『STEINS;GATE』の15周年を記念したライブイベント「STEINS;GATE 15th LIVE – ONE WORLD -」が、10月27日に千葉県松戸市にある森のホール21 大ホールで開催された。
今回のイベントでは、初代ラボメンを演じたキャストのうち、7名が集結。生アフレコやトークショーが繰り広げられたほか、歴代の楽曲を歌ってきたアーティスト6組が登場し、全17曲が披露された。
主役の岡部倫太郎を演じた宮野真守さんがこうした大型ライブイベントに出演するのは2012年以来。2019年のライブイベントは台風の影響で中止されてしまったため、12年ぶりの出演となった。そうした背景もあってか、14時過ぎに会場に訪れたときにはすでに多くのファンが集結、会場は熱気に包まれていた。
こちらの記事では、当日ステージで行われたライブイベントの模様と合わせて、大幅にパワーアップした「1日限りの大展覧会」の模様を合わせてご紹介していく。
圧巻の展示コーナーには「岡部倫太郎のスマホ」も展示。200点以上のイラストがずらり
まず、200枚以上のイラストが展示された「1日限りの大展覧会」を写真とともに紹介しよう。この展覧会はライブイベントが行われた「森のホール21」のレセプションホールで開催されており、こちらは誰でも無料で参加できるようになっていた。
会場に入って真っ先に目に飛び込んで来たのが、これまで他のイベントでも展示されていた巨大なタイムマシンだ。また、その先には、キービジュアルや雑誌の表紙、コラボイベントなど、これまでの15年間で描かれてきたイラストが200枚以上を展示。それをひとつひとつじっくりと見られるようになっていた。
大量のイラストが展示されていたことも圧巻だったが、同会場内にはほかにも2017年大相撲秋場所で使用した懸賞幕や歴代のパッケージ、描き下ろしイラストを使用した等身大のスタンディなど、貴重な資料やフォトスポットも用意されており、あちこちで写真を撮りたくなる。
中でも多くの人が動画を撮影してきたのが「東京ゲームショウ2018」にも展示されていた、岡部倫太郎のスマホの形をしたモニターの展示だ。こちらではラボメンとのやりとりが表示されていたほか、人工知能「アマデウス」の姿になった牧瀬紅莉栖が映し出されていた。さらに画面に表示される内容も、今回のイベントに合わせてアップデートされているという凝りようであった。
1曲目はやっぱり「スカイクラッドの観測者」。豪華声優陣による朗読劇『既視回想のラウンドテーブル』も披露
そしてとうとう、本日のメインであるライブイベントが開始。オープニングを飾ったのはいとうかなこさんで、すべてのはじまりとなったXbox360版『STEINS;GATE』のオープニングテーマ「スカイクラッドの観測者」を披露し、一気に会場のボルテージが高まっていった。
続いて登場したのは、宮野真守さん、花澤香菜さん、関智一さん、今井麻美さん、後藤沙緒里さん、小林ゆうさん、桃井はるこさんといった『STEINS;GATE』のラボメンたちを演じた声優陣だ。ここではオリジナルのストーリーを元に、ボイスドラマ『既視回想のラウンドテーブル』が生アフレコで行われた。
ストーリーとしては、2024年の未来から帰ってきた岡部倫太郎が2000回以上のタイムリープを繰り返し、本作の舞台である2010年に戻ってきて「1024回円卓会議」を行うというもの。実際の秋葉原もこの15年間の間で大きく様変わりしたが、岡部がその様子をラボメンに伝える度に大きな驚きを与えていた。その一部をご紹介するとこんな感じだ。
岡部倫太郎(宮野真守さん):
2024年までに起きた大きな出来事としては……ラジカンが取り壊されてしまった。
フェイリス・ニャンニャン(桃井はるこさん):
ニャ、ニャンだって~!
牧瀬紅莉栖(今井麻美さん):
秋葉原を象徴する建物だったのに……。その後、あの場所はどうなったの?
岡部倫太郎:
同じ場所に、新しいラジカンが建った!
橋田至(関智一さん):
どうみても建て替えです。本当にありがとうございました!(会場爆笑)
といったコミカルなノリになっており、劇が進んでいくごとに会場内での笑いも大きくなっていった。ちなみに、この朗読に合わせて、新たに描き下ろされたと思われるゲーム風の画面もバックに流されており、まさに新作のゲームを体験しているかのような感覚を味わうことができた。
つぎつぎに続く名曲ラッシュに会場は大盛り上がり。この日だけのスペシャルバージョン「非線形ジェニアック」、「アマデウス」も披露
声優陣による朗読劇が終わった後、ふたたびライブパートがスタート。いとうかなこさんが登場し、PSP版のテーマ曲である「宇宙エンジニア」を歌い上げた。
いとうさんに続いて登場したのは、Ayumu(Zwei)さんだ。今回は、TVアニメ『シュタインズ・ゲート ゼロ』前期エンディングテーマの「LAST GAME」とゲーム『STEINS;GATE 0』エンディングテーマの「ライア」を披露し、1曲目は美しい立ち姿のまま朗々と歌い上げるクールなスタイルであった。
2曲目を歌い終わった後、次に歌唱する予定のアイドルグループの純情のアフィリアを呼び込み、会場に訪れた観客と一緒に「わっしょいコール」を披露して盛り上げていった。
「わっしょいコール」の後で純情のアフィリアが披露したのは、Xbox 360版の『STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん』オープニングテーマの「La*La*Laラボリューション」と同作のPS3とPSP版オープニングテーマの「禁断無敵のだーりん」だ。これまではどちらかというとクールな楽曲が続いていたのだが、アイドルソングが2曲連続で披露されたということで、これまでとはひと味違ったムードで会場が盛り上がっていた。
続いて、ファンタズム(FES cv.榊原ゆい)さんがTVアニメ『シュタインズ・ゲート』エンディングテーマの「刻司ル十二ノ盟約」とXbox 360版のエンディングテーマ「運命のファルファッラ」を披露。こちらは、先ほどまでのアイドルカラーからふたたびクールなスタイルとなっていた。
ファンタズム(FES cv.榊原ゆい)さんと入れ替わる形で登場したのが、先ほどの朗読劇でも登場した今井麻美さんだ。楽曲に合わせて赤と黒をメインにした衣装にチェンジした今井さん。今回は、TVアニメ『シュタインズ・ゲート ゼロ』後期エンディングテーマの「World-Line」を披露した。
ここで印象的だったのが、それまでは青や黄色などの様々な色で振られていたペンライトのカラーが赤色に染まっていたことだった。
ライブパートは中盤に差し掛かり、いとうかなこさんが「COSMIC LOOPER」と「Another Heaven」の2曲をゲームサイズで披露。「非線形ジェニアック」ではAyumu(Zwei)さんと、「アマデウス」を彩音さんと一緒に披露するなど、スペシャルなバージョンでライブが行われた。
その後、彩音さんがPS Vita版とPS3&Xbox 360版『STEINS;GATE 線形拘束のフェノグラム』オープニングテーマの「邂逅のフェタリテート」と「フェノグラム」を披露したあと、いとうかなこさんがステージに登場。TVアニメ『シュタインズ・ゲート ゼロ』オープニングテーマ「ファティマ」を披露したあと、最後の楽曲としてTVアニメ『シュタインズ・ゲート』オープニングテーマ「Hacking to the Gate」を歌いライブパートを締めくくった。
ちなみに最後のこの曲のみ、スマホでの録画とSNSでの公開がOKとなった。そうしたこともあってか、音楽を聴きながらペンライトを振っている人に交じって、スマホでこの瞬間を残そうと撮影している人たちの姿も多く見られた。
ファンが選んだ名台詞のランキングを発表。盛り上がりすぎてイベント延長!?
ライブパートが終わった後、ふたたび声優陣が登壇しトークパート「STEINS;GATE 15th スペシャルアクト」が行われた。本来はイベント自体が19時頃に終了する予定だったものの、この時点でイベント開始から2時間が過ぎ、すでに30分押しの状態に。最終的にはライブパートが盛り上がったことで、19時45分頃までイベントが延長された。
このトークパーティで行われたテーマは、事前にSNSで募集した各キャラクターの好きなセリフをランキング化。それを発表していくというものだ。最初に発表されたのは、今回会場に来ることはできなかった田村ゆかりさん演じる阿万音鈴羽の名台詞だ。
3位はなんと「オーキードーキー」。2位は「……お願い。未来を、変えてほしい」。そして1位に輝いたのは、衝撃的だった「失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した」のあのセリフであった。
これ以外にも、ラボメンの名台詞ランキングが次々発表。以下に結果を記載するので、お気に入りのセリフがあるかチェックしてほしい。
・フェイリス・ニャンニャン
1位「凶真はね、私の王子様だよ」
2位「フェイリスは……過去は振り返らないにゃ!」
3位「夢を見させてくれて、ありがとう。」・漆原るか
1位「女の子だったボクのこと、覚えていて……くれますか?」
2位は「エル・プサイ・コンガリィ……」
3位は「ボク……女の子に、なりたいです……」・桐生萌郁
1位「椎名ゆりは必要ない」
2位「照明。自分が強、どこを歩いて、何を見たか…」
3位「IBN5100……見せてほしい」
・牧瀬紅莉栖
1位「相対性理論って、とてもロマンチックで……とても、切ないものだね……」
2位「忘れないで。どの世界にいてもあなたはひとりじゃない。どこにいようと、私があんたを見つける」
3位「助手でもクリスティーナでもないと言っとろうが」・橋田至
1位「スーパーハカーって呼びなよぅ。スーパーハッカーだろ常考」
2位「僕はHENTAIじゃないよ!HENTAI紳士だよ!」
3位「きっとまた、会おうな!僕、そのときまで、頑張るから!鈴羽も、頑張ってな!」
・椎名まゆり
1位「もう、我慢しなくていいんだよ オカリンはね、オカリンのために、泣いてもいいんだからね?」
2位「トゥットゥルー」
3位「まゆしぃのカイちゅー止まっちゃってるー」・岡部倫太郎
1位「エル・プサイ・コングルゥ」
2位「跳べよぉぉぉぉっ!」
3位「最初のお前を騙せ、世界を騙せ」
どのセリフも誰もが納得するようなものばかり。そして1位になったセリフは会場で朗読も行われたこともあり、ファンの方々も大きな盛り上がりを見せた。
これにて今回のステージイベントはすべて終了。最後は宮野真守さんの音頭で1位にも輝いた名台詞「エル・プサイ・コングルゥ」(変なしゃべり方をする方)を、会場に訪れた全員でかけ声として叫び、締めくくった。
登壇者がすべてはけた後で、これでイベントは終わりかと思いきや……。
会場が暗転して突然映像が流れ始める。ここで会場内から大きなどよめきが沸き起こり、「シュタインズ・ゲート”リブート” 2025 RELEASE」の文字が映し出された。
そうして、ライブはすべてのプログラムが終了。会場の出口付近には、新たなリブート作品のパネルも展示されていた。
さすが15周年記念イベントということもあってか、想像以上に濃厚な内容の本イベント。アーティスト、キャスト、ファンが一体となった熱気が会場を包む、アニバーサリーらしい祝福ムードにあふれたものであった。
イベント公式サイトでは、セットリストや事後通販などの情報も公開中。参加が叶わなかった方も、イベントのムードを感じることができるのでぜひチェックしてほしい。