みなさま、こんばんは。黒木ほの香です。
エッセイの連載が始まって、一年が経ちました。
あっという間ではありますが、一つ一つのテーマが思い出深いので、充実した時間で楽しかったです。
わたしは長年に渡ってブログを書いてきたので、文章を書くことはあまり苦じゃありません。
ただ、個人的にブログは「黒木ほの香」に興味がある方が読むものだと思っていて、多少ヘンテコな事を書いていても受け入れてもらえるし、かなり気楽なものです。
その点このエッセイは、仕事先の方から「読んでいます」というお声をいただいたり、二月のバレンタインをテーマにしたエッセイが掲載された時には、チョコレート会社の方からお礼のメールをいただきました。(すごい!)

一年間ひっそりと連載してきたつもりでしたが、テーマによっては、単発で興味を持って読んで下さる方が想像以上に多くて。
下手な言葉遣いができないな…と、背筋がシャキッと伸びる思いです。
以前、可憐な女性声優・瀬戸桃子ちゃんの生配信にゲストでお邪魔した時に、このエッセイについて色々とお話しさせていただいたのですが、「どうか内密に。」では、ほとんど修正が入りません。
誤字や脱字の赤は入りますが、構成やセンテンスなど、少し大きめの枠はわたしに任されているんです。
なので、できるだけ自分の中で完璧にしてから提出するように心がけています。(それでも、掲載された記事を読むと手直ししたくなる)
・文章のどこで読点を打つか
・繰り返しの表現は避けて、いろんな言葉を探す
・文頭と文末の言葉選び
この辺りは自分なりに気をつけていて、使い方に自信がないものは、簡単にではありますが、Webサイトで調べたりしています。
直近で言うと、十二月の記事で「クリスマスが近付いて街が浮き足立つ」という言葉を使おうとしたのですが、『不安や恐れで落ち着きを失う』という意味が一番上にきていることを知り、違う言葉に置き換えました。
言葉の意味が、第一に載っているのか、第二なのか、というのは、あまり気にしなくていいことかもしれません。
ですが知ってしまった手前、なんだか使いにくくなってしまうんですよね。
これは、声優やナレーターがよく使う事典『アクセント辞典』の使い方がそうだからかも。
アクセント辞典は、言葉の正しいイントネーションが調べられるもので、わたしの場合、アクセントが複数載っている時は一番上に記されている第一アクセントで読むぞ!と決めて収録に向かっています。
言葉の意味の話も、この癖からかもしれません。
文章に起こす際は、調べてから使う方が安心ですし、選び方のルールを決めていると迷う時間が短くて済みます。
そしてこれが、ビジネスメールにも生きています。
実はこの四月からフリーランスで活動しているのですが、事務所所属だったこれまでと比較すると、メールを打つ機会が三倍以上に増えていて…ちょっぴり、いやかなりてんやわんやです。

外に向けたビジネスメールなんて作成したことがありませんでしたから、最初は、返信するのに少し時間がかかりました。
ただ、調べる癖や、文章を読み直す癖が付いているおかげで、ここ最近はかなりスムーズにご連絡できるようになりました!
このエッセイのおかげでもありますね。(とか書いてて、誤字脱字まみれのメールを送っていたら恥ずかしいな)
次なる目標は『Ccを付けて返信をすること』です。
すぐに忘れてしまうので、毎回確認するようにしなくては…。
そんな風にフリーランスに少し慣れてきた今日、嬉しいことがあったんです。
わたしは昔、白いふわふわの毛に赤い目をしたうさぎを飼っていました。
名前は“しゅるく”。
しゅるくに会えなくなって数年。
久しぶりに、夢の中に出てきてくれました。
昔の実家の景色で元気そうに跳ねるしゅるくは、とっても可愛くて、いい匂いがしたよ。
あの頃よく嗅いでいた、いつものしゅるくの香り。
新しい環境に身を置くわたしを応援しにきてくれたのかな、なんて考えてしまいます。
ありがとう、しゅるく。
そういえば、うちの子の名前の由来を知っている方はいるでしょうか?
当時中学生だったわたしは「毛が白くて可愛いから、ミルクとかシュガーみたいな、可愛いのがいい!」と言ったんですが、「ありきたり過ぎるのは嫌!」という中二心(?)も持っていて、名付けは結構難航した記憶があります。
家族みんなで相談した結果、フランス語で『砂糖』という意味の“しゅるく”になったんです。
シュルク、ではなく、ひらがな表記のしゅるくなのは「ふわふわの女の子だから、柔らかい印象にしたい」との母の発案です。
うん、わたしの名前の“ほの”をひらがなにしたのと、おんなじ理由だね!
そんな経緯で晴れてうちの子になった黒木しゅるくちゃんでしたが、わたし、気が付いたんです。
しゅるくって、フランス語で砂糖って意味じゃねぇ!
わたしだって信じたくなかったです。
でも、信じざるをえなかった。
突然ですがみなさんは、アイドルマスターシャイニーカラーズのポップでキュートなユニット、アルストロメリアをご存知ですか?
彼女たちの楽曲の中に、お菓子作りをする様子が描かれた『ラブ・ボナペティート』という歌があります。
大きなライブでも何度か披露しているので「あぁ、あのカタカナがたくさん出てくる曲か」と思い出してくれた方もいるかもしれません。
Aメロは、千雪さんのパート。
柔らかい清らかな声で、こう歌い出します。
「割れたウフ 溶けるシュクル」
ウフ…?シュクル…?なんだ…?
調べてみると、ウフもシュクルも共にフランス語で、『たまご』と『砂糖』という意味だそう。
シュクル……?
フランス語で砂糖は、しゅるくだよね?
シュクルって何?
(絶句)
しゅるく…ほんまごめん…。
あんた、ほんまは“しゅくる”やったらしい…。
なんて反省していたのですが、この記事を書きながら家族に改めて確認したところ、幼き日のわたしは、父にこう言ったそうです。
「砂糖ってシュクル、やけど、言いにくいから、しゅるくにするねん!」
え〜〜〜〜!?全く覚えてない…!!!
父から言われてびっくりしました。
わたし、そんなこと大胆な名付け方するかなぁ?
まぁでも、間違えて名付けた訳じゃないから、いいか!
自分の記憶って曖昧なんだなぁ。
いろんなことが舞い込む四月。
新しく覚えることも多いですが、大切な記憶はボヤけないようにしていきたいものです。
確認、大事!
編集:川野優希