25周年を迎えた『サカつく』の何がすごかったのか? 選手を操作しないほうが没入感が高いってどういうこと?

 1993年、Jリーグが開幕し、国内は空前のサッカーブームが巻き起こった。同年の「ドーハの悲劇」は、惜しくもワールドカップ出場を逃してしまったものの、そのドラマティックな展開にサッカーファンはもちろん、ふだんサッカーに関心のない人の心も大きく揺さぶった。その熱は以降も衰えず、90年代はサッカーブームに沸いた年代と言ってもいいだろう。

 サッカーブームはゲームにも波を巻き起こした。1993年以降、サッカーゲームの新作がつぎつぎと世に送り出されていった。そして1996年、セガ・エンタープライゼス(現セガ)よりセガサターン用ソフト『Jリーグプロサッカークラブをつくろう』(以下、『サカつく』)が発売。多くのサッカーゲームがひしめく中、『サカつく』はひときわ異彩を放っていた。サッカーゲームといえばアクションゲーム、サッカーゲームといえば選手を操作するのが当たり前だった時代。そんな常識がどこ吹く風とばかりに『サカつく』はそれまでのサッカーゲームの常識を大きく覆していた。

文/近藤圭悟


※この記事は、セガと電ファミ編集部のタイアップ企画です。

選手を操作しないからこそ生まれる『サカつく』の高い没入感

 Jリーグのチームのオーナー兼監督としてチームを運営し、施設・人事を管理し、選手の育成も行う。試合中は選手の交代や作戦の変更が行えるのみ。Jリーグ人気に沸く時代の中、サポーターが抱いていた「俺だったらもっとうまくチームを運営できるのに!」という夢(妄想)を叶えるゲーム、それが『サカつく』だったわけだ。

 操作できないというジレンマは、試合では手に汗を握るほど没入感を高め、試合展開や成り行きを見守ることしかできないからこそ熱中度は増した。選手を自由に操作できないからこそ運営手腕が問われ、思い通りにいかないからこそ「頼む!」と熱中度を高めた。アクションではないサッカーゲーム。『サカつく』の唯一無二のゲーム性は、多くのサッカーファンを熱狂させた。『サカつく』は、間違いなくサッカーゲームの歴史を語るうえで欠かせないタイトルと言える。

 そんな『サカつく』は2021年2月23日、25周年を迎えた。サッカーブームは去り、当時学生だったプレイヤーもいまはなかなかゲームに時間が割けない状況かもしれない。だけど、あの当時、『サカつく』でオーナーとしてチームを率いていた人にぜひ触ってほしいのがスマートフォン向けアプリ『プロサッカークラブをつくろう! ロード・トゥ・ワールド』(以下、『サカつくRTW』)だ。

 選手を操作できないことが斬新で、そこが魅力だった『サカつく』だが、もうひとつ大きな特徴がある。それは、さまざまなハードで発売されていることだ。セガサターンで産声をあげた『サカつく』シリーズは、移植版も含めると、ドリームキャスト、プレイステーション2、プレイステーション3、プレイステーション・ポータブル、プレイステーションVita、ニンテンドーDS、PCなどで発売されている。時代によって進化し、形を変える。四半世紀の歴史を持つタイトルだからこその特徴と言えるだろう。

 『サカつくRTW』はスマホ向けアプリだけあって、快適にプレイできるのが最大の魅力と言える。かつてプレイしていた大人のプレイヤーにはピッタリの仕様となっているので、本稿で当時の思い出が蘇った方は、騙されたと思って一度プレイをしてみてほしい。

 もう少し背中を押すために『サカつくRTW』をざっくりと紹介しよう。監督や選手をスカウトして、自分だけのオリジナルチームを作成し、世界中のユーザーと競い合いながら“世界ナンバーワンサッカークラブ”を目指すことが『サカつくRTW』の目的となっている。スマホ用アプリでありながら、コンシューマー機の試合エンジンを改修して実装。試合中の技術的な介入をすることなく、より魅力的な試合演出を実現しているため、誰でもクラブ運営を楽しめるようになっている。

 また、FIFPro日本代表選手ライセンスを取得し、歴代の日本代表選手や欧州の実在リーグの選手が実名で2000名以上登場するため、自分が好きな選手を集めて最強チームを目指すといった楽しみかたも可能だ。2月24日からは25周年レジェンドマッチと限定スカウトも開始されているので、プレイを始めるにはうってつけのタイミングだろう。

 以下では『サカつく』シリーズの歴史をまとめてみたので、「あの当時の思い出」を蘇らせる一助となれば幸いだ。

J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!

発売日:1996年2月23日
機種:セガサターン

 Jリーグに加盟している14チームに加え、プレイヤーのオリジナルチームとライバルチームが参加する全16チームで覇権を争った。記念すべきシリーズ最初の作品ではあるが、ゲームシステムや試合には未成熟な部分も多く、難度が非常に高かった。育成したチームはパスワード登録ができたため、友人たちとオリジナルチームを持ち寄っての対戦が盛り上がった。

J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!2

発売日:1997年11月20日
機種:セガサターン

 Jリーグ加盟17チームと自分とライバルチームを加えた全19チームが参加。Jリーグ昇格を賭け、JFLの残り3試合を戦うところからゲームが始まるため、より思い入れが強くなるプレイヤーが多かった。ホームタウンの選択やスローモーション的な演出“光プレイ”の採用により、さらにサッカーの醍醐味を楽しめるようになっている。また、“エディット選手”機能により、自分の分身となる選手を作成してチームに加えられるようになり、最強の選手を目指したり、憧れの選手とコンビを組ませたりといった楽しみかたも増えた。

J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!

発売日:1999年9月30日
機種:ドリームキャスト

 ハードをドリームキャストに移して、さらなる進化を遂げたシリーズ3作目。2部リーグ制が採用され、J1加盟の16チーム、J2加盟の10チームが収録されている。グラフィック面の向上だけでなく、Jリーグで活躍していた小野伸二選手の動きをモーションキャプチャーで収録し、華麗な動きを再現していた。なお、インターネットに対応したことで、選手のダウンロードや大会開催といったサービスが行われたが、オンラインに接続しないとすべての選手が登場しないという側面も。発売当時はインターネット黎明期だったため、反発の声が少なからずあった。

サカつく特大号 J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!

発売日:2000年12月21日
機種:ドリームキャスト

 前作をベースに新規参入チームや選手データを更新。新規要素として、サテライト(2軍)が導入されたことで、、クラブの選手保有数が22人まで拡大。 これにより選手起用や戦術面が向上し、さらに楽しめる内容へと進化した。また、ネットワーク上で選手交代を行えるシステムも導入された。

サカつく特大号2 J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!

発売日:2001年12月13日
機種:ドリームキャスト

 前作同様にJ2新規参入チームや既存選手のデータ、ユニフォームを更新した作品。セガ発のハードで発売された最後の作品となる。また、本作で育て上げたクラブデータは、『Jリーグ スペクタクルサッカー』という作品に移行可能で、シミュレーションで育てたチームでを使って、アクションサッカーを遊ぶこともできた。

サカつく2002 J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!

発売日:2002年3月7日
機種:プレイステーション2

 ハードをプレイステーション2に移し、試合シーンの迫力などが向上。サテライト(2軍)制度を廃止して、完全22人制の選手構成が採用された。また、ピッチレポーターとして、ジローラモ氏を起用したことでも話題を呼んだ。現実世界で“2002 FIFAワールドカップ”が開催された影響もあり、好調な売り上げを記録した。

J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう! Windows版

発売日:2002年6月6日
機種:Windows

 マウス操作に特化した画面レイアウトのほか、最大4倍速まで可能なスピーディな試合が特徴。2002年12月9日にはパワーアップキットが発売された。

J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう! アドバンス

発売日:2002年9月5日
機種:ゲームボーイアドバンス

 これまでのシリーズ作とは異なり、プレイヤーは実在Jリーグクラブの監督に就任。全権を任された監督として、チームの強化を行っていくことになる。また、監督には名声や経験といったランクが存在しており、監督自身(プレイヤー自身)の成長が、クラブの成長にも大きな影響を与える内容になっていた。

J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!3

発売日:2003年6月5日
機種:プレイステーション2

 ゲームシステムが一新され、『サカつく』新世代の幕開けとなった作品。ゲームプランの概念が採用され、試合を見なくとも選手の交代指示が可能になった。コーチ制度の導入や、海外リーグ選手の実名化など、多くの進化とチャレンジをしていた。グラフィック面は向上したものの、ロード時間が非常に長くなったというファンの声も多かった。

J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう! MOBILE

配信日:2004年
機種:iモード / Yahoo!ケータイ / EZ WEB

 初の携帯版。携帯電話だからこそ手軽に遊べるネットワークを使ったシステムが特徴。

J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!’04

発売日:2004年6月24日
機種:プレイステーション2

 ナンバリングとして正統進化した作品。“プレイスタイル”や“フォーメーションコンボ”といった選手能力が追加されたほか、選手の所属年数による能力補正や同じメンバーで戦い続けたときのモチベーション低下といった要素が導入された。

J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう! MOBILE2

配信日:2005年
機種:iモード / Yahoo!ケータイ / EZ WEB

プロサッカークラブをつくろう! ヨーロッパチャンピオンシップ

発売日:2006年3月29日
機種:プレイステーション2

 10周年という節目に発売された作品で、Jリーグを舞台にした従来作品とは異なり、欧州の6大リーグが舞台になっている。ゲームに登場する選手はシリーズ最多の25000人で、そのうち9000人が実名で登場。これにより、世界最高峰である欧州サッカーリーグが好きな目の肥えたファンも多く獲得した。また、試合の演出も変更され、連続性を重視したリアルな試合シーンに変更された。

J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!5

発売日:2007年2月1日
機種:プレイステーション2

 複雑になりがちだったシステムが見直された作品。人事に“編成会議”が追加されて、フロント陣とやり取りをしながらチームの補強が可能になるなど、わかりやすくて奥深いものへと変更された。ブログやマーケティングを行ってホームタウンも成長させていくという要素が人気だった反面、所属選手の人数が最高18人と削減されたことを悲しむプレイヤーもいた。

プロサッカークラブをつくろう! ONLINE

発売日:2007年4月24日
機種:Windows

 完全オンラインゲームとして、月額課金制サービスで展開された作品。1日10分のプレイでも楽しめる自動進行システムを採用していた。舞台は欧州6大リーグ。

J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう! MOBILE3

発売日:2008年
機種:iモード / EZ WEB

 モバイル版『サカつく』の3作目。選手のステータスの強化システム、ポスティング制度などが導入された。ユーザーどうしがチームに分かれて、グループ戦を行ったりサイト上で他プレイヤーとのコミュニティが可能になるなど、ケータイアプリとして限界まで突き詰めた充実の内容だった。

サカつくDS タッチ and ダイレクト

発売日:2008年11月20日
機種:ニンテンドーDS

 携帯用ゲーム機では2作目となる作品。ニンテンドーDS特有のタッチペン操作でリアルタイムかつダイレクトな介入が可能な“試合采配”が導入された。トレーディングカード感覚で楽しめる“選手収集”など、システム全体がカジュアルになっており、従来作品とは大きく異なっている。

プロサッカークラブをつくろう! ONLINE2

発売日:2009年4月22日
機種:Windows

 オンラインで遊ぶ『サカつく』がリニューアルされて登場。前作では月額課金制を採用していたが、多くのプレイヤーに気軽に遊んでもらうために基本料金無料でアイテム課金制へと移行。

J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!6 Pride of J

発売日:2009年11月12日
機種:プレイステーション・ポータブル

 携帯ゲーム機で発売された3作目。携帯機ながら据え置き機のシステムに近い内容に仕上がっている。ライバルチームのオーナー、監督や秘書などに実在のタレントが多数起用されていたのが特徴のひとつ。難度が非常に高く、サポーターとの公約やファンサービスが重要になっている。PSPのアドホック通信を使った対戦が可能で、ゲームを持ち寄って遊んでいる姿も見られた。

J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう! ONLINE

発売日:2010年4月1日
機種:Windows

 1日10分で遊べるWindows版の『サカつく』。Jリーグの選手図鑑があり、選手カードを集めるおもしろさがあり、Jリーグに興味がある人ほど楽しめる内容になっていた。

サカつくDS ワールドチャレンジ2010

発売日:2010年5月27日
機種:ニンテンドーDS

 ニンテンドーDS特有のタッチペンを利用した“試合介入”と、カップ戦ごとに選手を1名獲得できる“選手収集”に特化した、カジュアル『サカつく』の第2弾。システムが簡略化されているため、ストレスなく遊べるという声が多く、欧州リーグや日本代表モードが追加されたことで、ボリュームにも満足しているプレイヤーが多かった。

J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!7 EURO PLUS

発売日:2011年8月4日
機種:プレイステーション・ポータブル

 Jリーグチームに加え、イングランド、スペイン、イタリア、オランダ、ドイツ、フランスの6カ国のトップリーグ、116チームを収録している。サッカー専門誌としてエル・ゴラッソが実名で登場するほか、ランダムで実在する企業をスポンサーにすることもできた。秘蔵っ子システムや全権監督モードなどのシステムも好評だった。

サカつく プロサッカークラブをつくろう!

発売日:2013年10月10日
機種:プレイステーション3 / プレイステーションVita

 6年ぶりに据え置き機かつ、シリーズ初のHD機での発売となる作品で、試合時のグラフィックが大幅に強化された。プレイステーション3とプレイステーションVitaのクロスプラットフォームでの発売となり、セーブデータの共有や相互対戦が可能。Jリーグの各チームと、欧州6大リーグが収録されていた。

J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!8 EURO PLUS

発売日:2013年10月17日
機種:プレイステーション・ポータブル

 プレイステーション・ポータブルでの最新版ではあるが、内容としては『J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!7 EURO PLUS』に2013年版のデータを搭載したもの。画面の構成やゲストキャラクターは、1週間前に発売された『サカつく プロサッカークラブをつくろう!』と同様になっている。家庭用ハードで最後に発売されたシリーズ作品となる。

 以上が、『サカつく』シリーズの過去作品となる。気になる作品があれば、『サカつく』シリーズ25周年特設サイトをチェックしてみてほしい。

『サカつくRTW』、シリーズ25周年イベント詳細

◆サカつく25周年FREE SCOUT
開催期間:2021年2月10日(水)~3月10日(水)10:59

 『サカつく』シリーズ25周年を記念して、シリーズでおなじみの選手がクラブ“サカつくスターズ”の新★5選手となって登場する“サカつく25周年FREE SCOUT”を開催。期間中、最大で290連スカウトが無料で行える。

登場する新★5選手は以下の通り。
河本鬼茂
エレ
ロゼイ
ガッシュ
稲村瑞樹
御厨親典
フェゲーロ
コーワン
河本龍将

◆サカつく25周年TICKET SCOUT
開催期間:2021年2月10日(水)~

 『サカつく』シリーズおなじみの選手たちが新★5選手となって登場する“サカつく25周年TICKET SCOUT”。こちらは、専用チケットで引くことができるチケットスカウトとなる。同時開催中の“サカつく25周年レジェンドマッチ”の10000ポイント報酬でもらえる“サカつく25周年スカウトチケット”10枚で引くことができる。チケットは10000ポイントに到達するたびに何度でも獲得可能。

◆サカつく25周年レジェンドマッチ第2弾
開催期間:2021年2月24日(水)16:00~3月10日(水)10:59

『サカつく』25周年レジェンドマッチに参加して10000ポイントを達成すると、“★5タジ”と“サカつく25周年スカウトチケット”を獲得可能。

◆サカつく25周年記念SCOUT
特典付きスカウト
開催期間:2021年2月24日(水)~3月24日(水)10:59

 イングランド強豪クラブのレジェンド選手やスター選手が登場する特別なスカウト。“★5確定スカウトチケット”や使用条件のない“限界突破アイテム”が特典として付くほか、“新★5選手1名確定”や“★5選手確率アップ”といった、特別獲得枠が付いた特別なスカウトになっている。

通常版スカウト
開催期間:2021年2月24日(水)~3月24日(水)10:59

 イングランド強豪クラブのレジェンド選手やスター選手が登場する特別なスカウト。

◆サカつく25周年記念ログインボーナス
開催期間:2021年2月24日(水)11:30~3月17日(水)3:59

 『サカつく』25周年を記念して、毎日ログインするだけで、さまざまなゲーム内アイテムが入手できるログインボーナスを開催。

◆サカつく25周年記念ミッション
開催期間:2021年2月24日(水)11:30~3月10日(水)10:59

 ゲーム内で試合を25回実施すると、報酬として“★5確定スカウトチケット”を3枚が獲得できる“サカつく25周年記念ミッション”を開催。



© SEGA (公財)日本サッカー協会公認 
The use of images and names of the football players in this game is under license from FIFPro Commercial Enterprises BV. FIFPro is a registered trademark of FIFPro Commercial Enterprises BV.

ライター
近藤圭悟
幼少期はゲームと無縁の生活だったが、『ファイナルファンタジーXI』に出会って人生が一変。以来、ゲームをしない日は存在しないほど。年を取っても、いつまでもゲーマーでありたい。
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