ、体験してほしい

『プロジェクトセカイ』の「バーチャルライブ」は人や世界との繋がりを感じる癒しの体験だった ― 仮想空間でジャンプし、ペンライトを振り、感動で涙する_011

 誰かと待ち合わせができて、感情を表せて、さらにライブ内に反映されるので、「世界と繋がっている」「誰かと繋がっている」感覚があった。総じて「ユーザーも参加して、皆で作り上げていくライブ」の感覚が強い。

 現実世界は今新型コロナウイルスが猛威を振るい、ライブを開催したくてもできない、行きたくても行けないなど、辛い思いをしている方たちがいる。
 以前ゲームのストーリー部分についての開発者インタビューで語られたが、このタイミングでリリースとなるのは、たまたま時流が重なっただけだという。

『プロジェクトセカイ』は音楽と人間の関わりを支える“初音ミク”という存在を具現化した作品に【開発者インタビュー】

 そんな中、このように名曲を楽しみつつ、ゲームを介してライブの感動や人との繋がりを味わえるのは、多くの人の救いや癒しになることだろう。
 それはとてもボーカロイド的であると思える。そして、このゲームだからこその音楽体験になるとも言えそうだ。

 長年のボーカロイドファンも、初めてボーカロイド曲に触れる方も、一緒に楽しんでみてはいかがだろうか。

【この記事を面白い!と思った方へ】

 

 電ファミニコゲーマーでは独立に伴い、読者様からのご支援を募集しております。もしこの記事を気に入っていただき、「お金を払ってもいい」と思われましたら、ご支援いただけますと幸いです。ファンクラブ(世界征服大作戦)には興味がないけど、電ファミを応援したい(記事をもっと作ってほしい)と思っている方もぜひ。
 頂いた支援金は電ファミの運営のために使用させていただきます。

※クレジットカード / 銀行口座に対応

※クレジットカードにのみ対応

【あわせて読みたい】

 

 『Project DIVA』シリーズをはじめとする、これまでの初音ミク関連のリズムゲームでは、プレイヤーとミクやその仲間たちが直接向き合い、リズムゲームなどでコミュニケーションする形だった。

 それに対して本作は、オリジナルキャラクターの想いから生まれた空間である「セカイ」に存在しているミクたちバーチャル・シンガーが、物語を通じてキャラクターたちと関わり合うという、ストーリー性の強い形式になっている。

 いったいなぜこのような構成になったのか。そしてこのストーリーを通じて、どういったことを伝えようとしているのだろうか。
 ここでは本作の開発を担当しているColorful Paletteから、プロデューサーである近藤裕一郎氏と、シナリオを手がけた桝井愛氏のお2人にお話を伺った。

著者
『プロジェクトセカイ』の「バーチャルライブ」は人や世界との繋がりを感じる癒しの体験だった ― 仮想空間でジャンプし、ペンライトを振り、感動で涙する_012
いいものを広めたいと思いながら、文章を書いたり漫画やイラストを描いたりしている。
好きなゲームは『星のカービィ』シリーズ、『ゼノブレイド』『MOTHER2』『スプラトゥーン2』『NieR:Automata』『Fate/Grand Order』『CytusⅡ』など。
『フィットボクシング』や『リングフィットアドベンチャー』でダイエットしつつ、『MakeS』で癒され体重記録する毎日を送る。
Twitter:@sayurusky

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合がございます

新着記事

新着記事

ピックアップ

連載・特集一覧

カテゴリ

その他

若ゲのいたり

カテゴリーピックアップ