「プレイヤーの好み」を学習する相棒AI・メイガス。プレイスタイルにあわせた選択も可能
また、本作のユニークな要素としてプレイヤーの戦闘や探索をサポートしてくれる相棒のようなAI搭載ヒューマノイド・メイガスの存在も見どころだ。
メイガスは「クレイドル」の背部に搭載されるかたちとなっており、周囲の環境やアイテム、対峙した敵の情報、敵の戦闘力を加味した交戦の推奨度などをリアルタイムでアナウンスしてくれる。
本作では基本的にソロプレイを想定した作品となっているが、まるで知人と「デュオ」で対戦ゲームをプレイしているように戦況を「コール」してくれる点がユニークなポイントのひとつである。
またメイガス最大の特徴は、彼らが出撃する度に学習していく点にある。
本作では出撃後にプレイヤーの活動記録をメイガスが振り返ってくれるのだが、時系列順に出来事を紹介してくれる。その際に敵が出現したポイントやアイテムを収集できた場所を学習。その後は、学習した情報を踏まえたアナウンスや警告、提案を行うように変化していく。
さらに、メイガスはプレイヤーの好みにあわせて最適化される。たとえば、「プレイヤーがプレイヤーキル」をしまくっていれば「近くのプレイヤー情報」をアナウンスし、プレイヤーの撃破を提案してくれるようになるという。
試遊の段階ではプレイ時間が限られていたため学習の変化は確認できなかったが、正式版で実際に成長を目の当たりにすれば、相棒としての愛着も湧いていくだろう。パイロットと補助AIという構図も、さながらロボットアニメのようでちょっと嬉しい。
くわえて、メイガスには複数のタイプが存在し、タイプごとに戦闘において有利な「バフ」を発揮し、タイプに応じたスキルを使用可能となる。
筆者は回復に要する時間が短縮され、「回復できる空間」を一時的にステージ上に出現させるタイプの「クレイドル整備型」を選択した。プレイした際に回復パックやスキルのお世話になる場面が何度かあったが、この効果によって生き延びれたと感じる場面もかなり多かった。
本作では腕、胴体、足の3パーツに分かれた「クレイドル」のカスタマイズによりステータスが変化する仕様だが、メイガスのタイプの選択も大きくプレイスタイルに影響を及ぼしそうだ。
風呂を作らないと相棒が汚れ続けるもの悲しさ。拠点を強化し効率化&強化
また、本作では獲得した資材や資金を使って拠点を強化することができる。ゲーム冒頭の拠点はボロッボロの廃墟であるが、アイテムや資金を支払うことで設備を整えることができる。
拠点を強化していくことで「クラフト」や「修理」といったアクティビティが行えるほか、施設を強化することで恒常的に主人公機を強化する効果なども発動する。つまるところ「強化」するほど長期的なゲームプレイにメリットを与えてくれるというわけだ。
なお、ゲームをプレイするたびにメイガスが土埃を被ったような姿になる点が気になったのだが、これは拠点にお風呂を作成しなければ清潔な状態に治らないという。シビアなのは戦闘だけでなく、メイガスの運用においても徹底されている。
相棒をお風呂に入れてあげるのは、ゲーム序盤の大きな目標になりそうだ。
敵の数が多すぎる上位ステージ「南方領域」がエグイ。漁夫の利を狙う快楽、そして台パンへ…
最後に、本作の高難度エリア・南方領域を紹介しよう。
南方領域は“とある条件”をこなすことで出撃可能となるエリアで、危険な盗賊が跋扈し、存在するクリーチャーも強力な無法地帯だ。
従来ではゲーム序盤の装備で挑めるエリアでは無さそうだが、体験会の後半では特別に所持金を増やして頂き、強力な装備を購入して挑んだ。
いざ出撃すると、個体が強いのは勿論のこと、敵の数がハチャメチャに多い。結果として「隙」でしかないリロードのタイミングが増加し、あえなく序盤で倒されかけた。頂いた所持金を全額ベットした機体はスラスターの性能が高く、全力ダッシュを活用することでいくつかの物資を獲得。ひとまずエレベーターに到着することができた。
とはいえ、せっかく高難度ステージを訪れて、僅かな物資のみを持ち帰るのは物寂しい。そこで再び周囲を探索しようと飛び回ると、悲劇が起きる。
エレベーターからわずかに移動すると、「クレイドル」に寄生した見知らぬバイオパンクなクリーチャーが登場。さらには上空を飛行し、打点の高いレーザーを放つクリーチャーが出現。急いでスラスターに点火をし離脱すると、ゴリゴリの高火力武器を搭載した盗賊の接近をメイガスが告げる。
正直に言えば、1マップ目で大手ゲームメディアの名を冠するドリフターを撃墜したことで、筆者は浮かれていた。とにかく強そうなクリーチャーたちの猛襲は、未だ大海を知らない新人ドリフターに、世界の広さを教えてくれたのである。
体験会の終了時間まで残り10分。しっかりと反省し、ミニマップ上に表示されたエレベーターのアイコンを目指す。
ミニマップによると数メートルでエレベーターに到着するようで、徐々に温かい安心感が胸の辺りに湧いてくる。すると、どこからともなく飛んできた砲弾により機体が即大破したのである。
全財産を消費してゲットした紫色でギラギラの高級装備を、体験会の最終盤で見事に全ロスした。
筆者のクレイドルを撃墜したドリフターの名は、どこか聞き覚えがあるゲームメディアの名前であった。
今回は約90分ほどの限られた時間での試遊となっていたが、こうして筆者は『SYNDUALITY Echo of Ada』で「全ロス」したり、「全ロス」させることで、しっかりと“あったまる”ハードコアな作品であることを確認できた。
爽やかなツラをしているが、わずかなプレイ時間でも緊張感のある探索、そしてドロッドロのバトルを楽しめた本作。興味がある読者は本作の公式X(旧Twitter)アカウントや公式サイト、公式Discordサーバーをチェックし、追って開催されるクローズドベータテストや正式リリースに備えよう。