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和風狩りゲー『ワイルドハーツ』は「和傘」でガチャガチャやるのが気持ちいい! 武器を振るいながら縦横無尽に空間を駆け回る、本作ならではのハンティングアクションとは

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 ω-Forceがデベロッパーを担当し、Electronic Artsがパブリッシャーを務める新規IPのハンティングアクションタイトルが発売された。

 その名は『WILD HEARTS』(ワイルドハーツ)
 キャッチコピーは「生きろ、立ち向かえ」だ。

 世界設定のモデルは中世日本で、急激な環境変化で西の都の人たちから見放された、辺境の「あづまの国」が舞台となっている。

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 主人公は、わけあってあづまの国へやって来た「獣狩」(ししがり)と呼ばれる狩人だ。
 元来卓越した戦闘能力を持っているだけでなく、特殊な糸を利用することで「からくり」を自在に出現させる能力も備えている。

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 『WILD HEARTS』のプレイの大半を占めるのは、自然の力と融合して縄張りを広げようとする、大型の獣たちとの戦闘だ。

 本作の戦闘の特徴はなんと言っても、「からくり」を駆使した立ち回りができる点だろう。
 からくりとアクションを組み合わせることで、「武器を振るいながら縦横無尽に空間を駆け回る」という本作ならではの体験ができる。本稿では、本作の先行プレイレポートをお送りしよう。

文/夏川77


多種多様なからくりと武器たち。なかでもおすすめは「傘」

 本作には、多種多様なからくりや武器が登場する。
 例えば「からくり刀」は、匣(はこ)を利用した空中斬りが抜群に強い。

 「野太刀」「槌」は一撃が重い武器で、からくりを利用しなくても強いのだが、敵と距離を取りたかったり、回避やガードが必要な場面でからくりが活きることが想像できる。

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 しかし魅力をいくら説かれたところで、「戦闘中にからくりを使うのに慣れない」「手際よく作れない」というプレイヤーもいることだろう。というよりも、筆者自身がそうである。

 からくりを使いこなす自信がいまひとつのプレイヤーには、使用武器としてひとまず「傘」をおすすめしたい。
 手数が多く、ボタンひとつで多段ヒットするので、爽快感が非常に強い。やや乱暴な言い方になってしまうが、「ガチャガチャ操作しているだけでも楽しい」のが傘の最大の美点だ。

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 さらに傘は独自の回避モーションを的確に使うことで、ヒット数が増えてアクションが強化がされていく特徴がある。
 しかし、獣の攻撃のジャスト回避を狙い続けるのは難易度が高く、スタミナ管理も重要になるため、攻撃と回避のチャンスはしっかりと見極める必要がある。
 完璧な立ち回りができれば、全武器で最も強力な攻防一体の性能を発揮できると思われるが、傘を極める道のりは決して易しくはないだろう。とはいえ、使い続けることでポテンシャルの発揮が期待できる、大いなるロマン武器だ。

アクションが苦手な方には「弓」がおすすめ

 からくりのこともさておき、そもそもアクションに対する自信がいまひとつのプレイヤーには、「弓」をおすすめしたい。獣を相手取る際は、やはり距離を保ったほうが攻撃を回避しやすく、力尽きる危険性がぐっと下がるからだ。

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 弓の操作は甲矢と乙矢の切り替えが必須なので、慣れるまでは忙しい印象が勝ってしまうかもしれないが、共振ダメージは強力で爽快だ。横撃ちの甲矢を獣に複数刺し、縦撃ちの乙矢で撃ち抜けば、甲矢同士が誘爆して瞬時に何ヒットものダメージを叩き出す。

 他にも大きな声では言えないが、どうしても獣の討伐が厳しい時は、弓であればエリアの境目を利用して戦うこともできる。記事執筆時点の環境での話になるが、獣のヘイトを引き付けたり離したりしながら、チクチクと溜め撃ちを当てる戦法を取ることが可能なのだ。

 ゲーム開始当初は上記の5系統の武器しか扱えないが、2章からは8種全ての武器系統が扱えるようになる。

 砲弾を連発できる大筒は豪快で爽快感があり、一撃の威力も大きい。
 飛燕刀は空中戦に長け、獣との距離を保ちながら戦う機動力を持つ。
 変形棍は状況に合わせて武器の形態を変えられるため、隙の少ない立ち回りが可能だ。

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余談だが、ω-Forceが過去に手がけた『討鬼伝』シリーズと『進撃の巨人』シリーズをやり込んだ筆者のお気に入り武器は「飛燕刀」だ

からくり糸を強化し、連結からくりを効果的に使おう

 本作の戦闘は、からくりをどう使って立ち回るかが非常に重要だ。主人公が生み出す基礎からくりは、組み合わせて使うことでさまざまな「連結からくり」に派生させることができる。
 連結からくりはどれも非常に強力なのだが、そのぶん消費する糸の量も多いため、安易に連発はさせてもらえないバランスとなっている。

 戦闘中に消費した糸は、フィールドで採取するか獣から吸収することで回復できるが、大抵は「つくも」が補充をしてくれる。
 「つくも」とは伝承に謳われる存在で、獣狩の狩りを助け、旅路を導くものと言われているらしい。主人公によくなついており、戦闘中は主人公をサポートしてくれる大切な相棒だ。 

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 つくもは、フィールドに点在する他のつくもに出会うことで手に入る「古びた歯車」を消費して強化することができる。

 つくもの強化を重ねることで、糸の所持上限は初期の12個から徐々に増えていく。つくもの強化パターンは4種類あり、糸の補充能力そのものを強化することも可能だ。

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 古びた歯車をいくつ所持しているかは、獣狩の焚火(ししがりのたきび)にあたることでいつでも確認できる。重要な要素なので、定期的にチェックするようにしたい。

 フィールドを探索して未踏エリアを駆け回るのは、新しい景色と出会う新鮮な楽しさがある。獣の相手は後回しにして、つくも強化のために古びた歯車を求めさすらう旅に出るのも悪くないだろう。

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HP・スタミナ管理はやさしめなバランス

 とはいえ、主人公の本分は獣狩だ。強力な獣との戦闘は避けて通れない。

 ストーリーの進行に合わせて、武器と防具は随時強化したほうがいいだろう。対策無しの獣狩にむざむざと狩られてくれるような、ひ弱で都合の良い獣はいない。

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 本作の獣はどれも手強く、歯ごたえのある戦闘が繰り広げられることになる。
 そんな環境下において、本作にはプレイヤーのストレスを減らす親切な要素もいくつもある。

 回復薬の役割をする「癒やし水」は、道端や井戸で簡単に採取することが可能だ。最初から10個所持しており、いくら消費しても、討伐が完了すると10個(上限)に所持数が戻るため、気軽に使うことができる。

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 スタミナゲージは主に回避でしか消費しないうえに、自然回復速度が非常に早い。しかも大抵攻撃モーション中に自然回復しているので、ほとんど管理がいらない。

 武器は「金床」の設備があれば、獣の討伐を開始してしまった後でも持ち替えることができる。「この獣と戦うならこの武器じゃなかった」と思うことがあっても、金床にアクセスすれば解決だ。

 食事でお腹を満たすことも忘れないようにしたい。

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 序盤に訪れる古道では、「粟」(あわ)がよく採れる。戦闘前に粟で腹ごしらえをして、体力の上限値を上げておくのがおすすめだ。ステータスの上昇効果は食材ごとに異なる。
 上昇効果は食材を加工するとさらにプラスされるので、干し竿が設置できるようになったら「干し粟」を作るのもおすすめだ。

ソロプレイで自然の厳しさに立ち向かうもよし、マルチプレイで協業に励むもよし

 本作において、からくりを瞬時に製造できる存在は主人公しかいない。

 そのため、からくりに関する攻略指南を他のキャラクターから得ることは基本的にできない。何のからくりがどの場面で活きるかは、ほとんど試行錯誤を通して身につけていくことになる。
 主人公に孤独を感じることがあれば、臆さずマルチプレイを頼ろう。他のプレイヤーのフィールドや立ち回りから学べることは多いはずだ。

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 『WILD HEARTS』は、からくりをいかに活用するか試行錯誤を繰り返し、主人公と仲間たちが紡ぐ物語を通じて、自然の恵みや獣の脅威に立ち向かい、時には万難を排して打ち倒すのがプレイの流れとなっている。

 ソロプレイで自然の厳しさに真っ向から立ち向かうもよし、マルチプレイで力を合わせて協業に励むもよし。
 本作はクロスプレイに対応しているので、プラットフォームが異なる仲間とも気兼ねなくマルチプレイが可能だ。あづまの国の獣狩の物語をどのように体験するか、ぜひとも心の赴くままに自然と選択できる環境で挑みたい。

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獣を介錯するということ

 最後に──。
 本作で忘れてはいけないのが、「御免」という言葉と「介錯」の存在だ。

 獣狩が獣を討伐した時、かれらは必ず「御免」の言葉と共にとどめの一撃となる「介錯」をする。

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 この行為をどのように受け止めるかは、プレイヤーの数だけ答えがあるだろう。

 しかしひとつだけ間違いなく言えるのは、本作の獣狩が「自然と獣への敬意」を決して忘れることがないということだ。

 筆者はそれが、「人が人であるために」行われる営みなのではないかと感じている。
 獣を狩り続けるうちに人が人の心を失っていき、力を追い求める欲望に支配され、獣以上に獣らしい存在へと変わり果てていく──その「人面獣心」化を食い止め、押し留めるのが、「御免」の言葉と「介錯」なのではないかと思うのだ。

 ──生きろ。立ち向かえ。

 本作がプレイヤーに突きつける自然界の厳しさと美しさ、そして獣も人も分け隔てなく抱える「生きる」ことの力強さを、ぜひ多くのプレイヤーに体験してもらいたいと願う。

 『WILD HEARTS』は2023年2月17日に発売。対応プラットフォームはPlayStation5、Xbox Series X|S、PC(Origin、EA App、Steam、Epic Games Store)。価格は各9700円(税込)となる。

ライター
『討鬼伝』シリーズを3000時間やり込んでいる元麻雀プロ。家を出て5メートルで職務質問されたことがある。中世ヨーロッパ風ファンタジーが好きで『ファイナルファンタジータクティクス』が最も好きだが、三国志など古代~近世の東洋も好き。好きな武将は細川政元。
Twitter:@natsukawa77tem

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