九龍城、1990年代の中国語圏、香港映画──。これは筆者のあまりにも勝手な持論なのですが、日本人のDNA的にたぶん刺さるんですよ、この世界観。
この記事を読んでいる方の中にもウェアハウス川崎が閉店して悲しんだ人がいるはず……。
今回ご紹介する『野狗子: Slitterhead』(やくし)は、そんな世界観を極限まで凝縮した作品。混沌に包まれた街「九龍」で都市伝説「野狗子」の謎に迫る……。もう激アツじゃないですか?
2021年に発表され、ホラーゲーム『サイレントヒル』や『SIREN』などの作品で知られるゲームクリエイターの外山圭一郎氏が手掛けることでも話題になった本作。
発表から3年が経過し、その魅力的な世界観には筆者だけでなく数多くのゲームファンが興味津々なことでしょう。
このたび電ファミ編集部はBokeh Game Studioにご招待いただき、完成間近の本作を体験させていただくことになりました。本記事では体験会の模様をお伝えするとともに、謎とロマン多き本作の世界に迫ります。
取材・文/Squ
中国語圏ユーザーも太鼓判。看板までこだわられた街並みは圧巻!
『野狗子』で舞台となるのは、香港を思わせる混沌の街「九龍」。脳の無くなった死体が次々と見つかる猟奇的な連続殺人事件が起こる街で主人公は目を覚まします。(犬の姿で)
主人公は精霊のような精神生命体である「憑鬼」という存在で、犬から人へ、人から人へと次々と憑依して探索を進めます。街に居住している住人たちの多くに憑依できることにくわえて、個人的に注目したいのが憑依対象を探すための「憑依モード」です。
憑依モード中は、霊体のような状態となって一定の範囲内を自由に探索することが可能です。ちょっと先の路地を覗きに行ったり、壁を乗り越えてみたりと自由度高めに動き回れます。自由に移動できる……、なるほど。
隅々まで見るしかないよなぁ!!
やることぜんぶ見透かされていたような気がします。
このゲーム、背景部分のこだわりが本当にスゴいんですよ。ビールや冷凍食品にブランドが存在するのはもちろん、看板をはじめとした細部まで作り込まれているので探索がほんとうに楽しい。
例えばこのインド料理屋の看板には「1987年創業」の文字があり、そこに根付いた生活や商売というものを感じさせてくれます。
また、メニューや張り紙と言った更に細かい部分にもこだわりが光ります。
舞台となる九龍は広東語地域とのことですが、看板に使用されている文面の監修にも力が入っているようで、一足先に試遊できた「Summer Games Fest 2024」では本作を体験した中国語圏出身のライター陣が文面の正確さに驚いていたとのことです。
これらのこだわりは、Bokeh Game Studioの背景スタッフによるものだそうですが、その細かさに筆者もニヤニヤ。路上に落ちてる瓶ビールなんかさっきと銘柄違いますからね。
ちなみにこのビール、八角と山椒が入っているそうでとっても美味しかったです。え?なんで知ってるかって?極まって作っちゃったらしいんですよ、クラフトビール。これを飲みながらプレイすれば、没入感もひとしお。ぜひ製品化してほしい……!
憑依を繰り返して「野狗子」を翻弄しよう、挑め高速バトル!
ゲームの本題を置いてけぼりにしてまで探索に熱中してしまいましたが、本作の目的は「憑鬼」として全ての「野狗子」をせん滅すること。ただし物理的な干渉は町の住人を介してしか行えないので……。
町の住人になって殴り倒します。物理☆最強!
戦闘にはパリィシステムや回避といったアクションが取り入れられており、ホラーゲームとしてはアグレッシブな印象を受けました。
なかでも印象的なのが、戦闘中に憑依を繰り返す戦闘スタイル。一般人の身体を利用する都合上、どうしても脆い……。一人だけの身体を専有するよりも、複数人の身体を活用してヘイト管理をしつつ「野狗子」を殴るという立ち回りが必要になってくるのです。
3回死ぬとゲームオーバーとなってしまう本作ですが、自分が憑依している身体以外はノーカンとなるため、戦闘中は積極的に憑依を繰り返すと良いでしょう。とはいえ、遊んでいるとお気に入りのNPCができてしまって中々変えにくいこともあるかも……、ときには見切りをつけることも必要かもしれません。
「ホラーファン以外にも遊んでほしい」外山圭一郎氏が考える『野狗子』の姿とは。外山圭一郎氏、山岡晃氏、吉川達哉氏インタビュー
──新しいものを作ろうとする外山さんの作品だ」というのが非常に伝わってきました。『サイレントヒル』や『グラビティデイズ』でも“新しい”作品はつくられていましたが、本作で根っこにあったのはどういった部分なのでしょうか?
外山圭一郎氏(以下、外山氏):
ホラーファンが期待するホラーというのは、どうしてもキャパシティが限られているというイメージがありました。ホラーが好きな人はいつも注目してくれるけれど、それ以外の人からは「ホラーゲームなんでしょ?」と敬遠されてしまうんですよね。
でも本作ではそれに縛られずにたくさんのお客さんに遊んでほしいという思いがありました。その中で参考にしたのが、ヤングジャンプやヤングマガジンに代表される青年コミックだったんです。
──青年コミックですか!
外山氏:
青年コミックというジャンルには、誰がいつ死ぬのかわからないようなハラハラ感が大きくありますよね。そして、それを成立させるバトルアクションが存在していないと人って退屈してしまうんじゃないかと思うんです。
海外のゲームに目を向けてみると、青年漫画のドラマ性とバトルアクションが共存した世界感の作品というのはあまりなくて、ちょっとやってみたくなったんです。
能力バトルモノのような「負けられないけど生き残れないかもしれない」といったハラハラ感は青年コミックならではの感覚じゃないかと思うんです
、それをゲームに組み込んでみたらどうだろうと思いました。
──オープニングでボーカル入りの曲が流れますが、歌入りの曲が採用されているというのは少し意外でした。こちらは山岡さんのご提案なのでしょうか。
山岡晃氏(以下、山岡氏):
もともと歌モノの楽曲を作る予定はなかったのですが、今回舞台となる地域で広東語が使用されていることもあって広東語について調べていたんです。そうしたら僕の知っている中国語とは全く異なっていて、音が非常に面白かったんですよね。
そこで「歌モノってありですかね?」とご相談させていただいてOKをもらった。という流れになるのですが、ある種『野狗子』ならではの普遍的でないオリジナリティみたいな部分も出せたのではないかなと思います。
──ボーカルを担当されているのは現地の方なのでしょうか?
山岡氏:
そうですね、コロナなどの関係もあったのでオンライン収録という形で進めた形です。オープニングとエンディング、それからトレーラー用と合計3曲ご担当いただきました。
外山氏:
コロナがなければね、現地で録りたかったんだけど。
──吉川さんは今回主要キャラクターのデザインをご担当されているそうですが、ヘルメットを被っていたりと顔の見えないタイミングが多いですよね。これはコンセプトとして存在しているものなのでしょうか。
吉川達哉氏(以下、吉川氏):
「ヒーロー状態のときはバレないように顔を隠そう」というような部分がコンセプトとして存在しています。各々が何かしら隠していて、主人公の場合はフルフェイスといった感じです。
会場に飾ってあるお面もその一部ですが、それぞれのキャラクターの生活に根ざしたモノを身にまとって素性を隠しているという側面がデザインとして現れていると思います。
──ヒーロー的な側面と、誰にも気にされない一般人的な側面という相反する要素を両立させるために生かされたご自身の経験とはどういったものだったのでしょうか?
吉川氏:
カプコンで長い事デザインの仕事をしてきた中で、デフォルメキャラから精密でリアルなキャラクターまで、ほぼすべてを網羅する形でやらせていただいて、なおかつ敵側のキャラクターに関してもすべてのジャンルで関わってきました。
だからこそ、あらゆるデザインに対する抵抗がほぼない状態で『野狗子』には取り組めたのかなと思います。
とくに、自分の中の知識をあっちからこっちから引っ張ってきて表現するというところでやりがいがあって楽しい仕事でした。
──吉川さんも山岡さんも、プロットだけを基に……というわけではなくゲームの進行に合わせて一緒に制作されていたんでしょうか。
山岡氏:
そうですね。「これだけお願い」ってよりかは逐一細かいところまでやり取りしていました。
外山氏:
「そうかこうなるのか」と試行錯誤を繰り返しながら進んできた作品なので、決まった正解を基に発注するみたいな状態とは程遠い真逆のものだったんです。
なので、参加しているスタッフのポテンシャルが最大限発揮されたパーツそれぞれを、僕自身がどうやってまとめあげるかが重要でしたね。
吉川氏:
山岡さんが言ったみたいな行き来を自分なりに受け取って「外山さん、こうですかね?」と返すみたいな感じでしたよね。
外山氏:
だから、お二方はめちゃくちゃ戸惑ったと思うんですよ。このゲームって結局どういうゲームなの?みたいな部分は絶対あったはずなんです。作りながら固まっていたゲームなので、そこに関しては「ごめんなさい」としか言いようがないんですけど……。
吉川氏:
でもそこってすごく重要なことで、おそらく外山さんはキャラクターの設定を話すことで組み立てていってると思うんですよ。
その会話の中で僕たちもどんどん発想が浮かんできて反映させられた部分も多かったなと。
山岡氏:
普通ゲームを作るときって、だんだんスピードが落ちてきたり迷走したりして右往左往しながら完成していくものじゃないですか。
ただ本作はいつ見てもエネルギーが変わらない、最初から最後まで超豪速球な作品なんですよね。迷いとかないんだろうか?どうしてなんだろう?という部分は外山さんに聞いてみたいですよね。
一同:
(笑)。
──続きはいつか必ず(笑)。最後に読者に向けて一言づつお願いします。
山岡氏:
「どこにも馴染まないような、こんなゲームどこにもないな」という作品であることを、参加した身としても、いちユーザーとしても強く感じます。
どういった形でユーザーさんに遊んでもらえるのかという部分が非常に楽しみです。外山圭一郎しかり、このチームが作ったならではの要素がたくさん含まれている作品ですので、今後も続けて発信していきたいと思います。
吉川氏:
外山さんの作品は個人的に、ドラマチックで映画チックで、その世界に行ってみたい!と思わせるような作品づくりをしていると思うんです。
今回の作品ははじめて見る世界でありながらも、どこか昔の映画のような雰囲気が合わさったような新しい作品になっているなと感じたので、ぜひ手に取っていただいて遊んでいただけたらと思います。
外山氏:
かなり長い間ゲームディレクターとしてやってこれて感謝しかないのですが、「ヒット作を連発した」とは言い難い面もあります。ただ自分を振り返ってみても、その時になかった新しい要素にこだわってきたとは思っていて、独立した今でも変わりません。
そういった部分に賛同してくれる方々に対しても本当にありがたいと思っています。こういったスタンスでゲームを作り続けていって次の世代につなげるためには、『野狗子』というゲームをキチンと受け入れてもらわないと困るなと思っておりますので、ぜひぜひ皆々様ご協力いただければと思います。よろしくお願いいたします。(了)
「お金や友情とは別のクリエイティブ」で創られたからこそ、プレイヤーも面白がれる。制作過程にフォーカスしたエピソードも飛び出したトークライブ
──Summer Game Fest 2024での発表を振り返ってみていかがでしたか?
外山氏:
たくさんの方から「他のゲームとは違う」という見方をされているなという感覚はありましたね。話題が話題を呼んで「実際にプレイして確かめてみたいんだけど」と飛び込みでの取材希望もたくさん来まして、非常にありがたかったです。
やはり昨今の予算がかかったゲームは保守的にならざるを得ないことも多いと思います。その中で「得体のしれない昔のゲームのような手触り」があったのがウケたのかなという感覚でいます。
山岡氏:
数多くのタイトルが紹介されるイベントではありましたけど、“独自性”という部分では尖れているなという部分は強く感じましたね。「よっしゃあ」みたいな気持ちになりました。
吉川氏:
XとかYouTubeでのコメントから期待度とか反応が並んでいるのを見て驚きました。自分自身好きな映画やドラマのエッセンスがすごく感じられる作品なので、同じような期待度を持てているなという感覚がありました。
──今回3人で組まれるのは初めてだと思うのですが、オファーの経緯についてお聞かせください。
外山氏:
山岡さんは実際にお仕事するのは20年とか30年ぶりくらいですよね。『サイレントヒル』以来で何か一緒にやりたいと思っていたのがようやく実現したというのがとても嬉しいです。
吉川さんは『グラビティデイズ2』でDLCのゲストキャラクターのデザイナーとして参加していただいたのがきっかけですね。このプロジェクトのキャラクターは非常に難しいもので、街の中に溶け込みながらもヒーロー的側面を持たせる必要がありました。
僕はそこに答えが出せる人を考えた時に吉川さんしかいないと思ってオファーさせていただきました。
──お二人の外山さんとの出会いはどのようなものだったのでしょうか?
山岡氏:
やっぱり『サイレントヒル』で同じチームになった時ですよね。外山さんは自分にはなかったアイディアや作風を出すための手助けをしてくれた、ある種恩人のような存在なんです。外山さんの作品性はすごくリスペクトしていたので、いつかまた一緒にやりたいと思っていたのですが、なかなか一緒にやるタイミングが来ませんでした。
なので今回お話が来た時は「なんだろうがやりますよ」っていう感じでしたね。自分の中で外山作品の期待に応えたいという気持ちと同時に、新しい成長が得られるかなとも思って参加させていただきました。
吉川氏:
作品の雰囲気を聞いた瞬間に、クリーチャーが一番役に立てるんじゃないかと一瞬思ったのですが、キャラクターをやってほしいと言われて少し驚きましたね。それに自分的には主人公とかキャラクターが最大級にプレッシャーを感じる部分だったので、不安もありました。
でも、普段から一緒にお酒飲んだりしてるので仕事自体は楽しかったですし、クリエイターとして非常に相性がいい人だったので受けさせていただいた次第です。
──すごく尊敬されていますね。
外山氏:
ありがとうございます(笑)。
──御三方の中で、表現したかったことや課題、チャレンジしたなと思うことがあれば教えて下さい。
外山氏:
チャレンジとしてはキャラクターの部分が一番思い出深いですね。ゲームの設定上、街の中に紛れてても気にしないキャラクターであり、かつ誰がみてもヒーローだとわかるという部分を実現しないといけなかったのが本当に大変でした。今振り返ってみても吉川さんだからこそ表現できる塩梅が素晴らしかったので、依頼してよかったと思います。
山岡氏:
人間が音を聞く時の感覚はゲームだけ少し普段と変わった聞き方になっているらしいんです。なので、場面ごとに変化するユーザーのマインドを想定しながらどうサウンドデザインしていけば面白いか、楽しいかという部分を考えながら進めていったという部分が特徴だと思います。
ゲームに対して寄り添ったモノとはなにか?というのは『サイレントヒル』でサウンドを担当している時から考えていた部分なのですが、今回『野狗子』ではもっと先にあるものを取り入れられないかなと取り組んでいました。
吉川氏:
キャラクターが多種多様でありつつ、ヒーロー過ぎず一般人過ぎずみたいな雰囲気を要求されるのが非常に難しかった印象があります。難しかった反面、これまでの経験値が生かされたなという感じがしていて、特に完成した多種多様なキャラクターを並べるのが楽しかったです。やりがいは間違いなくありましたね。
──今回制作を進めていく中で、気づいたことや刺激を受けたことがあれば教えてください。
外山氏:
気づいたことはものすごくあったんですけど、まず吉川さんには真の意味での完成や正解がないんだなと痛感しましたね。OKが出た後でも彼の中で求めているものがあったみたいで、本当のプロのこだわりという部分を感じました。
山岡さんは天才すぎてフィードバックする余地がないんですよ。山岡さんはゲームのことを常に見てくれているので、何も言わなくても「こうでしょ?」という文句のつけようのないものが出てくるんですよね。
プロの中でも極まりすぎて変な方向に行ってる人たちとの仕事だったので大変でした。
山岡氏:
でも、それこそ最初はトレーラー向けにいろんなジャンルで7曲とか8曲も作ってお見せしていましたよ。
外山氏:
僕自身はやっぱり外からの目を気にして無難でホラーっぽい曲を選んだほうが良いのかなと思っていたんですよ。そうしたら山岡さんが自分で候補出していたにもかかわらず「僕はこっちのほうが良いと思いますけどね」とNGを出してくるんです笑。
ただある意味それがきっかけで、このゲームのあるべきルートが見えてきたというのはある。こういう方向性になったのは間違いなく山岡さんが最初ですよ。
山岡氏:
予定調和が良いとされるものもありますけど、Bokeh Game Studioが初めて手掛ける作品でもあるし、このスタジオが作る意味だったり、作品自体であったり。予定調和でない事が得意なスタジオ、ならどれだけ予定調和から外すかっていう部分に余計燃えてきますよね。
それにだって答えはないわけですけど、外山さんが頭の中で考えていることは長い付き合いの中でわかっているような気がします。そのフィーリングはモノづくりするうえで非常に大事なことで、自分たちがわかっていない着地点はユーザーさんにも伝わらないわけですよ。これって今のこの時代にすごく必要なことだと思うので、Bokeh Game Studioとして先駆けて実現していきたいなとは考えていました。
こんなものの作り方はしたことなかったのですが、自分の中での時間の使い方としては良かったなと思います。
──ありがとうございます。(トークライブMCの方もBokeh Game Studioのスタッフさんでした)
一同:
(笑)。
山岡氏:
この作品ヤバいですよ。
憑依してNPCがどんどん切り替わっていく楽しさ。これプログラマーさん天才だなとか、これを実現させるディレクターの大倉さんの変態なんだなとか。
変態なのに相当なエネルギーと頭の使い方でチームを引っ張っているし、それに応えられるスタッフたち。どこから集めてきたの?みたいな部分はずっとゲームを見ていて感じました。ここの人たちスゴイ。
僕もそこに刺激されて、聴覚的な部分でなにか冒険できないかなと、一時期ずっと考えてました。
外山氏:
山岡さんにはゲーム中のありとあらゆる音からセリフの聞こえ方とかまで全部サポートしていただいて、『サイレントヒル』を作っていたときと同じくらい楽しいですよ。
山岡氏:
ビジネスとしてのゲーム作りでもないし、飲み友達の仲良しチームのゲーム作りってわけでもない。そんなゲームをどうやったら、このゲームを期待する人たちに届けられるかっていうのがこの人生の中で必要なことなんだろうなとは思いますよね。
お金や友情とは別のクリエイティブ、創造することの面白さみたいな。僕らが面白がってるから、このゲームを買った人が絶対面白がってくれるだろうみたいな部分は感じますよね。
──ゲーム制作の真理みたいな感じですね。吉川さんはどうでしょうか?
吉川氏:
『グラビティデイズ』からそこまで期間が空いているわけではなかったので、具体的に再確認ってことはなかったんです。「相性いいな」と思うのは、取捨選択の感覚が近いところなんです。これってデザイナーにとっては非常にやりやすいんですよね。
例えば外山さんがOKを出したあとに自分が時間余ってたら、そこから更に成長させられる。逆にディレクターに縛られまくると何もできなくなってしまうので、そこの取捨選択の相性が良かったと思います。
スケジュールや仕事内容がしんどくても、精神的に非常にのびのび取り組めました。出来上がったものを見た時の嬉しさや楽しさはちゃんと残っていて、それが記憶として蘇ってくるという部分でも仕事がしやすかったです。(了)
「ホラーファンじゃない人にも遊んでほしい」という外山氏の思いから、今までとは違った路線に踏み切った本作『野狗子: Slitterhead』。短時間ではあったものの、実際に遊んでいく中でインタビュー中に語られた赤裸々な思いが大きく伝わってくる作品であったと感じました。
Bokeh Game Studioの熱い気持ちが伝わってくる『野狗子: Slitterhead』は、PS4/PS5、Xbox Siries X|S、PC(Steam、Epic Games Store)向けに2024年11月8日発売予定となっています。本作が気になるというかたは、今後の情報を見逃さずにチェックしてみてください。