世界各地を飛び回って楽しもう!
さて、かなり脱線してしまいましたが、ワールドツアーに話を戻したいと思います。このモードでは、『ファイナルファイト』のキャラクター以外にも、物語に深く関わるオリジナルキャラクターが登場します。もしかすると、彼らも後々『ストリートファイター6』にプレイアブルキャラクターとして新規参戦するかもしれません。少なくとも、ダムドよりは参戦の可能性が高いと思います。
そんな中でも私が特に好きなキャラクターが、こちらのウォッチャー。彼はメトロシティのヒーローで、街を見守る存在です。
いやー、良いですね。私の琴線に触れまくるデザインです。こういう恰好をしたヒーローキャラクターは大好物。もしも彼がプレイアブルキャラクターになったら迷わず持ちキャラにしているところですが、まだまだスト6に参戦していない有名ファイターや魅力的なキャラクターがいることを考えると、プレイアブルキャラクターの座を賭けたイス取りゲームは、かなり厳しい闘いとなるのではないでしょうか。
さっきから脱線ばかりしてしまっていますが、改めて話を戻したいと思います。
ワールドツアーではミッションを進めていくことで、メトロシティ以外にも世界各地を訪れることができるようになります。国を跨いだ移動にはフライトチケットと呼ばれるアイテムが必要ですが、それぞれの地域にはその場所に縁の深いレジェンドファイターがいたりするので、強さを求め世界各地を股にかけるツアーに終わりはありません。
もうお忘れの方もいらっしゃるかとは思いますが、ドン・ハガーの現在の大きな目標は、ザンギエフ師匠を探し出し、投げ技とダブルラリアットを習得してマイク・ハガー前市長のモノマネに更に磨きをかけること。強さではなくハガーを求めて、世界各地を飛び回ります。
その道中では、ブラジルでブランカちゃんの着ぐるみを身に纏ったり、
格闘大会に参加したり、
ケンのモノマネ芸人ケニーとパチモン同士の熱い戦いを繰り広げたり、
烈と戦ったり、
ガイルに弟子入りしたり、
『ソンソン』で遊んだり、
ハガーを崇拝する漢、アントラーと闘ったりと様々な経験を積んでいきます。
……アントラーの元ネタはアントニオ猪木ですかね?アントニオ猪木の引退試合の相手がドン・フライだったというつながりもありますし、「ご機嫌でしょうか!」ってキメ台詞を使っていますし。
あと、さらりと流してしまいましたが、イベントを列挙する中で出てきた烈は、初代『ストリートファイター』に敵キャラクターとして参戦していた破戒僧。以降の作品では登場していない……と、私は認識しているのですが、こういった過去作とのつながりの深さも面白いポイントです。
こういった感じで、ワールドツアーの世界を満喫していると……
ようやくザンギエフとの対面を果たすことができました!
とあるディズニーアニメ映画で「俺はザンギエフ、悪役だ」という迷台詞を、「当時の僕にとって彼は悪役でしかなかった」という制作スタッフの私情により言わされたことも印象深いですが、彼は今も昔も私のヒーローです。すぐさま弟子入りを志願し、戦闘スタイルと必殺技を学ぶことに。
ザンギエフ師匠!ありがとうございます!
これで、マイク・ハガーの代名詞とも言える投げ技とダブルラリアットはドン・ハガーのもの。また一歩、マイク・ハガー専門モノマネ師としての輝ける未来に近づくことができました。
……しかし、時すでに遅し。ドン・ハガーは、ザンギエフ師匠に出会うまでに様々な世界を知りすぎてしまいました。
彼の顔は、どこぞのアパレルショップで見つけた鴉(カラス)のお面をかぶっています。
鴉のお面とは言いますが、そのデザインはほぼペストマスク。私はこの手のデザインが大好きで、ハガーの再現との天秤にかけた結果、その甘いマスクの持つ魅力に抗うことはできず、気が付けばこれがスタンダードコスチュームになっていました。
更にドン・ハガーは、その見た目がハガーから乖離したばかりでなく、
バレエの動きを取り入れた華麗な投げ技をするわ
酔拳するわ
電撃を出すわで、技構成からもハガーらしさが一切無くなっていました。気に入った技を片っ端から取り入れていった結果、とんでもない化け物が誕生してしまったような気はしています。
もはやハガーの再現キャラでもなんでもありせんが、この自由さもワールドツアーの魅力の1つ。何卒ご容赦ください。
さて、ハガーのモノマネからは大きくかけ離れてしまいましたが、ザンギエフとの師弟関係はその後も続き、敵との対戦中に師匠がタッグパートナーとして参戦してくれるようになりました。
流石にいつでも師匠を呼び出せるというわけではないものの、師匠と共闘できるというのは心が躍りますね。
そして何より、ザンギエフとハガーのツープラトンは熱い!
……片方がパチモンなのが悔やまれるところですが、いつかシリーズ作品の中でこの並びを拝みたいものです。
底なし沼のワールドツアー
さて、ここまで長々とお話してきましたが、これでもまだ、ワールドツアーの魅力の全てを伝えることはできていません。このモードにはまだまだ様々な要素が秘められており、独立したゲームとして発売してもいいんじゃないかというくらい中身が濃いため、格闘ゲーム初心者はもちろんのこと、『ストリートファイター』シリーズを愛するファンにも楽しめるモードとなっています。
……最初から対戦がどうとか言わずに、こっちやっとくのもアリでしたね(小声)。
更に、ワールドツアーが楽しすぎて、通常のストリートファイター対戦の練習をサボりにサボりまくった結果、友人との2度目の対戦会でも見事にボッコボコにされました。何なら、1回目よりも実力差が明確になっていた気がします。今回の敗戦は、私の怠惰ではなく、面白すぎるワールドツアーに非があると思います(真顔)。
さて、一般的な格闘ゲームとはかなり趣の異なるワールドツアーも有する『ストリートファイター6』は、対戦で高みを目指すもよし、身内でワイワイ楽しむもよし、各ファイターたちのストーリーを見届けるもよし、ワールドツアーだけを目当てにするのもよしと、実に幅の広い遊び方が用意されているため、様々なスキルや目的を持つプレイヤーに応じた格闘ゲームの楽しさを存分に提供してくれる作品となっています。
格闘ゲームにはそんなに興味が無いという人でも十二分に楽しめるであろう本作。試しにワールドツアーから遊んでみて、格闘ゲームという深い沼の中へと足を踏み入れてみるのも良いのではないでしょうか。