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都市伝説や怪異を調査するゲーム『都市伝説解体センター』のドット絵が凄すぎた。お洒落な色彩でアニメのようにモリモリ動く。ユニークな設定、架空SNSの作り込みなど、とにかくポテンシャルに圧倒される

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集英社のゲーム事業から発足したインディーパブリッシャー「集英社ゲームズ」は、2022年の立ち上げ以降、急速な勢いでインディータイトルのパブリッシュを行っている勢いのある企業だ。

これまで電ファミでもいくつかのタイトルを紹介してきたが、今回はそんな集英社ゲームズが送る新作アドベンチャー『都市伝説解体センター』を紹介しよう。

まずは下記PVを視聴して欲しい。このゲーム、スタイリッシュな色彩のドット絵が良く動くのだ。そして、世界観や雰囲気も抜群に良い。

呪いの箱、事故物件、異界など……様々な怪異や都市伝説を能力者となって調査す”濃い”ストーリーの設定は言わずもがな。ピクセルアートでありながら豊かなアニメーションによって活き活きと描かれるキャラクターや、現代のSNS文化まで活用した時代を感じさせるゲーム設計など、非常に魅力的な要素で溢れた作品となっている。

ミステリーアドベンチャーとして極限にまで高められ、昨年の発表以降もも大きな注目を呼び続けている本作。それがどのような姿に仕上がっているのか、この記事でお伝えしよう。

文/植田亮平
編集/りつこ



調査員「福来(ふくらい)あざみ」となって、都市伝説や怪異に挑む

まずは本作のあらすじを紹介したい。

本作の主人公は「福来(ふくらい)あざみ」ちゃんという女の子である。彼女はひょんなことから都市伝説絡みの依頼をこなす探偵「廻屋渉(めぐりやあゆむ)」と出会い、彼とともに様々な依頼をこなしていく。

『都市伝説解体センター』先行プレイレポート。ユニークな設定と良く動くドット絵に圧倒される_001

都市伝説解体センターで、日夜愉快な仲間たちと怪異事件に巻き込まれていくあざみ。謎が謎を呼ぶ展開の果てに、彼女の行く末はどうなっていくのだろうか……!?というのが本作の基本的なストーリーの構造である。

多くのミステリー小説は、オカルトを人為的なものであると”暴く”構図を採用している。いっぽう、本作は都市伝説をそのまま超自然的なものとして扱っている。この点では所謂「伝奇モノ」に近く、知名度のある作品で言えば『呪術廻戦』などと共通する部分も多い。

個人的に「都市伝説の裏にある怪異を能力で突き止める」この物語は、かなり日本のプレイヤーにもウケる内容ではないかと思う。オカルトを絡めた日本的な作劇手法と言うべきか、ちょっぴりホラーな要素もありつつ、シナリオだけでなくキャラクターの魅力で物語を推進させるようなストーリーのように見えた。

アニメのように動くドットが新感覚!

そんな本作のキャラクターたちは、どれも魅力的で個性的なものばかり。その魅力を作り出すのは、ドットで描かれた躍動感のあるアニメーションだ。

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まるでドット絵とは思えないほどの描きこみが凝らされたキャラクターのバストアップやスチルを始め、シーンごとに挟まれるカットシーンはどれも非常に高いクオリティを誇っている。

特に気になったのはその”色合い”だ。ここまでのスクリーンショットでもお分かりの通り、本作の色数は全体的に少なく、寒色系でまとまった色合いとなっている。

これが本作の不気味でスタイリッシュな雰囲気を作っていることは間違いない。そのうえで、重要なシーンやキーキャラクターなどの目立たせたい部分はしっかりと色が鮮やかな色で描画されている。この対比がミステリーとしての緊迫感を引き上げていると感じた。

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また、キャラクターの表情にも注目していただきたい。

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本作のキャラクター達はとても多彩な表情をプレイヤーに見せてくれる。驚いた顔、喜んだ顔、気まずそうな顔……どれもが個性的であり、このような表情変化がそのキャラクターを大きく印象付けてくれる。

ドットでこれほどまでに多彩な表情を描き分けられるゲームは、そうそうないだろう。私がプレイした範囲では、あざみちゃんの表情を一番多く見られた。短いプレイ時間だったにも関わらず、私はすっかりあざみちゃんの虜になってしまった。

ドットが生み出すキャラクター達の中から、是非とも推しキャラを見つけてみてほしい。

SNSを活用した操作が新しい!

いよいよ本作のゲーム部分を紹介しよう。本作の基本的なゲームプレイは、現場を歩き回って証拠を集める探索型アドベンチャーゲームの形式となっている。

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まず、都市伝説の現場を歩きながらモノや人にインタラクションを行う場面では、部屋を調べて怪異に関する情報を集めることができる。また、主人公であるあざみちゃんに特殊なメガネをかけることによって「霊視」を行うこともできる。

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霊視を行えば、直接怪異の真相に迫る証拠を見ることが可能となる。この特殊能力を使い捜査を進めていくことが、ゲーム進行のカギになることは言わずもがなだ。

また、本作にはこれらの調査以外にも特徴的なゲームパートがある。それが、SNSを使って怪異の目撃証言や都市伝説の情報を収集する場面だ。

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このパートでは、様々なインターネット上の投稿の中から事件や都市伝説に関する情報をプレイヤーが取捨選択することとなる。

投稿の中から調査に関連すると思われるモノを選び出し、画面上部の検索バーに入力することで更なる手がかりに繋がる。そうして繰り返すうちに芋づる式に情報が集まり、一見無関係に見える情報が一つの答えに収束していく。

このSNSを活用するパートが非常によく作り込まれていることは間違いない。というのも、タイムライン上では数種類の投稿だけではなく、本物のSNSに近い投稿の多さが窺えるからだ。この情報量は、間違いなく本作の世界観に深みを与えていると感じた。

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あらすじだけでも名作の予感がするストーリー設定、豊かな表情とキャラクターに命を与えるアニメーションの数々、そして非常に良く作り込まれたSNSでの調査など……。

『都市伝説解体センター』はこうした様々な要素が密接に絡み合うことで成立した重層的なゲームだと言える。

個人的には、ゲームにとどまらず様々なメディア展開がなされると尚嬉しいと感じる。タイアップ漫画やメディアを用いた動画コンテンツ、果ては二次創作の活性化など、とにもかくにも大きなポテンシャルと可能性を感じる作品である。

インディーアドベンチャーファン必見の本作『都市伝説解体センター』は、2024年にリリース予定だ。


ライター
大阪在住のゲーマー。ゲームに限らずアニメ、映画など気になったものは何でも取り込む雑食系。オープンワールドのゲームやウォーキングシミュレーターなどが大好き。最近はオンラインゲーム『League of Legends』にドハマりしているが、プレイの腕はイマイチ。
編集者
ゲームアートやインディーゲームの関心を経て、ニュースを中心にライターをしています。こっそり音楽も作っています。

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