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4年振りの『FF14』THE PRIMALS ワンマンライブ「Beyond the Shadow」がすごかった。植松伸夫氏「昔はここまで大規模なゲーム音楽のライブはできなかった。『ゲーム音楽』という文化が育ったと思う」

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あなたの旅は、良いものでしたか?

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 ……さて、約4年ぶりの「THE PRIMALS」のワンマンライブ「Beyond the Shadow」のレポート、お楽しみいただけたでしょうか? 会場に行った方はあの時の盛り上がりを思い出していただければ、行けなかった方には少しでも生の熱狂を感じていただければ幸いです。

 えっ? 「お前が楽しそうにしてることしか伝わってこなかった」って? いや、本当はなんかもっと暁月に絡めて何かもっと良い感じに感動することを書いてやろうと思ったんですが……実際ライブ会場から出たら「最高!!!!!」以外の全ての感情を失っていたので、「最高!!!!!」としか書きようがなかった感じです。

 いやホント、現地行ってみ!? もうロングフォールとタイタンとエスケープとブルートジャスティスとライズ連続で喰らったらそんな御託並べてる場合じゃないから!?!?

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 い、一応記事をまとめるために真面目なことを言うと、やはり植松伸夫氏がMC中に言った「『ゲーム音楽』という文化が育ったと思う」という言葉を、今回の「THE PRIMALS」のライブを通して強く感じました。『FF14』という作品の「音楽」にフィーチャーしたイベントにここまで多くの人が集って、全員で盛り上がる。

 当たり前のことかもしれないけど、エオルゼアの中ですれ違ったことがある人と、このライブのどこかでまたすれ違っているかもしれない。実は隣に座っていた人は、いつかレベリングルーレットで一緒になったことがあったかもしれない。記事の冒頭でも触れましたが、私はこの幕張メッセに集った光の戦士のみなさまの多さとその熱狂がとにかく印象に残りました。

 いつものグラフィックとは違うかもしれないし、いつものアバターとは違うかもしれないけど、間違いなく疑似的な「エオルゼア」がここにはある! いや、あった! 多くの光の戦士のみなさまがこうして集まっているだけで、何か嬉しい! 楽しい!! 「同じゲームを遊んでいる人間が一堂に会して、お互いに知っている曲で盛り上がっている」というだけで、すごくテンションが上がる!!

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 「THE PRIMALS」のみなさん、そして、今回のライブに携わったみなさまに多大な感謝を。間違いなく最高のライブでした。来年、再来年とまた変わらずライブが開かれることを願っております。そして今回ライブを見れなかった光の戦士のみなさまも、次回こそは現地、もしくはライブビューイングを見ることをオススメします。損はしません!

 私は、見たぞ!

ライブ終了後の「THE PRIMALS」にインタビュー

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 僅かな時間ではありましたが、ライブ終了後の「THE PRIMALS」のみなさんにインタビューを実施。ライブの感想や、暁月でのお気に入りの曲についてお聞きしました。

 祖堅氏=祖堅正慶氏。ギターとヴォーカルを担当。
 コージ氏=マイケル・クリストファー・コージ・フォックス氏。ヴォーカルを担当。
 イワイ氏=イワイエイキチ氏。ベースを担当。
 たちばな氏=たちばなテツヤ氏。ドラムを担当。
 GUNN氏=GUNN氏。ギターを担当。

 ─今回の公演の感想をお願いします。

祖堅氏:
 やっぱパンデミックとか自分の病気とかもあって、ライブの最前線からは離れていたのですが、FF14はずっとアップデートを続けていって、パンデミックも明けて、自分の体調もこれならやれるだろうってことで。それでライブやってみようかってことで集ってみたらこんな大きい会場に、パンデミックがまだ明けた訳じゃないけど、プレイヤーそれぞれがゲームを楽しんだ上でたくさんのプレイヤーが集まってて、感無量です。

 ゲームっていうエンターテイメントのパワーを改めて感じたし、そしてそこのサウンドを手がけているのは本当に光栄だな、と改めて思いました。

コージ氏:
 ライブ終わりにSNSなどでライブの感想やファンの声を見ていたのですが、やっぱりよく見られたのが「THE PRIMALSからパワーを貰った」という言葉でした。でも、逆に私も同じことを言いたいぐらいなんですよ。

 私たちもパンデミックがあって、長いこと自宅で作業したりしてて、人から、ファンから離れることが開発者として辛かったです。なので、今日みなさんの前に立てて、私もファンたちからパワーを貰いました。本当に感謝しています。

イワイ氏:
 数年ぶりの有観客ということで最初は緊張しましたが、ステージに立てば昔の感覚を思い出せて、良い感じに色んなことを思い出して、良い感じになったと思ったら、もう終わりか……っていう。

一同:(笑)

たちばな氏:
 無事2日間終わって良かったなっていうのが感想ですかね。あとはまぁスタッフ含め色んな人が支えていただいて無事終了したと思いますし、後は何より、光の戦士の皆さんが変わらず元気そうで、そこが一番良かったな、と。ここ最近の色々あるところで、THE PRIMALSのライブで少しでも解消できていれば良かったな、というところです。

GUNN氏:
 まず無事に終われたことがすごく嬉しいというのはありますし、来てくれるファンのみんなのことを考えながら、メニューだったり、演出だったり、結構みんなで揉んで考えたので良い風に伝わっていればいいな…と思います。SNSでツイートだったり感想だったり見さしてもらったんですけど、結構喜んでもらってたような気はします。今日も無事に行けてたらいいなと。みんなの顔が見れて、ライブをやれて楽しかったです。

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 ─今回のライブは『暁月のフィナーレ』開始以降、初のライブでもあります。暁月で流れていた曲も披露されていましたが、THE PRIMALSのみなさんが特にお気に入りの暁月初登場の楽曲があれば教えてください。

祖堅氏:
 思い入れがあるのは「知恵の巻貝 ~オールド・シャーレアン:夜~」かな。アコースティックの。

コージ氏:
 「ENDWALKER」ですね。私自身は歌ってないんですけど、一応私が歌詞を手がけていたので、「えっ!?この人が歌うんですか!?」ってすごいビックリしましたし、光栄なんですよ。

祖堅氏:
 パンデモニウム(此処に獅子あり ~万魔殿パンデモニウム:辺獄編~)じゃないんだ?

コージ氏:
 いや、パンデモニウムも好きなんですけど……

祖堅氏:
 あぁ、いいや、分かった分かった(笑)

イワイ氏:
 私が好きなのは……パンデモニウムですね。

一同:(笑)

たちばな氏:
 そうですね、「Flow Together」ですかね。中々、THE PRIMALSとしては新しい感じの曲でしたね。

GUNN氏:
 いやでも全部思い入れがあるんだよなあ……と思いつつも、悔やまれるところも含めて、オールドシャーレアンですかね。

祖堅氏:
 (今回披露した暁月の曲の中だと)「Close in the Distance」が残ってる! なんで言わないの(笑)

GUNN氏:
 いや知ってたんだけども(笑) 全曲アレンジするところから一緒にやってたんで、思い入れと言えば全部あるけど……レコーディングしていく中で、それがすごく「Close」に集約されていく感じはあったので、なんで、答えになってるかどうかは分かりませんけど、思い入れがあるのは「Close」と「オールドシャーレアン」。

祖堅氏:
 なんか増えた(笑)

祖堅正慶&植松伸夫スペシャルインタビュー

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 なんと今回のライブにてスペシャルゲストとして登場した植松伸夫氏と祖堅正慶氏のスペシャルインタビューが実現。今回のライブでの演出の意図などをおふたりに語っていただきました。

 ─本日の感想をおふたりにお伺いしたいと思うので、まず祖堅さんからお願いします。

祖堅氏:
 今回スペシャルゲストってことで植松さんにご協力いただいたんですけど、何か最初は「前座で良いよ」って日和られたので(笑) 説得するために植松さんのところまで何回か足を運びました。絶対ライブの中でやった方がお客さんは喜ぶからライブ中でやってくれ!……って。「じゃあそういうことだったらやるわ」って。

植松氏:
 でもやって正解だったよね。

祖堅氏:
 僕的にはゲーム体験を大事にしてるので、FF14の世界観の中に居る「古代人」というキャラクターに植松さんを投影して演出できたことに、今回来てくれたお客さんがゲーム体験と植松さんがオーバーラップして「ゲームってすげえな!」って思ってくれたら嬉しいな、と思います。多分出来たんじゃないかな……!?

植松氏:
 「(ライブに)前座で出してくれ」って言ってたのは本気で思ってて。要するにTHE PRIMALSさんのライブに先輩面して出てくるのは恥ずかしいし、前座的にサッと1曲~2曲やって終わりでいいかと思ってたんですが……昨日、今日とやってみて、「祖堅はこういうことを考えてたんだな……」ということが分かって、「従って良かったなあ」って(笑)

 驚いたのがね、最初から最後まで遊園地に居るみたいな、微に入り細に入り考えられてるライブだなと。ただのロックバンドじゃなくて、ゲーム音楽やってるロックバンドだからこんなことできるんだろうなって。

 ゲーム音楽の歴史も何十年かになる訳で、初めの頃は細々とやってたゲーム音楽も今日のTHE PRIMALSのライブとか見ると「花咲いちゃってんなぁ(笑)」って思って。ゲーム音楽がここまで来たというのが、僕は傍から見てても嬉しかったです。

 ─今回のライブはかなり演出プランにこだわられた……ということですが、祖堅さんと植松さんの間でどんなやり取りがあったのか、などをお伺いできればと思います。

祖堅氏:
 まずそもそも(古代人の)服着てくれって言いましたよね。 

植松氏:
 でもそういうの俺イヤだったんだよね! いつもの服でやった方が気楽だったし……客席からどう見えるかは分かんないけど、すごい動きにくいんすよアレ(笑)

 で、なおかつ一曲目はあのフードを被ってくださいって言われて。譜面よく見えないし(笑) でもTwitter見たらみんな喜んでたし、祖堅はちゃんと分かってたんだろうなって。

祖堅氏:
 そこはやっぱりライブに来る人がFF14のプレイヤーなのが大きいかなと思っていて、ゲームを遊んだからこそ、植松さんが古代人のローブを着ることに意味があるし、そこに「悠久の風」が流れてくるっていう、「ゲーム体験」と密接にリンクしてるところがやっぱゲーム音楽ならではなのかな……と僕はすごく思います。

 僕は生まれた時からゲーム音楽が存在してて、その時の「すごい!」っていう体験が心に残っていましたし、今のゲームプレイヤーたちに植松さんが築いてきた「ゲームサウンド」っていうジャンルを、「ゲームサウンドってすごいんだよ!ホントに!」っていうのをゲーム体験と共に伝えるのが僕の使命だと思ってるので、それを植松さんと一緒にできたのが感無量だな……と思います。

 ─植松さんが今回のライブで披露された「悠久の風」「メイン・テーマ~マトーヤの洞窟メドレー」「ビッグブリッヂの死闘」の3曲を収録したアルバム「Modulation」も鋭意制作中とのことで、この作品についてコンセプトとか、どういうものになるのかっていうのをお伺いできればと思いますが、いかがでしょうか。

植松氏:
 10曲ぐらい収録しようと思うんですけど、基本的に全部ゲーム中で流れてる音楽を土台にしています。もちろん今回やってたファミコンのPSG音源なんかは、慣らしつつも今のシンセサイザーでなぞってたりするところもあります。

 ステージでも言ったんですけど、僕は昔自分が作ったものを2度と聞かないタイプなんです。「恥ずかしい曲を作っちゃったなぁ」って(笑)

 でも年と共に自分の歴史の事実を見ないようにするのも嘘っぽいな…と思って。だったらこの20代、30代の頃の自分が作った曲をどう面白おかしく発表できるかな……って考えたわけ。

 なんか分かりにくいかもしれないけど、若い頃取られた写真で、「なんでこんな顔しちゃったんだろう」っていう恥ずかしい写真あるでしょ? でもPhotoshopとか使えば、なんか面白い写真にできるんですよ。僕はそういう感覚かもしれない。昔作った曲をPhotoshopで自分なりに面白く変調してるんですよ(笑)

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 ─最後にファンの皆様に一言お願いします。

祖堅氏:
 とりあえず無事に終わって良かったです。僕は若い時に植松さんにそれはそれは多大な迷惑をかけまくってるので、今回のライブでちょっとでも楽しい気持ちになっていただければちょっとした恩返しが出来たかな…? いやでもまだ全然足りてねえな……とそんなことは考えつつ、またタカりに行きますので、よろしくお願いします(笑)

植松氏:
 今回のライブに15分間だけでも参加させていただいたのは嬉しかったですね。あんまりこういう言い方したくないんだけど、祖堅も偉くなった……いや、大きくなったなと(笑)

祖堅氏:
 いやでもそう思います。だって僕、植松さんと飲み行ってた時マジでクソガキでしたもんホント。

植松氏:
 ほんとクソガキだったよね(笑)

祖堅氏:
 ほんとクソガキでした。

植松氏:
 でもこんな場を仕切ってる祖堅が……嬉しくもあり、羨ましくもあったの。で、「羨ましい」って思った時に、「あ、俺まだ行けるなぁ!」と思ったの(笑) あ、俺まだ祖堅にライバル心持ってるかもと思ったので、「Modulation」の制作、頑張ろうと思います。

祖堅氏:
 そうだ、ファンの皆様に一言といえば、僕はもう植松さんの元気な姿をみなさんに見せられただけで満足です。みんなも多分満足だったと思うんで。ユーザーのみなさんと同じ気持ちです!

 ─植松さんも最後に一言お願いします。

植松氏:
 こんなに……沢山の人間を見たのは久々でした。また人間を見に行きたいと思います(笑)

一同:(笑)

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