──では続きまして、岸上さんのトップ3を発表していただければと思います。
岸上氏:
僕の方は少しVRゲームに普段から触れていないと聞いたことが無いタイトルかもしれませんが……1位『Demeo』、2位『Moss』、3位『オノゴロ物語 ~The Tale of Onogoro~』(以下、オノゴロ物語)とさせていただいてます。
──ではぜひ3位から、ご紹介をお願いします。
岸上氏:
まずこの3作品を選んだコンセプトとして、「次世代ゲーミング」にふさわしい“新しい体験”ができるということを重視して選びました。とにかくVRらしい素晴らしいゲームっていくつもローンチタイトルにあるんですけど、単に「VR」っていう観点だけじゃなくて、新しい切り口で新しい体験ができるゲーム。そういうところを見て選んでいます。
で、3位の『オノゴロ物語』は日本の「あまた株式会社」さんというところの作品なんですけど、このゲームの特徴は「ハル」っていうパートナーキャラクターがいる点です。そのパートナーと一緒に謎解きをやったり、敵を倒していくとか、VRでゲーム内のキャラクターと“一緒にいる”体験に重点が置かれているわけですね。
この一対一でコミュニケーションを取りながら進んでいくゲームプレイが、VRになると新しい体験だなって思うんです。プレイステーションだともともと『ICO』とか近い枠組みのタイトルって色々あると思うんですが、それをVRでやるとこうなる、という例のような作品です。あと、すごく酔いにくいというのもおすすめしやすいポイントですね。
──はい、では続きまして第2位をお願いします。
岸上氏:
第2位は『Moss』ですね! こちらは初代PS VRで『Moss』、PS VR2では続編にして、2021年のVR ゲーム・オブ・ザ・イヤーにも選ばれた『Moss:第2巻』が発売されている形となっております。
VRゲームと言うと基本的には一人称で何かをやる、というイメージが強いかと思うのですが、『Moss』はこの画面に映っているちっちゃいネズミを操作して進んでいく、三人称のアクションゲームなんです。ゲーム内容としてはパズルアクションみたいなところなんですが、かなり完成度が高いと思っています。
この作品はとにかく綺麗で美しくて、しかも行き届いていて、「VRゲームは酔うんじゃない?」とか、ちょっと怖いなって思われている方はまず『Moss』から遊んでいただけると安心だと思います。あと、子どもさんにもおすすめですね。僕は「VRで最初に遊ぶべきタイトルは何ですか?」って聞かれたら『Moss』を勧めています。
──主人公のネズミはすごくかわいらしくて、愛着がわきそうなのも良いですね。ではそんな『Moss』も抑えて1位に輝いたゲームの紹介をお願いします。
岸上氏:
1位の『Demeo』は知らない方もいらっしゃるかもしれませんが、これはVRでTRPGやボードゲームを遊ぶような作品となっております。「え、VRなのにTRPGとかボードゲームやるだけなの?」って言われるかもしれないんですけど、これがもう本当に面白くて、騙されたと思ってやっていただきたいんです。
VRに興味がある、ここを見てくださっている方はやはりゲーム好きだと思うので、TRPGとかボードゲームも好きだと思うんです。 みんなで集まってワイワイ遊んでいる感覚って楽しいじゃないですか。VRにはそれが、そのままあるんですよ。
ZoomとかでもTRPGやボードゲームを遊ぶことはできるんですけど、ちょっと面白さが削がれてしまうなと感じていて。でもVRゲームである『Demeo』で遊ぶと、リアルで集まったときの楽しさを“そのまま”味わえます。さらに、コマを置いたりカードを出したりするとバァーンって派手な演出もしてくれて、これも非常に楽しいポイントですね。
一見すると「VRで遊ぶ意味あるの?」みたいに思われてしまうかもしれないんですけど、やってみると本当にハマります。僕も一時期は友達と毎晩やっていましたので。しかも酔いの心配もほとんどないゲームなので、遊びやすさの面でもおすすめできるゲームです。
というわけでボードゲームやTRPGを「みんなで遊ぼう!」という思いを込めて『Demeo』を1位に選びました。僕が純粋に大好きで、すごくたくさん遊んでいるっていう作品ですので、ぜひお願いいたします。
──はい、では以上の6作品が「これを買うべき!」という一押しのタイトルになります。 おふたりとも、ありがとうございました。
ミスターVR氏
1位『グランツーリスモ7』
2位『バイオハザード ヴィレッジ』
3位『Zenith The Last City』岸上建人氏
1位『Demeo』
2位『Moss』
3位『オノゴロ物語 ~The Tale of Onogoro~』
岸上氏:
あと追加ですみません。僕らもPS VR2でVRミステリーアドベンチャーゲーム『ディスクロニア』をPS VR2でローンチしますので、こちらもぜひプレイしていただければと思います。
ミスターVRさんにも実況プレイをしていただいていまして。夜中にぶっ続けで何時間も遊んでいただいたみたいで、本当にありがとうございました。
ミスターVR氏:
YouTubeで配信して、4時間くらい遊んでたのかな……? 切りのいいところで終わろうって思っていたんですけど、終われずに疲れ切ってやめたっていう(笑)。
せっかくの機会なので『ディスクロニア』のPS VR2版についてもお聞きしたいです。まず何よりも気になるのは従来のMeta Quest 2版との違いですよね。
岸上氏:
これは鋭い質問をいただきました。『ディスクロニア』ってMeta Quest 2でも出ているので、やはりPS VR2ならではの機能が気になるところかと思います。まずひとつあげられるのが、先ほどもお話していた「ハプティクス」ですね。こちらはコントローラーとかヘッドセットが振動する機能となっていまして、例えば攻撃されたときに手と頭に震えが伝わると、それだけでも没入感や臨場感がぜんぜん違うじゃないですか。
あと、グラフィックはすごく良くなっていますね。少しお高いハードなだけあって、やはりこう「発色が良い!」みたいな。これは前の動画でもおっしゃっていたポイントだと思うんですけど、鮮やかに感じられてすごく進化した部分だと思います。
ミスターVR氏:
PS VR2はアイトラッキング機能を活用して「フォビエートレンダリング」が可能じゃないですか。それで一部の解像度を落としている分、ほかの部分に使えるリソースを増やすみたいなことができると聞いたんですが、例えばPCのVR機器以上のグラフィックを出力できるとか、そういう可能性はあるんでしょうか?
岸上氏:
恐らく、突き詰めれば行けると思います。今お話に出たフォビエートレンダリングの部分もすごくこだわって作っていまして、本当に頑張れば「PCのVR以上のものが出せるかもしれない」と思いながらやってきました。
『ディスクロニア』の時点では、元がMeta Quest 2向けのゲームというところもあって、まだものすごく良いというわけではないんですけどね。それでも、PS VR2版ではMeta Quest 2版よりもかなり綺麗なグラフィックが堪能できると思います。
──ありがとうございます。この勢いでお聞きしてしまうんですが、いちプレイヤーのミスターVRさんから見て『ディスクロニア』はこういうゲームが好きな人におすすめしたい、みたいなのはありますでしょうか?
ミスターVR氏:
そうですね、やはり「ストーリー×VR」みたいなところが最大の持ち味な作品だと思っています。FPSみたいな激しいVRゲームが好きな方もいる一方で、物語に入り込めるような体験を欲している方もいると思うんですよ。僕自身もそういうところを求めて『ディスクロニア』を遊んだので、そういう方はかなり楽しめるんじゃないかと思います。
岸上氏:
ありがとうございます……! おっしゃっていただいたように、物語に重点を置いた作品となっていまして、まだまだそういうVRゲームって少ないんですよ。あと、謎解きとかが好きな方にもおすすめかなと。くわえて、キャラクターとかもたくさん出てくるので、まさに「日本のVRゲームってこうだよね」というのを詰め込んだ作品になっております。ぜひ、そういった観点でも楽しんでいただけると嬉しいなと。
──ありがとうございます! ではここまで挙げてきた6つのゲームと『ディスクロニア』、あわせて7タイトルをおすすめゲームとさせていただきます。
岸上氏:
あと、ミスターVRさんの動画もぜひ見ていただけると良いと思いますね! 楽しく、忖度なく、色んなVRハードやVRゲームを体験して感想を発信されているので。僕自身、いつもすごく楽しみに見させていただいています。
というわけで、この7本+ミスターVRさんの動画を通じて、PS VR2ライフを楽しんでいただければと思います。
ミスターVR氏:
はい、PS VR2の動画もかなり出そうと思っていますので。よろしくお願いいたします!
岸上氏:
楽しみにお待ちしています! 本日はありがとうございました!
──それでは、本日はおふたりともありがとうございました。(了)