「秒速340メートル超なんだって。ソニック・ザ・ヘッジホッグの走るスピード──」
どうもこんにちは。福田ナオと申します。
今回はなんと……!
2022年11月8日(火)発売の『ソニックフロンティア』のプレイレポを書かせていただけることになりました。
本作が「ソニック」初体験の私。
漠然と「ソニックって…なんかあの…速いやつでしょ!」というイメージでしたが、
実際に遊んでみたところ「“めちゃくちゃ速く動き回れる”ということがこんなにもゲームをエキサイティングにするのか……!!」と感動しております。
そんな『ソニックフロンティア』の魅力を、「ソニック」初体験のエンジョイゲームプレイヤーの視点から詳しくお届けいたします。今作の新要素が気になっているソニックファンの方だけでなく、「ソニック」未プレイのアクションゲームファンの方にも読んでいただけたら嬉しいです!
それではやっていきましょう。
文・イラスト/福田ナオ
※この記事は『ソニックフロンティア』の魅力をもっと知ってもらいたいセガさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
『ソニックフロンティア』はどういうゲームなの?
さて、皆さんおなじみの超音速のハリネズミ「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」が活躍する「ソニック」ゲームの最新作である『ソニックフロンティア』。
タイトルに「フロンティア」の名を冠している通り、「ソニック」の新境地となる要素がいろいろと盛り込まれているようなのですが、
遊べば遊ぶほど「ソニックの超スピードで全てを解決していく爽快アクションゲームです!!!」というブレない芯を感じさせるゲームです。
初見の私からすると「あ~ソニックってこういうのイメージしてたわ~」というドンピシャな作りだと思いました。
そんな本作の舞台は大きく分けて二つで、「スターフォール諸島」および島の各所からアクセスできる「電脳空間」です。
「スターフォール諸島」では広大なフィールドをプレイヤーの意志で自由に探索でき、
「電脳空間」ではスタートとゴールの決まったステージを超スピードで駆け抜けるスピードランを楽しむことができます。
歴代作品はプレイアブルキャラがソニック以外にも多数存在するものも数多く存在するようですが、本作では操作できるのはソニックのみで、ソニックのスピードを活かした様々な遊びを徹底的に追求した仕上がりだと感じました。
次の項目では、「ソニック」おなじみのスピードランを楽しめる「電脳空間」パートを詳しく紹介していきます。
ジェットコースターに乗ってるみたい!!「電脳空間」パート
本作でプレイヤーが初めてソニックを操作できるのはこの「電脳空間」パート。
タイムを気にしながらスタートからゴールまで一気に駆け抜けます。
「ソニック」初体験の私のファーストインプレッションは……「速えええええええええ!!!!」。思ったよりもぜんぜん速くてめちゃくちゃウケました。ずっとジェットコースターに乗ってるみたい。
そしてソニックのスピードに感覚が慣れてくるとものすごく気持ちよくなってきます。
ジャンプ台・くるりと一回転するループ構造・ただでさえ速いソニックをさらに加速させるブースト床などが緩急や三次元的な動きを演出します。
この一連の気持ち良さ……なんかに似てるなぁ~と思ったらアレですね。
子供のころに車の窓から見える景色に想像で忍者を走らせてたやつですよ。
その超高速版。それを自分で操作できると考えるとなんとなく気持ちよさが伝わるのではないでしょうか。伝われ~!!!
また、はじめこそスピーディな操作感に戸惑ったものの、ミスを恐れずアグレッシブに攻略できるシステムになっていることにも気づきました。
敵との激突や落下でミスをすることがあってもほぼペナルティ無しですぐさまリスポーンできますし、再走がほぼ常時可能なのもいいですね。「ソニック」初心者の私でも安心してプレイできました。
上図の通り各ステージには目標タイムや「レッドスターリング」の回収といったミッションが存在していて、それらを達成するごとに「エメラルドキー」が手に入ります。「エメラルドキー」は最重要アイテムである「カオスエメラルド」の入手に必要です。
とはいえこれらのタスクは1度に全部達成しないといけないわけではなくて、
例えば最初はリングやレッドスターリングをゆっくり全部揃えながらゴールすることでステージの構造を把握し、慣れてきたらタイムアタックのミッションに挑戦する……という遊び方ができます。報酬を獲得しながら自然に周回を重ねて習熟していけるシステムなんですね。
続いては新要素の「オープンゾーン」と呼ばれる広大なフィールドを駆け巡る「スターフォール諸島」攻略パートについて見ていきましょう。
無限に走って遊べる「オープンゾーン」!!「スターフォール諸島」パート
「電脳空間」でのスピードランと双璧を成す要素が「スターフォール諸島」での冒険です。
広大な敷地を自由に走り回ってアイテム収集や謎解き・敵との戦闘を楽しめるものとなっています。
島の中はマップを見ながら自由に探索できます。マップは探索を進めることで少しずつ埋まっていく仕組みです。
こういう「広いマップを自由に冒険できるゲーム」って最近ますます増えてますけど、本作はソニックという生身の走りがデフォルトでめちゃくちゃ速い主人公がいるおかげで独特の味わいになっています。
なんといっても、ソニックの移動速度が速すぎてマップの端から端までめちゃくちゃすぐ移動できちゃうんですよね。なのでこうしたゲームでありがちな馬とか車とかバイクは全然出てきません。
また、マップ上の特定ポイントにワープできるいわゆる「ファストトラベル」も探索をそこそこ進めるまではお預けになっています。
でもそれはぜんぜん不満要素ではないんですよね。なぜならソニックで広大なフィールドを駆け回ること自体がかなり楽しいから……。
あと、ソニックの強化アイテムやストーリー進行上必要なアイテムがこれでもかというほどステージ中に散らばってるんですよ。
普通こういうアイテムって必須の量から過不足なく配置するか必要数よりやや多め……ぐらいの感じだと思うんですけど、本作の場合はめっちゃ過剰に置いてあります。
しかも無意味にポツンと置いているのではなくて、どれもジャンプ台などのアスレチック、あるいは敵キャラとのバトルに関連していて遊び甲斐があるんです。
だから島内を走ってる最中にいくらでも「あ!!あそこ行ってみよ!!」って思えるし、逆に必須ではないが故に「いま急いでるからスルーしよ!!」という判断に罪悪感がないんです。
ケレン味の効いたド派手なボス戦も爽快!!
「スターフォール諸島」の各地にはボスキャラが配置されていて、撃破することで新たな「電脳空間」に入るためのアイテムを入手できます。たいていいつでも戦いを仕掛けられるし逃げるのもほぼ自由なので、フィールド探索のいいアクセントになってるんですよね。
ちなみに最序盤に出会うボスキャラはこれです。
いや、デカすぎ!!!!
他のボスキャラも軒並みデカいです。
このボスたちのデザインが人工的なメカメカしいのも良くて、大自然の中に超巨大でオーバーテクノロジーなバケモノが登場するコントラストがたまりません。
しかも名前も面白くて、
こういう非英語っぽい単語をアルファベットで表記するネーミングセンスも最高です。
いやお前は英語由来なんかい!!!
このように多種多様な敵とバトルを繰り広げることができます。
そしてこ~んなにデカい敵もソニックのスピードを活かして弱点を叩けば撃破が可能です。
ボスは撃破時の大げさな爆発も最高です。
ボスたちはかなりビビる見かけをしていますが大苦戦するような難易度にはなっていなくて、「デッッッカい敵をちっこいハリネズミが爆速で倒すの気持ちいいいい!!」を全力で演出してくれている印象でした。
そしてストーリーの節目にはさらに巨大なボスと「スーパーソニック」が大激突。疾走感のあるロックなBGMと相まってめちゃくちゃな盛り上がりになります。
巨大な敵に噛み砕かれそうになって「ボタン連打で押し返せ!!」的なシーンも発生します。こういうの、超絶ベタなんですけどアツくてイイんですよね~~~。
難しい!大変!と思ったら合法的にラクできる
もしバトルが難しいと思っても難易度を調整することができるので安心です。
そのほかにも、プレイ中にハードに感じた部分はシステム上で調節できたり、あるいは抜け道的な要素を利用することで進行しやすくなります。
ハードな部分を緩和する合法的な抜け道としては、主要な新要素のひとつである「サイループ」の仕様が面白いです。
「サイループ」はソニックが「スターフォール諸島」で最初に手に入れる特殊なスキルで、ソニック自身が走って対象を囲むことでダメージを与えたり隠された仕掛けを起動したりできます。
たとえば下図のような感じ。
そしてこのサイループは何もないところで使うこともできて、
その場合はリング(ソニックのライフ的なもの)がどこからともなくドロップします。敵からダメージを受けてもその場でサイループをすればリングが手に入ってミスを防げるんですね。
またサイループではリング以外にも、ストーリーの進行上必要なアイテムやソニックの攻撃力や防御力を高めるためのアイテムもそこそこ頻繁にドロップします。
「必要なアイテムが●個足りません!!」と言われたりすることがよくあるんですが、最悪その場でグルグルとサイループをすればその程度の微調整はなんとかできちゃいます。
また、フィールドの奥地に入口が隠されている「釣り場」もこれまた便利です。ゲーム内でほぼ唯一立ち止まってゆったりと遊ぶことができる清涼剤的なスポットであると同時に、アイテムをたくさん入手できる秘境でもあります。
私はサクサクとバトルを進めたかったので、「釣り場」を利用して攻撃力と防御力を上げるアイテムを大量に入手し、最序盤にして攻撃と防御をLv70以上に仕上げることができました。
逆に緊張感のあるバトルを楽しみたい人はあえてレベルを上げないでおく縛りプレイもできると思います。
自分が気持ちいいスタイルでプレイさせてくれるので、「絶対に強大なボスを倒さないといけない!」とか「絶対にくまなく探索しないといけない!」などといった固定観念に囚われない寛容な作りだなぁと感じました。
自然と科学技術が混在する世界観がグッド
これまで爽快なプレイ感の話をしまくってきましたが、展開されるストーリーや世界観にはどこか物寂しさが感じられます。これがスカッとした遊び心地に案外合うんですよね。
もの寂しい雰囲気を醸し出す要素としてぱっと目につく部分で言えば、オープンゾーンの攻略中に流れているBGMはしっとりとしたものが多いですし、最初のステージに関しては基本的にスカッと晴れた空模様になることが少なかったです(ちなみに、最初のカオスエメラルドの封印を解くと爽やかな晴れ模様になります)。
そしてソニックは本作の中でかなり孤独です。ソニックの仲間たちはどういうわけか肉体を「電脳空間」に捕らわれてしまっていて、ソニックはその謎を解き明かすために奔走します。謎と危険に満ちた「スターフォール諸島」の広大な自然の中で頼れるのは自分だけなんです。
島の自然の景色とは不釣り合いな造形をした敵キャラや「電脳空間」は絶滅した古代文明の産物らしく、これほど高度な文明を持ちながら絶滅した古代人たちの間には何があったのかも物語の大きな謎になっています。
また、本作のキーパーソンはソニックの行く手を阻む謎の少女「セージ」で、簡単に言ってしまえば「命令に忠実で物静かなAIっ娘(CV:林原めぐみ)」です。「命令に忠実で物静かなAIっ娘(CV:林原めぐみ)」ですよ。
キャプチャに失敗してしまっていたのですが「タマシイとはなんですか……?」みたいなシーンもありました。ものすごくベタなキャラクターですが、ここまで徹底的にやってくれているとニッコリしてしまいます。
ストーリーは一気に進行するのではなくてちょっとした会話ムービーなどによって少しずつ少しずつ進行していきます。プレイのテンポを損なうことなく物語に没入できるのも地味に嬉しいポイントです。
事前プレイレポ総括:「結局すべての要素が『めっちゃ速く動けて楽しい!』に繋がっている」
さて、様々な新要素を盛り込んだ本作を長時間プレイし、主要な5つのマップのうち前半二つをほぼフルコンして3つ目も折り返しに差し掛かったあたりでこう思いました。
「そうか、このゲームのあらゆる要素って……ソニックの超スピードを楽しむためにあるんだ……」
と。
例えば新しい自転車を手に入れた時って、なんとなく「ちょっと遠くまで買い物に行ってみようかな」なんて思いますよね。新しい自転車で気持ちよく走ることが目的で、買い物はあくまでも口実。買うのはちょっとした日用品くらいで満足だったりして…………。
『ソニックフロンティア』におけるソニックの走りと各要素の関係性もそれに近いと思っています。本作は新要素「オープンゾーン」でのバトル・謎解き・アイテム収集が特に話題になっている気がしますが、どの要素もいい意味で主張が強すぎないというか、サクサクと進められる印象があります。
やっぱりこのゲームのトロの部分は「ソニックの超スピードを楽しむ」ことであって、各要素はそのトロを味わうための口実的な役割を果たしているんだなぁ……と感じられました。
つまり『ソニックフロンティア』は従来型のスピードランに「オープンゾーン」を加えた新境地の「ソニック」でありつつ、どこまでも「ソニックの超スピードを楽しませる」という基本骨子をブラさない骨太なゲームだと言えるんじゃないかと思いました。
「とにかく超スピードで動き回るのが気持ちいい」そのシンプルな一点を突き詰めているのは本当にすごいことですよね。
そんなわけで、「電脳空間」や広大な「オープンゾーン」をせわしなく走り回っていたら、不意に「あ~……小学校のころって校庭を無限に走り回ってたよな」……などと、ハツラツとした昔の気持ちが蘇ってきました。とにかく速くいっぱい動きたい、というのは案外人間の根源的な欲求なのかもしれません。
『ソニックフロンティア』はたしかに新境地かもしれない……しかし!この走る歓びは皆の心にすでに刻まれている!!あなたもソニックの超スピードを体感しよう!!!
大げさかもしれませんがマジでこう言いたいですね。
というわけで11月8日(火)発売の『ソニックフロンティア』、ぜひあなたも遊んでみてくださいね!!