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空腹度あり、眠気あり、序盤はオッサンにも殴り負ける……あまりにもシビアなオープンワールドRPG『キングダムカム・デリバランス』はなぜコアゲーマーから愛されているのか。『2』が発売される前にその理由を確かめに行く!

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こんにちは。福田ナオです。

中世ヨーロッパのボヘミア王国を舞台にしたオープンワールドRPG『キングダムカム・デリバランス Ⅱ』が2025年2月に発売されるようですよ。

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『キングダムカム・デリバランス Ⅱ』(画像はKingdom Come: Deliverance Ⅱ | Kingdom Come: Deliveranceより)

「『2』の発売に先立って、とりあえず『1』のほうを遊んで作品の雰囲気を紹介してみてくれ!!」というお達しが電ファミ編集部から私宛に届きました。というわけでこの記事は『1』の序盤初見プレイのインプレッション記事をやらせていただきます!!

このゲーム、ちょっと遊んでみての最初の感想は「難しッッッ」でした。だって空腹度と眠気の概念があるし、戦闘は最初びっくりするくらい勝てないし、そのわりにいつでもセーブできるわけじゃないからワンミスが命取りだし……。

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『キングダムカム・デリバランス』(『1』のほう)のSteam評価(画像はSteam で 80% オフ:Kingdom Come: Deliveranceより)

ところがSteamの評価を見てみるとこのゲームは108735件ものレビューがついており、「非常に好評」を獲得(2024年12月現在)。そもそも人気があるから続編が出るわけですね。「とくにコアゲーマーに刺さっている」という噂も耳にしました。

実際、やればやるほど勘所がわかってきておもしろさを増していく感覚があったので、そのあたりをご紹介していけたらと思います。

絵・文/福田ナオ
編集/柳本マリエ

※この記事は『キングダムカム・デリバランス Ⅱ』の魅力をもっと知ってもらいたいPLAIONさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。


現代社会の倫理観は忘れて、う●こを投げつける

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自然豊かな景色が目に嬉しい

『キングダムカム・デリバランス』は15世紀のボヘミア王国を舞台にしたオープンワールドRPG。フィールドには中世ヨーロッパの町並みが広がります。

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主人公は鍛冶屋の息子ヘンリー。物語開始時点では特に取り柄のないドラ息子です。ボヘミア王国の片田舎スカリッツで家族たちと平和に暮らしていました。

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ヘンリーにはちょっとヤンチャな友人もいて、「王を侮辱してる不届き者の家の壁にう●こ投げつけに行こうぜ!!」と提案されたりもします。いい年した青年が急に「う●こ投げつけに行こうぜ!」なんて言ってくるのはけっこうビビりますね。

でも、中世ヨーロッパのリアルな暮らしぶりについてインターネットで調べてみると、最初に出てくる話題はたいていう●この話。衛生観念が今とはぜんぜん違っていて、当時の人は平気で窓からう●こ投げ捨てていたとか。こうした中世ヨーロッパ像も容赦なく描くのが『キングダムカム・デリバランス』。

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最初に「う●こ投げつけようぜ!」なんて提案をされたときはそりゃ私もドン引きしましたよ。提案に乗るか否かは選択できたので、1回断っています。

でも「ゲームなんだし、現代社会の倫理観は忘れてう●こ投げつけたほうが楽しくね?」と思い、わざわざ過去のデータをロードして選択を巻き戻し、投げつけました。

そんなこんなしていたら……
村が知らん軍勢に襲撃され、人馬が虐殺されたのちに村は壊滅してしまいました……

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ムービーが映画みたいですごかった。

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家屋は軒並み焼け落ち、道には死体が転がる地獄絵図。う●こを投げつけられた壁だけはわりとしっかり残っているのは皮肉なものです。

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目の前で両親を殺された主人公ヘンリーは、この大惨事の元凶・マークヴァート卿への復讐を誓います。こうしてヘンリーの冒険が幕を開けるのでした。 

クエストの攻略方法はひとつじゃない!

故郷スカリッツを追われたヘンリーは、近隣の土地を転々とし、スカリッツ領主だったラジク卿の下で任務をこなしていくことになります。

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このゲームは、主人公ヘンリーがさまざまな人から受け付けたクエストをこなしていく、いわば「おつかいゲー」的な側面が大きいです。とはいえクエストの攻略方法は自由度が高く、ひとつの問題に対して複数の解決方法が用意されているよう

たとえば、ゲーム冒頭に発生したチュートリアルクエスト。借金を返そうとしないおじさんからなんとかお金を回収したい場面で私が確認できただけでも2通りの解決方法がありました。ひとつはお金の貸主である主人公の父親に相談するもの。そしてもうひとつは友人たちとおじさんをボコボコにしてお金を返させるというものでした。

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「あの男とは今晩話をつける」お父さんが解決してくれるパターン
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「いいぜお前に加勢するよ」仲間たちが借金取りたてに協力してくれるパターン

ちなみに後者の「友人たちと協力しておじさんをボコボコ」のフラグを立てるためにとった行動が、前述のう●こ投げでした。

つまり、「王を侮辱したヤツの家にう●こ投げるのを手伝う代わりに、金を返さないおじさんをボコボコにするの手伝ってよ!!」という倫理観の壊れた交渉がヘンリーと友人の間には発生していたことになります。実際発生していたんだから仕方ない。

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他人との交渉は、ヘンリーの能力値が相手の能力値よりも高いとき成功する。どの項目の能力値を参照するかは選択肢によって変わる

ともあれ、問題解決のために主人公ヘンリーの能力が不足しているように見えても、ありとあらゆる代案でなんとかできるかもしれない。この自由度の高さが『キングダムカム・デリバランス』の大きな魅力です。

やりたい放題やったほうが楽しい展開に

選択を迫られた際に “いい子ちゃん” な選択をするよりも、思い切ってメチャクチャな方を選んだ方が楽しい展開になると思います。う●こを投げつけたときもそうでした。

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特に印象的だったのは秘密を抱えた神父をボコボコにして口を割らせようとしたとき。なぜかその晩に神父と一緒に居酒屋でベロベロになるまで飲み、

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さらに居酒屋の女性らと姦淫まで犯し、

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このあと真っ暗な画面に喘ぎ声と「パチュン!パチュン!」という音だけが聞こえてきた

翌朝ヘンリーと神父がまばゆい朝日を見つめたとき「このゲームやってよかった!!!!!」と思いました

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なんで親友みたいになってんだよ!

それとインターネットでほかの人の攻略記録みたいなのを読んでみたら、だいたいの人はバンバカ窃盗してそれを売って荒稼ぎしてましたね。人の心をかなぐり捨てたプレイだ。ゲームくらいはメチャクチャやりたいし、メチャクチャやらせてくれるゲームはとても嬉しい。

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ライター
ゆとり世代とZ世代の狭間に位置する1995年生まれ。アホすぎて右スティックでカメラを操作するタイプのゲームが全くできなかったのですが、つい最近『ダークソウル』で苦手を克服したので新たなゲームライフを満喫中です。普段は 「福田ナオ絵」というTwitterアカウントに毎日漫画を投稿しているのでよかったらご覧ください。
Twitter:@fukku7010gmail1
編集
幼少期からホラーゲームが好き。RPGは登場人物への感情移入が激しく的外れな考察をしがちで、レベル上げも怠るため終盤に苦しくなるタイプ。自著『デブからの脱却』(KADOKAWA)発売中
Twitter:@MarieYanamoto

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