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【今日は何の日?】初代『モンスターハンター』が発売された日(3月11日)。巨大なモンスターに4人で協力して挑むハンティングアクションシリーズの原点

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 3月11日は初代『モンスターハンター』が発売された日だ。

 『モンスターハンター』は2004年3月11日、PS2向けに発売された。現在まで続くハンティングアクションゲーム『モンスターハンター』シリーズの第1作である。

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(画像はカプコン『モンスターハンター』公式ページより)

 舞台となるのは人間とモンスターが共存する壮大な世界。プレイヤーはひとりの「ハンター」となり、依頼を元にモンスターが生息する危険な地へとおもむき、採集や狩猟を行う。持ち帰った資源から武器や防具、アイテムを作り、新たなフィールドやさらに強力なモンスターへ挑む、といった基本的なゲームプレイのサイクルは本作の時点で形作られていた。

 また、現在まで『モンスターハンター』シリーズの特徴のひとつとして受け継がれ続けているオンラインマルチプレイの機能も搭載。最大4人で協力して巨大なモンスターに立ち向かう構図もまた、以後長きにわたってシリーズ作品へと継承されていく重要な要素のひとつと言えるだろう。

 本作の開発の裏には「カプコンとして本格的にオンラインゲームを作っていこう」といった流れがあり、当時オンラインゲームの主流であったFPSやMMORPGとは異なるジャンルを目指したという。開発の経緯については「ねとらぼ」のインタビューにてシリーズのプロデューサーであった田中剛氏から語られている。

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(画像はカプコン『モンスターハンター』公式ページより)

 ハンターであるプレイヤーが使用できる武器種は「大剣」、「片手剣」、「ハンマー」、「ランス」、「ライトボウガン」、「ヘビィボウガン」の6種類。「双剣」や「弓」といった近年の作品でポピュラーな武器は本作時点では登場していない。また防具のスキルについてもポイントの累積ではなく、基本的にはシリーズで統一して装備することによって発動するメカニズムとなっていた。

 また、フィールド中において素材を調達し、その場で調合や加工を行うゲームプレイも本作から導入されている。特に、テレビCMでも用いられたハンドル式の肉焼き機を用いて「こんがり肉」を焼き上げる様子は、「上手に焼けました」というセリフとともに、今なお多くのプレイヤーの間で語り草となっている名物的な一幕だ。近年ではシリーズ作品とコラボした実際のキャンプグッズや、「こんがり肉」自体のファンアイテムも登場している。

 モンスターとしてはおなじみの「アイルー」をはじめ、「リオレウス」「リオレイア」「イャンクック」などの顔ぶれがそろう。初代作ということもあり、本作で登場したモンスターは多くがのちのシリーズ作品にも顔を出している。

 特に「アイルー」は以後の『モンスターハンター』作品でもマスコットキャラクター的な立ち位置で愛されており、『モンハン日記 ぽかぽかアイルー村』をはじめとするスピンオフ作品が発売されるなど、シリーズに欠かせないキャラクターとなった。のちのシリーズ作品に登場したプレイヤーの狩りを手助けする「オトモアイルー」としての活躍も広く知られるところだろう。

 初代『モンスターハンター』に「G級クエスト」と呼ばれる高難度クエストなどの追加要素をくわえた『モンスターハンターG』は、2005年1月20日にPS2向けに発売された。2009年4月23日には『モンスターハンター3(トライ)』の体験版を同梱したWii版もリリースされている。

 本作では新たな武器種として「双剣」が初登場。また新モードである「訓練所」が導入され、防具のスキルシステムについても、各防具ごとに設定されたポイントが一定値に達することで発動するという方式に変更された。この仕様は以後、長くシリーズ作品に受け継がれるものとなる。

 タイトルの「G」にも象徴される高難度クエスト「G級クエスト」はオンラインモード用のコンテンツで、より強大なモンスターや亜種モンスターを狩猟し、貴重な素材から強力な武器や防具が生産できるようになった。『モンスターハンターポータブル 2nd G』『モンスターハンター3(トライ)G』など、タイトルの末尾に「G」をつける命名法則ものちのタイトルに継承されていった。

 この『モンスターハンターG』の内容を踏襲しつつ、携帯ゲーム機にあわせて操作性やマルチプレイ環境を整えたのが2005年12月1日にPSP向けに発売された『モンスターハンター ポータブル』。本作はトータルで130万本の売上を達成し、「日本ゲーム大賞2006」では特別賞に選ばれるなど、『モンスターハンター』シリーズを大きくけん引するタイトルとなる。

 プレイ環境の変化以外にも、村で栽培やアイテムの採集などが行える「ココット農場」、アイルーが料理を作ってくれる「アイルーキッチン」でクエストの前に食事を行ってステータスを向上させる機能など、複数の新要素が追加された。

 当時はPS2のような据え置き型ゲーム機をインターネットに接続し、マルチプレイを行うことが現在ほど一般的ではなかった。そうした時代背景の中、PSP本体を持ち寄れば時と場所を選ばず協力プレイが楽しめる本作は、その手軽さからオンラインゲームとしての『モンスターハンター』シリーズにとって革新的な存在となったのである。

 以後も携帯型ゲーム機における『モンスターハンター』シリーズの人気は高く、同じくPSPの『モンスターハンターポータブル 2nd』が240万本、『モンスターハンターポータブル 3rd』が490万本、3DSの『モンスターハンター3(トライ)G』が260万本、『モンスターハンター4』が410万本、『モンスターハンタークロス』が430万本、3DSとNintendo Switchの『モンスターハンター ダブルクロス』が450万本など、カプコンの全タイトルの中でも目立つほどの販売実績を積み上げてきた。

 記事執筆時点において、カプコン全体のセールスランキングのトップを走るのは『モンスターハンター:ワールド』、次いで『モンスターハンターライズ』となっている。初代『モンスターハンター』が土台を築いたオンライン協力プレイを主軸にしたハンティングアクションは、今や世界的に高く評価され、幅広い層に浸透するシリーズへ発展したと言えるだろう。

 またゲームの販売のみにとどまらず、オフィシャルコラボバーである「モンハン酒場」をはじめ「カプコンカフェ」とのコラボレーション、多種多様なグッズの販売など、カプコン製タイトルの中でも特に多角的な展開が行われている。こうした取り組みが注目を集めるのも、またひとつ本シリーズが広く愛されていることの何よりの証明かもしれない。

 引き続き『モンスターハンター』シリーズのさらなる展開にも注目していきたいところだ。

ライター
1998年生まれ。静岡大学情報学部にてプログラマーの道を志すも、FPSゲーム「Overwatch」に熱中するあまり中途退学。少年期に「アーマード・コア」「ドラッグ オン ドラグーン」などから受けた刺激を忘れられず、プログラミング言語から日本語にシフト。自分の言葉で真実の愛を語るべく奮闘中。「おもしろき こともなき世を おもしろく」するコンピューターゲームの力を信じている。道端のスズメに恋をする乙女。

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