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『HIT : The World』初の公式大会は、涙あり波乱ありで激アツだった!優勝チームのギルドマスター・S嶋氏が大会に参加するため、反王ケンラウヘル氏が代わりに解説を務めるという、「絆」のワンシーンも

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ネクソンが運営するPCとスマートフォン向けMMORPGの『HIT : The World』(以下、HIT)。同ゲーム内で用意されているGvG(ギルド同士の対決)を主体にしたコンテンツの「聖物占領戦」を使用した初の公式大会「HIT : The World Guild Championship」が開催された。

こちらは、今年の2月から大会のエントリーが開始され、3月13日から3月29日までブロックごとの予選を実施。4月5日にベスト4決定戦が行われ、そこから勝ち上がってきた4チームによる決勝トーナメントが4月19日にアクアシティ お台場内にあるパンダスタジオ お台場で行われた。

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今回の決勝トーナメントでは、オンラインで参加するのは2チームのみで、それも代表3名のみに限定。それ以外のメンバーやチームは、オンラインで接続するという形で実施されている。

オフラインで参加するチームもそれぞれ個別の部屋で参加しており、実況なども含めて自分のチームメンバー以外の声は全く聞こえない状態で行われている。さらに、YouTubeで行われたライブ配信も5分間のディレイが掛けられているなど、情報漏れが起きないように徹底的に管理されていた。

こちらの会場内には、この日の大会には参加していないものの、『HIT』のプレイヤーたちが生でも観戦出来るようなスペースも用意。実況のOooDa氏と日本運営担当のそめや氏、そしてプレイヤーとして出場するS嶋氏の代わりに解説としてエヴァンジエリストの反王ケンラウヘル氏が参加しパブリックビューイング形式で試合が楽しめるようになっていた。

また、インタビュースペースでは、進行の吉﨑智宏氏が参加者たちの生の声をレポート。同じ施設内ではあるが、複数のエリアでイベントが同時進行的に行われている。こちらの記事では、当日に行われた準決勝と3位決定戦、そして決勝の模様をレポートしていく。

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写真左から、OooDa氏、そめや氏、エヴァンジエリストの反王ケンラウヘル氏。こちらはパブリックビューイングのように、一般の人たちも参加して実況と解説を聞きながら対戦が見られるようになっていた。
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進行の吉﨑智宏氏。

文・取材/高島おしゃむ
編集/anymo


第1試合からリスタート&3試合目に突入と波乱含みの展開に!

今回の大会では、先に2本先取したほうが勝ちとなるBO3形式で行われている。大会の基本的なルールは通常の「聖物占領戦」を踏襲したものだ。勝利条件は先に2500ポイントに到達するか、ポイント獲得数が多い方の勝ちとなる。参加人数は最小20名から最大30名までとなっており、ゲーム状況によってインターバルの間にメンバーチェンジなども行えるようになっていた。

試合前に行われた出場チームのインタビューでは、「OZ」のギルドマスターであるS嶋氏はゲーム内で敵対関係にある「castra」のメンバーを見てリアルな戦闘力の違いを感じ、「怖いので敵対辞めようかな」とやや弱気なコメントを出していた。しかし、すぐさま「ゲーム内では負けないですね」という自信を覗かせていた

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オフラインで参加した「castra」のメンバーを見て、ややビビるS嶋氏。

決勝トーナメントは、日本運営ディレクターのはくしん氏による「スタートです!」という飛び上がるようなポーズとともに開幕。その第1試合として行われたのは、「ぴーす×くまさん」と「とりあえずギルド」の対決だ。

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はくしん氏の開幕宣言で決勝トーナメントがスタートした。

反王ケンラウヘル氏によると、「ぴーす×くまさん」はとにかく固いという印象を持つギルドだという。同チーム内には、「HIT The Award」でPK回数1位のBERSERKER賞を受賞したReBorn氏が在籍するなど、強力なメンバーが揃っているだけではなく、技にもキレがあるところが特徴だ。ちなみに、反王ケンラウヘル氏が所属するチームが負けたのも、この「ぴーす×くまさん」である。

一方の大魔王BAJI氏率いる「とりあえずギルド」には、トップクラスの大剣使いである魔獣けもけも氏など、強力なプレイヤーたちが名を連ねている。その戦闘力がどのように発揮されるのかというところも、今回の対戦のポイントとなっていた。

試合は10秒前のカウントダウンからスタート。開幕は「とりあえずギルド」が一気に相手を制圧するという動きを見せていたが……ここで試合がリスタートとなってしまった。

実はオンラインで参加していた「とりあえずギルド」のメンバーが落ちてしまったのが理由である。今回行われた大会のルールでは、開始から3分以内ならば1ギルド1回のみ再試合の申請ができることから、同ギルド側から申し出があったようだ。

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初戦から再試合という波乱含みのスタートに。「とりあえずギルド」の作戦がはまっていたようにも見えていたことから、会場内からは「酒をくれ!」という声を飛び交っていた!?

再スタート後の1本目は「ぴーす×くまさん」が勝ち取るも、2本目は「とりあえずギルド」が取り返す。これによって、初戦からいきなり3試合目に突入することになる。この3本目は「とりあえずギルド」が見事な連携を見せて、そのままの勢いで勝利を掴み決勝進出を決めていた。

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2試合目は代表3名がオフラインで参加した「castra」と「OZ」が激突!

2試合目は、この日唯一となった両チームの代表3名ずつがオフラインの会場で参戦するという形で行われた、「castra」と「OZ」の対決だ。会場内には、「castra」からギルドマスターのふぃの氏とロジコーン氏、Kazulxxx氏が参戦。また「OZ」からは、ギルドマスターのS嶋しとりばや氏、怒怒璃亜氏が参戦していた。

実は「激戦地」というコンテンツで、「castra」のロジコーン氏とKazulxxx氏のふたりと対戦したことがあるという反王ケンラウヘル氏。しかしながら、このふたりには全く歯が立たないほど強かったと感想を述べていた。また、同チームはふぃの氏のカリスマ性もあり、結束力も強いチームとなっている。

一方、軍神と言われるS嶋氏が率いる「OZ」は、その場面ごとに最適な指示を出す臨機応変なところが最大の強みとなっている。

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対戦ルームで戦う「castra」のメンバー。
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こちらは「OZ」の試合中の様子だ。
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試合開始前のひと場面。なぜか、全員が煌びやかにたたずんでいる。

試合前の下馬評では「OZ」が有利といわれていたが、1本目は全員が守りに行かず攻めるという、アグレッシブな展開で開幕。点数的にはほぼ互角の状況が続いていくものの、一時「OZ」が4ヵ所の聖物を抑えることに成功する。

倒すことでポイントと強力なバフが得られるボスモンスターの出現まで残り30秒というところで、「OZ」が中央のボスモンスター出現エリアを抑える。

対する「castra」側は、中央に向かってふたつの通路から侵入し、見事ボスモンスター自体を倒すことに成功する。ボスのバフが掛かっていることもあり、「castra」側が点やや数を上回るものの、それほど大きな点数の差は開かず。

2体目のボスモンスターは「OZ」から仕掛け、そのままボスモンスター討伐に成功。ボスのバフを得ることで、さらに「OZ」の戦いに勢いが増していく。そのまま流れは変わらず、1本目は「OZ」が勝利を掴んでいた。

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2本目も、先ほどと同じように最初のボスモンスターは「castra」がゲット。しかし、ボスモンスターを取られてもポイント面では若干「OZ」がリードするという状況に。さらに、4ヵ所の聖物すべてを抑えることに成功するという場面もあり、軍神S嶋氏率いるチームらしい試合巧者な戦いが見られた。

それに加えて、2体目のボスモンスターを「OZ」が倒すことに成功した時点で、点数差は約500ポイントと大きく開いていく。「OZ」がそのまま手堅く試合を進めて勝利し、決勝進出を決めていた。

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劇的逆転で初戦を勝ち取った「castra」が3位に

決勝進出の2チームが決まった後で行われたのが、「ぴーす×くまさん」と「castra」による3位決定戦だ。序盤はどちらも中央にはいかず左右に分かれるという、ミラーマッチのような展開で始まる。

大きな得点差は生まれないまま、最初のボスモンスターが出現。こちらは「ぴーす×くまさん」が討伐に成功。ボスのバフをゲットしたことで、ややリードを広げていく。

得点差は300ポイントほど開くも、「castra」側が聖物を3ヵ所抑えたことにより、徐々に得点差も縮めていった

それに加えて、「castra」側が2体目のボスモンスターを倒すことに成功。これにより、ポイント面でも逆転することに成功している。これで勢いに乗った「castra」が、そのまま1本目を勝ち取っていた。

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2本目は、「ぴーす×くまさん」がポイントをややリードした状態で最初のボスモンスターが出現。中央を「ぴーす×くまさん」側が抑えた状態。

「castra」側が方向から攻め入るというスタイルであったが、「ぴーす×くまさん」がボス討伐に成功する。しかし、聖物を抑えている数は「castra」側の方が多かったということもあり、ポイントでは逆転を許してしまうという場面もあった。

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2体目のボスモンスターを倒す前には200ポイントほど「ぴーす×くまさん」がリードしていたが、「castra」がボスを倒すことに成功。そちらに合わせて聖物も3つ抑えていたこともあり、どんどんポイントを稼いでいき、そのまま「castra」が勝利を収め3位が決定した。

海外開発ディレクターのキム・ドヒョン氏から1周年を記念したプレゼントが発表!

決勝戦が行われる前に、海外開発ディレクターのキム・ドヒョン氏が登壇。日本でのサービス開始時に約束していたGvG大会が開催できたことに感謝を述べた後で、大会に関する改善事項を検討中であるということを明かした。

「聖物占領戦」の新たなルールや面白い要素を追加するなど、様々な要素を現在検討しており、そちらを盛り込んだ状態で2回目の大会開催を検討中であると明かした。

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海外開発ディレクターのキム・ドヒョン氏。

先日の放送でも発表されたが、日本サーバーの開始から1周年を記念して、アップデートも準備されている。こちらには、多くのユーザーから待ち望まれていた、新クラス「御剣」の実装や、最大1000人まで参加可能なバトロワ形式の新たなコンテンツである「生存の戦場」が実装される予定だ。

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さらに、このまま手ぶらでは帰ることはできないということで、キム氏からプレゼントが用意されていることも発表された。

こちらは、4月23日に行われるアップデート後にゲーム内のメールで配布が行われる。また、ブーストサーバーをより楽しんでもらえるように、攻城戦でジェムを追加するイベントも予定されているそうなので、そちらにも期待しよう。

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決勝戦も劇的な逆転や3戦目に突入など熱いバトルが展開!

残るは「とりあえずギルド」と「OZ」による決勝戦のみ。それぞれ対戦前に、「OZ」と「とりあえずギルド」の頭文字を取った「TG」というひと文字を作るなどアピールを行うといった場面もあった。

序盤、大きな得点差はないものの、「OZ」のキルログが流れていく。聖物0-3で「OZ」がリードした状態で抑えていたことにより、ポイントは100点ほどリードする。

そのまま最初のボスモンスターに突入し、ボスを倒すことにも成功。その後も聖物1-3と抑えていたということもあり、800点以上のポイント差が開いた圧倒的な状態で「OZ」が大きくリードを広げていく

しかし、2体目のボスモンスターを「とりあえずギルド」が倒したことから流れが一気に逆転し、同チームのポイントがどんどん増加していく。一時は800ポイントも差があったが、なんと「とりあえずギルド」が逆転することに成功する。ラストは、わずかながらリードしていた「とりあえずギルド」が先に2500ポイントを獲得し勝利を決めていた。

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2本目は、先ほどの試合の流れのまま「とりあえずギルド」が勝ちきるのかと思いきや、ここで「OZ」が意地を見せて勝利をもぎ取る。これにより1対1の状態になり、初戦に続きこの日2回目の3本目の突入となった。そして次の3本目が、泣いても笑ってもこの日最後の試合となる。

序盤は大きな得点差はなく五分の状態で試合が進んでいく。ゲームが大きく動いたのは、最初のボスモンスター出現のタイミングだった。

ボスを待ち受けるために、出現場所である中央に集まっている「OZ」に対して、4ヵ所の通路から挟み打つ形で「とりあえずギルド」が流れ込んでくる。だが、ここでは「OZ」がボスを倒すことに成功し、徐々に得点差をどんどん伸ばしていく。

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すっかり波に乗った「OZ」がボスのバフを持った状態で聖物を4つ抑えるという場面もあり、2000ポイントを先に超える。この時点で「とりあえずギルド」との得点差は1000ポイントほどとになり、圧倒的に有利な状態を作っていた。結局最後までその勢いは衰えず、見事「OZ」が勝利。今大会の優勝を決めていた。

優勝を決めた「OZ」のギルドマスターであるS嶋氏は感想を聞かれて、「めちゃくちゃ怖かった」と素直な感想を述べていた。これは実際にゲームをプレイしていないとわからない部分ではあるが、1本目を先に取られていたということに加えて、2本目の2体目のボスモンスターが取られそうだと感じたからであった。

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このときは状態異常が入っており、殴れていない見方も多かったことから、実は「とりあえずギルド」に取られる確率が高かったのだという。そこで勝ち取ったことで運が傾き、それによって最終的に優勝をつかみ取ることができたのだ。

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見事優勝した「OZ」。

1位ギルドマスターの報酬として、クリスタルの優勝記念トロフィーを受け取ったS嶋氏。個人としてはめちゃくちゃMMOが好きで、特にGvGや大会も大好きだったものの、立場的に自ら参加できる機会があまりなかった。そこでエヴァンジエリストの反王ケンラウヘル氏が「僕が解説やりますよ。S嶋さん出ましょうよ。交互にやったらいいじゃないですか?」といってくれたことで、大会に参加できただけではなく優勝を決めることができ感謝していると述べていた。

こちらのセリフを聞いた反王ケンラウヘル氏や、日本運営担当のそめや氏の目からの涙が溢れているなど、感動的な場面でイベントが締めくくられた。

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先ほどキム氏からもアナウンスがあったが、2回目の開催に向けて開発側でもいろいろな調整が行われているところだ。本作のプレイヤーの方は次回の大会開催に挑戦してみるのもオススメだ。

ライター
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。

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