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『ゼンレスゾーンゼロ』を追い続けて、本当に良かった━━もはや「1期最終回」みたいな盛り上がりを見せている今の『ゼンゼロ』の熱さを語らせてほしい

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『ゼンレスゾーンゼロ』という作品を真面目に考えてみたかった

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ここからちょっと自分語りになってしまうけど、私は「『ゼンレスゾーンゼロ』というタイトルに付き合ってきた時間」に関して、結構自信がある。

そう、単純な「タイトルと付き合った時間」。

それこそ、リリースのかなり前から企画の準備をしていたし、もうリリース直前に至っては開発チームでもないくせに「ゼンゼロは本当にウケるのか……?」と不安になっていた。

そのくらい、「いろんな意味で深く関わってしまったタイトル」なのだ。
だから、『ゼンゼロ』には正直好きとか嫌いとかそういう次元じゃない思い入れが生まれている。これもライターとしてどうなんだとは思うけど、『ゼンゼロ』がちゃんと遊ばれてることに「親心」みたいなのを感じてしまう。

こうして半年間しっかり続いて、ストーリーもひと段落して、無事に雅も実装されて……あぁ、『ゼンゼロ』はもうきっとオレがいなくてもひとりでやっていけるのだ……。本当に何様? あとこれ、リリース半年で言うことじゃないよね? まだ1周年の方がよくない?

だけど、そのくらい付き合ってきた自信がある。
なぁ、そろそろ名誉ブリタニア人ならぬ名誉HoYoverse民の称号をくれてもいいんじゃないか。そんなタイミングで、ちょっと真面目に『ゼンレスゾーンゼロ』というタイトルがヒットした理由について考えてみようと思う。なんとなく、ここが絶好のタイミングな気がしたから。

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『ゼンゼロ』は、なぜウケたのか。

まぁ、多分「そもそもホヨバタイトルだから」とか「マーケティングがすごかった」とか要因はいろいろあると思うけど、その大本は「圧倒的なビジュアルのセンス」だと思う。

商品としてのゲームに最も必要なもの、それは「面白そうな絵」

たとえば、スマホでSNSをスクロールしている時、「うん?」と気になって手を止める。雑誌をパラパラめくっている時、「なにこれ?」と引っかかってそこを読む。その、「気にさせる力」が群を抜いていたと思う。UI、世界観、絵作り……どれを取っても「フック」として作用している。

個人的に、「めちゃくちゃパッケージのセンスがいいお菓子」みたいなゲームだと思う。売り場にズラッと並んだ時、明らかに視線が誘導されるような商品としてパッケージングされている。その「気になる感」を、ゲーム全体で作り上げている。

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そのパッケージングの成果として、「リリース前の期待値がやたらと高い」という状態が生まれていた……気がする。

正直、リリース前であそこまで認知されているタイトルは中々ないと思う。ちょっとゲームとネットをかじってる人なら、割と「あのオシャレな感じのやつ?」くらいには認識していたんじゃないだろうか。

だからこそ、私自身もライターとして、リリース前から「このゲームに手を出さない理由はあるのか?」と思っていた。それこそ方々に「ゼンゼロは注目した方がいい」と言っていたし、企画的にも「ゼンゼロはプッシュしましょう」と推していた。どんどんメタな話になってるな。

そこにはもちろん「扱う価値のあるゲーム」という商業的な視点もあったけど、なにより「これに手を出さないのは少なくとも現代のゲーム業界的にどうなんだ?」という使命感のようなものがあった気がする。「これを見逃すのはおかしい」という謎の責任感。それは確実にあった。

そんな私のような「これを見逃すのはマズい気がする」という状態を、数多くのユーザーにリリース前から与えていたことこそが、『ゼンゼロ』のヒットの要因な気がする。

……なんか真面目そうに書いてますけど、これ要するに「見た目って大事」に着地しますね。でも事実そうでしょう!? やっぱ「パッケージのセンスがいい」に尽きますよ、『ゼンゼロ』は!!

とにかく、ゲームが好きなひとりの人間としても、仕事上の自分としても、「ゼンレスゾーンゼロは歴史の一部になる」という確信がありました。そんなタイトルに関われたこと……そして、これだけ『ゼンゼロ』が愛されて、無事に続いたこと、すごく嬉しいです。ゴメン、やっぱ思い入れ抜きで書けない。

マサマサぁ──ッ!!言いたいことがあるんだよォー!

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マサマサぁ──ッ!! 言いたいことがあるんだよォー!

いやこれ、オタクの総意でしょう。
「総意」は言いすぎか?
オタクはすぐ主語デカくするからってことでよろしく!!

浅羽悠真。雅と同時にピックアップされ、Dr.レイシオに続いて「無料配布の男」の肩書きを背負った男。雅や柳と同じく、対ホロウ六課のキャラとして割とゲーム序盤から出てきていました。そやつが満を持して登場。

実際、本格的に出てくるまでは「なんか軽薄そうな男」という印象しかなかったです。というか、「実装されるのかどうか」も割と疑っていました。たしかにCV柿原徹也なのは誰でも聞けばわかるけど、なんとなく……実装されるか怪しそうだったよね!?

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序盤に出てきた時の悠真。(好きだけど)果たして実装されるのか微妙なラインだったことは覚えてる。
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(画像は浅羽悠真 エキシビション「カラスが止まった日」 | ゼンレスゾーンゼロ – YouTubeより)

ところが、思った以上に重かった。
軽そうに見えて重かった。

ていうか割と全部重かった。
ヘビーマシンガンみたいな男、浅羽悠真。

うーん、これどっから話せばいいのか……とにかく、「悠真はなにかしらの重い過去を背負ってる」ことがゲーム内外で断片的に匂わされ続けているんです。

メインストーリーでも妙に身体が弱いような描写が散りばめられているし、YouTubeで公開されている「カラスが止まった日」に至っては悪夢をそのまま具現化したような映像なので余計にわけがわからない。とにかく「思った以上に悠真はヤバい」ことだけがわかる。

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そんな悠真の秘密が明かされるのが、彼のエージェント任務「此処に眠る者」

まさしくこれが彼の過去と出自に迫っていく内容で、もうほとんどメインストーリーみたいな内容です。だからマサマサファンのみなさん、やった方がいいですよ。

悠真が患っている病気の名、それは「エーテル適性減退症候群」

この病気の患者は虚弱体質となり、身体の一部に病変を発する。悠真の場合は心臓などに発生しているから、ちょいちょい息切れを起こす。が、代わりに常人よりも強いエーテル適性を発揮できる。しかし末期になると、急速に衰弱し、死に至る。

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この時に患者がホロウ内にいると、一瞬でエーテルに侵食され、エーテリアス化する。エージェント任務では、この「エーテル適性減退症候群」を扱った話が描かれる。

…………しんど!!!!!!!!

雅の過去といい、なんか1.4しんどくないすか?
どこ開けてもしんどい話ばっか出てくるんだけど?

任務内で出会うのは、そんな悠真と同じ病を患った子どもたち。自らと同じ境遇の子どもに、悠真はどう接するのか。どうすれば、この子たちを救えるのか。そんなヘビーな話が描かれていると思います。

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「…教えてください。もし生まれた時から短くて苦しい人生を送ることが運命づけられてるとしたら、わたしたちはどうして生き続けないといけないんでしょうか?」

「おっと、これは重たいやつが来ちゃったな…」

「そうだなあ、僕自身を例にするなら…『いつかきっといいことがある』って信じたいから、かな。僕も君らと同じで、子供の頃は身体のせいでずっと病室に閉じ込められてたんだ。でも少なくとも今は、自分の意思で風のあたる場所に行けるようになった。」

少し前、ある友人と話した時のことを思い出した。

その人いわく、「ゲームを楽しめるのは、ゲームが存在する環境に生まれたから」とのことだった。たとえば、私は生まれた時から身近にゲームがあった。DSを親に買ってもらえたし、友人の家に行けば当たり前にWiiがあった。

私はきっと、「ゲームがあって当たり前の世界」で育ってきた。しかし、そうではない国もある。家庭にゲーム機があることが全世界で当たり前なわけではない。地域によっては、非正規の手段に頼らざるを得ないこともある。

つまり私たちがFree-to-playやマイクロトランザクションといった仕組みを当たり前に受け入れられるのは、「ゲームに触れられる環境で生まれたから」だと。あくまで喩えとして「国」という巨大な規模の話をしたけど、これは「個人」という絞った対象で考えても、同様のことを言える。

もし、自分の身体がゲームを楽しめない状態だったら?
娯楽を楽しめない環境に生まれていたら?

私が不自由なく娯楽を楽しめるのは、「娯楽を楽しめる環境が与えられていたから」だ。逆の「そうではない環境に生まれてしまった人」のことを、少なくとも私が語る権利はない。

そこに同じ目線から解決策や希望を提示できるのは、同じ環境を知っている人、もしくはその環境を味わったことがある人だと思う。ドライなことを言っているかもしれないけど、要するにこの子どもたちと対等な目線で話せるのは、悠真しかいない。

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どんなに病気の性質を理解したところで、私は本質的に「悠真の苦しみ」を理解することはできない。なぜなら味わっていないから。

心臓に走る痛みも知らない。
脊髄から髄液を抜かれる苦しみも知らない。
いつか自分が自分でなくなる恐怖も知らない。

私には、彼の苦痛をなにひとつ理解できない。共感もできない。

ただ、「知っておく」ことはできる。

一体なにを抱えているのか、一体なにに苦しんでいるのかを事前に把握したうえで、「友人」として接することはできる。私に悠真を応援する権利はない。「頑張れ!」とか「生きろ!」とか、そんなの自己啓発セミナーの押し売りみたいで鬱陶しいじゃないか。

だから、彼のことを知っておいたうえで、「一番の相棒」として接しようと思う。相棒の幸せを願うことは、当たり前のことでしょう?

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けど、もし僕に発作が起きて、エーテリアスになったら━━そんな顔しないでよ。

その日が避けられないことを、僕らは知ってるから。

とにかく、僕がそうなっちゃって…あんたがその時そばにいたら、悪いけど、僕を殺してくれないかな。

え、これ告られてる?

あーせっかくいい話に舵切ってたのに! 「え、たまにはコイツ真面目な話できるじゃん?」って読者の好感度を上げるチャンスだったのにィィッッ!!

でもこれ完全に告られてるぜ!?
いいよ、悠真がそうなったら……ウッ……しんど……。

あのー……正直悠真って、これまでの男子エージェントの中でもぶっちぎりで「ときめき度」が高いと思うんですよ。ゴメンいま俺の中にしかない概念登場しましたね。アレです、「彼氏力」みたいなやつです。悠真といると乙女ゲーやってる気持ちになる。

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悠真とのDM、ホストと会話してる気持ちになる

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今回から新たに登場した機能、それが「お出かけのお誘いモード」

これまでもエージェントと一緒にお出かけすることはできたけど、これを使うと「一緒に街を歩ける」のだ! 言ってしまえば、デートできる! デートだデート!!

そして、悠真と街へ行き、一緒にドリンクを飲んで……一緒に写真を撮って……ウフフ……アハハハ……あああああああああああああ乙女回路が暴走する!!!!!!!!!

割と危険なシステムだと判断したので、一度行ったきり、もう悠真とのデートには行ってません。アイツの彼氏力の高さに意識が飛ぶので、用法用量はしっかり守りましょう。

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デートで思い出したけど、またananで表紙やってますよね。なんなんこれ? ホヨバはアイドル事務所か?(画像はanan公式Xアカウントより)

推しは? 箱だな アンタは?

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てか、それで言うと、私は結構「対ホロウ六課」そのものが好きなんですよね。箱推しです。箱だな。アンタは? チームとしての統一感があるというか、「和」を取り入れたデザイン面が好きというか。

「チーム内の雰囲気」みたいなのも、対ホロウ六課が一番好きです。

それこそ白祇重工やカリュドーンの子はほぼほぼ「家族」みたいなノリでやってますけど、対ホロウ六課はあくまで「職場の同僚」的な……絶妙な距離感なのがいいと思います。アレですよね、作中での人気っぷりといい、「結成してから長いベテランアイドルグループ」みたいな空気出てますよね。

と言いつつ、柳は雅に対して結構重めな感情を向けてるところも好きです。いつもは「課長」と呼んでいるのに、いざ緊急の時は「雅」と名前で呼ぶ月城柳、オタクみんな好きなやつだから………………。

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この記事、そろそろいい感じにオチをつけなきゃいけない気がする。「構成考えてないんか?」とか思われそうですが、私がそこまで考えてると思いますか?

そうだ、TGAの映像! 朝方だったのでボーッと見てたけど……『ゼンゼロ』の映像が来た時にはさすがに目が覚めた!!

具体的には、「この人、ログボスクラッチのとこにいた人じゃん!!」と。

実はそれ以外にもアストラのポスターなどがゲーム内のあっちこっちに貼られていて、その存在だけは示唆されていた……らしい。まさか本当に実装予定だったとは。こういうの結構好きなんですよね。無意味だと思っていたオブジェクトがいきなり伏線だと発覚する感じ。

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ログボスクラッチにいるアストラ、ここです。

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もはや1期最終回みたいなストーリーだけど、最後にはアストラとイヴが登場し、次回への期待も持たせてくれる……『ゼンゼロ』、まだまだ終わらない!

すごくシンプルに締めちゃいますが、ここまで『ゼンゼロ』を遊び続けて、本当によかったです。間違いなく、追い続ける価値のあるゲームでした。そして、これからも末永くよろしくお願いします。

『ゼンレスゾーンゼロ』を追い続けて、本当によかった!

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ライター
転生したらスポンジだった件
Twitter:@yomooog
デスク
電ファミニコゲーマーのデスク。主に企画記事を担当。 ローグライクやシミュレーションなど中毒性のあるゲーム、世界観の濃いゲームが好き。特に『風来のシレン2』と『Civlization IV』には1000時間超を費やしました。最も影響を受けたゲームは『夜明けの口笛吹き』。
Twitter:@ex1stent1a

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