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名作アーケードゲーム『スノーブラザーズ 2』がリメイクで復活! 未プレイなのに懐かしい(謎)。”あの頃のアーケードゲーム感” を味わえる

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ワクワクしながら小銭を握りしめ、アーケードゲームの列に並ぶ──そんな経験はありますか?

筆者は少年時代、近所の小さな商店街に置いてあったアーケードゲームを夢中でプレイしていた世代。熱くなりすぎてついついおやつ用のお小遣いまで使い込んでしまい、ブタメンが買えなくなって困るまでが恒例のパターンでした。

今回ご紹介する『スノーブラザーズ2 スペシャル』は、そんな思い出が鮮明に蘇るようなゲームです。

『スノーブラザーズ2 スペシャル』レビュー・感想・評価: 未プレイなのに懐かしい(謎)_001

これだけ聞くと「じゃあそういう思い出がない人には刺さらないんじゃないの?」と思われてしまうかもしれませんが、本作は単にノスタルジーに浸れるだけのゲームではなく、シンプルながらやり込み要素満載なゲーム性こそが魅力だと感じました。

本稿では、そんな『スノーブラザーズ2 スペシャル』をプレイした感想をお届けしたいと思います。

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絵・文/退屈健
編集/柳本マリエ

※この記事は『スノーブラザーズ2 スペシャル』の魅力をもっと知ってもらいたいグラビティゲームアライズさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。


頭から消えかけていた思い出すら蘇るほど強烈な「あの頃のアーケードゲーム感」

本作は1994年にアーケードゲームとして展開された『スノーブラザーズ2』のリメイク作。当然グラフィックも綺麗に一新されているのですが、ゲーム全体の雰囲気がとにかく「あの頃のアーケードゲーム」!!

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「少年時代の思い出が蘇る」と書いたものの、恥ずかしながら筆者は本作未プレイ。にもかかわらず、この圧倒的な90年代アーケードゲーム感に思わず「懐かし〜! タイトル画面こんなんだったな~!!」と存在しない記憶まで脳に生成されました

個人的な話で恐縮なのですが、筆者は先日久しぶりに地元へ帰った際に冒頭で書いた小さな商店街が周辺の再開発に押されるかたちでシャッター街と化してしまっている様子を目にして寂しさを覚えたばかり。

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そんなタイミングだったので、本作をプレイした瞬間あの頃の情景が一気にフラッシュバックして泣きそうになりました。

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『スノーブラザーズ2』も「いや人違いです……」と困惑していると思われる

こちらが実際のプレイ画面。

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参加していないプレイヤーが「GAME OVER」となっていたり、残機が「CREDIT(S)」表記だったりという徹底した移植っぷりがまた熱いですね。

本来のアーケードゲームではこの残機にあたる「CREDIT(S)」を増やすにはお金を投入しなくてはいけないのですが、本作においては当然その必要はなく、ボタンまたはキーを押すだけで好きなだけ残機が増やせます。

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やっていることは単にゲーム内で残機増やしてるだけなのですが、なにか禁断の果実に手を伸ばしたかのような感覚に陥ってニヤついてしまった

殺意のこもった速度で転がっていく雪玉攻撃がギャグマンガみたいで爽快!

基本的なルールは画面内にいる敵を全滅させることで次の面へ進み、最終面に待ち受けるボスを倒せばステージクリア、といった流れ。

敵は攻撃手段である「ショット」を当てると雪玉になり、それを蹴り飛ばすことで倒すことができます。

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雪玉の中に敵が埋まっている

蹴り飛ばした雪玉はただ転がるだけではなく、ほかの敵を巻き込みながら転がってくれるため、いいポジションから蹴り飛ばせば画面上の敵を一網打尽にできます。

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壁に反射して転がっていくので、ひとつの雪玉で全員倒すことも可能

これが非常に気分爽快!

スクリーンショットでは伝わらないのが残念ですが、雪玉はかなり殺意のこもった速度で転がっていくので、敵軍をめちゃくちゃにできる感じが爽快感MAXです。

転がっている雪玉にぶつかると自分自身も巻き込まれてしまうのですが、雪玉に巻き込まれているあいだは無敵で、敵にぶつかればそのまま倒せるので心配はご無用。

「巨大な雪玉が大暴れして自分も敵もめちゃくちゃにされて誰もいなくなる」という光景はもはやギャグマンガのようで痛快です。

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大変な目に遭っているようにしか見えないけど立派な攻撃&移動手段

主人公として使えるキャラは上記の雪玉を使える「ニック」を含め4体。ショットの性能は「雷」「波」「竜巻」などそれぞれのキャラによって異なるので、個々の特性を活かした戦術が楽しめます。

ただ、いずれのショットでも「敵を固めた状態で飛ばすと一掃できる(そして自分も巻き込まれる)」という部分は共通なので、どのキャラを使っても爽快感溢れるドタバタ劇を体感できます。

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雷を操れる「ボビー」。雷の球は雪玉と違いスーパーボールのように乱反射する

あらゆる敵がプレイアブルキャラに! 厄介な技を受ける側から使う側になれるロマンがたまらない

初見プレイ時、キャラクター選択画面で「隠しキャラがかなり多いなあ」と感じたのですが、それはすべて敵キャラでした。なんと本作は解放条件を達成することで、敵として出現するモンスターたちをプレイアブルキャラとして操作することができるのです。

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主人公側が4体なのに対して使用可能な敵キャラは推定30体以上(左上の4体以外はすべて敵キャラ)

この要素がとにかく楽しい! 敵と同じ見た目で大暴れできるため、気分は主人公サイドに寝返った反逆者です。

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自分でスクショを見返してもどれが自キャラかわからない

そして敵キャラが使えるというのはガワだけの話ではなく、通常のショットに加えそのキャラごとの固有スキルも使用可能なので、敵として出てきたときに「転がってくるモンスター」なら転がることができるし、「手裏剣を投げてくるモンスター」なら手裏剣を投げることができます。

この「敵キャラをそのまま操作できる感」がたまらない……!

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火を吹く石像のキャラを使えばもちろん火で攻撃できる。敵として出てきた場合は移動しないキャラなのにピョンピョンと俊敏に動かせます

そうとわかるともう道中でどんな敵と出会っても見方が変わって、「(条件を達成すれば)このキャラを動かせるの……!?」「この技も使えるってこと……!?」とワクワクが止まりません。

「こいつ樽を投げまくってきて厄介だな〜」と手を焼いていた敵キャラもプレイアブルキャラだったのは衝撃でした。中ボスとまでは言わないけど、サイズがちょっと大きくて明らかに普通の雑魚敵とは一線を画す感じの立ち位置なのに……!

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自分自身が敵と同じ姿になれたうえで対面できたときは謎の感動を覚えました。

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会いたかったよ!(右が筆者)
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嬉しくて樽を投げ合う図

そして、「空を飛ぶタイプのモンスターを自キャラとして使った場合はどうなるのか」というと、普通に飛べます。キャラによっては時間制限もなく、床も壁も無視して好き放題飛び回ることも可能というぶっ壊れ性能だったりするのでゲームを破壊できちゃいます。

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自由自在に飛び回ることができる「プロペラ隊」。ご覧の通り敵が届かない位置から陰湿な攻撃が可能

本作のアーケードゲームの空気感を完全再現した雰囲気の中でこのチートっぽさを味わうと、なんとも言えない背徳感がある……!

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本来はてっぺんにいるロボットが出す光線を搔い潜りながら敵と戦うステージなのに、空を飛べるキャラを使い開幕と同時にロボットを破壊してご満悦の筆者

ただし、先にお伝えしたように敵キャラを使用するには「○○をノーミスでクリア」などといったような解放条件を達成する必要があるので、全解放を目指すだけでもなかなかのやり込みが必要になりそうです。

ついコンプリート欲がくすぐられて、「あいつもこいつも使いて~!」と時間を忘れてキャラ解放に勤しんでしまいました。

また、使用可能となったキャラは名前のほかに「身長」「体重」「特徴」「好きな食べ物」などのプロフィールが見られるようになるというのもニクい演出です。じつはボスに不満を抱いていたり、イカツい顔して好物がかき氷だったりといった裏設定が盛り込まれていてなかなか興味深い。

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キャラによってはプロフィール欄で「頭が非常におかしい。」という豪速球のようなディスられ方をされたりもしている

やり込み要素はキャラ収集だけじゃない。何度も挑戦したくなる多彩なモードで時間が溶けていく

本作はアーケード版を再現した基本のモードに加え、限られた残機で挑む「サバイバル」、より速いクリアタイムを競う「タイムアタック」、専用ステージの頂上を目指しひたすら上へと登っていく「スカイラン」と多彩なモードが揃っています。

どれもやり込みがいがあっておもしろいのですが、個人的には特に「スカイラン」に夢中になってしまいました。

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下からトゲが迫ってくるので、敵に気を付けながらサクサクと登る必要がある

こちらのモードにはコンティニュー機能はないため前述の残機を無限に増やす技は使えず、それゆえに「次こそはいける気がする……!」と沼にハマって時間が溶けていきます。

「スカイランで頂上に到達する」が解放条件となっている隠しキャラがいるから絶対に頂上まで辿り着きたい!!

とムキになって挑んでいる最中、ふと「あれ? このモードってもしかして空を飛べるキャラを使った方がいいのでは……?」と思ったので試してみました。

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いやヤバいってこれ簡単すぎる!

苦戦必至と思しき難所も「ここはきっと難しいゾーンなんだろうな〜」といった感じでもはや他人事のように突破できちゃう。いいんですかこれ!

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本来は緻密な操作が求められるゾーンもなんのその
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敵の大群を横目に、見切れながらスイーと上昇していくプロペラ隊

やったー!!!頂上に到達したぞ!!!(当たり前)

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ここまでくると背徳感を通り越して、なんだかアーケードゲームで不正行為をはたらいているような気分になってソワソワしてしまいました。思い出として蘇った少年時代の自分に冷たい目で見られたような感覚にも陥りましたが、クリアはクリアなのでね……!

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でも個人的にはこういった「(ちょっとズルいけど)俺TUEEEEE」からしか得られない栄養みたいなものがあるので、正直めっちゃ楽しい。PS向けソフト『チョコボレーシング』でインビンシブルを使って爆走している時と同じ脳汁が出た気がします。


ちなみに、グラフィックに関しては「リメイクバージョン」のほかに「オリジナルバージョン」も選択可能で、こちらは当時のアーケードゲームのグラフィックをそのまま再現しているため、稼働当時プレイされていた方はよりノスタルジーに浸れるのではないでしょうか。

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こちらがオリジナルバージョン。味のあるドットがクセになる

ステージ構成やキャラクターデザインは概ね同じなので、リメイクバージョンと比較してみるのもまた一興。

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同じステージのリメイクバージョンがこちら。雰囲気はそのままでとても滑らかに

当時のアーケードゲームの雰囲気をそのまま味わえるだけでなく、豊富なやり込み要素で何度でも楽しめる本作。最大4人によるオンラインマルチプレイも可能となっているので、パーティーゲームとしても盛り上がると思います(スカイランの4人プレイとかめちゃくちゃおもしろそう)。

最後までお読みいただきありがとうございました!

ライター
『どうぶつの森』シリーズや『Minecraft』など架空世界を創造できるゲームを好んでプレイして現実逃避しがちな年中金欠絵描き。 ライブドアブログ『底辺絵描き・退屈健の毎日カツカツ生活』で絵日記更新中。
Twitter:@sentakubasami1
編集
幼少期からホラーゲームが好き。RPGは登場人物への感情移入が激しく的外れな考察をしがちで、レベル上げも怠るため終盤に苦しくなるタイプ。自著『デブからの脱却』(KADOKAWA)発売中
Twitter:@MarieYanamoto

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