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『ポケGO』ナイアンティックのペットゲーム『Peridot(ペリドット)』は、最新技術をふんだんに詰め込んだ意欲作。“世界”を理解し、現実に溶け込む謎の生物「ペリドット」にメロメロ

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 『ポケモンGO』『モンハンNOW』を手掛けるゲーム開発会社Niantic, Inc.(以下、Niantic)は同社の培ってきたノウハウを存分に詰め込んだ新規タイトル『Peridot(ペリドット)』のサービスを、5月9日午後10時ごろよりスタート予定だ。

 同社はサービス開始に先駆けて、NianticのCEO、ジョン・ハンケ氏をはじめとした同作関係者が登壇を行ったほか、先行体験会も実施された。先行体験会では実機端末を用いて実際にプレイすることもできたので、今回は同イベントのレポートをお届けする。

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UXデザイナー 篠原大河氏(左)、アート シニアマネージャー ディビッド・ホーリン氏(右)

『Peridot(ペリドット)』とはなんだ?

 今回Nianticが新たに展開する『Peridot』は、AR(拡張現実)の世界に存在する不思議な生き物「ペリドット」を世話する育成ゲームだ。

 ペリドットたちは、それぞれが独自のDNAを持っており、プレイヤーにとって唯一無二の存在となる。世話をする以外にもペリドット同士で繁殖させて、新しいDNAの変異を起こしたりすることも可能だ。

 『Peridot』には『ポケモンGO』や『ピクミン ブルーム』からさらに発展したARテクノロジーのほかに、ゲーム内のキャラクターが実際に世界を理解する独自のAIまでもが搭載されている。

 CEOのジョン・ハンケ氏によれば、「本作にはNianticが投資してきたARの全てが詰め込まれている」といい、本作の気合がうかがえた。

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CEO ジョン・ハンケ氏

 つづけてハンケ氏は、Ninanticが位置情報ゲーム『イングレス』を開発したころから、「ゲームの内容を現実に溶け込ませたい」という理想を持っていたとのことだが、同社が持つ技術が間に合っていなかったことから実際にはユーザーの想像力によって補われていたと話す。

 頭の中で思い描いているデジタルの世界を、現実世界でどう表現するかというのが大きな課題で、それをきっかけとして「コンピューターが身の回りの世界をどう理解し、そこにどのように自分たちのコンテンツを投影できるか」という研究や投資を進めてきたのだとか。

 いわば、『Peridot』は、今まで同社が培ってきた「研究」の集大成であり、今までのすべてを詰め込んだ作品というわけだ。

ゲームプレイの流れ

 『Peridot』におけるゲームプレイは、卵の選択からはじまる。ランダムに表示される3つの卵のうち、最初に選んだ卵が、プレイヤーにとってはじめての「ペリドット」になる。

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 卵から生まれてくる「ペリドット」は毎回ランダムに生成され、ひとつとして同じものは存在していない。卵の柄が多少のヒントになるようだが、今回の体験会でもどんなペリドットが生まれるのか、開発元であるNianticでさえもわからないという。

 ペリドットたちは、エサをあげたり、遊んであげることによってレベルが上がっていき、徐々に成長していく。

 アート シニアマネージャーのディビッド・ホーリン氏によれば、「成長することで見た目がかわるが、人によっては子供のままの方が好きかもしれない」とのことで、成長すると大きく見た目が変わるペリドットも存在すことがうかがえた。

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随所に盛り込まれた技術の数々

 個人的に一番驚いたのは、カメラ上にうつる障害物への処理だった。従来のARサービスでは、目の前に障害物があっても、それにさえぎられることというのはほとんどなかった。

 しかし『Peridot』では、ちがう。不意に他者からカメラに干渉があっても、ペリドットたちはまるで本当にそこにいるかのように、隠れてしまうのだ。

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 担当者の方によれば、『Peridot』の開発に当たってNianticが独自に展開するAR開発環境「Lightship ARDK」が利用されているとのこと。この開発用システムは一般にも公開されており、誰でも利用することが出来る。

 一般的な開発者と全く同じ立場や環境で開発されているのは少し驚きだが、この話を聞いたときにさらにARを身近に感じたのも事実だ。

 そして、このゲームの驚くべきところは、本当に“世界”を理解しているという点だ。カメラを通して見る世界は、自動的に水場や砂地、緑地などとしてゲーム側に判断されている。
 ペリドットに与えるエサは実際の住環境の中から手に入れるわけだが、ビーチや家、森などで手に入るものが変わってくるようだ。

 しかしこの機能、Nianticが得意とするマップ情報を基準に判定しているわけではなさそうだ。体験会前に実施されたプレゼンテーションでは、ペリドットが家具を把握する機能が紹介されていた。

 体験会中では確認できなかったものの、例えば、プレイヤーの部屋に置かれているテレビを認識し一緒に見たいとアピールしたりするのだとか。

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位置情報も最大限活用、自由すぎるペリドットに翻弄される

 Nianticのゲームということもあり、本作でも位置情報やNiantic Wayspotの技術が活用されている。ペリドットたちは、これらの情報を参考に自由に散歩してアイテムを取ってきたりするほか、地図上に表示されるWayspotでは、ほかのユーザーが育てたPeridotにも出会えるようだ。

 極めつけは、ペリドットたちの「おねだり」。ペリドットたちは、“これが食べたい”、“これが見たい”、“遊びたい”という欲求をプレイヤーにおねだりという形で表現する。

 ペリドットたちの求めるエサや、見たいモノがその場にあるとは限らないのが面白いポイントで、必然的にユーザーを外に連れ出す仕組みになっているそうだ。

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質疑応答で見えた、これまでのゲームとの違い

 今回の体験会では、いくつかの質疑応答が可能な時間が設けられた。その中でも、興味深かったものをピックアップして紹介していこう。

 ──ペリドットたちのDNAは、Niantic側でも把握しきれないほどのバリエーションが存在するとのことだが、『ポケモンGO』などのように“地域限定”のDNAなどはありますか?

 篠原大河氏
 今回『Peridot』では、今のところ実装していません。これは地域ごとのユーザーたちの個性が出ることを期待しているからです。ユーザーたちが決めるような形にしたいと考えています。

 ディビッド・ホーリン氏
 日本だったらこんな見た目、アメリカだったらこんな見た目が流行っているみたいな側面から、グローバルなゲームになっていってほしいですね。

 ──様々な技術が使われていますが、どのくらいスマートフォンのパフォーマンスに影響を与えますか?

 篠原大河氏
 出来るだけ様々なユーザーに楽しんでほしいので、クオリティ設定はもちろん実装しています。デバイスの機能性が低いユーザーでも楽しめるほか、ARにすごく関心があって最新のモデルを使っています。みたいなひとでも楽しめるようにしたいと考えています。

 ──ありがとうございました。

 体験会後、Nianticが公開した『Peridot』推奨スマートフォンスペックは以下の通り。

iOS: iPhone 8+ or above on iOS 14 or higher.
Android: 以下のGPUチップセットを搭載しているもの
Adreno 730
Adreno 660
Adreno 650
Adreno 640
Adreno 630
Mali G78
Mali G77
Mali G76
Mali G72
Xclipse 920
およびSamsung Note 9 以降のもの
Galaxy S9 or above
Pixel 6 or above
*iPadやタブレット、WiFiのみの設定のものはご利用いただけません

おわりに

 Nianticが新たに展開するペット育成ゲーム『Peridot』は、既存のキャラクターに囚われないオリジナルコンテンツだからこそ実現できる要素や機能がふんだんに盛り込まれていた。

 物価の高騰などの影響も相まって、さらに難しくなっているペットの飼育をこれだけ手軽に楽しめるというのは嬉しいポイントだろう。そして何よりも、現実世界と仮想世界の境目となるこのゲームの存在は、違った視点から実際のペットと同等の価値を生み出してくれるだろう。

 『Peridot(ペリドット)』は5月9日午後10時ごろ、サービス開始を予定している。

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ライター
最近ゲーム業界にサメ映画ブームが来ている気が・・・え? 『スター・ウォーズ』のゲームが出すぎて手が回らない毎日。1日36時間欲しい。

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