NVIDIAは8月22日、欧州最大のゲームショー「gamescom 2023」に向けRTX対応版の『ハーフライフ2』や今後グラフィックスカード向けに提供される予定のアップデートなど、いくつかの最新情報を発表した。本記事では、その発表内容をまとめていく。
文/Squ
『ハーフライフ2』のRTX対応版『Half-Life 2 RTX』が発表
まず発表されたのは、『Half-Life 2 RTX』。『ハーフライフ』シリーズは、『Portal』やゲーム販売プラットフォームSteamの運営元として知られるValve Corporationが手がける一人称シューティングゲームだ。
『Half-Life 2 RTX』は2022年12月に配信開始された『Portal』向けダウンロードコンテンツ『Portal with RTX』と同様に、2004年に発売された『ハーフライフ2』をNVIDIAが提供する最新技術を用いてリマスターするプロジェクトとなっている。
なお、『Portal with RTX』がNVIDIAの内部スタジオNVIDIA Lightspeed Studiosが手がけていたのに対し、『Half-Life 2 RTX』では同作コミュニティ内のMod制作チームがNVIDAの協力のもと制作を担当している。レイトレーシングやDLSS、NVIDIA RTX IO、NVIDIA Reflexに対応するほか、ゲーム内で使用されるアセットについても強化が入る形となるようだ。
開発はまだ始まったばかりで、今後新規に開発に参加するユーザーを公式サイト上で募集する予定もあるとのこと。もし興味のある方は応募してみてもいいかもしれない。
GeForce NOWに「XBOX PC Game Pass」のタイトルが追加へ
そして、NVIDIAが提供するクラウドゲーミングサービス「GeForce NOW」にXBOX PC Game Passの一部タイトルが追加されることも発表された。
「GeForce NOW」はNVIDIAが展開するクラウドゲーミングサービスで、ゲーム内のデータ処理を「GeForce NOW」のサーバーで実行し、ストリーミング配信することでスマートフォンや低スペックなコンピューターなどの端末でも高スペックが必要なタイトルをプレイできるようになるサービスだ。日本国内ではauやソフトバンクが運営を行っている。
今回対象となるのは、『Gears 5』や『ウルフェンシュタイン』、『エイジ・オブ・エンパイア』といったマイクロソフトが提供するファーストパーティタイトルや、『No Man’s Sky』、『マウント&ブレイド』といった一部のサードパーティタイトルで、現地時間8月24日より開始を予定しているという。
もしGeForce Nowを契約していて、XBOX PC Game Passも契約している場合、追加料金を支払うことなくプレイすることが可能となるほか、Game Passに加入していなくてもMicrosoft Storeなどで購入したタイトルをプレイすることも可能なようだ。
ゲームの未来が垣間見える発表ばかり
以上の2つの情報に加えて、2023年5月に台湾のコンピューター関連見本市、COMPUTEXで同社が発表した、AI生成によってNPCの反応を自動生成する「NVIDIA ACE for Games(NVIDIA Avatar Cloud Engine)」の技術デモや、AIによる学習データを活用して効率よく、より精細な高解像度化を行えるようになった「DLSS 3.5」や新機能である「Ray Reconstruction」の発表も実施された。
「NVIDIA ACE」が実際にいつ日の目を浴びるかは不確定なものもの、DLSS 3.5に関しては『コール・オブ・デューティ: モダンウォーフェアIII』や『PAYDAY 3』、『フォートナイト』といったタイトルに実装予定であることが発表されている。直近で発売予定のタイトルもラインナップされているので、興味のある方は試してみるといいだろう。