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『キングオブキングダム』のベータテストに思った以上にのめり込んでしまった話。地道な努力が実を結ぶ、そんなシンプルな喜びが毎日遊びたくなる中毒性を生む

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 ゲームにハマったひとりの人間としてその理由を探すとき、必ず頭に思い浮かぶのが「努力が報われる」喜びを教えてくれたことだ。

 人間、やっぱり褒められたいし認められたい。できれば生きているだけで褒めて欲しいが、それも難しいのでせめて頑張ったときくらいは褒められたい。成果をあげて認められたい。

 そんな普遍の(?)想いをインスタントに叶えてくれる力がゲームにはある。育てたキャラクターはステータスが上がり、強くなれば目に見えて先に進むことができる。自分の努力が形を成す瞬間には紛れもない快感がある。テーマや題材は多岐にわたれど、「育成」というジャンルが根強い人気を誇っているのにはこんな背景もあるのではないだろうか。

 今回ご紹介する『キングオブキングダム』で育てていくのは「国家」だ。ストラテジー(戦略)のジャンル名からも察せられるように、特に「軍」にフォーカスしている作品ではあるが、やはり強い軍の育成にはその土台を整えることも欠かせない。 

 そしてその道のりは決して華々しい戦いばかりではない。小さな勝利を積み重ね、地道に国力を底上げし、1歩ずつ1歩ずつ進んでいった先でようやく手にできるものなのだ。だが、この一見地味にも見える旅路には意外なまでの中毒性があり、その先には本当に華々しい勝利も待ち受けている。

 今回は8月に行われた約2週間におよぶクローズドベータテストのプレイレポートとなるが、筆者自身も予想以上にのめり込んでプレイしてしまった『キングオブキングダム』。地道な努力が実を結び、絶えないモチベーションで遊べたそんな本作の魅力を紹介していきたい。

文/久田晴

※この記事は『キングオブキングダム』の魅力をもっと知ってもらいたいCARTA SYNC GAMESさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。


とにかく地道…! だけどしっかり成長を感じられる勢力拡大の旅路

 『キングオブキングダム』のメイン目標は果てしなく広がる世界を舞台に、自分の王国を育てていくシミュレーション部分。土地はマス目型で表現されており、ただの空き地もあれば、何かしらの資源が産出可能な場所もある、といった具合だ。

 制圧できる土地にはレベルが設定され、基本的にはレベルが高いほど資源効率が良く、防衛部隊が手ごわい。最初は低レベルの土地を手中に収めつつ、自らの兵を鍛え上げ、より高いレベルの領土獲得に挑戦していく……というのが本作の基本の流れとなる。

 この間には王国内の設備を強化したり、ステージクリア型の「遠征」に挑むといった要素もふくまれるのだが、いったんは置いておこう。

『キングオブキングダム』CBTインプレ:地道な努力が実を結ぶ。そんなシンプルな喜びが中毒性を生む_001

 さて、土地を制圧する際には自分の土地や「同盟」メンバーの所有地に密着していなければならないというルールがある。そのため、まずは自国の周囲を囲うように制圧していくパターンが多いだろう。将来的なことを考えるのであれば、近いうちに挑戦できそうな高レベルの資源地につながるよう意識しておくとなお良い。

 未開の土地には必ず防衛部隊が存在するため、彼らとの戦いに勝利することが制圧に必要不可欠。この戦闘部分で主役になるのが、100人以上が実装されているという「英雄」たちである。

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 ゲーム開始時に初期の英雄ひとりを選択することができ、4つの文明が候補として用意される。ベータ版では「カエサル」、「関羽」、「伊達政宗」、「サラディン」の4種。筆者は関羽と伊達政宗で迷ったのち、関羽を選択した。言わずと知れた「三国志」の英雄のひとりであり、長いヒゲをたくわえ、青龍偃月刀を構えたおなじみのスタイルで描かれている。

 ちなみにこの時点の筆者は完全に見落としていたが、各文明によって得られる特殊効果が異なる。後から変更する際には「ダイヤ」が必要となるようだったので、正式リリース後に始める方は注意していただきたい。
 ただ、文明は任意で変更できるが英雄はガチャで出会わなければいけないので、好きな英雄がいる方はそちらを優先した方が良いだろう。

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 英雄にもレベルがあり、上昇するごとに指揮できる兵士の数が増えていく。兵士は彼らのHP兼攻撃力といった具合の存在であり、配下が全滅してしまうと英雄は「重傷」状態となり撤退を余儀なくされる。重傷を負った英雄には、10分の間使用不可になるというペナルティが施されていた。

 もちろん戦いを経れば兵は消耗するので、拠点へ帰って補充する。補充元にあたる「予備兵」は拠点で生産する形だ。戦って土地を手に入れ、資源を集め、兵力を整えて次の戦いに向かう……というサイクルを想像していただくと分かりやすいかと思う。

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▼左下「予備兵」が国に残された兵力である

 ポイントとなるのは王国の発展度合いによって、一度に統治できる土地の数に制限が課されているところだ。序盤におさえた領土や繋げるために獲得した領土は順番に放棄し、より高レベルの領土ばかりを集められるように進めていく形となる。

 領土拡大の流れはシンプルだが、同時に本作の主軸でもある。資源が無くては何もできないし、その資源の産出量は治めている領土によって大きく変化するからだ。兵が育ち、高レベルの資源地を手に入れられるようになってくると、目に見えて資源のケタも増加。自国の成長をありありと感じられるという点はとても好印象だった。

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▼ベータ後半の育ってきた筆者の国

 また、広大な世界には多数のプレイヤーがそれぞれの国を構えている。同盟メンバーの勢力圏をうまく利用して高レベル資源地への道を切り拓いたり、近くに位置する敵対関係のプレイヤーを刺激しすぎないよう気を使ってみたりと、オンラインゲームならではの空気感も持ち味のひとつ。

 ベータで体験できたそのオンライン要素の最たるものが「都市占領戦」だった。幾人もの見知らぬプレイヤーと協力して大がかりな戦いを体験でき、共闘の楽しさや育てた部隊の活躍をたっぷり味わうことができた。次の項では「英雄」と大規模戦の魅力を紹介していこう。

奥深い「英雄」の育成と晴れ舞台のひとつ「都市占領戦」

 本作における英雄の育成の道のりはとても長い。上でも紹介した通り、英雄にはそれぞれレベルが用意されており、上がれば上がるほど指揮下の兵士の数も増えていく。「戦いは数」と言い切ってしまうのは危ういが、兵数が何よりも分かりやすい強さの指標であることは間違いない。

 しかし、英雄たちはレベルのほかにも「ランク」や「スキル」、「兵種」、「装備」そして細かな「ステータス」と非常に多様な項目から成り立っている。同じ英雄を消費してランクを上げ、レベルを上げてスキルを開放し、兵種や所持スキルから相性の良い英雄とチームを組ませたり、装備やステータスの自由配分ポイントで長所を伸ばしたりと、彼らを最大限に運用するための手順は計り知れず、それだけ奥が深いとも言える。

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▼英雄との出会いは「英霊殿」と呼ばれるガチャから

 ベータテストの時点ではプレイ時間が限られていることもあり、満足いくまで育成ができたとは言いがたい。また、なんだかんだと言っても「数」の持つ力は強く、レベルさえあげて物量で殴ればある程度の戦果は見込める面も否めない。だが、その一方で入手できたごく一部のキャラクターだけを見てもそのスペックは非常に多彩であり、最適な部隊の構成には考えるべきポイントが多々あった。

 もちろん正式版では時間の制限も無く、実装される英雄も増えるのだから、より濃密な育成や編成の考察が楽しめることは間違いない。自分で作り上げた部隊が、自ら考えた戦略のもと動き、勝ち取った勝利にはきっと何物にも代えがたい喜びがある。

 さて、今回のベータにおける彼らの腕の見せ所のひとつが、ワールドマップに点在する都市を制圧し同盟の管轄下におく「都市占領戦」であった。敵対する同盟の都市を攻撃することも可能なようだったが、今回はテストということもあり、手付かずの都市が多数残っていたのでそちらの攻略が主となっていた。

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▼協力して挑んだ都市占領戦

 自国から離れた都市の攻略には「キャンプ」を用いる。同盟メンバーの領地の隣は制圧できる仕様を活かし、都市を包囲するようにメンバーで周囲の土地を確保。そこに部隊の仮拠点となるキャンプを建築し、都市の防衛部隊との交戦による消耗を補いつつ攻略を進めるといった流れだ。

 大量の友軍が都市を取り囲んで総攻撃を仕掛ける姿は迫力満点で、戦記物のワンシーンのよう。都市の制圧に成功すれば報酬も獲得できるうえ、多少なりとも「同盟の役に立てた」という実感もわいてくる。チャットで「お疲れ様でしたー」と声を掛けてもらえるのも嬉しく、「ひと仕事したな」という実感を得てこっそり承認欲求を満たしていた。

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▼準備段階の様子

 もちろん、このような単純な攻防は正式リリース後には減っていくと思われる。強力な同盟は次々に都市を手中に収めていき、バリケードやトラップといった建築物でそれらの防御を固めていくことが予想されるからだ。また「天候」によるボーナス要素があったり、上で挙げていた文明ごとのボーナスが影響したりと、深くやり込めば考えるべき要素は多岐にわたる。

 『キングオブキングダム』の戦闘は一見では単純なように見えるが、その裏では膨大なステータスがひとつひとつ意味を持って戦局を左右している。「レベルを上げて数で殴る」戦い方がシンプルに強力であると同時に、プレイヤーのやり込みや思考錯誤が実る、戦略的なバトルをしっかりと備えている作品だと言えるだろう。

 公式サイトの記述によれば、同盟における共闘では最大750部隊もの大軍が集まる壮大なスケールのバトルが体験できるとのこと。ケタ外れの巨大な戦力がぶつかりあう「戦争」を体験できる正式リリースが楽しみなところだ。

ワールドマップとはまったく異なる体験を楽しめる「遠征」モード

 さて、ここまではゲームの本筋にあたる部分について紹介してきたわけだが、実はプレイを始めたばかりの筆者は盛大な勘違いをしていた。上で説明した流れではなく「遠征」と呼ばれるコンテンツが本作の主軸だと考えていたのだ。

 そんな間違いを引き起こすほど、「遠征」は『キングオブキングダム』の中で異彩を放つ。こちらはステージクリア型のミッションで、リアルタイムに部隊を操作するパートとしてデザインされており、上述してきたマップ中での戦闘とはまったく異なるゲーム性が確立されていた。

 戦闘の最中にも敵部隊の索敵範囲を可視化することができ、交戦のタイミングをうまく調節することで個別撃破が狙うこともできる。戦闘開始前に敵の構成に応じて英雄や兵種の編成を整え、戦闘中に相性の良い部隊を選んでぶつけるなど、能動的にチームを動かす本モードならではの戦略が生まれてくる。

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▼片方の敵部隊のみを誘い出して各個撃破を狙う

 その一方で、運用する英雄は本編で育成してきたメンバーたち。そのため「遠征」も彼らの活躍の場のひとつであり、育成の甲斐を感じられるコンテンツとなっている。条件を満たしてクリアすることで報酬が増加していくため、スマートに攻略を成し遂げる意味ももちろん用意されている。

 「遠征」はプレイ時間だけで見ればワールドマップ上で過ごす時間に比べれば短いものの、ステージクリア型の濃密なミッションとして成立しており、シンプルながらストーリーも紡がれていく。育成に関して言えばワールドマップにおける戦闘をこなさずには進められないため中心とは言いがたい面もあるが、本作の大きな楽しみのひとつであることは間違いない。

 何より、普段の戦闘とは大きく異なるアクティブなバトルは、長いスパンで遊ぶ『キングオブキングダム』という作品の中で良い刺激剤になってくれた。以前にはひどく苦戦したミッションも後から再チャレンジすれば簡単に攻略できたりと、自軍の成長を感じる良い機会とも言えるだろう。

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努力がきちんと実を結び、成果を出して達成感を得られる場面も豊富

 『キングオブキングダム』の大きな魅力は、果てしなく広がる世界でじっくりと努力を積み重ねて強くなっていく「育成」の面にある。一朝一夕のプレイですぐに強くなることはできないが、やり込めばやり込むほど応えてくれる感触は快いものであり、ついつい毎日遊びたくなる中毒性を生み出していた。

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 そして、育成した英雄が活躍する機会としての「遠征」や「同盟」メンバーとの協力プレイも良い刺激となっていた。特に同盟での協力戦線は、ひとりでは到底味わえない大規模な戦闘を生み出し、まるで世界を変えるような大戦争に参加しているような気分を味わえる。この部分については、正式リリース後のプレイにも大いに期待したいところだ。

 こういった点から見て『キングオブキングダム』は、長いスパンでじっくりとゲームに取り組みたい方にこそ強くおすすめしたい作品だ。プレイヤーの試行錯誤ややり込みに応えてくれるゲームをお求めの方は、ぜひ正式リリース後にでも試してみてはいかがだろうか。
 
 『キングオブキングダム』はAppStore / Googleplayで9月2日本日より事前登録が開始だ。

ライター
1998年生まれ。静岡大学情報学部にてプログラマーの道を志すも、FPSゲーム「Overwatch」に熱中するあまり中途退学。少年期に「アーマード・コア」「ドラッグ オン ドラグーン」などから受けた刺激を忘れられず、プログラミング言語から日本語にシフト。自分の言葉で真実の愛を語るべく奮闘中。「おもしろき こともなき世を おもしろく」するコンピューターゲームの力を信じている。道端のスズメに恋をする乙女。

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