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【今日は何の日?】『ゼルダの伝説 4つの剣+』が発売された日(3月18日)。ゲームボーイアドバンス本体をコントローラ代わりにして遊ぶマルチプレイが特徴の『ゼルダの伝説』

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3月18日は『ゼルダの伝説 4つの剣+』が発売された日だ。

『ゼルダの伝説 4つの剣+』は2004年3月18日発売:今日は何の日?_001

『ゼルダの伝説 4つの剣+』は、ニンテンドーゲームキューブ向けに発売された『ゼルダの伝説』の一作。2003年にゲームボーイアドバンス向けに発売された『ゼルダの伝説 神々のトライフォース&4つの剣』収録の『4つの剣』を独立・発展させた作品である。ちなみに『ゼルダの伝説 神々のトライフォース&4つの剣』はカプコンとの共同開発作品だったが、こちらは任天堂の本家『ゼルダの伝説』チームが開発している。

本作には「ハイラルアドベンチャー」、「シャドウバトル」、「ナビトラッカーズ」の全3種類のゲームモードが収録されている。本編に当たるのは「ハイラルアドベンチャー」。ストーリーは『4つの剣』の続編で、謎の影によって捕らえられたゼルダ姫と6人の巫女を救うため、「フォーソード」の不思議な力によって4人に分裂した主人公リンクが冒険を繰り広げていく内容となっている。

「ハイラルアドベンチャー」は、従来の『ゼルダの伝説』シリーズとは異なるステージクリア形式で進行。力の源「フォース」なるアイテムを集めながらステージ(コース)を進み、最深部に設置された「暗黒の結界」の破壊を目指す。「暗黒の結界」を破壊するには「フォース」を一定数集める必要があり、そのためのイベントとして『ゼルダの伝説』伝統の謎解き、戦闘が立ちはだかる構成になっている。

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ただし、謎解きに必要なアイテムは各コースで都度、手に入れなければならず、1個しか持ち歩けないなど、従来の『ゼルダの伝説』とは大きく異なる。リンクの体力も同じで、基本的にクリアしたコースでのステータスは引き継がれない。このことから、遊び心地としてはアクションアドベンチャーというよりは、謎解き要素のあるステージクリア型アクションゲーム的なものに近い。

最大の特徴は、ゲームボーイアドバンス本体をモニター付きコントローラと見立てて遊ぶ協力型マルチプレイ。最大4人参加可能で、周辺機器「GBAケーブル」でゲームボーイアドバンス本体とニンテンドーゲームキューブ本体を連結し、テレビ画面とゲームボーイアドバンスの液晶画面の双方を確認しながら遊ぶ【※】という一風変わった協力プレイが楽しめる。

※当時の任天堂は、この2機種を連動させて遊ぶ試みを「コネクティビティ」と称し、本作のほかにも様々な関連タイトルを展開していた。代表的な作品としては『どうぶつの森+(どうぶつの森e+)』、『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』などがある。

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▲GBAケーブルを接続したゲームボーイアドバンス本体(液晶には「闇の世界」のフィールドが表示されている)

基本的にフィールドはテレビ画面に表示、民家や洞窟に入った時はゲームボーイアドバンスの液晶にその内部が表示される仕組み。また、テレビ画面には表示されないが、ゲームボーイアドバンスの液晶側には表示される「闇の世界」なる要素もあり、これを踏まえた謎解き、イベントも用意されている。ボス戦もまた然りで、ゲームボーイアドバンス側の画面でリンクたちを操作して弱点を攻撃するといった、独特な攻略が試されてくることもある。

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GBAケーブル、ゲームボーイアドバンス本体がなくても、シングルであればゲームキューブコントローラでのプレイも可能だ。シングルでは「フォーメーション」なる陣形を駆使して、4人のリンクを使いこなしながらコース攻略に挑む独特な展開が楽しめる。マルチプレイ時はゲームボーイアドバンス側に表示された民家、洞窟の内部マップもテレビ画面内に映し出されるなど、一部演出もシングル用に調整されている。

残る「シャドウバトル」、「ナビトラッカーズ」の2つのモードではGBAケーブル、ゲームボーイアドバンス本体が必須。このうち、「シャドウバトル」は完全な対人戦モードで、シングルでは遊べない。「ナビトラッカーズ」はシングルでも遊べるが、ゲームシステムの関係上、ゲームキューブコントローラは使えない。

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▲「ナビトラッカーズ」(シングルプレイではチンクルとの対戦が可能)

なお、「ナビトラッカーズ」は『ゼルダの伝説 風のタクト』のスピンオフ的な内容で、海賊テトラの試験に挑むというもの。テレビ画面でフルボイスで喋るテトラのヒントを聴きながら、ゲームボーイアドバンスで「海賊メダル」を探し集めていく。2つの画面を活かしたゲームデザインが特徴で、後のニンテンドーDS、Wii Uの源流とも言える遊びが楽しめる。またテトラを始め、『ゼルダの伝説 風のタクト』のキャラクターたちがフルボイスで喋ることから、同作のファンにも見逃せない作りとなっている。

最大4人参加のマルチプレイを遊ぶにはGBAケーブル、ゲームボーイアドバンス本体が人数分必要で、そのこともあってプレイハードルは非常に高い。

だが、その高いハードルを乗り越えるなりの風変わりな遊びが楽しめる作品に完成されており、『ゼルダの伝説』シリーズの中でも随一の異色作と言える。「ハイラルアドベンチャー」に限られるが、シングルの『ゼルダの伝説』新作として遊べる一面もあるのに加えて、そのボリュームも大きめなことから遊び応えも十分である。

マルチプレイを売りにした『ゼルダの伝説』は、本作以降にも『ゼルダの伝説 4つの剣 25周年記念エディション』(ニンテンドーDSiウェア)、『ゼルダの伝説 トライフォース3銃士』(ニンテンドー3DS)が発売されている。

シングルプレイが伝統の『ゼルダの伝説』だが、このようなマルチプレイが遊べる『ゼルダの伝説』にも独特の味がある。本作に関しては、後のニンテンドーDS、Wii Uへと繋がった原点として、歴史を遡って遊んでみるのも面白いだろう。

Wii Uで発売され、GBAケーブルの遊びを別の形で再現した『ゼルダの伝説 風のタクトHD』を遊んだことのある人にも注目の一本と言える。

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『ゼルダの伝説 風のタクトHD』(Wii U)

ただし、ニンテンドーゲームキューブとゲームボーイアドバンス本体、GBAケーブルが既に生産を終えてしまっている2024年現在、本作のマルチプレイを遊ぶハードルは非常に高くなっていることに留意いただきたい。「ハイラルアドベンチャー」のシングルプレイはニンテンドーゲームキューブ本体、コントローラがあれば問題なく遊べるのでご安心を。

ライター
新旧構わず、色々ゲームに手を伸ばしては積み上げるひよっこライター。アクションゲーム(特に『メトロイド』、『ロックマン』)とストラテジーが大好物。フリーゲーム、VRゲームの動向もひっそり追いかけ続けている。
Twitter:@shelloop

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