配信開始から早2カ月、今もなお盛り上がり続ける『遊戯王 マスターデュエル』。
1万種類を超えるカード。そして即対戦相手をお届けしてくれるランクマッチ。スマホでもプレイできるのでいつでもどこでもデュエルが可能。
デュエリストにとってこれほど魅力的な環境は他にあるだろうか、いやない。
そんな『遊戯王 マスターデュエル』だが、「カードゲームはそこそこやってるけど『遊戯王OCGデュエルモンスターズ』(以下、遊戯王OCG)はほぼ未プレイ」な編集者からある一言が飛んだ。
「コスト【※】の概念が存在しないカードゲームって、どんな感じなの?」
※コスト=カードを発動するのに消費するもの。
……当たり前のようにプレイしていたので気が付かなかった。確かに「コストがない」って、なんなんだ!? そんなカードゲーム聞いたことないぞ!!
というわけで、本稿では「『遊戯王OCG』だけ知らないカードゲーマー」と「『遊戯王OCG』を10年やってるプレイヤー」の双方の視点から、あらためて『遊戯王 マスターデュエル』の面白さを解読していこう。
※この記事は、『遊戯王マスターデュエル』の魅力をもっと多くの方に知ってほしいKONAMIさんと、電ファミニコゲーマー編集部のタイアップ企画です。
※以下の文章から『遊戯王OCG』10年生の“ローラ“と『遊戯王OCG』だけほぼ未プレイなカードゲーマー・“コント“の会話形式で進行します。
他のカードゲームはやってるのになぜか『遊戯王OCG』だけ触ってこなかった
僕は小学生のときにちょっと『遊戯王OCG』を触ってたんですが、細かいルールは全然把握してなくて。迷路から出てくる虫みたいなモンスターを使ってた覚えがあります。『遊戯王 マスターデュエル』にはいるのかな?
『迷宮壁ーラビリンス・ウォールー』と『ウォール・シャドウ』ですかね。もちろんいますよ。
それだ!というかあるんだ、すごい!
あと覚えてるのは儀式モンスターですね。『ハングリーバーガー』とか『カオス・ソルジャー』とか。
でもそれから『遊戯王OCG』には触ってなくて……。いろいろなカードゲームをちょこちょこやったけどすぐやめちゃって。しばらく経ってまたカードゲームを本格的に始めた感じです。
僕が『遊戯王OCG』を本格的に始めたのは【暗黒界】をテーマとしたストラクチャーデッキが出たころで、……確認したら10年ちょっと前からですね。
10年前っていうと……『人造人間-サイコショッカー』とかのころ?
えーと……(検索中)
『人造人間-サイコショッカー』は21年前ですね。
※『ラビリンス・ウォール』と同期。
すげえ昔だった。
『人造人間-サイコショッカー』は今でもたまに新規カードが出るぐらいには人気ありますよ。
へえー。昔強かったり好きだったりしたカードが今でも使えるのはけっこう嬉しいですね。
『遊戯王OCG』にはコストの概念がない?
『遊戯王OCG』は世界でも最大級のカードゲームだけど、やってない身からすると一番気になるのは「コストに相当する概念がない」ってことですね。
大抵のカードゲームってカードの強さがコストに相応するようになってるから、「最初はコストが少ないから弱いカードしか使えないけど、ターンを重ねてコストを増やしたら強いカードが使える」というイメージが強いと思うんです。
だから、「コストの概念がない」とどうなっちゃうんだ? とあんまり想像がつかないんですよ。
簡単に言うと、1ターン目からいきなりエースモンスターを出せちゃいますね。
マジですか。それって後手のときはどうするんですか?
対策用カードをデッキに入れておいて、どうにか返します。
じゃあ、後手で対策カード引けてて盤面を返せた場合ってどうなるんですか? そこでゲームセット?
デッキにもよりますけど、先手が残り手札1枚から再びエースを出せることもあります。
えっ。1枚の手札からサーチやらなんやらでまた繋げられちゃうってことですか?
そうですね。だから『遊戯王OCG』はエースカードの打ち合いになることが多いです。
思ったよりもエクストリームだった。
『遊戯王OCG』プレイヤーはドローが大好き?
そうなると、『遊戯王OCG』での「ドロー」にどれぐらいの価値があるかが気になりますね。
たとえば有名な『強欲な壺』って「2枚ドロー」だけど強すぎて禁止になってるらしいじゃないですか。
他のカードゲームでいうと「2枚ドロー」って3コストか4コスト相当の価値になるんですが、『遊戯王OCG』だとこれがどれくらいの強さになるんだろうと。
『強欲な壺』がヤバいのは、新しく2枚引いたカードがすぐに使えちゃうからですね。コストの概念がないので。極端な話、『強欲な壺』で『強欲な壺』を引けたら、そこからさらにドローできちゃうんですよ。
あーなるほど、使えば使うだけ選択肢が増えちゃうんだ。だから禁止なのか。
そうですね。汎用のドローソースという点で言うと、『強欲で貪欲な壺』ってカードがあるんですが……これは「デッキの上から10枚裏のまま除外して、2枚ドロー」。
あー、これは入れますわ。これはどう考えても入れますわ。
ですよね(笑)。たしか他カードゲームの格言(?)に「引けてないカードはデッキに入ってないのと同じ」みたいなのがありますよね。
そうですね。他カードゲームだとカードをプレイするのに必要なコストを生み出すカードもデッキに入ってるから、無駄牌を引く確率も高いので。
でも、この『強欲で貪欲な壺』が『遊戯王OCG』でガンガン使われているかというと、そうでもないんですよ。というのも、『遊戯王OCG』ではデッキが40枚しかなくて、同名カードも3枚しか入れられないので。
そうか、たしかに3枚しか積めないのに10枚飛ばすのはバカにならないか。飛ばした10枚の中にキーカードが全部入ってることもありうる。そうするとサーチカードも腐っちゃいますもんね。
キーカードが制限(1枚まで)だったりするとなおさらですね。だから、『強欲な壺』と同じ2枚ドローでも、条件やコストの重いカードは意外と残ってます。
条件を厳しくすることで、「そもそも使えるデッキが限られる」ってところでバランスを取ってるんですね。
「シンクロ召喚」「エクシーズ召喚」「ペンデュラム召喚」「リンク召喚」ってどうするの? 強そうだけどなんだか難しそう
『遊戯王OCG』のことであと気になるのは「エクシーズ召喚」や「リンク召喚」ですね。「強そうだけどなんだか難しそうだな〜」というイメージがあって。
一見難しそうな特殊召喚【※】も、実際に召喚してみて一度慣れてしまえば簡単ですよ。
しかも『遊戯王 マスターデュエル』ではどのタイミングでどのカードがエクストラデッキから召喚可能かを光って教えてくれるんですよ。召喚するかしないかを考える時間もかなりあるので、特殊召喚に不慣れなプレイヤーにもオススメです。
※特殊召喚
1ターンに1度しかできない通常の召喚とは別に、特殊な手順やカードの効果でモンスターを召喚する事です。
特殊召喚は条件を満たしていれば1ターンに何度でも行う事が可能です。
融合召喚・儀式召喚・シンクロ召喚・エクシーズ召喚・ペンデュラム召喚・リンク召喚も特殊召喚に含まれます。
※ペンデュラム召喚は1ターンに1度のみ行うことができます。
それはありがたい。
エクストラデッキにいろんな召喚タイプのカードが入っていると、どのカードが出せるのか最初混乱しそうですしね。カードの効果を読みつつ慎重に特殊召喚したいというのも正直なところです。
そうなんです。光っているエクストラデッキを選択した際に、特殊召喚できないカードは候補から消えるので、どのカードが今特殊召喚できるのか一目瞭然なんです。
つまり候補の中からモンスターの効果を読みつつ戦況にあったモンスターを特殊召喚できるんですね。分かりやすい。
しかも、候補からモンスターカードを選択した後、そのモンスターカードの特殊召喚に必要な素材は黄色く光ってくれるんです。
かなり親切ですね。本体素材にできないカードを間違えて選択する恐れもないわけですね。
エクストラデッキが光ったタイミングが特殊召喚できるタイミングだと学ぶことができれば、特殊召喚を考慮した戦術を考える癖がつくと思います。
エクストラデッキから何を特殊召喚するかは使用するデッキによっても違いますし、徐々に慣れていけばいいので、まずは各タイプの特殊召喚方法を説明しますね。
まずはシンクロ召喚から。
シンクロ召喚:レベルを足し算する
「シンクロモンスター」は白いカードで、「レベルの足し算」です。
モンスターの中には「チューナー」というキーワードを持ってるモンスターがいます。「チューナーのレベル+チューナーではないモンスターのレベル=シンクロモンスターのレベル」となるように素材となるモンスターを墓地に送ることで、シンクロ召喚できます。
足し合わせたレベルはちょうどじゃないとダメなんですか?
そうですね、レベルはピッタリである必要があります。その代わり、制限されてなければチューナー以外は何体使っても大丈夫です。レベルの低いモンスターを複数使って、大型のシンクロモンスターを出す戦術もあります。
エクシーズ召喚:同じレベルを参照する
「エクシーズモンスター」は黒いカードで、同じレベルのモンスターを並べて素材にすることでエクシーズ召喚できます。
素材にしたモンスターは墓地に送られるんですか?
いえ、エクシーズモンスターの下に重ねておきます。重ねたカードは、エクシーズモンスターの効果を発動する時に取り払って使用します。
「攻撃力が低くてもいいので特殊召喚できるモンスターを並べて、強力なエクシーズモンスターを召喚する」というのが基本です。
なるほど。攻撃力の低いモンスターでも頭数さえ揃えれば強力なモンスターを出せちゃうわけですか。戦力よりも効果を目的としたシステムモンスターでも、効果を使い終わったらコストにしちゃえばいいんですもんね。
リンク召喚:条件は緩いが、「位置」が重要
「リンク」は青いカードで、条件を満たしたモンスターを墓地に送るだけでリンク召喚できます。
えっ、強くないですか? 条件が緩いというか、エクシーズ召喚は同じレベルだったりシンクロ召喚はチューナーが必要だったりしたのに。
新しい召喚方法なのもあって素材の制約は緩めですが、素材以外の縛りがけっこうあります。
一番大きい制約としては、リンクモンスターは「エクストラモンスターゾーン」にしか出せないことですね。
エクストラモンスターゾーンはフィールドに2枠ありますが、1枠使うともう一方のエクストラモンスターゾーンは相手専用になります。つまり、2つ同時に使うことは基本的にできません。【※】
※厳密には「エクストラリンク」という手段で使うことはできますが、説明がややこしいのでここでは割愛します。
エクストラモンスターゾーンは相手と共有なんだ。じゃあ、新しいリンクモンスターを出すときはどうすればいいんですか?
それこそリンクモンスターの大きな特徴です。リンクモンスターのイラストの周りに「赤い三角形」(リンクマーカー)がありますよね。
ほんとだ、右下と左下が赤くなってますね。
リンクモンスターを召喚すると、その赤い三角形が示す方向に、新しいリンクモンスターを出すことができるようになるんです。
あ、これ位置を参照してるんだ!
そうです。「出せる場所を増やしていく」とイメージするとわかりやすいかもしれません。先ほどの状況だと、右下と左下の2か所に新しいリンクモンスターが出せます。
なるほど。置く場所を考えなきゃいけなくなったんだ。
そうですね。三角の先に別のモンスターを出してしまうと、新しいリンクモンスターが出せなくなります。また、三角の先に影響を与えるカードもあります。
そしてこれもリンクの特徴なのですが更に上のリンクモンスター……たとえば「リンク3」を出す場合、リンク2のモンスターはモンスター2体分として扱うことができます。
この場合、リンク3の条件が「2体以上」としか書かれていないので普通のモンスター3体でも出せます。
また、こうやって「位置」を参照するので守備表示にならないんですね。三角の向きがおかしくなりますから。なので守備力を参照する効果を受けなかったりもします。
ペンデュラム召喚:魔法としても扱うモンスター
ペンデュラムモンスターカードは下半分が緑色です。
最大の特徴としてモンスターとしてだけでなく、魔法カードとして魔法・罠ゾーンの両端に発動することもできます。
本当だ、効果も分かれて書いてある。
魔法として置いている間は、上に書かれている効果が発動します。そして、その「左右に書かれている数字」(ペンデュラムスケール)に注目してください。例えばこのカードだと4です。
このカードを左端に魔法として発動します。そして、右端に7の数字が書いてあるカードを置いたとします。
両端にペンデュラムモンスターカードが魔法カードとして発動されている場合1ターンに1度だけ、その数字の間のレベルを持つモンスターを、手札からまとめて特殊召喚できます。
え? 強くないですか? そんなことが許されていいのか。
許されます。これを『ペンデュラム召喚』といいます。
手札からコストとか無しでバッと出せちゃうんですか?
集めてしまえばまとめてペンデュラム召喚できます。またペンデュラムモンスターカードの特徴として、フィールドから墓地には行かず、エクストラデッキに表側で加わります。
そして、エクストラデッキに表側で加わったペンデュラムモンスターカードは次のターン、またペンデュラム召喚できます。
えっ? 手札から一気に出せる上に、しかもエクストラデッキからも出せちゃうんですか?
はい。ただし、エクストラデッキから出す場合は、エクストラモンスターゾーンかリンクモンスターの三角の先にしか出せません。
普通のモンスターと処理が違ったり、「リンク」も使いこなす必要がありますが、強力なカードたちです。
なるほど。強力なぶん、「リンク」も覚えないと使いこなせないと。なかなか上級者向けですね。
とはいえ、やっぱりその強さを聞くと使ってみたくなってきますね。
それはよかったです。
とりあえず「モンスターをたくさん並べて、エクストラデッキのエースモンスターに繋げる」っていうのが王道の戦略なんですかね。
エクストラ主体のデッキだとそうなりますね。
エクストラデッキに追加できる余裕があるのなら、デッキにチューナーが居ればシンクロモンスター、そうでなければ条件を満たしそうなエクシーズモンスターとリンクモンスターを入れて15枚用意することをオススメします。
15枚の中からいろいろな召喚タイプのカードを使用して徐々に慣れてみようと思います。
他にも融合召喚や儀式召喚という昔からある召喚方法もあるんですが、一気に説明すると大変だと思うので、そこらへんは追々覚えていけばいいかなと。