DMM GAMESより2022年春にリリース予定の新作RPGゲーム『天啓パラドクス』。開発・運営は『ミストトレインガールズ』などで知られる株式会社KMSが担当している。
今回、そんなDMMとKMSのタッグが生み出す新しいファンタジー世界への冒険を一足先にプレイする機会を得た。この記事では本作を遊んで得たゲーム全体のインプレッションをお届けしよう。
文/植田亮平
王道ファンタジーの世界観
冒頭にも述べたように、本作の世界観は王道寄りの(ここでいう王道とは近年のアニメなどで見られるような)ファンタジー世界がベースとなっている。物語の舞台となるのは光の神によって創られた「エダフォス」と呼ばれる世界だ。
エダフォスは砂漠の国から和風の国まで、様々な環境と文化が入り混じった広大な世界で、物語の中で登場するキャラクター達も出身によって大きくデザインが異なる。中世風の街並みや魔法などの伝統的ファンタジーを土台にしつつも、多様な文化が入り混じる懐の大きさも備えている、そんな印象だ。
思わず目を見張る魅力的なキャラクター
『天啓パラドクス』を初めて起動した私は、チュートリアルでもらえるダイヤを用いて最初の無料10連ガチャを回してみた。最高レアリティのSレアキャラクターが確実に貰えるガチャだ。
どんなキャラクターに出会えるのだろうかとソワソワしながらガチャを引いてみると……
!!
ありがとう、DMM。ありがとう、『天啓パラドクス』。……という冗談はさておき。流石天下のDMMといったところだろうか、登場する女の子はみんな可愛く、セクシーな娘たちばかりである。
ちなみに上の画像の女の子、もといお姉さんは「ナディラ」といって、砂漠の国ジャハラのプリンセスという身分である。ストーリー中にも登場する重要なキャラクターなのでぜひ本編で会うのを楽しみにしていただきたい。
その他にもストーリー中には個性的なキャラクターが多数登場する。物語序盤から主人公と共に旅をすることになる「マカロン」と「ソフィア」、『天啓パラドクス』のマスコットの地位をほしいままにする可愛い魔物「ハンペン」、森の国リーニャにて出会うことになる「天啓のエンフォーサー」を自称するドタバタ三人組の女の子など、冒険を彩るキャラクターには事欠かない。
私好みの絵柄ということもあってか、ガチャで見たことのないキャラクターに出会うたびに私は「WOW」という声を漏らしてしまった。これを読んだ方も、ぜひ自らのお気に入りキャラクターを見つけてみてほしい。
戦闘システムはSRPG風味
『天啓パラドクス』のジャンルは「少女と魔物のタクティクスRPG」となっているが、戦闘画面は非常にカジュアル化されたSRPGといった趣だ。SDサイズにデフォルメされた可愛いキャラクターたちをフィールド上のマス目に沿って動かしながら、立ちふさがる敵を戦略によって倒していくのが基本的なゲーム内容である。
各ユニットは通常攻撃に加えて魔法などのスキルを放つことが可能となっている。スキルには2マス以上離れた敵にも攻撃可能な長射程のものや、一定の範囲のマスを巻き込んで攻撃する広範囲のものなど、キャラクターによってさまざまである。キャラによっては複数のスキルを打ち分けることも可能なので、とれる戦略の幅は見た目以上に広い印象であった。
画面上部の行動順を見ながら戦闘を進めていくことになるが、行動順によって大きく戦況が左右されるといった状況は筆者が遊んだ限りではほとんど無かった。また、ステージによってはマス目上に障害物などが設置されていることがあったり、「敵の弱点属性を突けば大ダメージを与えられる」といったRPGの鉄板システムがしっかり用意されていたりと、「ただ敵に向かってユニットを進めて殴る」といった淡白なゲームプレイが起こらないよう工夫されている部分もあった。
コンシューマーなどの本格的なSRPGゲームと比較するとフィールドのサイズや戦闘の長さはコンパクトではあるが、そもそも一戦一戦にじっくり時間をかけるテンポのゲームという訳でもないと感じたので、この点については丁度いい塩梅で調整されているという印象だ。
また、画面右上のUIからそれぞれ倍速機能とAUTO機能を切り替えることができ、AUTO機能を使う際は各ユニットごとに作戦を設定することができる。これは『ドラクエ』などの作戦システムを思い出していただくと分かりやすいと思う。
各ユニットは設定した作戦にしたがって自動でアクションを行ってくれるので、ある程度ユニットをコントロールしながら戦闘を眺めることも可能である。最近のソーシャルゲームなどに便利なAUTO機能が搭載されているのを見るたびに、ゲームも快適になったものだなあと感心するばかりだ。
さて、ここまで主にシステム面について書いたが、実は『天啓パラドクス』の戦闘において最も私が評価したいのはSDキャラクターの可愛さである。
恐らくだが戦闘に参加できるユニット全てにSD用のモデルとモーションがしっかり用意されており、しかもそれぞれが非常に素晴らしいクオリティを誇っている。これは技術的な部分も関係しているのだろうが、等身大の3Dモデルよりも、こういった小さい等身のモデルの方が、可愛らしい本作の世界観ともマッチしているように私は感じる。
ソーシャルゲームの枠組みとしてみた場合、『天啓パラドクス』のビジュアルデザインはかなり優れた部類に入るのではないかと思う。
モンスターを捕まえて戦わせる
『天啓パラドクス』で戦闘を行うことができるのは何も人間だけではない。なんと、モンスターを獲得して戦闘で召喚することも可能である。こういったモンスターは戦闘終了時に手に入ることがあり、戦闘を優位に進めるのに一役買ってくれる。しかも、本作の育成要素は人間だけではなくこれら魔物も育成可能である。
育成要素は基本的にシンプルな構造になっているという印象だ。レベルアップ用のポイントを用いる、複数体同じキャラクターを重ねて覚醒させる、専用アイテムを用いてスキルを強化するなど、この手のゲームの従来親しまれてきたシステムが採用されている。一方で、魔物の育成要素として、専用の「配合」という機能が用意されている。
これは特定の素材から魔物を生成するというもので、豊富な種類の魔物を配合することが可能となっている。メインとして戦うのはやはり人間なのだが、専用の育成機能が用意されていることなどを見れば、魔物は「オマケ」ではなく「第二のユニット」である、というこだわりを感じることができるだろう。
プロモーションにはかなり力を入れている様子
この記事を読んでいる方の中にも『天啓パラドクス』の広告をご覧になったことのある方がいるのではないだろうか。
本作のプロモーションではVtuberの「犬山たまき」さんとコラボした動画をアップするなど、かなり力を入れたものになっているようだ。昨今のゲームにおいてVtuberとコラボすること自体はさほど珍しいことでもないのかもしれないが、リリース前から「犬山たまき」さんによる主題歌のカバー動画を公開するなど、積極的にVtuberを起用して広告を打っているなという印象だ。
ちなみに、本作の主題歌『不適合性パラドックス』のPV、および「犬山たまき」さんによるカバーはどちらもYouTubeにアップロードされているので、気になる人はぜひともチェックしてみてほしい。オリジナル版の方はなんとボカロ曲になっている。
最後に
ここまで多くのことについて述べてきた。最後に一点、気になった点も併せて書いておこうと思う。『天啓パラドクス』はブラウザ版とアプリ版の2種類がリリース予定となっている。(厳密に言えばリリースされるプラットフォームは以下の4つ、PC(ブラウザ版、DMM GAME PLAYER版) / DMM GAMESストア/ App Store / Google Play)である。
筆者は今回アプリ版をプレイさせていただいた。おそらくブラウザ版とアプリ版で特に何か違いがあるというわけではなく、両者全く同じゲーム体験を味わえるのだろう。が、しかし私が気になったのはまさにそこである。
これは個人の感覚によるのだろうが、ストーリー中でのメッセージウィンドウ(キャラクターの会話が表示されるウインドウ)、およびテキストのサイズが、スマホ版だとかなり小さく感じた。
また、全体的なUIのサイズや操作感もおそらくブラウザ版が基準となって作られているため、スマホで操作していると誤タップやビジュアル上ややぼやけて表示されるなど、非常に軽微なアクシデントが発生することもあった。しかしそれ以外には特に気になるところもなく、非常に快適なゲーム体験が可能であった。
以上が、本作を先行プレイした際に感じたインプレッションの全てである。ファンタジーな世界観やエッch……可愛らしくて魅力的なキャラクター達、戦略性の求められるバトルからVtuberを起用したプロモーションまで、少しでも興味を惹くような部分があれば、是非とも公式サイトや公式YouTubeなどを覗いて本作の魅力をもっと知ってみてほしい。『天啓パラドクス』のリリースはもうすぐ、楽しみにその日を待つとしよう。