会いたいんだあなたに 伝えたいんだあなたに
『ヘブバン』最推しカプ、月歌とユキなんですよ。
月歌ユキ好きすぎて記事1本書いたくらい、推しカプなんですよ。
しょうもない内容なので読まなくていいけど、一応証拠として貼っときます。
これを出した時、散々「はよ第五章前編まで来い」と言われていました。
そんなに? そんなに第五章前編の月歌ユキはすごいのか?
そこも含めて、第五章前編のハードルは上がりに上がっていた。
くれ。はやく供給をくれ。だーまえ大将、月歌ユキ一丁!
実際のところ、ユッキーはどんどん童貞みたいになっていた。
ユッキー、「(まるであたしに気があるみてぇじゃねぇかよ…)」はもう童貞とかいうレベルじゃないぜ。男子中学生かコイツ? この組み合わせ、明らかにユッキー側の矢印が超巨大なのは知っているけど、ちょっとユッキー思い募りすぎてキモくなってないか?
特に、月歌が一時的に31Aから抜ける第五章前編では、ユッキーの童貞パワーがこれでもかと迸っている。気を抜けば月歌、月歌、月歌……付き合い始めの男子中学生かコイツ? さすがにノロケがウザくなってきたんだけど?
ところが、月歌がキャンサーに食べられてしまう。
わたし、『ヘブバン』で最も美味しいシチュエーションが到来するなら、絶対に「ユッキーが死んで月歌だけ残された時」か「月歌が死んでユッキーだけ残された時」の二者択一だと思っていました。
後者、ついにキタ──────!!!!!
いやそんな國見タマみたいなテンションの話じゃないんだけど。
「なんでそんな奴のそばに居てくれたんだよっ…。」
「なんでそんな奴に構ってくれてたんだよっ…。」
「なのにあたしは、なんでいっつもいっつもさ…つまんなそうな顔であしらってたんだよっ…。」「いや、楽しいんだよ…。」
「お前と居られてすげー楽しかったんだよ…。」
「それって、伝わってたかな…。」
どんだけ好きなの?
ヤバい、月歌ユキが最推しだったはずなのに、段々「感動」を「ユッキー引くわー」が上回ってきている。そんな「好きな子だったのに、なんであんなにイジワルしちゃったんだよ……」みたいなこと素面で言う? 男子中学生の失恋か!?
ただ、真面目に考えるなら第五章前編を通して「喪失を、どう受け入れますか?」的な話をしてますよね。最愛の娘を失った茅森陽向。失った母と出会う茅森月歌。生きがいを奪われた和泉ユキ。全員それぞれ「一番大切な人」を失って、それぞれが喪失に向き合っていく。
まぁ、ユッキーだけ明らかに爆発しすぎだと思いますが。
「あれ? 結婚でもしたっけ? それかしてくれるの?」
「してるようなもんだろっ…! お前はあたしには居なくちゃダメな存在だろっ…! わかってんだろっ……!?」
してるようなもんだろ!?
してるようなもんだろ!?!?
してるようなもんだろ!?!?!?
ごめん、やっぱ月歌ユキ最大手はだーまえ兄さんです。
このあと続く「だったらあたしがお前を天国に連れてくよっ!」のパンチラインもすごい。ユッキー、ここまで来たらカッコいい。「気持ち悪さ」がオーバーフローして「カッコよさ」に到達した。
なんか月歌とユッキーのラブラブPOWERがすさまじすぎて、樋口が背中を押してくれる親友枠みたいになってるのも面白い。これ乙女ゲーだったら月歌ルートと樋口ルートで分岐するよね?
で、お決まりの「出撃前」がユッキーひとりっていう。
え、最終章? 最終章の演出じゃね?
常々思っていた。
『ヘブバン』は、いつも「末脚」がすごい。
正直、毎回プレイしていて序盤~中盤くらいまで「終わったか?」と思う。ただ、レース終盤にものすごい加速を見せる。必ず最後の最後に大まくりを見せる。さながらジャパンCの武豊とドウデュース。さながらミスターシービー【※】。どんな後方にいても、ラストに超絶末脚で追い込みをかけてくる。
特に第四章後編と第五章前編はレース終盤の末脚がヤバい。
残り数百メートルくらいの距離で急に先頭に出てくる。
『ヘブバン』、いつも「末脚」がすごい。
※「ミスターシービー」
「なぜミスターシービー?」と思った方、“娘”の声優がつかさと同じだからです。
熾烈極まる三部隊編成、「お前まさか本気で全ユーザーがヘブバンに人生捧げられると思ってるんじゃないかね」と言いたくなる強さのレイジングエクリプス……の話もしたいけど、それより「World We Changed」の話がしたい。
ライブでもボス戦でも流れる曲だけど、話したいのは「ラストの歌詞」なんですよ。
会いたいんだあなたに
伝えたいんだあなたに
ちゃんとありがとうも言えてない
生まれてきたのはあなたに
生きてきたのはあなたに
全部全部はあなたに
このぼくを見せたい
ぼろぼろな姿の
ユッキーの曲だ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
よっ! 月歌ユキ最大手!!
公式が最大手!!!
まぁ、冷静に解釈すると「茅森陽向に会ってきた月歌がそのままの気持ちを書いた」とも思える歌詞ですよね。自分がユッキー好きすぎてそう解釈してるだけかもしれません。いやでもユッキーの曲だろこれ。申し訳ないけど譲れねえわ。だーまえ兄さんが「違う」と言っても譲りたくない。
そして、ミステリーっぽい話だったから……最後には「解答編」が用意されている。
最後に残された謎、それは「茅森陽向はなぜ死んだのか」ということ。
実のところ、茅森陽向は「娘が入れ替わっている」ことには気づいていた。だけど、月歌にもらった時間は、自分自身の愛を知る時間だった。「娘をこんなに深く愛していたんだ」と気づける時間だった。
どこから来たのかはわからない。
でも、この家に来てくれてありがとう。
私の娘になってくれてありがとう。
だから、死んでしまうとしたら、それは絶対に事故。月歌のために新しいカイトを用意して、波打ち際でその飛びっぷりを確認していた、きっとそれだけのこと。
せ、切ねぇ~~~~~!!!!!!
ちょっと真面目に書くと、『ヘブバン』が加速度的に面白くなっていると感じるのは、第四章後編~第五章前編に至るまでの間に、「ドラマの蓄積」が生まれているからだと思います。物理的に長い時間プレイすると、必然的にキャラへの理解度も、愛着も増してくる。
全く興味がなかったはずの、逢川めぐみの一言一句にグッとくる。ユッキーの思いの強さにクラクラしてくる。月歌の過去に驚かされる。これらすべて、「しっかりストーリーを続けてきたからこそ」の火力だと思う。ドラマが着実に積み重なっているから、ちゃんと感動できる。
何度も擦ってる「最上の切なさ」ってキャッチコピー、最初はしゃらくせえと思ってたんですよ。でも第四章後編~第五章前編に至るまでの間で、「さすがにこれは最上の切なさだわ」と理解させられた。キャラが好きになった。推しカプができた。なにより、タイトルに愛着が湧いた。
その「蓄積」をもって、「最上の切なさ」をぶつけてくる。
いまの『ヘブバン』は、もうパッシブスキルが何重にもかかった状態だと思う。
これが舐め破壊ポイント④ですね。
いまの『ヘブバン』のストーリーは、お世辞抜きにすごいと思う。
だからみんな、一刻もはやく追いついてほしい。
割と真剣な、わたしからのお願いでした。
とか言いながら、第五章中編まだやってないんですけどね。
ここまであんまりスポットの当たってなかったカレンちゃんの話をするらしいので、楽しみにしておきます。ただ、個人的には今回の記事で「やりきってしまった」感がすごいです。もう『ヘブバン』というタイトルに言いたいことは言い尽くしてしまいました。
正直、燃え尽きた。次回はあんまり期待しないでほしい。
「一度しか使えない弾丸」を毎回装填してるとこういうことになる。
そのくらい出し尽くしたので、どうかみなさん最新ストーリーまで追いついてくださいね。
きみだけが好きだった きみだけが好きでした
「悲恋」が好き。
報われる恋も素晴らしいものだと思うけど、それ以上に「結ばれない恋」が好き。
そんな私の歪んだ欲を、第五章前編のバッドエンドは最高に満たしてくれました。命がけで、セラフ部隊総動員で、なんとか月歌を助け出した。しかし、間に合わなかった。しかもそれだけで終わらず、「月歌がいなくなったあとの31A」まで描かれる。
もう滅多に揃わなくなった5人。
楽しかったあの日々は、もう帰ってこない。
しかしそれでも戦うしかない。そんな未来。
「楽しい奴だよ…一緒に居ると、めっちゃ楽しい奴なんだよ…。」
「それに歌も上手くて…魂から紡がれる歌なんだ…それがこっちの魂も震わせてくるんだ…。」「他には?」
「あたしが支えてやらなくちゃって心配なところもあって…!」
「なんでっ…なんでこんなこと毎日言わせんだよっ…!」
あー、最高……。
このエンドを見た時、心の中のメリバ厨が「うんうん……!」と可憐化してました。
恋も終わった。愛も終わった。青春は終わりを告げた。
もう、何もかも帰ってこない。しかし現実だけは終わらない。
戦争は続く。最後に映される月歌の墓。
最高のバッドエンドだと思います。
この異様に気合の入ったバッドエンドに、最も「ヘブバンってすごいんだな」と思わされました。もっと言えば、散々引っ張ってきた「舐めててすいませんでした」という話は、このバッドエンドのことです。「本当に月歌を失ってしまった和泉ユキ」を描いてくれて、ありがとうございました。
私の中での『ヘブバン』最高到達点は、ここです。
最悪で、最高のエンディングだと思います。