「推したいゲーム大賞2024」5位〜2位
第5位『サイレントヒル 2』(リメイク版)
多くの名作に影響を与えた “祖” のような作品のひとつ。生年月日的に体験できなかった歴史をリメイクによって抵抗なく味わえる。
3年前に亡くなったはずの妻から届いた手紙を手がかりに、思い出の街「サイレントヒル」で妻を探索する物語。
シリーズ最高傑作と名高いサイコロジカルホラーがリメイクで蘇り、見た目もシステムも改善。各マップの構造や謎解きの内容なども変化しており、オリジナル版にはなかった逃走パートなども用意されている。
いくら名作でも昔のタイトルをわざわざ遊ぼうとするとハードルが上がってしまうだろう。しかしながらリメイクによって抵抗なく始められ、進化した名作を体験できる。
第4位『Mouthwashing』
ストーリードリブンなホラーアドベンチャーゲームで、ゲーム性はわりと最低限。なのに、なぜこんなにもプレイヤーをライドさせるのか。絶望的な状況下で露呈する “人間臭さ” が見どころ。
「遭難した宇宙船」という閉鎖空間で人間の心理が描かれるホラーアドベンチャーゲーム。食料も空気も電気も失いつつある船内で発見されたのは山積みの「マウスウォッシュ」だった。プレイヤーは動けなくなった船長の世話をしながら船員たちと交流し、全員を救う道を模索する。
ホラーというジャンルではあるものの、大きな音などで驚かされる(いわゆるジャンプスケア)的な怖さはほぼない上質な鬱ゲー。断片的に明かされていく船員たちの背景を知ると、ハッとさせられる。ネタバレを踏む前にプレイしてほしい。
Steamでは17000件以上のレビューがつき(2024年12月現在)、圧倒的好評のステータスを獲得。3~5時間ほどでクリアできる手軽さもありがたい。
第3位『ゼンレスゾーンゼロ』
街、キャラクター造形、UI、映像など「観ているだけで楽しい」要素が詰まってる。ひと目惚れをしてしまった。
『原神』や『崩壊:スターレイル』でお馴染みのHoYoverseが送るアクションRPG。ホロウと呼ばれる超自然災害によって現代文明が壊滅したのちの世界を舞台に、危険地帯での探索をガイドする専門家「プロキシ」の主人公が個性豊かな仲間たちと恐ろしい怪物に立ち向かう。
アニメ調の3DCGを駆使したキャラクターアニメーションからメニュー画面といったユーザーインターフェースのデザインにいたるまでどこを切り取ってもスタイリッシュ。「こんなにクオリティが高いのに無料で遊べるの!?」と驚いた人は多いだろう。
すべてにおいてレベルが高く、演出やバトルなどのゲーム面もさることながら「ユーザーのフィードバック」も大事にしてくれる点もうれしい。
また、本作に登場するキャラクター「フォン・ライカン」がファッション雑誌「anan」の表紙を飾るなど、業界外でも大きな話題を呼んでいる。
第2位『Elin』
人によっては人生を溶かしているゲームの待望待望待望の続編。本当に世に出るとは思っていなかった。開発者さんにはいい暮らしをしてほしい。
サンドボックス要素が加わったローグライクRPG。圧倒的な自由度の高さで知られる傑作フリーゲーム『Elona』の後継作で、11月から早期アクセスを行っている。
『Elin』もその自由度の高さは健在。電子レンジたまご爆弾で壁を採掘したり、王宮から高価なベッドを徴集したり、媚薬混入飯でNPCの友好度を稼いだりとやりたい放題できる。
しかし初心者は自由にたどり着く前に死んでしまうだろう。ゲームの勝手がわからないうちは、あらゆる方面からこれでもかとばかりにゲームの理不尽を押し付けられるため、そこを乗り越えてゲームルールをハックできるようになるまで、初心者にとっては序盤のハードルが高いタイトルでもある。
今回は1位におよばなかったものの、選出者26名中3名も『Elin』を「1位」に選出していた。