みんな アークナイツの音楽を聞きなさい
アークナイツ(アプリ起動時のあいさつ)。マシーナリーとも子よ。
みんな『アークナイツ』やってる?
え? やってない? おめでとう、今日は君向けの記事だ。
今日は『アークナイツ』やってないみんなに
「やらなくてもいいから私が今から言うURLを開きなさい」
というだけの記事です。
「え!? そんなこと言いながら誘ってくるリンクなんて詐欺に決まってる! 夫がコモドドラゴンに食い殺されたとか菅田将暉からのプライベートメールになりすまして俺たちに架空請求とかをしてくるつもりなんだッ!」
と被害妄想に囚われてるかもしれないけど安心してほしい。
私が今から君たちに提供するのは作業用BGMです。
いやー 良すぎませんか?
アークナイツ、いま聞いてもらったように死ぬほどいい曲がたくさんあり、なぜか大部分をタダで合法で聞けるので今日はみんなに作業用BGMとして聴いてほしいなと思ったんですよ。
それぞれの曲には申し訳程度に「ゲームをやってるとさらにここに文脈が加わっていいよね…」的なゴタク添えようとは思いますが基本的には
「『アークナイツ』をやってないみんなに聞いてほしい」
と思ってるだけなのでシカトしていい。隣でオタクが早口で喋ってるみたいな感じで無視して曲に集中してください。
・『アークナイツ』とは
中国のHypergryphが開発・運営しているスマートフォン向けタワーディフェンスゲーム。日本をはじめとしたグローバル版はYostarが運営・配信を行っている。
「鉱石病(オリパシー)」という感染症が蔓延した世界で、プレイヤーは鉱石病患者を支援する組織「ロドス・アイランド」の指揮官「ドクター」となり、世界に蔓延る差別や搾取に立ち向かっていく。
Speed of Light
先ほど紹介した『Everything‘s Alright』と同じDJ OKAWARI氏による楽曲『Speed of Light』。
アークナイツというとこのサムネイルの通り「悲惨で陰鬱な物語」という印象を受けるかもしれませんが(なんでこんなサムネなんだ)、それはなぜかというと「そんな状況でもより良くなろう、良くしようと前に進んでいく者たち」を描こうとしているからなんですね。「なぜ死を描くのか。それは生を描くため」ということなんです。
なのでWeb上ではやや過剰気味に鬱要素がクローズアップされがちですがだって鬱要素の話するの楽しいんだもん。幸せな終わり方、希望に満ちた終わり方を見せるエピソードも無数にあると、まずは強調させてください。
この曲はそんな本作の希望面を象徴するような曲で、実際にゲーム中でも「めでたしめでたし」な雰囲気でインスト版が流れることがちょいちょいあり、「安心するエンディングテーマ」的な雰囲気もあってとても好きな曲です。何よりめっちゃオシャレじゃないですか!? こんな曲聴きながらショッピングモールを散歩したりしてみてェよなぁ!?
午後、コーヒーや紅茶を淹れながらゆったりと椅子に座りひと啜り、さぁてそろそろお仕事を始めようかなとキーボードに手を向ける……そんな一幕にピッタリな曲というかほぼ私の日常です。
DJ OKAWARI氏による曲は他にも『Your Star』という曲があり、こちらも「希望!!!!!」って感じがすごいのでおすすめです。
ゲーム中では一切流れませんが……。
Runing In The Dark
続いて紹介したいのは主要登場人物のキュートなアニメとともに楽しめるイメージ曲『Runing In The Dark』。なんとMONKEY MAJIKによる楽曲です。なんで?
そして当然のように名曲すぎる。先述の『Speed of Light』同様に、優しくしっとりとした曲調と歌唱で「手を伸ばせば届きそう」なもののために「暗闇の中で走り続ける」という、「それって……アークナイツの本質じゃん!」と静かに胸が熱くなる一曲となっております。すごいぞMONKEY MAJIK。
でもお前絶対そんなにノリノリで踊らないよねというケルシー先生がおもしろすぎてそれどころじゃあありません。
ちなみにこの曲はゲーム中では一切流れません。
Awaken
「え? なんかすごいミュージカル始まっちゃいました?」な『Awaken』も超大好きすぎる曲。壮大すぎるし歌がうますぎるだろ!
この曲は初期から実装されてるオペレーター【※】、スペクターのテーマ曲。スペクターは実装当初、「絶大な戦闘力を持つが精神を侵され正気を失ってしまっている」という状態でした。
※オペレーター:
広義には『アークナイツ』の自勢力で働いているキャラクター、狭義にはプレイアブルキャラを指す
それがサービス開始から2年10ヶ月経って実装されたイベント『狂人号』にて完全に正気を取り戻すことに成功。底に秘めた残虐性はそのまま、陽気で歌や彫刻といった芸術を愛する本来の姿という新たな魅力を見せてくれました。
この曲はそんなスペクターの「覚醒」をドラマチックに歌い上げた楽曲。作中ではクトゥルフ神話めいた恐ろしさを司ってる「海」。その狂気を表すようなおどろおどろしい冒頭、それを振り払うような力強い歌い出し…波の流れのように穏やかな序盤からサビに向かうにつれて雄々しく、雄大に変化していく曲調……これらがものすごいストーリー性に溢れていて、聞けば聞くほどワクワクしていくようなものすごい質の高さに圧倒されます。なんでこんな曲作れるんですか?
終わりぎわの寂しい雰囲気もたまらず、この曲がスペクターの複雑なキャラクター性を一層も二層も深めているのは間違いなく、いやマジでたまらん。すごすぎる。すごすぎて一時期作業中一生聴いてました。君も聞いて、覚醒、しよう!
ところでこの曲もゲーム中には一切流れません(正確にはイベント開始時に使われたムービー中に1フレーズアレンジ曲が流れたっちゃ流れた)。
そしてこのスペクターが実装されたイベント『狂人号』のイベントPVも映像と楽曲の音ハメが超気持ちいいので見てほしい!
𝗧𝗛𝗘 𝗚𝗢𝗟𝗗𝗘𝗡 𝗔𝗚𝗘 𝗪𝗜𝗟𝗟 𝗥𝗘𝗧𝗨𝗥𝗡 𝗔𝗚𝗔𝗜𝗡…
完全にゲームやってる人向けの余談ながら、「残酷な実験によって生み出された狂った人格」である無印スペクターを物語上はもちろん、傀儡師というロールを用いてゲーム上でも否定しない、受け入れてくれるという異格スペクターはアークナイツでも屈指の名オペレーターだと思います。職業も職分も異なるにもかかわらず巧みなアレンジで無印スペクターの上位互換と言っても過言ではない使い心地も絶妙で本当に楽しい。すごく好き。
Till the Wave Ends
アークナイツって中国産のゲームなんですよ。だから中国をモチーフにしたイベントとか楽曲が来ると急にギアがグアッと上がる感覚があるんですが、この曲『Till the Wave Ends』も「あぁー! これこれ! この中国感ってたまに得ていいな〜ってなるやつ!!」って感じですごくいい。
山! 川! 雄大な自然! 墨! 古きよき義侠の心! みたいな雰囲気でアーッてなる。この曲はゲーム中には一切流れません。
この曲の関連イベント『画中人』も本作中トップクラスに好きなんですよね。「我々は絵の中の登場人物に過ぎないのではないか。そうだったとしてどうするべきなのか」というテーマがメタフィクションとしても、作中内でのギミック・比喩としても機能していて「その気にさせられちゃうという気持ちよさ」みたいなものがある。
ゲームを遊んでるはずなのに「ワイも……画中人なのかもしれませんな……」とか考えてしまう。君たちはどう生きるか。大好きなイベントです。
Renegade
メインシナリオ最序盤から手強い敵として登場し、強い存在感を放つキャラクター、Wのテーマ曲『Renegade』。
享楽的で皮肉屋、かつ残酷な傭兵……といった立ち位置の彼女。歌詞もWらしい卑屈さにまみれたラップになっていますが、それがどこか切なげなメロディに乗ることで「狂気を演じているというWの深淵」が表れているような気がします。ていうか喉越しがいいよな。暴力的な曲のはずなのにすごくスーッと耳と脳に染み渡っていく感じ。気持ちいい。
もちろんゲーム中では一切流れないのですが、この曲、ハリウッドで開催されているハリウッド・ミュージック・メディア・アワードで入賞しました。何やってんの???
とはいえ流石に「映画の音楽とかが入賞してる賞でなぜかアークナイツの曲がブッ込まれてるよ!!」というわけではなく、さまざまな音楽がノミネートされている中の「ゲームソング部門」にて入賞したという話なのは公平性を期すため一筆書かせていただきます。それでもすげ〜賞なんだけど。ハンス・ジマーとかいるもん。同年の他のゲーム部門受賞作も『リーグ・オブ・レジェンド』とか『ゴースト・オブ・ツシマ』といった錚々たるメンツだぜ。
あとMVにチラッと映ってるエフイーターがかわいい。パンダがモチーフだからエフイーター(鉄+元素記号Feを食ベる者)ってネーミング天才すぎませんか?