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『ガンダム』ほぼ未履修でもプレイしてると原作を履修したくなる…!6対6の新作FPS『ガンダムエボリューション』クローズドベータテスト感想

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 『機動戦士ガンダム』を皮切りに無数の作品が生まれ、いまや日本を代表するコンテンツのひとつとなっている『ガンダム』シリーズ。 

 記憶に新しい、映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』が起こしたムーブメントからも分かるように、常に新規ファンが生まれるような新しい展開が行われているのも、当シリーズの人気が長く続いている理由と言えるでしょう。

 先日クローズドベータテスト(CBT)が行われたチーム制FPS『GUNDAM EVOLUTION』(以下、ガンダムエボリューション)も、長年のコアなファン向けというよりは、むしろ最近ガンダムに触れるようになった新規ファンや、若いゲームファンに向けた、『ガンダム』シリーズへの入口としての役割を担うゲームです。

 誤解を恐れずに言うなら、こうした既存IPを活用した作品の場合、「新規ファン向け」タイトルのほうが「コアファン向け」のタイトルよりも、ゲームとしては高い完成度を求められるのではないでしょうか?
 骨の髄までガンダム愛で満たされたファンならば、「ガンダムという題材をしっかり扱っているならば、ゲームとしては多少の粗があっても楽しめる」はず。一方でそこまで深いファンじゃなければ、「しっかりおもしろくなければ、すぐにほかのゲームへと移ってしまう」と思います。

 何が言いたいかというと、『ガンダムエボリューション』は、新規ファンでも夢中になれる、しっかりとおもしろいゲームだということです。
 競技性の高さと戦略性の奥深さ、そしてモビルスーツを自らの手で操作する楽しさと気持ちよさがしっかりと味わえる……CBTに参加した限りの感想ですが、本作にはそんな高いポテンシャルが備わっていました。

 この記事では、宇宙世紀を舞台としたガンダムはほぼ未履修、好きな『ガンダム』作品は『ガンダム ビルドファイターズ』という「極めて浅いガンダムファン」である筆者が、CBTを通して味わった『ガンダムエボリューション』の魅力をお伝えしていきたいと思います。

文/小林白菜


チーム制ならではの達成感に満ちた、ハイテンポなゲームプレイ!

 モビルスーツ・ペイルライダーを操作して行うチュートリアルで基本操作を丁寧に叩き込まれ、これが終われば「カジュアルマッチ」によるオンライン対戦プレイが楽しめるCBT版『ガンダムエボリューション』。世界観の説明なども特に無く、すぐにゲームとしていちばんおもしろいところを遊ばせてくれるのが嬉しいです。

『ガンダムエボリューション』CBTプレイ映像

 本作の対戦ルールは全部で3種類。いずれも12人のプレイヤーがマッチングし、アースノイドとスペースノイドというふたつの陣営に分かれ、6対6で自陣営の勝利を目指して争うことになります。

 12の機体の中から、個人的に馴染み深い『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の主役機、ガンダム・バルバトスを選んでプレイをはじめた筆者。

 ところが、む、難しい……!

 実は、ガンダム・バルバトスはCBT版で操作できる機体の中で、射撃攻撃ができる装備を持たない唯一の機体。独特の立ち回りが求められ、正面から殴りに行くのは自殺行為という、比較的上級者向けの機体だったのでした。

『ガンダムエボリューション』CBTプレイ映像

 基本操作はすべての機体で共通している本作。しかし装備の性質やバリエーション、移動速度にダッシュの挙動、HPの数値、ゲージを貯めることで放てる「Gマニューバ」の特徴などは、機体によって大きく異なっています。操作する機体を変更するたび、新鮮なプレイフィールを味わうことができました。

 そうして癖の少ない、自分にとって扱いやすい機体を探しつつ戦っていったのですが、なかなか勝利には貢献できない、もどかしい状況が続きます。ほかのチーム制FPS同様、上達するにはただ漫然と目の前の敵を倒そうとするのではなく、ルールごとに適した立ち回りを把握するのが必要不可欠なのです。

 「ポイントキャプチャー」「デストラクション」は攻撃側、防御側に分かれ、攻撃側は目標を制圧または破壊、防御側はこれを死守するルール。攻撃側はある程度のリスクを負ってでも敵チームをひとりでも多く倒すべき局面があり、逆に防御側はリスクを取るよりも堅実に戦い、仲間と共に戦線を維持することが有効な印象でした。

 「ドミネーション」は目標エリアへと2チームが同時に向かい、目標エリアに留まることで上昇するパーセンテージを100%にしたチームの勝利というルール。目標エリアとなる場所が時間経過で切り替わるなど、状況が目まぐるしく変化するため、これに適切に対応する判断力が求められます。

『ガンダムエボリューション』CBTプレイ映像

 また、どのルールでも共通して重要に感じたのが、敵を深追いし過ぎないこと。
 本作ではダメージを受けない状況がしばらく続けば、機体のHPは時間経過で徐々に回復していきます。深追いして自分が撃破されてしまったときの復帰にかかる時間を考えれば、敵を倒しきれなかったとしても、体力の回復を待ってから改めて攻勢に出るのが得策に思えました。

 手負いの敵は仲間がトドメを刺してくれるかもしれませんし、そうして自分の身の丈にあった戦いを意識することが、結果的にはチームの勝利への貢献に繋がります。

『ガンダムエボリューション』CBTプレイ映像

 ゲームプレイのテンポは、これまでのガンダムゲームと比較してもかなり速いほうだと思います。
 どの機体を操作していても、常にあらゆる方向からの攻撃に気を配る必要があると同時に、仲間の状況も把握しておかなければいけません。隙を見せれば、一瞬で体力を大きく削られ、中破させられたら行動不能に。周囲の味方にリカバリーしてもらえなければ、そのまますぐに大破となり、数秒後にスタート地点から再出発となります。

 もちろんこの条件は敵も同じ。うまく敵チームの機体を連続撃破できたときの気持ち良さはかなりのものです。また、どの機体もメインウェポンと複数あるアクティブスキルの使い分けが非常に重要で、瞬時の判断でこれらを駆使し、うまく立ち回れたときの高揚感も、アクションゲーム好きとしてはたまらないものがあります。

『ガンダムエボリューション』CBTプレイ映像

 最初のうちは苦戦していたからこそ、少しずつチームに貢献できる機会が増え、それがダイレクトに勝率に反映されていくのはめちゃくちゃ嬉しい!
 使いこなせるようになり、活躍が増えるほど、使用している機体自体もどんどんカッコよく見えてくるから不思議なものです。参戦機体が登場するアニメ作品のほうも観たくなってきたのですから、まんまと本作の術中にハマってしまったということかもしれません。

「おもしろそう!」、「かっこいい!」の気持ちがあればプレイの動機は十分

 そんなこんなで、夢中でプレイを続けているうちに、あっという間にCBTの期間は終了。飛行形態への変形など、操作性の変化を伴うGマニューバが最後まで上手く使いこなせず、悔しさは少し残ったものの、2日間のプレイを非常に楽しく満喫することができました。
 一方で、正式サービス開始時には、ペイルライダー以外の機体でも自由に操作性を試せるモードが欲しいな~と思ったり。

『ガンダムエボリューション』CBTプレイ映像

 ちなみにPC向けのFPSというとキーボード+マウスというインターフェースが主流ですが、この操作系に慣れていない筆者は主にゲームパッドで本作をプレイしていました。エイムの精度などの面では確実に不利であり、上を目指すならキーボード+マウスに切り替えるべきなのでしょう。

 けれど今回遊んでみた限り、カジュアルにプレイする分にはエイムの精度は立ち回りである程度補えますし、パッドに慣れた身としては操作性における煩わしさはまったくありませんでした。まだコンシューマー機での展開は発表されていない本作ですが、「PS4やPS5でプレイできるならやってみたい」という方も、この点は安心して良いと思います。

 また、エイムに自信がない方も、射撃攻撃をヒットさせやすいガンタンクドムトルーパー、そもそも射撃攻撃のないガンダム・バルバトスといった機体を使用するなど、自分に合った戦い方を見つけられるはず。
 味方を回復できるペイルライダーなどで後方支援を中心に立ち回ったり、敵にクイックピンを撃って、居場所を味方に知らせるのも、勝利への貢献に繋がります。

『ガンダムエボリューション』CBTプレイ映像

 それから個人的に良いなと感じたのは、機体に搭乗するパイロットのボイスで、「助けてくれた仲間へのお礼の言葉を自動的に言ってくれる」ところ。ちゃんと感謝は示したいけど、激戦の最中にプリセットチャットでそれをやろうとする心の余裕はなかなか持てなかったので、ありがたかったです。

 FPSが得意じゃなくても大丈夫。『ガンダム』シリーズに詳しい必要もありません。プレイの動機は「チーム対戦のFPSっておもしろそう!」とか「登場するモビルスーツがかっこいい!」で十分。それだけで、『ガンダムエボリューション』に夢中になれる条件は揃っているのです。
 この記事を読んだり、プレイ動画を観たりして本作が気になってきた方は、正式サービスが始まるのを楽しみに待っていてください。

©︎創通・サンライズ
©創通・サンライズ・MBS

ライター
ゲームメディアでアニメの話をしたりしている人。ゲームライターと名乗ってよいものか分からず、かといってアニメライターではない気がする。いい感じの肩書き募集中。両ジャンル追いかけるには人生はあまりに短い。ゲームは和・洋・大作・インディーなんでも楽しみ、アニメはとりわけ『アイカツ!』シリーズや『プリキュア』シリーズなど、女児向けのものを好む。
Twitter:@Kusare_gamer

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